SORACOM Discovery2019 F4 インフラ x IoT：デジタライゼーションにおける社会インフラの未来（２）

© Hitachi, Ltd. 2019. All rights reserved.
株式会社日立製作所
サービスプラットフォーム事業本部
アプリケーションクラウドサービス事業部
運用マネジメント本部
2019/7/2
柴田幸祐
IoTで変わる社会インフラ保守
SORACOM Discovery 2019
特別企画インフラ×IoT: デジタライゼーションにおける社会インフラの未来

1© Hitachi, Ltd. 2019. All rights reserved.
柴田幸祐
しばたこうすけ
2005年に日立製作所に入社以来、
統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」の開発に従事
近年は、JP1の知見を生かしたIoT向けの新ビジネス検討、
新商品開発を担当
自己紹介

社会インフラの現状
現状
社会インフラの
現状

社会インフラの直面する課題
熟練作業員の不足と
高齢化が進行
社会インフラ設備の老朽化が進行
道路橋りょうトンネル
水道管
発電設備
変電・送電設備工場設備
◆ 高度成長期に整備された社会インフラ設備の老朽化
（道路、橋、水道管などの構造物、発電・変電所、工場などの現場設備、いずれも）
◆ 設備を保守する熟練作業員の人員不足と高齢化

設備の老朽化、事故の増加
危険物施設における火災・流出事故発生件数及び危険物施設数の推移
平成30年の危険物施設における総事故発生件数は、平成6年比で約2倍に増加。
そのうち、物的要因による流出事故の約8割が、腐食疲労等劣化と破損によるもの。
平成30年中の危険物施設における流出事故の発生要因
[出典] 総務省消防庁平成30年中の危険物に係る事故の概要の公表(令和元年5月27日)
https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/190527_kiho02.pdf

3.6
7.1 7.1
10.7
14.3
17.9
14.3
10.7
7.1
3.6
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
16.0
18.0
20.0
２
０
～
２
４
歳
２
５
～
２
９
歳
３
０
～
３
４
歳
３
５
～
３
９
歳
４
０
～
４
４
歳
４
５
～
４
９
歳
５
０
～
５
４
歳
５
５
～
５
９
歳
６
０
～
６
４
歳
６
５
歳
以
上
年齢階級、産業別就業者数(構成比) 電気・ガス・熱供給・水道業
保守員、作業員の高齢化や人材確保難
50歳以上が
約36％
熟練作業員が
定年退職(減少)
設備保守の現場では、今後10年以内に就業者全体の3分の1が定年を迎える。
[出典] 総務省統計局平成30年労働力調査年報より作成
http://www.stat.go.jp/data/roudou/report/2018/index.html

社会インフラ保守に対する日立グループの取り組み
上水・下水管ガス導管発電・送電設備
自治体ガス事業者製造業電力事業者
IoTの活用データ分析
工場設備
◆ 社会インフラ保守へのIoTの活用、データ分析技術の適用
◆ 老朽化が進み、保守員が不足するインフラ設備の継続的な状態監視、
保守の高度化、効率化、事故の抑止と、災害時におけるインフラの早期復旧を支援
社会インフラ事業者

社会インフラ保守に対する日立グループの取り組み
IoTによるデジタライゼーションは、Sense→Think→Actのサイクルで実現
Sense、その中でも環境データの収集・活用について、日立グループの取り組み事例をご紹介
OT: Operational Technology
ＩＴ
ＯＴ
IoTによるデジタライゼーション
Sense
Machine Data Environment Data
制御システムで使われているデータこれまで取得できていなかったデータ
発電・電力
制御システム
鉄道
制御システム
水制御
システム
鉄鋼・
一般産業
制御システム
アナログ計器音・振動
作業員動態
Think
ActSense

