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3次元モデルを用いたフロントローディング
による生産性向上への期待と課題
益井 崇好
副社長, シニアテクニカルコンサルタント, NAPA Japan 株式会社
2 Nov 2017
NTT DATA ENGINEERING SYSTEMS Corporation
Shipbuilding Solutions Seminar
生産検討の
© NAPA2
1. 生産検討 プロセスの現状と課題点
生産検討の目指すべき姿
生産検討の実情
2. 3次元モデルを用いた生産検討フロントローディング
生産検討への3次元モデル利用
実現への課題
3. NAPA ✕ Beagleによる生産検討フロントローディング
NAPAの紹介
NAPA ✕ Beagleを用いた生産計画プロセス
4. まとめ
発表内容
※1 本プレゼンでは, 船を建造する迄に行われる生産性に関わるあらゆる作業(工法検討や
日程計画などの生産準備, 生産設計等)を総称して, 「生産検討」 と表現しています。
※1
※2
※2 「フロントローディング」=業務の初期工程(フロント)に負荷をかけ(ローディング), 作業を
前倒しで進め, 品質の作り込みや納期短縮を図る活動のこと。
© NAPA
生産検討プロセスの
現状と課題点
3
© NAPA
安全に
早く
安く
生産検討・目指すべき姿
4
設計と現場が協力し合い, QCDSが最適化された
状態で建造が開始できるのが理想
正しく
 ムリの無い姿勢・手順で正確に取付・溶接できる
 必要な時に必要な情報・部材が得られ, ハヌケ無し
 品質・性能を保ちつつ, 生産性を考慮した設計
 正しく工事量を把握し, 工程間のムラを無くす
 ボトルネック工程を予測・対策し, 全体工期短縮
 付帯作業や手待ちをなくし, 正味作業時間を増やす
 ムダな部材や継手, 加工がなく工事量最小化
 自働化や繰返し作業を増やして効率化
 設計の余分を減らして, 材料コスト低減
Quality
Cost
Delivery
Safety  作業の地上化, 前工程化による作業環境改善
 ムリな狭隘工事や危険な高所作業を無くす
 正確なシミュレーションで合理的な吊り・盤木計画
現場
設計
納得 納得 納得
納得 納得 納得
機器/配管配置
構造配置, 部材寸法
船型, 一般配置
板割, ネスティング
吊り/盤木/足場要領
ブロック分割
搭載/総組/組立手順
先行艤装・ユニット化, 前工程化
線表, 大日程計画
定盤計画
© NAPA
生産検討の実情・現実はそんなに甘くない?!
5
建造開始までに生産検討が十分に重ねられていない
不安全
工程遅延
非効率
不具合
 ブロック分割や施工手順の問題によるブロック変形
 ブロック重量見積り精度不良により, 棟外搬出不可
 情報の不整備や工程遅れによる部材のハヌケ
 作業量や能力を無視した計画による工程ムラ・遅延
 ボトルネック工程による停滞で工期長期化, 工程混乱
 工程間調整不足による仕掛品の増加, 置場不足
 不要な部材や継手, 加工による作業のムダ
 不規則な構造・部材配置により手作業増加
 過多な設計の余分による, 材料コストのロス
Quality
Cost
Delivery
Safety  ムリな施工要領により危険な高所作業発生
 足場検討モレにより, 現場判断で危険な架設工事
 手計算と経験を頼りにした吊り・盤木計画
設計の仕事
は図面描き
現場は人によって言う
ことがマチマチだなぁ
現場の都合を考
える余裕無いよ
図面だけでは
イメージが沸かないよ
設計は現場のことを
分かっていない・・・
工事後に不具合だ
け報告すればいいや
設計
実際の建造で得た教訓を後続船に活かすことで改善してきた・・・
現場
© NAPA
生産検討の実情・このままで良い?
6
経験の少ない船種や新船型では, これまで培ったKnow-howに頼れない
従来のままでは, 今後 生産性悪化が懸念される
これまでの拠り所 これから待ち受ける事
人
戦略
生産性
向上策
ベテラン技術者の知恵
と経験に頼ってきた
若手・中堅技術者
だけで対応
同一船型の
連続建造
プロダクトミックス型
多品種少量生産
(船型寿命の短期化)
後続船にできるだけ
たくさんフィードバック
少ない需要の
取合い
1番船から生産検討
を作り込む必要がある
設計・工作基準に折り込み
簡単な施工要領・設計変更
(改善代は限られる)
© NAPA
建造
生産検討の実情・なぜ出来ないのか?
7
生産検討の開始段階では, 検討に必要な確度の情報 (作り方を想像できる
情報と正確な物量)が揃わない → 経験による定性的な判断に頼らざるを得ない
生産検討に
用いる情報
生産検討
内容
情報の確度
工作図
(2D)
生産3Dモデル
原図・管理物量
定盤計画
搭載・組立大日程
足場・吊り・盤木
粗い
正確
大
小
コスト影響
G/A(2D)
推定重量
キープラン(2D)
ブロック分割
ヤード図(2D)
線表
搭載・組立要領
設計レビュー
集計重量
一旦決めると
後戻り効かない
コスト影響・大
確定後の変更困難
早期に確度の高い情報(3次元モデル)を得ることが改善のカギ
生産設計機能設計基本設計
© NAPA
3次元モデルを用いた
生産検討フロントローディング
8
© NAPA
• 生産検討初期段階では, 得られる情報の確度が低い
• 定性的な検討に留まる → 最適化むずかしい, 問題に気付けない
• 船のコストの大半は, 上流設計で決まる
問題点のおさらい
9
ブロック分割 施工要領 大日程計画
ブロック重量不明
(とりあえず15mなら
大丈夫だろう)
工事量の考慮ナシ
(とりあえず7日/blockで
計画しておくか・・)
早期に確度の高い情報(3次元モデル)が得られれば, どう変えられるか?
