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概念モデルを精査する
• 現象学
• 圏論
• 言語哲学
Knowledge & Experience
代表 太田 寛
https://www.kae-made.jp
X(旧Twitter): 1
Date: 2023/12/13
Version: 1.1.0
アジェンダ
• モチベーション
• 現象学的考察
• 圏論的考察
• 言語哲学的考察
• 考察全般を通じて
2
モチベーション
3
AI、IoT、Digital Twins もすべてはデータモデルから
モデル駆動型開発の基本
Zinovy Diskin et.al の論文
“Category Theory and Model-Driven Engineering: From Formal Semantics to
Design Patterns and Beyond”
より
Digital Twins:
現実世界のモノ・コト等を、データ化して、デジタル空間上に
再現する為のテクノロジーセット
IoT :
現実世界のモノ・コトの状態(データ)をデータ空間上に収集する、
あるいは、状態(データ)を変えるためのテクノロジーセット
DX(Digital Transformation):
デジタルテクノロジーを使用して、ビジネスプロセス・文化・
顧客体験を新たに想像して、変わり続けるビジネスや市場の要
求を満たすプロセス ※ Wikipedia より
技術的基盤
技術的基盤
現実世界における“やりたい事”のモデル
たった一個のモノ(Identity)とたった一個の特徴値しかないなら簡単だけど…
現実は複雑怪奇で果てしない。視点ごとに複数の見方(ドメイン)があるし…
モデルは圏?で、ドメインは圏の圏?で変換によるコード生成は関手圏か?
多分、視点(ドメイン)毎のモデルはモノイドで、
対応付けは関手の圏で表す自然変換なんだろうな…
↤ “対応付け”
Open AI
↤ “対応付け”
ソフトウェア・システム開発の必須事項
• 開発対象の現実世界を理解する事
• 理解した内容を記述し、関係者の間で共有する事
現実世界を記述する為の記法が必要
その手段としての“概念モデリング”
“概念モデリング”とは
ベースとして “Shlaer – Mellor Method”
“長くて豊富な経験の元に Refined and Redefinition”
“手法の拡張” :“リアルタイム & 組込システム”だけでなく
“一般的なビジネスシステム開発”・“問題解決”にも適用可能
現在は、”eXecutable & Translatable UML” と呼ぶ
概念モデリング(xtUML)概要
ドメイン分割
概念情報モデル
状態モデル、アクション記述
⇔概念モデルで規定される現実世界
概念モデル
変換による実装
“現実世界” ⇔ “概念モデル”?
現実世界をモデル化する
現実世界の対象を
“概念モデリング”で正しくモデル化
(記述)できるのか?
1. 現実という“客観”の世界と人間の“主観”を通じて認識した世界は
一致するか
2. 一致するとして、その記述方法として“概念モデリング”は適切か
現象学的考察
9
“現象学”による回答 ⇒ そもそも“認識”とは
https://note.com/kae_made/n/n7ba632d9555e?magazine_key=m12bb08458a18
「現象学的還元」
我々が「身体」を動かすという体験、あるいはまた「身体」で様々な事物を感じるという体験を、「意識」に
生じている事柄として適切に記述できれば、それが、「身体」体験の「現象学的還元」となる
身体を動かすというような体験を適切に記述する
ことはそもそも不可能
概念的な事態ではなく、感性的な事態だから。
表象様式は無限だから
1. コギタチオ(意識体験)
• コギターツム(意識を向けている対象そのもの)という構造がある
• 現に知覚しているのはつねに一部、だがそれを通して全体対象を志向的に体験しているという事
2. 「中心対象」と「背景野」という構造がある
• メルロー=ポンティ的には、「地と図」
3. 注意、配置という主体的な中心点がある
どういう事?