水道管などの構造物のケース
道路、橋、水道管などの
構造物のケース構造物のケース

道路、橋、水道管などの構造物のケース
道路橋りょう
トンネル
水道管
発電設備

水道管の例：漏水調査
現場下見
漏水調査漏水確定調査
計画立案
人が音聴棒で調査
水道管
地下漏水
漏水の
イメージ
地上漏水
地面
従来の
漏水調査
•熟練者の
ノウハウに依存
•熟練作業員の
人員不足・高齢化
•3-5年に一度の
点検間隔
•インフラ老朽化
進行
漏水による事故発生
・道路陥没
・他インフラ管損傷
定期的な
点検・調査が必要
ボーリング調査をおこない
漏水位置を確定
音聴棒

IoTで既存構造物の状態を常時監視
水道管
無線基地局
IoT通信
漏水のセンシング
ハンドホール
水道管
監視プラットフォーム
•IoTセンサとIoT通信による
デジタル化、常時監視
•超高感度の振動センサと
漏水検知アルゴリズムに
より高精度で漏水を検知
•センサ設置により、調査
個所を絞り込み、作業効
率が16倍向上*
*当社試算結果: 熟練者による全面漏水調査からセンサ活用により調査箇所の絞り込みをおこなった場合の作業効率の向上度合いを算出
IoTセンサを後付けして既存構造物の状態を高精度に常時監視
漏水検知センサ

超高感度振動センサ(MEMS)と漏水検知アルゴリズム

超高感度振動センサ
(MEMS)
試作ボード（部分）
MEMS
検出
回路
(IC)
制御
回路
(IC)
自社開発の
MEMSセンサ
低消費電力、高感度
の実現
MEMS: Micro Electro Mechanical Systems 14© Hitachi, Ltd. 2019. All rights reserved.

超高感度振動センサ
(MEMS)
試作ボード（部分）
MEMS
検出
回路
(IC)
制御
回路
(IC)
漏水検知アルゴリズム
自動車、
人の往来など
非連続な振動
1s
4s
1 2 3 4 5 6Hz
時間(s)
dB
連続的な振動
1s
4s
1 2 3 4 5 6
時間(s)
dB
Hz
漏水
自社開発の
MEMSセンサ
低消費電力、高感度
の実現
漏水特有の振動を検出
MEMS: Micro Electro Mechanical Systems 15© Hitachi, Ltd. 2019. All rights reserved.

水道管への設置とモニタリング
制水弁への
設置イメージ
水道管（制水弁）に後付けで設置状態モニタリング
監視画面(例)
漏水発生数
選択したセンサ
の情報を表示
漏水検知
したセンサ
漏水確率の推移
制水弁へ取り付けたセンサ
センサ設置作業

発電・変電設備、工場などの現場設備のケース
発電・変電設備、工場などの
現場設備のケース現場設備のケース

道路橋りょう
トンネル
水道管
発電設備

工場の例：巡回点検
発電・変電設備、工場などの現場設備の点検
→定期的に設備を巡回し、主機のメーター等の指示値を確認し、異常がないかを点検
現場にはアナログ計器が多いため
保守員による目視点検が中心
点検頻度を上げたいが、
コスト増大と高齢化による保守員の減少が課題シリカゲル回転計液面計
アナログ式
メーター
保守員による
目視点検
点検対象と環境の例
（受変電設備）

IT部門の想像とは異なる現場の事情
現場設備
（工場、発電所、ビル設備等）
設備管理部署
最新式メーターに
取り替えて
遠隔監視を実現遠隔監視
ＩＴ部門が
想像する
DXのイメージ
21© Hitachi, Ltd. 2019. All rights reserved.DX: Digital Transformation

現場設備
設備管理部署
遠隔監視
最新式メーターに必要な
「電源」も「通信ネットワーク」も
確保できない
設備は止められず
メーターも交換できない
最新式メーターに
取り替えて
遠隔監視を実現