施工状態の想像困難
(本当に外板ベースで大丈夫
かな。曲りきつくない?)
© NAPA
生産検討への3次元モデル利用
10
ブロック分割 施工要領 大日程計画
ブロック重量・溶接長把握
(ブロック数を減らして, 工事量
最小化!工事量のムラ無し!)
作り方を具体的にイメージ
(最大の曲り量は1mだから
外板ベースでも大丈夫だな!)
工事量を踏まえた計画
(工程間のムラを無くして
守れる工程!ボトルネック対策!)
具体例を以降のページで紹介します (今回のプレゼンでは省略・・・)
• 定量評価によるコスト削減
• 視覚化による気づきの促進
• シミュレーションによる安全性向上, 設計の合理化
• 物量早期把握による最適工程計画
期待効果
© NAPA
[参考]適用例 ・ ブロック分割検討
11
現状 - As Is
• G/AやMidShip・ConProを使用
• 分割案はせいぜい1~2ケース
• 重量/溶接長 把握困難
→設備制限に対して過大な余裕代
→ブロック間の工事量にムラが出る
• 一旦決まると, 変更は困難
3Dモデル利用 - To Be
• G/A+3Dモデルを使用
• 多くの分割案を定量的にケーススタディ
(重量/溶接長を考慮)
→ブロック数・溶接長を最小化?!
→ブロック間の工事量のムラ無し?!
• 機器搭載や先行艤装し易い分割法
情報
(設備制約等)
G/A
ブロック分割案
重 量 → 余裕見て・・
工事量 → 不明
長さ → なるべく揃える
As Is
情報
(設備制約等)
G/A
To Be
構造図
に反映
3Dモデル
A案 B案 C案..
構造図
出力
定量的に分割を
試行錯誤!
xx ton
yy m
xx ton
yy m
xx ton
yy m
定量評価によるコスト削減
KKD(勘・経験・度胸)
根拠に基づいた判断
© NAPA
外板ロンジは上から載せるか
らカラーPLは片側だけに変え
てもらおう!部材数も減るな。
[参考]適用例 ・ 施工要領検討
12
3Dモデル利用 - To Be
• キー・ヤード図+3Dモデルを使用
• 部材配置・寸法の詳細を考慮し,
効率的・安全な施工要領を立案
(現物や施工手順のイメージが湧く)
• 姿勢・手順を考慮した設計変更提案
• 3D鳥瞰図を施工要領書に利用
現状 - As Is
• キープラン・ヤード図を使用
• 現物のイメージが湧かないので,
とりあえず経験を基に施工要領検討
→ 現場で非効率・不安全作業に気付く
• 一旦決まると, 変更は困難
• 施工要領は生産設計を進めるのに必要
As Is
To Be
構造図 施工要領書
曲りがきつ
すぎる!!
建造
構造図
3Dモデル
施工要領書
外板の曲りが3m
あるからDeck
ベースで組もう!
建造
問題ナシ!
視覚化による気づきの促進
たぶん, 類似船
同様に外板ベース
で良いかな・・・
不安
確信
© NAPA
[参考]適用例 ・ 生産性を考慮した設計
13
3Dモデル利用 - To Be
• キープラン・ヤード図の検討・協議段階に,
図面と合わせて3Dモデルも提供
• 具体的な作業状態がイメージ出来る
ことで, 設計の改善案が出しやすくなる
• 物量情報を利用し 生産性も考慮に入
れて, 設計案を定量的に評価
(強度 v.s. 材料コスト v.s. 建造コスト)
現状 - As Is
• 設計者の建造現場への理解は限定的
• これまでの教訓(現場からのフィードバック)
を基に, ある程度は設計標準に折り込み
• 経験の薄い船種の新設計では, 生産性
を考慮した設計は困難
(現場側も図面だけでは判断は困難)
• 考慮したとしても定性的な判断に留まる
As Is
To Be
A案
B案
V.S.
機関室図面は
ややこしいなぁ・・。
最低限, 作れるよ
うにだけしないと。。
定量評価によるコスト削減
視覚化による気づきの促進
構造図の協議
強度 → OK
鋼材 → 5000万円 (500 ton)
生産 → 2500万円
隅肉:5000m, 0.8h/m, 4000円/h
突合:1500m, 1.5h/m, 4000円/h
強度 → OK
鋼材 → 5050万円 (505 ton)
生産 → 1840万円
隅肉:3500m, 0.8h/m, 4000円/h
突合:1200m, 1.5h/m, 4000円/h
3Dモデルから即座に取得!
重量は一緒でも, 意外と
建造コストに違いが出るな!
ケーススタディ 施工性チェック
ここは溶接 無理だな。
構造を変えてもらおう!