”今目の前にリンゴが存在しているので、赤くて、丸くて、
つやつやした様子が私に見える”
”いま私に赤くて、丸くて、つやつやした様子が見えてい
る、だから私は目の前にリンゴが実在しているという確
信を持つのだ”
現象学前
現象学
人間の世界を事実としての世界としてではなく、「関係の世界」、すなわちたえず「意味」と
「価値」の連環として編み変えられている「関係の世界」として捉える事、これが「世界」を
「本質」として捉える視点の核心
概念モデリングで現実世界の本質をとらえる
• 概念モデリングの道具立て
• 背景野としての主題領域 ⇒ ドメイン
• 個別の特性を表す値のフォルダー ⇒ 特徴値(Property、Attribute)
• 特徴値の値の意味の定義 ⇒ データ型
• 特徴値を束ねた対象の分類 ⇒ 概念クラス
• 対象間の意味と多重度の定義 ⇒ Relationship
対象世界を記述する為の必要最低限を満たす
モデルのみの正しさを問う事は、本来無意味
「知覚」という体験の共通項を取り出す作業が、知覚の現象学的還元であ
り、「意識体験の本質」あるいは「意識のア・プリオリ」を把握するとは、
すなわちそういうこと
正しい世界像が存在するという想定を一旦破棄する ‐ エポケー(括弧入
れ)
• モデル化する事=現実世界を記述する事であり、他者の主観的世界観との共通項
を括りだすための手段になりうる⇒むしろ何らかのモデル化技法は必須
• 出来上がったモデルが正しいかどうかを問う事は無意味であり、そのモデルに関
わる人(モデル化対象の世界に参加している人達)が同意するか否かが重要
• モデルは、モデル作成者がモデル化対象の世界に対して抱いている確信が何故成
立するのかを説明する為の、条件と構造の記述である
言葉とは?
• 概念モデル:={概念クラス、特徴値、データ型、Relationship}
• 図と言葉で定義する
• ポストモダンの言語哲学での言葉遊び的な矛盾の数々
“すべてのクレタ人は嘘つきだ”とクレタ人が言った
そんなあやふやな“言葉”という道具を使って大丈夫なのか?
どれほど単純に見える言語行為でも、必ず「一般意
味」を利用して、その都度の各自的な「意」の投げ
かけあい(関係企投)を行っているといえる。
この様に語の「一般意味」と、言語の「企投的意
味」は違った本質を持っている
この実存的企投に発する他者との世界了解の共有(分
有)ということが、発語する事の基本的「動機」であり、
またそれが、「現実言語」の「企投的意味」の本質です。
更にこの様な関係行為としての言語による「企投的意
味」の集合的な痕跡(積み重なり)として、言語の「一
般意味」(辞書的意味)が成り立っている
あれ?これ LLM の基本じゃん!
再び、概念モデル
• 概念モデル =「一般意味」の単語を組織化
• 特徴値を束ねて、概念クラスを定義
• Relationship で、概念クラス間の関係を意味付ける
⇒ これらにより、「企投的意味」が補強される
⇒ ドメインは、データ型、特徴値、概念クラス、Relationship の集まり
で詳細化されたもの = 背景野
一致するとして、その記述方法として”概念モデリング”は適切なのか
第二の問への解
Yes と言ってもいいでしょう
データは単体で存在しない
• 温度
• 何の?
• 部屋の
• その部屋を記述するほかのデータは?
• 部屋の名前とか?湿度とか?
• ⇒部屋というクラス:={部屋の名前、温度、湿度}
• 部屋に関係するほかのモノとかは?
• そこにいる人とか?その部屋の建物とか?