現場設備
設備管理部署
既存のアナログ
メーターを電池駆動の
カメラで読み取り
無線でデータを収集
遠隔監視
現実的な
ＤＸ

IoTで既存設備のデータをデジタル化
レトロフィットIoTで既存設備のアナログデータをデジタル化
*1 100台は無線センサと無線中継装置の合計数です。
*2 IP65: 国際規格(IEC60529)で規定された防水・防じん性能。本装置は防爆非対応のため、爆発性ガスが発生するような箇所への設置はできません。
*3 無線センサにおいて、標準的な使用方法として1日1回計測した場合。
確認・分析
お客さま端末
収集
データ
クラウドなど
メインモジュール(IP65*2)
カメラモジュール(IP65*2)
無線センサ(電池駆動)
お客さまの設備に設置
(屋内外・電源不要)
既存設備を停止することなく
後付けが容易
無線マネージャー
無線マネージャー1台あたり
100台の無線センサを接続可能*1
建屋内に設置
(屋内・電源要)
電源線・通信線の配線工事不要
電池だけで長期間(3年間*3)稼働

後付け可能なカメラセンサと徹底した省電力設計
●IP65の防水・防じん対応のため
屋外にも設置可能
●電池駆動、無線通信のため
電源線、通信線の配線工事不要
●エッジでの画像解析による
通信データ軽量化
●回路ブロック毎に電源系を分割
ノーマリオフによる待機電力削減
設備停止なしで後付けできるカメラセンサ徹底した省電力設計

丸型メーター設置例
盤内メーター設置例
見える化画面例
設置例と見える化

JP1のIoTに向けた取り組み
JP1の
IoTに向けた取り組みIoTに向けた取り組み

SORACOMでIoTをもっと安全・安心・簡単に
IoTデバイスを後付け
ネットワークがない個所に設置
SORACOM通信
(SORACOM Air)
省電力、軽量な
IoTデバイス実装
SORACOMプラットフォーム
(SORACOM Beam、Funnel 等)
• 簡単に、安価に始められる、IoTに適した提供形態
• デバイス側実装が簡単になり、開発期間の短縮、処理の軽量化につながる
• 処理の軽量化により、消費電力の抑制が可能
SORACOMを活用することでIoTはもっと身近になる。
JP1は、SORACOMと連携して、IoTによるスマートな社会の実現に貢献していきます。

デバイス管理でIoTをもっと安心・安全・高度に
デバイス管理
パラメータ
チューニング
ロジックのパラメータ
チューニングで設置環境
の変化への対応や誤認識
の是正ができます。
新
アルゴリズム
蓄積したデータを分析して
開発したアルゴリズムを配
布すれば、分析の精度を
向上できます。
IoTはいったんシステムを構築して終わりではない。
IoTデバイスの適切な管理、インテリジェンス、セキュリティの継続的アップデートが必須。
どこに、どのようなIoTデバ
イスがあるのか、稼働状態
はどうなのかを一元管理
することで、サービスを安
定稼働できます。
デバイス情報の
収集・一元管理セキュリティ問題や、ロジッ
クの不具合を迅速に改修
することが、サービス品質
維持につながります。
修正
プログラム

JP1 for IoT - デバイス管理のご紹介
IoTデバイスの設置場所や稼働状態を
ふかん的に可視化
セキュリティ対策
状態管理・構成管理
SORACOMなどのIoTプラットフォーム*アップデートの
一括実行
不具合発生の
自動通知
*IoTプラットフォーム： SORACOM Inventory、AWS IoT、Hitachi Data Hub 等
JP1は、SORACOMと連携して、IoTの活用を支えるデバイス管理を提供。
スマートな社会の実現に向けた、今後のJP1とSORACOMの連携にご期待ください。

IoTで変わる社会インフラ保守
株式会社日立製作所
サービスプラットフォーム事業本部
アプリケーションクラウドサービス事業部
運用マネジメント本部
2019/7/2
柴田幸祐

商品名、商標等の引用に関する表示
• SORACOM、SORACOM Air、SORACOM Beam、SORACOM Funnel、SORACOM Inventory
は、株式会社ソラコムの登録商標または商標です。
• Amazon Web Services、AWSは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連
会社の商標です。
• その他記載の会社名、製品名などは、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
• 仕様は、改良のため予告なく変更することがあります。

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