50mm
現場のことま
で考える余裕
ないよ・・・
消極的
積極的
© NAPA
[参考]適用例 ・ 吊り/盤木検討
14
3Dモデル利用 - To Be
• 施工要領書, 3Dモデル +
吊り検討ソフト(解析ソフト) を使用
(機能設計で実施)
• シミュレーションによる検討の信頼性向上
→ 安全性向上, 属人化の防止
• 工事用補強の合理化 (構造に反映)
現状 - As Is
• 工作図,施工要領書,ブロック重量を使用
(生産設計で実施)
• 簡単な梁計算 or 経験を基にした検討
→ 特別な技量・経験必要
• 安全を見て, 過剰な工事用補強追加
→ 取付/バラシ作業のムダ
• 稀に, 現場で変形等発生
As Is
To Be
シミュレーションによる
安全性向上, 合理化
工作図
施工要領書
経験ベース・・
吊り要領 建造
過剰な補強変形発生
3Dモデル
(FEモデル)
シミュレーション
で検証
吊り検討
ソフト
サノヤス造船様の事例
詳細は NAPA User Seminar 2017資料, ユーザページより閲覧可
経験的
科学的
© NAPA
[参考]適用例 ・ 搭載/組立 大日程計画
15
3Dモデル利用 - To Be
• 施工要領書 + ブロック物量(工程別)
を使用
• 物量情報から作業工数を概算し,
日程計画と合わせて工数山積み
• 作業量のムラ, ムリ無し 「守れる計画」
• 工程全体のボトルネックへの対策実施
(総組範囲見直し,ブロック外注合理化)
現状 - As Is
• 施工要領書等を使用
• ブロック物量が無いので, 工事量を考慮
せず, 経験を基に計画
• 作業量のムラ, ムリ(処理能力オーバー)
により工程遅延発生
• 工程全体のボトルネック把握できないムリ・ムラ発生
As Is
To Be
物量早期把握による最適計画
施工要領書
搭載・組立 大日程
工事量わからな
いので, ひとまず
7日/Blockで
計画しておこう
処理能力
(実際の作業工数の山積みは・・)
負荷平準化
施工要領書
搭載・組立 大日程
処理能力
工程別
管理物量
工数を見積って
予定に反映しよう!!
ブロックA・B・Eは, 後工
程に迷惑かけないように
外注で対応しよう
守れない工程
守れる工程
© NAPA
・・・ツールで対応
できそうなもの
生産検討への3次元モデル利用 ・ 実現への壁
16
初期設計へ
の負担
部署間の
協力関係
設計自体も
未確定
 設計者は従来の仕事で手一杯の状態
(規則強化による作業負担増など)
 この上, 更に設計者の負担が増える
(3Dモデル作成, 検討事項が増える)
 現場に協力する余裕が設計者にない
(協力すると自身の首を絞める)
 現場側も設計段階での生産検討のフロント
ローディングに慣れていない
 生産検討がはじまる初期設計段階では,
設計の概略(区画配置等)しか決まっていない
(確度の高い情報が準備できない)
 構造計算後であれば確度は上がるが,
そこから3Dモデルを作るのだと, ブロック分割
検討に間に合わない
内容 対策案
 人員配置の見直し
(短期的には難しいか・・)
 設計業務全般の効率化
 設計と現場の上手い分担
 設計者の負担を成果(評価)に
結びつける仕組み
 定量評価によるコスト減の見える化
 後工程の不具合件数による評価
 フロントローディングの風土作り
 設計自体もフロントローディング
(ロンジランディング等)
 設計プロセスの自然な流れで
3Dモデルが作れる仕組み
 未確定情報を補う工夫
(出力値に係数を掛けて見積る等)
課題の多くは, ツールで解決できそう。
具体的には, どのようなツールが求められる?!
Z
© NAPA
実現への壁・どのような3次元システムが求められるか?