• ⇒ほかのクラス群とクラス間の Relationshipがあるよね
• ⇒クラス群、Relationship群はドメインにおいて意味が確定
圏論的考察
17
圏論(Category Theory)
• 数学の一分野
• 集合論、線形代数等、数学の基礎の再定義でよく使われる
18
詳細は
https://note.com/kae_made/m/m12bb08458a18
現実世界を記述するモデルとは ~ 圏として考える
19
現実世界に散らばる
様々な何か
抽出
1対1対応
• “現実世界に散らばる様々な何か”は、それぞれを区別できる
• 現実世界とモデルの世界は双方向で1対1対応をなす
• “現実世界の何か”に相当する“もの”が“モデル世界”にただ一つだけある
• “モデル世界”の“もの”に相当する“何か”が、“現実世界”にただ一つだけある
現実世界 モデル化された世界
圏 圏
現実世界のモデル化
現実世界に散らばる
様々な何か
抽出
• “現実世界に散らばる様々な何か”は、それぞれを区別できる
• 現実世界とモデルの世界は双方向で1対1対応をなす
• “現実世界の何か”に相当する“もの”が“モデル世界”にただ一つだけある
• “モデル世界”の“もの”に相当する“何か”が、“現実世界”にただ一つだけある
現実世界 モデル化された世界
20
1対1対応
(自然同値)
“現実世界の何か” ‐“概念インスタンス”
抽出
1対1対応
現実世界 モデル化された世界
家
部屋
電気スタンド
トラック
ビル
倉庫
店舗売上
太陽光発電パネル
EV
契約
収穫
変電所
ソファー
• “現実世界に散らばる様々な何か”の一つ目は、それぞれを区別できる“もの”
• 実際に触って確認できる出来ないにかかわらず、存在が認識されるもの
• この“もの”の事を“概念インスタンス”と呼ぶ
現実世界に散らばる
様々な何か
21
“現実世界の何か” ‐“値を持った特徴値”と“データ型”
抽出
1対1対応
• “現実世界に散らばる様々な何か”は、それぞれを区別できる“値を持った特徴値”
• “値を持った特徴値”は、どれかただ一つだけの“概念インスタンス”に紐づく
• “値を持った特徴値”は現実世界において、各時点で確定した値を持っている
• “値”は、現実世界の文脈に則った単位や意味に従い、それを“データ型”と呼ぶ
現実世界 モデル化された世界
山形県山形市…:住所
21.7℃:温度
(36.70,140.24):位置
3人:稼働人数
東京都港区港南…:住所
良:作柄
3.1kw/h:発電量
24.5km/h:速さ
120万円:売上
12000 Lux:明るさ
現実世界に散らばる
様々な何か
22
“現実世界の何か” ‐“リンク”
抽出
1対1対応
• “現実世界に散らばる様々な何か”は、対象世界の意味に基づいて関係を持っている
• “対象世界の関係”を、2つの“概念インスタンス”の間に張られた“リンク”と呼ぶ
• 2つの“概念インスタンス”の組の間に、現実世界において意味の異なる複数の
“リンク”が存在する場合もある
現実世界 モデル化された世界
家と部屋の位置関係
トラックの目的地
賃貸契約と契約者
トラックの配送ルート
現実世界に散らばる
様々な何か
23
“現実世界の何か” ‐“事象”
抽出
1対1対応
• “現実世界に散らばる様々な何か”は、任意の時点で発生する“出来事”として識別される
• 現実世界の“出来事”は、“きっかけ”と、それを起点として“変化”が生じる
• モデルの世界では、“きっかけ”を“事象(Event)”と呼ぶ
• 現実世界の変化は、概念インスタンス、値、リンクの変化で表される
• 一連の変化の流れを、“アクション”と呼ぶ
現実世界 モデル化された世界
積込み完了
アクシデント発生
コネクタ接続
収穫完了
現実世界に散らばる
様々な何か
24
まとめ ‐現実世界のモデル
抽出
1対1対応
(自然同値)