17
はやい
柔軟
つながる
 スピーディに3次元モデル構築
 設計の各種計算を短時間で行える
 単純作業の自動化(検討用データの出力など)
 設計・生産検討の様々な専門ソフトとのデータ連携
 部署・関係会社間の連携・共同作業
 分野間での情報の整合性
 ケーススタディや設計変更が簡単に行える
 設計進展に応じた3次元モデルの作り込み
 船種や用途に応じたプロセスのカスタマイズ
3次元モデルを”核”とした効率的な設計・生産検討
プロセスをつくれるシステムが求められる・・・
使える
 設計に必要な各種計算・検討に利用できる
 生産検討を支援する機能がそろっている
 3次元モデル上で思考を促す直感的な操作性, ビューワ
© NAPA
NAPA ✕ Beagleによる
生産検討フロントローディング
18
© NAPA19
NAPA Group
造船および運航 に関するソフトウェア&サービス
• フィンランド・ヘルシンキ本社にて1989年創業
• 2014年より,日本海事協会の100%子会社
• 世界中の新造船95%で設計利用 (国内ユーザー:45団体)
 船型開発・推進性・フェアリング
 排水量・積付・復原性
 船殻設計・図面作成
 強度計算支援・物量集計・・・
 ローディング・コンピュータ
 Emergency computer
 電子ログブック(航海日誌)
 コンピュータ教育システム・・・
 航海モニタリング
 運航最適化
 陸上モニタリング・サービス
 性能解析サービス・・・
Design Safety Shipping
設計ソリューション 安全航海ソリューション 運航支援ソリューション
© NAPA
NAPA Design Solutions ・ カバーする設計領域
20
基本設計
船型・流力性能
区画・復原性
構造設計(NAPA Steel)
・ 3D船体形状 (ラインズ)
・ 船型変換 (部分・全体)
・ フェアリング (概略・詳細)
・ ハイドロ計算
・ 馬力・EEDI計算
・ CFD
・ 耐航性・操縦性
・ 3D区画配置 (NAPA Designer)
・ 区画容積, トン数計算
・ 積付計算
・ 復原性計算(非損傷時,
損傷時, 海上構造物)
・ 縦強度計算
・ 乾舷計算
・ MARPOL
・ コンテナ配置
・ 計算書・図面作成
・ 船台進水計算
・ 傾斜試験
・ 緊急時意思決定支援
・ 浸水シミュレーション
・ 3D構造配置 (NAPA Designer)
・ ブロック分割検討
・ 重量・溶接長・塗装面積
・ 船級ソフト連携
(NK,BV,LR,DNVGL)
・ FE解析メッシュ
・ CAD図面 (NAPA Drafting)
その他
・3Dデータ・インターフェース
(多くの汎用3D,CADMTIC,AVEVA,S3D)
・ 最適化マネージャー
(多目的遺伝的アルゴリズム)
機能設計
生産設計
Interface
Interface
艤装 船型 復原性 船殻
上流設計に特化
NAPAの3Dモデルは, 1つのモデルを”成長させながら”
部署を跨いで様々な用途に用いることができます
© NAPA
NAPA Design Solutions ・ アクティブな機能開発
21
NAPA Designer
3次元設計を身近なものに。モデリングツールの再設計。
NAPA Drafting
AutoCADベースの造船用作図ツール。
NAPA 3DモデルとCAD図面がつながりつづける。
• ユーザーフィードバックを元にした継続的な機能拡充と品質改善
• 古いUNIX時代の操作画面を抜本的に見直し, Windowsネイティブの
「NAPA Designer」「NAPA Drafting」を開発
 直接, 3次元モデル上で設計を行うユーザー事例が実際に出てきた
• 様々なパートナー会社とのコラボレーション (NK, NDES様・・・)
NAPA-PSHULL連携
NKとの協業で開発した, 構造規則計算・FEM
解析効率化のための仕組み。連携範囲,拡張中。
© NAPA
NAPA Design Solutions・“One Ship Model” コンセプト
22
コンピューター上で作成した船のモデルデータで, 1つのモデルに様々な情報が含まれ,
多分野の設計検討に利用できるもの
Structural Analysis
Class Rule Calc.
Weight & Cost
DrawingsOutfitting DesignReporting
Stability Calc.
Hydrodynamics
Hull form Fairing
Hull Form
Compartments
Structures
“1つの3次元モデル”の変更の影響を 広く・速く・精度良く 評価
© NAPA
NAPA=上流設計向きの3次元設計システム
23
 他部署・後工程へ船型・区画・構造モデルを共有・引継ぎ可能
 多種多様な外部の専門ソフトとの緊密なデータ連携
 受渡し容易なコンパクトでセキュアなデータベース
はやい
 モールド面モデル → 軽快なモデル作成, 高品質FEMメッシュ
 データ入力は一度だけ, データ活用は幅広く・何度でも
 簡単なNAPAマクロで, 単純作業を自動化
 ラフモデル→詳細モデルと, 設計進展に応じた作り込み
 設計変更に強いモデル化手法, 船型トランスフォーメーション
 高いカスタマイズ性 → 手に馴染む道具へ
柔軟
つながる
使える
設計
生産
検討
 CAD:形状・配置検討支援, 図面作成, 外部データ連携…
 CAE:推進性能, 復原性, 縦強度, 強度計算支援…
 重量集計はまずまずだが, 溶接長は不得意
 ブロック分割は工程別に仕分け不可
設計情報の”核”である3次元モデルを生産検討に活かせていなかった
© NAPA
NAPA ✕ Beagleによる生産検討のフロントローディング
24
NAPAの弱点をBeagleが補うことで, 早期の生産検討が可能に
船舶計算と
構造設計に
責任を持つシステム
生産検討に責任
を持つシステム
Beagle View
設計情報の核として,試行
錯誤による最適化を支援
3次元モデルを利用し
現場の生産性向上を支援
• 船型,区画,構造検討
• 船舶性能計算
• 構造計算支援
• 図面作成
• 重量・溶接長
• ブロック分割(工程別)
• 施工要領検討支援
• 工事用管理物量
• 設計・現場間の協議支援
• 定盤計画, 揚重検討
強固なデータ
連携を構築中
無理なく協力
© NAPA
これまでの設計・生産検討プロセス(2Dベース)
25
生産設計機能設計基本設計
設計全体で複数のデータ入力作業 → 設計・生産検討の作り込み困難
NAPA 船型・区画配置・性能計算
船殻図面 キープラン・ヤード図
解析ソフト 振動解析・規則要求
船級ソフト 規則計算
生産3D 工作図・一品・完成物量
物量集計 重量・溶接長・部材数
全て独立して
データ入力
(変更の手間・大)
生産検討
ブロック分割・施工要領
設計レビュー・大日程 生産準備 足場・吊り・盤木
確度の低い情報
(経験を頼りに検討)
© NAPA
の設計・生産検討プロセス (NAPA ✕ Beagle)
26
生産設計機能設計基本設計
船型・区画配置検討
NAPA Steel
Beagle View
NAPA
船殻図面
船級規則計算
FEM解析
物量集計
ブロック分割・管理物量
施工要領・設計レビュー
工作図
データ連携
(将来?)