現実世界 モデル化された世界
現実世界に散らばる
様々な何か
• 概念インスタンス
• 値を持った特徴値
• データ型
• リンク
• 事象
25
圏
圏 (モデル一般)
⇒ 圏 (概念モデリング)
• “現実世界に散らばる様々な何か”は、それぞれを区別できる
• 現実世界とモデルの世界は双方向で1対1対応をなす
• “現実世界の何か”に相当する“もの”が“モデル世界”にただ一つだけある
• “モデル世界”の“もの”に相当する“何か”が、“現実世界”にただ一つだけある
• 自然同値なので、モデル上で成り立つことは現実世界でも成り立つ
まとめ ‐現実世界のモデル
26
現実世界(ドメイン)
• 概念インスタンスと特徴値の値
• 事象と状態モデル
• 概念インスタンス間のリンク
• データ型
それぞれの“モノ”
それぞれの“コト”
それぞれの“役割”
それぞれの“単位”
1対1対応
• 概念クラスと特徴値
• 関係:Relationship
• 概念クラスの状態モデル
• データ型
圏
モデル化された世界
圏 に対するスキーマ圏
圏 の存在を規定するスキーマ圏
圏
圏
• 店舗ごとに異なる
• 時間と共に変化する
• 店舗ごとのモデル図作成
• 変化に追従してモデル図変更発生
圏 のモデル ~ 商品販売を例に
購入
購入
購入
購入
購入
現実の対象世界
藤間幸三郎:顧客名
tom@xxx.yy:連絡用メールアドレス
東京都…:住所
03-…:電話番号
桐野瞳子:顧客名
toko@xxx.yy:連絡用メールアドレス
東京都…:住所
03-…:電話番号
HB鉛筆:商品名
茜色:色
10円:価格
・・・
H鉛筆:商品名
鉛丹:色
12円:価格
・・・
A4ノート:商品名
瓶覗:色
120円:価格
・・・
B5ノート:商品名
浅葱:色
110円:価格
・・・
5ミリ方眼紙ノート:商品名
露草色:色
110円:価格
・・・
A4バインダー:商品名
浅紫:色
210円:価格
・・・
(概念インスタンス図の例)
文具ショップABC:店舗名
モデル化された世界
1対1対応
27
“1対1”のモデルから“分類のモデル”へ
現実世界と1対1対応のモデル 分類のモデル
• 概念インスタンス群
• 値を持った特徴値群
• リンク群
• データ型群
• 事象(Event Instance)群
• 概念クラス
• 同じ意味でかつ、同じ特徴値の組を持つものに分類
• 関係(Relationship)
• 同じ意味でかつ、両端が同じ概念クラスの組を
紐づけるものに分類
• データ型
• 同じ意味を持つものに分類
• 事象(Event)
• 同じ意味、同じデータの組を伴うものに分類
存在の在り様を規定
• 現実世界の様々な状況を包含
• 時間経過の変化の影響なし ⇒ 安定したモデル
概念クラス、関係(Relationship)、データ型で記述されたモデル = “概念情報モデル”
28
概念情報モデルの例
顧客
• 顧客ID{I}
• 顧客名
• 住所
• 連絡用メールアドレス
• 店舗ID{R1}
店舗
• 店舗ID{I}
• 店舗名
R1
1
* 会員
登録されている
商品
• 商品ID{I}
• 商品名
• 商品コード
• 色
• 単価
• 店舗ID{R2}
R2
1
1..*
売り場
販売対象
0..1 R3 *
購入対象
購入者
購入
• 顧客ID{I,R3}
• 商品ID{I,R3}
• 購入日時
(概念情報モデル図の例)
世界の在り様を記述
現実の対象世界
モデル化された概念インスタンス・リンクの世界
モデル化された世界を規定するスキーマの世界
29
概念情報モデル ~ 概念モデリングの中心
30
現実世界(ドメイン)
• 概念インスタンスと特徴値の値
• 事象と状態モデル
• 概念インスタンス間のリンク
• データ型
それぞれの“モノ”
それぞれの“コト”
それぞれの“役割”
それぞれの“単位”
1対1対応
• 概念クラスと特徴値
• 関係:Relationship
• 概念クラスの状態モデル
• データ型
圏
モデル化された世界
圏 に対するスキーマ圏
圏 の存在を規定するスキーマ圏
圏
圏
現実世界のダイナミクスをモデル化する
31
時間経過
時間経過
時間経過
ある時点のスナップショットに対する連続した認識
各時点のおける局所的なスナップショットに対する認識
• もの・役割の時系列的同一性
• 事象発生に対する状態変化
• 全体の状態は共有
時間経過
現実世界
時間経過
現実世界のダイナミクスとのモデルの1対1対応性
32
1
確定した状態1
状態1 状態2 状態3
時間経過
• それぞれのスナップショットの状態は、概念インスタンス、
特徴値の値、リンクで記述される
• 局所的な状態を、概念インスタンスの状態として紐づける
現実世界
遷移 遷移
1 5
時間経過
2
確定した状態2
確定した状態3
状態変化を引き起こす
一連のデータ変換活動と、
それを構成する処理群
実行中のアクション 実行中のアクション
1対1対応
←実行中のプロセス群→
存在と振舞を規定するスキーマ
モデル化された世界
• 概念クラスに紐づいた状態モデル
• 状態に紐づいたアクション *
• アクションのデータフローを構成する基本プロセス
同一の概念インスタンス
ダイナミクスも含めた存在の在り様を規定
中間状態
現実世界における中間状態の意味
33
注文された商品の
単価は328円で、
個数は27
現実世界の1シーン • 注文書作成中の数字は未確定
• 半端な状態を元に作業を進めると破綻
• 現実世界では普通に発生しうる
• 状態モデルの中間状態に合致
• 半端な状態は、現実世界においても、
モデルの世界においても排除が必要
• 状態モデルを適切に記述すること
• 複数の状態機械間の事象の送受信
※ 現実世界においても認識が確定していない
状態モデル再考
• 状態モデルの“状態”は、概念クラスの内部状態ではない
• 事象の発生をきっかけにした状態変化を概念クラスに紐づけている
• 事象を概念クラスに紐づけることによる論理的帰結
• 状態変化を起こす実行プロセスは、概念クラスとは本質的には無関係
• 実行プロセスの操作対象は広範囲に及ぶ
• オブジェクト指向プログラミングのカプセル化とは無関係
• アクション記述を状態の遷移確定前に紐づけることの妥当性
• “実行プロセスの雛形となるアクション記述が同じなものを、状態とし
て定義している”と考えるのが自然だろう
• 妥当なアクション記述
• Object Action Language を何とかしないとね。
• 用語の更改
• Super-Sub Relationship の考え方
• While Loop のデータフロー観点からの見直し
34
実行セマンティクス ~ 圏として定義可能
• 状態モデル、アクションの記述を実際に動かした時の決まり事
• 現実世界におけるものごとのダイナミクスを元に決められている
• “実行セマンティクス”が定義されている事により、誰でも同じルールに従った
モデル実行が可能になる
• モデル上の実行結果は、現実世界のダイナミクスに一致する
35
時間経過に伴う
様々な何かの
状態変化
1対1対応
スキーマとしての
• 概念情報モデル
• 状態モデル
• アクション記述
• 事象
• 状態
• 状態遷移中のアクション実行
• アクション内の実行中プロセス
圏
圏論による概念モデルの見直し ~ まとめ ~
• それぞれの道具立ては圏とし
て定義可能(だろう)
• 概念情報モデル
• 概念インスタンスと概念クラス
• 概念クラスと特徴値
• 特徴値とデータ型
• 関係(Relationship)
• 状態モデル
• 状態遷移図
• 状態遷移表
• 実行セマンティクス
• アクション記述
• データフロー図
• 個々のアクション要素
• データフロー的アクション記述