データ入力は一度だけ
データ活用は何度でも
性能・復原性・縦強度
GRADE/HULL
Beagle View
一品
完成物量
揚重・大日程・定盤
3次元モデルを”核”とし, 設計と現場の全体最適化 実現へ
確度の高い情報で
定量的に検討の作り込み
これから
(フロントローディング)
管理物量精度検証
(設計v.s.完成)
フィードバック
© NAPA
[参考] 目的を考えた費用対効果の高い3次元モデル利用
27
設計進展に応じて「モデルを育てる」ことができるNAPAモデルの特性が活かせる
基本設計
機能設計
(~中期)
機能設計
(~後期)
設計設計段階 生産検討
3次元モデル目的 必要な
モデル詳細度
• 各種性能計算
• 初期重量推定
• G/A, ラフ図面
• 構造規則計算, FEM
• CAD下絵, 重量
• 主要機器・配管配置
• 船殻承認図
• 詳細機器・配管配置
• 生産設計連携モデル
• ブロック分割
• 設計レビュー
• 施工要領
• 管理物量
• 大日程・定盤
• 吊り・盤木・足場
• 大板・大骨程度のラフ
モデル
• 重量をチャートから算出
するパラメータを取得
• 板厚・Web Stiff・開口・
主要ブラケットを含むモデル
• 重量は係数掛けで算出
• スロットや骨端部等の詳細
部や小物部材を追加
• 相応のモデリング時間掛かる
必須:
カタチが分かり, 十分な
重量精度が得られる
必須:工程別の工事量
(=溶接長)が見積もれる
© NAPA
まとめ
28
© NAPA
まとめ・3次元モデルを用いた生産検討フロントローディング
29
これから
(フロントローディング)
これまで
設計
使用情報
コスト
2D
現場
検討方法
3D+物量+2D
定性的判断(勘と経験) 定量評価(合理的判断)
属人的(ベテラン頼り) 仕組み化(人に依らない)
小
大
大 → 小
小
(一般的な3DCAD) (NAPA)
(Beagle)
NAPAxBeagleにより, 費用対効果の高い生産検討プロセスが構築可能に
情報の確度 低い 高い
© NAPA
建造生産設計
フロントローディングで変わる各設計段階の果たすべき役割
30
これから (フロントローディング)
これまで
機能設計基本設計
建造生産設計機能設計基本設計
売れる船 仕様・性能を
満たす船
作れる船
売れる船
仕様・性能を
満たす船
生産性良く
作れる船
生産性の良い船
NAPA & NAPA Steel
Beagle View
システム導入と併せて, フロント
ローディングの文化醸成を!!
利益性の高い船
© NAPA31
本プレゼンでは, 上流設計段階から3次元モデルを用いて生産検討を
行うことによる利点と課題, 解決案を紹介しました。
先人は, 実際の建造現場で体験した失敗から学び, 優れた経験値
(エンジニアリング・センス)を得てきました。エンジニアリング・センスは,
検討時に良い解を短時間で見つけ出すために, これまでも・これからも
非常に重要なスキルであり続けます。
3次元モデルを用いた試行錯誤は,バーチャル上で試作を繰り返し,
多くの失敗を体験することができる手段です。そこで得られる多くの失敗
体験を通じて, 効率的にエンジニアリング・センスを身につけられる事が,
フロントローディングの真の価値なのだと, 弊社は考えています。
弊社は, NDES社や他の協業パートナーとも力を合わせ, 造船業に
おける3次元モデルの効果的な利用と課題解決を支援してまいります。
おわりに
© NAPA
www.napa.fi
Thank you for your attention
32
NAPA Groupは, お客様のより良い船づくりを支援いたします
NAPA Japan株式会社
〒650-0024 神戸市中央区海岸通5番地 商船三井ビル512C
Tel: 078-325-2160 Fax: 078-325-2190
E-mail: japan@napa.fi URL: www.napa.fi

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NAPA 3次元モデルを用いたフロントローディングによる生産性向上

  • 1. www.napa.fi 3次元モデルを用いたフロントローディング による生産性向上への期待と課題 益井 崇好 副社長, シニアテクニカルコンサルタント, NAPA Japan 株式会社 2 Nov 2017 NTT DATA ENGINEERING SYSTEMS Corporation Shipbuilding Solutions Seminar 生産検討の