• 実行セマンティクス
36
“As-Is”のモデルと“To-Be”のモデル
現実世界に間違いがある場合…
不具合を抱えた
概念モデル
(As-Is)
ポンコツなソフトウェア
シミュレーションによる
不具合発見
理想的な概念モデル
(To-Be)
シミュレーションによる検証
素敵なソフトウェア
問題解決
再変換(変換ルールは同一)
37
変換
圏論から見た、ドメイン分割
38
同じドメインならば、識別可能な同じ意味に基づいた概念
インスタンス間のリンクは唯一つだけしか存在しない
異なるドメインの場合は、識別可能な同じ意味に
基づいた概念インスタンス間のリンクは複数存在
する
=実現手段は複数存在することと同義
言語哲学的考察
フレーゲ、ラッセル、ウィットゲンシュタインから
39
ウィットゲンシュタイン(フレーゲ、ラッセル)による言語哲学
• 現象学とは矛盾しない
• 論理哲学論考の冒頭
• 世界は成立していることがらの総体である
• 世界は事実の総体であり、ものの総体ではない
40
銘記されるべきは、完全な文の全体
そこにおいてのみ、語は本来の意味をもつ。そのさいときおり心の中に思い浮かぶイメージは、必ず
しも判断の論理的構成要素に対応しているとは限らない。文が全体として意義を持つならば十分なの
であり、それによって文の部分も内容を得るのである。
文脈原理
文の意味と関係においてのみ語の意味はきまる。
文を構成する語の意味が先に決まっていると考えるのは間違い ※
人間の思考は、言葉が思考を成立させるのであって、言語以前の思考とういう考えには意
味がない
文の意味 ~ 述語を関数として捉える
41
言葉の意味とは ~ 世界との関係で捉える
• 指示という関係 ⇒ ×
• 真偽という関係 ⇒ 〇
文はある事実のもとで真偽になる = 文の意味
• 文が無意味
• 文が有意味
• 現実の世界にあっている ⇒ 真
• 現実の世界にあっていない ⇒ 偽
記述理論
確定記述を用いた文は、命題関数を用いて、その命題関数に当てはまるものがただ一つ存在すること
を主張する文に読み替えることができる
概念モデルの道具立てについて
• “概念情報モデル”で記述する、概念クラス、特徴値、Relationship は、
“語”を使って記述する
• “概念情報モデル”は、概念インスタンスとリンクの在り様(=現実世界の
在り様)を規定する
42
• “概念情報モデルの道具立て”は、確定記述が可能な通常の言語と同等の能
力を有する
• 概念情報モデルをスキーマとした圏 のモデルは、命題を構成可能
• 構成された命題は、有意味でかつ真でなければならない
命題の例
43
a
• 26.7℃:t
• 2023/12/2:d
A
• t:centigrade
• d:date
概念インスタンスと概念クラス
• a は A である
• A は、t と d で特徴付けられる
• t は、centigrade の意味と値域に従う
• A である a の t は、26.7℃である
• …
A B
mn1 mn2
1 *
a
R1
b1
b2
r1:R1
r2:R1
• a は b1 の mn2 である
• b1 は a の mn1 である
• b2 は mn1 である a を必ず一つ持つ
• a は mn2 である B のインスタンスを複数持てる
• …
P
C
D
• p は c か d のどちらかである
• c は p である
• …
クリティカルシンキングの道具として最適なのではないか
全体論的言語観
44
論理空間
思考可能なものの“総体”
対象を分節化する時には、同時にそれよってどのような可能な事態が考えられるのか了解されていな
ければならない
論理形式
• 対象の論理形式
その対象がどの可能的な事態に現れうるか、その論理的可能性のこと
• 語の論理形式
その後がどの有意味な文に現れうるか、その論理的可能性のこと
解釈学的循環
全体は部分から理解され、同時に部分は全体から理解される
• “論理空間”は、概念モデリングにおける“ドメイン”と同等と考えて良いだろう
• ドメインの定義 :={概念クラス:{{特徴値},状態モデル}, Relationship, データ型}
• モデル上の語は、使われているモデル要素の種別と相まってドメインで定義される
圏 とは? ~ 言語哲学の観点から
• 言語哲学から
• 人間の思考は、言葉が思考を成立させるのであって、言語以前の思考とうい
う考えには意味がない
• ということは、圏 を何らかの方法で記述する場合、言語、もしくは、言語と同等
の能力を有する記法で記述する以外ないということ
• 加えて、文脈原理、記述理論を満たしている事が、記法には要求される
• 記述理論を満たすという事は、記述は、全て命題論理で書き下せると言って
よいだろう
• 概念モデリングの道具立ては、命題論理を記述可能な言語と同等な能力を持
つことは論証済み
• 圏論から
• 命題論理は、圏論を使って、圏(圏 とする)として定義可能だろう
• 具体的な圏 がどのようなものであっても、その圏 は、圏 のスキーマ圏である
はず
• 概念モデリングの道具立ては、言語と同等な能力を持つ、つまり、圏 と圏 は、圏
同値になるという事
• 結果として、圏 と圏 が自然同値になる事は、以上のことから、正しいと言ってよ
いのではないか
45
おまけ ~ 認知科学からの考察
• 言葉の意味について
• 記号接地問題 ~ スティーブン・ハルナッド
• 人間は、身体的な体験に基づいて、言葉が指す対象を知っている
• 言葉は単なる記号であると考えると、記号が対象に接地しているといえる
• 記号の対象への接地には、身体的な体験は必要なのか?
• 生成系 AI の登場により…
• データを学習しただけのニューラルネットワークでも、知識体系を
持っているように見える AI が登場した
• どうやら、記号は対象に設置していなくても知識体系を表現できるらしい
• 一方、概念モデルは…
• 見方によっては、モデルは単なる記号の羅列であって、明らかに設置
していない
• それでも、概念モデルは知識体系を表現しているといってよいのではないか
46
Long and winding road…
• モデルジェネレータ実現は、そもそも可能なのか?
• ポイントは多分…
• 学習済みニューラルネットの構造が、圏Iなのか圏Cなのか
学習済みニューラルネット
圏 なら不可能だろう
圏 なら何らかの方法で可視化すればよい
どなたか、協業しませんか?
考察全般を通じて
At the end of a long journey …
48
判ったこと
• 概念モデルの道具立ては現実世界を記述するのに十分である
• 文脈原理
• 論理空間(背景野)
• 論理形式
• 圏論による、圏、関手を使ったフォーマライズ
• 動的振舞の記述方法の妥当性
• 作成したモデルが正しいかどうか問う事は意味がない
• そのモデルが妥当であることを関係者が合意することが重要
• ただし、以下の二つを満たす事
• 概念モデルで規定された 圏 のモデルと現実世界(圏 ) が自然同値であること
• モデルを使った作成した命題が、現実世界に対して、有意味でかつ真であること
• モデル化対象の現実世界は任意
• 概念モデル自体も、概念モデルによって記述可能
• 他の流儀はいったい何をモデル化対象としているのだろう?
49
残る課題は?
• 学習コスト
• 概念モデリングは中学高校で習う数学に近い?
• 効率的、かつ、効果的な習得方法は?
• 網羅的かつ詳細なドキュメント群
• 判った後で読むと非常に重宝するが、一から始める人にとっては珍紛漢紛
• プレゼン形式の派手なドキュメント群
• 聴いたときには判った気になるが、いざ、やろうとすると全く進まない
• 知識だけでなく、良い体験が必要
• 自学自習
• 個人レッスン?、動画コース?