  • 2. © NAPA2 1. 生産検討 プロセスの現状と課題点 生産検討の目指すべき姿 生産検討の実情 2. 3次元モデルを用いた生産検討フロントローディング 生産検討への3次元モデル利用 実現への課題 3. NAPA ✕ Beagleによる生産検討フロントローディング NAPAの紹介 NAPA ✕ Beagleを用いた生産計画プロセス 4. まとめ 発表内容 ※1 本プレゼンでは, 船を建造する迄に行われる生産性に関わるあらゆる作業(工法検討や 日程計画などの生産準備, 生産設計等)を総称して, 「生産検討」 と表現しています。 ※1 ※2 ※2 「フロントローディング」=業務の初期工程(フロント)に負荷をかけ(ローディング), 作業を 前倒しで進め, 品質の作り込みや納期短縮を図る活動のこと。
  • 4. © NAPA 安全に 早く 安く 生産検討・目指すべき姿 4 設計と現場が協力し合い, QCDSが最適化された 状態で建造が開始できるのが理想 正しく  ムリの無い姿勢・手順で正確に取付・溶接できる  必要な時に必要な情報・部材が得られ, ハヌケ無し  品質・性能を保ちつつ, 生産性を考慮した設計  正しく工事量を把握し, 工程間のムラを無くす  ボトルネック工程を予測・対策し, 全体工期短縮  付帯作業や手待ちをなくし, 正味作業時間を増やす  ムダな部材や継手, 加工がなく工事量最小化  自働化や繰返し作業を増やして効率化  設計の余分を減らして, 材料コスト低減 Quality Cost Delivery Safety  作業の地上化, 前工程化による作業環境改善  ムリな狭隘工事や危険な高所作業を無くす  正確なシミュレーションで合理的な吊り・盤木計画 現場 設計 納得 納得 納得 納得 納得 納得 機器/配管配置 構造配置, 部材寸法 船型, 一般配置 板割, ネスティング 吊り/盤木/足場要領 ブロック分割 搭載/総組/組立手順 先行艤装・ユニット化, 前工程化 線表, 大日程計画 定盤計画
  • 5. © NAPA 生産検討の実情・現実はそんなに甘くない?! 5 建造開始までに生産検討が十分に重ねられていない 不安全 工程遅延 非効率 不具合  ブロック分割や施工手順の問題によるブロック変形  ブロック重量見積り精度不良により, 棟外搬出不可  情報の不整備や工程遅れによる部材のハヌケ  作業量や能力を無視した計画による工程ムラ・遅延  ボトルネック工程による停滞で工期長期化, 工程混乱  工程間調整不足による仕掛品の増加, 置場不足  不要な部材や継手, 加工による作業のムダ  不規則な構造・部材配置により手作業増加  過多な設計の余分による, 材料コストのロス Quality Cost Delivery Safety  ムリな施工要領により危険な高所作業発生  足場検討モレにより, 現場判断で危険な架設工事  手計算と経験を頼りにした吊り・盤木計画 設計の仕事 は図面描き 現場は人によって言う ことがマチマチだなぁ 現場の都合を考 える余裕無いよ 図面だけでは イメージが沸かないよ 設計は現場のことを 分かっていない・・・ 工事後に不具合だ け報告すればいいや 設計 実際の建造で得た教訓を後続船に活かすことで改善してきた・・・ 現場
  • 6. © NAPA 生産検討の実情・このままで良い? 6 経験の少ない船種や新船型では, これまで培ったKnow-howに頼れない 従来のままでは, 今後 生産性悪化が懸念される これまでの拠り所 これから待ち受ける事 人 戦略 生産性 向上策 ベテラン技術者の知恵 と経験に頼ってきた 若手・中堅技術者 だけで対応 同一船型の 連続建造 プロダクトミックス型 多品種少量生産 (船型寿命の短期化) 後続船にできるだけ たくさんフィードバック 少ない需要の 取合い 1番船から生産検討 を作り込む必要がある 設計・工作基準に折り込み 簡単な施工要領・設計変更 (改善代は限られる)
  • 7. © NAPA 建造 生産検討の実情・なぜ出来ないのか? 7 生産検討の開始段階では, 検討に必要な確度の情報 (作り方を想像できる 情報と正確な物量)が揃わない → 経験による定性的な判断に頼らざるを得ない 生産検討に 用いる情報 生産検討 内容 情報の確度 工作図 (2D) 生産3Dモデル 原図・管理物量 定盤計画 搭載・組立大日程 足場・吊り・盤木 粗い 正確 大 小 コスト影響 G/A(2D) 推定重量 キープラン(2D) ブロック分割 ヤード図(2D) 線表 搭載・組立要領 設計レビュー 集計重量 一旦決めると 後戻り効かない コスト影響・大 確定後の変更困難 早期に確度の高い情報(3次元モデル)を得ることが改善のカギ 生産設計機能設計基本設計
  • 9. © NAPA • 生産検討初期段階では, 得られる情報の確度が低い • 定性的な検討に留まる → 最適化むずかしい, 問題に気付けない • 船のコストの大半は, 上流設計で決まる 問題点のおさらい 9 ブロック分割 施工要領 大日程計画 ブロック重量不明 (とりあえず15mなら 大丈夫だろう) 工事量の考慮ナシ (とりあえず7日/blockで 計画しておくか・・) 早期に確度の高い情報(3次元モデル)が得られれば, どう変えられるか? 施工状態の想像困難 (本当に外板ベースで大丈夫 かな。曲りきつくない?)