• 集合学習
• ワークショップ形式で基礎を学ぶ
• 基礎習得後
• それぞれのお題で実践し、技法を脳味噌と身体にしみこませる
50
最後に
~ ついでに宣伝を ~
51
最後に~ https://note.com/kae_made から公開中
世界で一番正確で詳しい Azure IoT・DT 技術情報 概念モデリング教本
様々な観点からのコラム集 概念モデリングチュートリアル集
変換による実装教本
独自の視点からのSW開発の基本解説
大規模SW開発エンジニアリングの要諦
@2023 Knowledge & Experience
Knowledge & Experience
Hiroshi Ota
E-Mail: master@kae-made.jp

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Refine Conceptual Modeling by Philosopy and Mathematics

Editor's Notes

  1. リアルタイム系の制御ソフトウェア開発についても、制御ソフトウェアのモデル化をするのではなく、リアルタイムの制御対象そのものをモデル化する事が重要
  2. Base of “Conceptual Modeling” is ofcause “Shlaer-Mellor method”. That is refined and redefinition with my long & rich experience to extend not only Realtime and embedded software systems but also to general business system development I decided that the model created by conceptual modeling is called as “Conceptual Model”.
  3. そんな曖昧な言葉という道具を使って大丈夫なの?
  4. 現実世界とモデル化世界双方で1対1であることに留意
  5. “概念インスタンス”は現実世界ではものとして単体で存在可能だが、“値を持った特徴値”は単体では存在しえず、常に、“何の値か”という問いが生じる。その“何の”が“概念インスタンス”に相当する “データ型”も、具体的に触れたり目に見えるものではないが、概念として現実世界で確かに存在し、それぞれ区別可能なので、“現実世界の何か”と考えて良い
  6. ここで引っかかる人が多そう モノを主体に見るのではなく、モノの間の関係に観点を移しましょうという事。 よくよく考えてみると、知識の構造を支えているのは、個々のモノよりもむしろ、モノ同士の関係であると考えることが重要
  7. 事象は明示的に取り上げるが、まず、概念情報モデルに主眼を置くので、アクションは以降、明示的には取り上げない Event、Action 共に、分類としての意味と、現実世界で発生する個々の Event、Action の実行スレッドは、意識的に別のレベルであると考えないといけない
  8. この4つで現実世界を記述する
  9. この4つで現実世界を記述する
  10. 概念インスタンス図の説明をする
  11. スキーマ
  12. そもそも、これまで説明してきた現実世界のと一対一対応のモデルとは、ある時点での現実世界のスナップショットに関する認識にすぎない 事象は様々な場所で独立に発生する 全体としてのもの・役割の一貫性
  13. 現実世界の“データ変換活動”、もっと良い言葉は無いか? 要するに、現実世界も、認識される個々の値を元にした、ある値から値への射であるというのが、人間の認識
  14. 27かもしれないし、271かもしれない はたまた、2794かもしれない いずれにしろ、何らかの確定した状態が必要 モデル化対象の現実世界とモデルの世界は1対1対応、もしくは、そのスキーマなのだから当然のこと
  15. 逆に言えば、実行セマンティクスが曖昧なら、モデルの記述は恣意的なものになってしまい、ディスカッションの土台としてモデルは使えない 実行セマンティクスが現実世界を反映して決められているので、モデル上の実行結果と、現実世界上の実行結果は一致するわけだ
  16. 概念インスタンスと特徴値の関係も、ある意味、リンクの一種である。 概念インスタンスと特徴値の関係は、特徴値は概念インスタンスを特徴づけるという意味のリンクであり、特徴値毎にそれぞれの意味する特徴は異なるので、同じ意味においてリンクは唯一つと言ってよいだろう
  17. 接地問題は、「指示という関係」を前提にしているのではないか。「指示という関係」は袋小路にはまってしまうので、原理ではない。OpenAI が接地していなくても、それっぽい回答が出来るのは、このことにも関係するのでは?
  18. 言葉を操れる人間と動物の違いはアブダクション推論ができるかどうか、らしいよ Aはαだ、から、αならAだという推論 論理学的には間違っているのだが。
  19. This concludes my session. My content was about philosophy and mathematics, so I’m worried that everyone was sleepy I ‘m happy if my session help you. Thank you.