  • 10. © NAPA 生産検討への3次元モデル利用 10 ブロック分割 施工要領 大日程計画 ブロック重量・溶接長把握 (ブロック数を減らして, 工事量 最小化!工事量のムラ無し!) 作り方を具体的にイメージ (最大の曲り量は1mだから 外板ベースでも大丈夫だな!) 工事量を踏まえた計画 (工程間のムラを無くして 守れる工程!ボトルネック対策!) 具体例を以降のページで紹介します (今回のプレゼンでは省略・・・) • 定量評価によるコスト削減 • 視覚化による気づきの促進 • シミュレーションによる安全性向上, 設計の合理化 • 物量早期把握による最適工程計画 期待効果
  • 11. © NAPA [参考]適用例 ・ ブロック分割検討 11 現状 - As Is • G/AやMidShip・ConProを使用 • 分割案はせいぜい1~2ケース • 重量/溶接長 把握困難 →設備制限に対して過大な余裕代 →ブロック間の工事量にムラが出る • 一旦決まると, 変更は困難 3Dモデル利用 - To Be • G/A+3Dモデルを使用 • 多くの分割案を定量的にケーススタディ (重量/溶接長を考慮) →ブロック数・溶接長を最小化?! →ブロック間の工事量のムラ無し?! • 機器搭載や先行艤装し易い分割法 情報 (設備制約等) G/A ブロック分割案 重 量 → 余裕見て・・ 工事量 → 不明 長さ → なるべく揃える As Is 情報 (設備制約等) G/A To Be 構造図 に反映 3Dモデル A案 B案 C案.. 構造図 出力 定量的に分割を 試行錯誤! xx ton yy m xx ton yy m xx ton yy m 定量評価によるコスト削減 KKD(勘・経験・度胸) 根拠に基づいた判断
  • 12. © NAPA 外板ロンジは上から載せるか らカラーPLは片側だけに変え てもらおう!部材数も減るな。 [参考]適用例 ・ 施工要領検討 12 3Dモデル利用 - To Be • キー・ヤード図+3Dモデルを使用 • 部材配置・寸法の詳細を考慮し, 効率的・安全な施工要領を立案 (現物や施工手順のイメージが湧く) • 姿勢・手順を考慮した設計変更提案 • 3D鳥瞰図を施工要領書に利用 現状 - As Is • キープラン・ヤード図を使用 • 現物のイメージが湧かないので, とりあえず経験を基に施工要領検討 → 現場で非効率・不安全作業に気付く • 一旦決まると, 変更は困難 • 施工要領は生産設計を進めるのに必要 As Is To Be 構造図 施工要領書 曲りがきつ すぎる!! 建造 構造図 3Dモデル 施工要領書 外板の曲りが3m あるからDeck ベースで組もう! 建造 問題ナシ! 視覚化による気づきの促進 たぶん, 類似船 同様に外板ベース で良いかな・・・ 不安 確信
  • 13. © NAPA [参考]適用例 ・ 生産性を考慮した設計 13 3Dモデル利用 - To Be • キープラン・ヤード図の検討・協議段階に, 図面と合わせて3Dモデルも提供 • 具体的な作業状態がイメージ出来る ことで, 設計の改善案が出しやすくなる • 物量情報を利用し 生産性も考慮に入 れて, 設計案を定量的に評価 (強度 v.s. 材料コスト v.s. 建造コスト) 現状 - As Is • 設計者の建造現場への理解は限定的 • これまでの教訓(現場からのフィードバック) を基に, ある程度は設計標準に折り込み • 経験の薄い船種の新設計では, 生産性 を考慮した設計は困難 (現場側も図面だけでは判断は困難) • 考慮したとしても定性的な判断に留まる As Is To Be A案 B案 V.S. 機関室図面は ややこしいなぁ・・。 最低限, 作れるよ うにだけしないと。。 定量評価によるコスト削減 視覚化による気づきの促進 構造図の協議 強度 → OK 鋼材 → 5000万円 (500 ton) 生産 → 2500万円 隅肉:5000m, 0.8h/m, 4000円/h 突合:1500m, 1.5h/m, 4000円/h 強度 → OK 鋼材 → 5050万円 (505 ton) 生産 → 1840万円 隅肉:3500m, 0.8h/m, 4000円/h 突合:1200m, 1.5h/m, 4000円/h 3Dモデルから即座に取得! 重量は一緒でも, 意外と 建造コストに違いが出るな! ケーススタディ 施工性チェック ここは溶接 無理だな。 構造を変えてもらおう! 50mm 現場のことま で考える余裕 ないよ・・・ 消極的 積極的
  • 14. © NAPA [参考]適用例 ・ 吊り/盤木検討 14 3Dモデル利用 - To Be • 施工要領書, 3Dモデル + 吊り検討ソフト(解析ソフト) を使用 (機能設計で実施) • シミュレーションによる検討の信頼性向上 → 安全性向上, 属人化の防止 • 工事用補強の合理化 (構造に反映) 現状 - As Is • 工作図,施工要領書,ブロック重量を使用 (生産設計で実施) • 簡単な梁計算 or 経験を基にした検討 → 特別な技量・経験必要 • 安全を見て, 過剰な工事用補強追加 → 取付/バラシ作業のムダ • 稀に, 現場で変形等発生 As Is To Be シミュレーションによる 安全性向上, 合理化 工作図 施工要領書 経験ベース・・ 吊り要領 建造 過剰な補強変形発生 3Dモデル (FEモデル) シミュレーション で検証 吊り検討 ソフト サノヤス造船様の事例 詳細は NAPA User Seminar 2017資料, ユーザページより閲覧可 経験的 科学的
  • 15. © NAPA [参考]適用例 ・ 搭載/組立 大日程計画 15 3Dモデル利用 - To Be • 施工要領書 + ブロック物量(工程別) を使用 • 物量情報から作業工数を概算し, 日程計画と合わせて工数山積み • 作業量のムラ, ムリ無し 「守れる計画」 • 工程全体のボトルネックへの対策実施 (総組範囲見直し,ブロック外注合理化) 現状 - As Is • 施工要領書等を使用 • ブロック物量が無いので, 工事量を考慮 せず, 経験を基に計画 • 作業量のムラ, ムリ(処理能力オーバー) により工程遅延発生 • 工程全体のボトルネック把握できないムリ・ムラ発生 As Is To Be 物量早期把握による最適計画 施工要領書 搭載・組立 大日程 工事量わからな いので, ひとまず 7日/Blockで 計画しておこう 処理能力 (実際の作業工数の山積みは・・) 負荷平準化 施工要領書 搭載・組立 大日程 処理能力 工程別 管理物量 工数を見積って 予定に反映しよう!! ブロックA・B・Eは, 後工 程に迷惑かけないように 外注で対応しよう 守れない工程 守れる工程
  • 16. © NAPA ・・・ツールで対応 できそうなもの 生産検討への3次元モデル利用 ・ 実現への壁 16 初期設計へ の負担 部署間の 協力関係 設計自体も 未確定  設計者は従来の仕事で手一杯の状態 (規則強化による作業負担増など)  この上, 更に設計者の負担が増える (3Dモデル作成, 検討事項が増える)  現場に協力する余裕が設計者にない (協力すると自身の首を絞める)  現場側も設計段階での生産検討のフロント ローディングに慣れていない  生産検討がはじまる初期設計段階では, 設計の概略(区画配置等)しか決まっていない (確度の高い情報が準備できない)  構造計算後であれば確度は上がるが, そこから3Dモデルを作るのだと, ブロック分割 検討に間に合わない 内容 対策案  人員配置の見直し (短期的には難しいか・・)  設計業務全般の効率化  設計と現場の上手い分担  設計者の負担を成果(評価)に 結びつける仕組み  定量評価によるコスト減の見える化  後工程の不具合件数による評価  フロントローディングの風土作り  設計自体もフロントローディング (ロンジランディング等)  設計プロセスの自然な流れで 3Dモデルが作れる仕組み  未確定情報を補う工夫 (出力値に係数を掛けて見積る等) 課題の多くは, ツールで解決できそう。 具体的には, どのようなツールが求められる?! Z
  • 17. © NAPA 実現への壁・どのような3次元システムが求められるか? 17 はやい 柔軟 つながる  スピーディに3次元モデル構築  設計の各種計算を短時間で行える  単純作業の自動化(検討用データの出力など)  設計・生産検討の様々な専門ソフトとのデータ連携  部署・関係会社間の連携・共同作業  分野間での情報の整合性  ケーススタディや設計変更が簡単に行える  設計進展に応じた3次元モデルの作り込み  船種や用途に応じたプロセスのカスタマイズ 3次元モデルを”核”とした効率的な設計・生産検討 プロセスをつくれるシステムが求められる・・・ 使える  設計に必要な各種計算・検討に利用できる  生産検討を支援する機能がそろっている  3次元モデル上で思考を促す直感的な操作性, ビューワ
  • 18. © NAPA NAPA ✕ Beagleによる 生産検討フロントローディング 18
  • 19. © NAPA19 NAPA Group 造船および運航 に関するソフトウェア&サービス • フィンランド・ヘルシンキ本社にて1989年創業 • 2014年より,日本海事協会の100%子会社 • 世界中の新造船95%で設計利用 (国内ユーザー:45団体)  船型開発・推進性・フェアリング  排水量・積付・復原性  船殻設計・図面作成  強度計算支援・物量集計・・・  ローディング・コンピュータ  Emergency computer  電子ログブック(航海日誌)  コンピュータ教育システム・・・  航海モニタリング  運航最適化  陸上モニタリング・サービス  性能解析サービス・・・ Design Safety Shipping 設計ソリューション 安全航海ソリューション 運航支援ソリューション
  • 20. © NAPA NAPA Design Solutions ・ カバーする設計領域 20 基本設計 船型・流力性能 区画・復原性 構造設計(NAPA Steel) ・ 3D船体形状 (ラインズ) ・ 船型変換 (部分・全体) ・ フェアリング (概略・詳細) ・ ハイドロ計算 ・ 馬力・EEDI計算 ・ CFD ・ 耐航性・操縦性 ・ 3D区画配置 (NAPA Designer) ・ 区画容積, トン数計算 ・ 積付計算 ・ 復原性計算(非損傷時, 損傷時, 海上構造物) ・ 縦強度計算 ・ 乾舷計算 ・ MARPOL ・ コンテナ配置 ・ 計算書・図面作成 ・ 船台進水計算 ・ 傾斜試験 ・ 緊急時意思決定支援 ・ 浸水シミュレーション ・ 3D構造配置 (NAPA Designer) ・ ブロック分割検討 ・ 重量・溶接長・塗装面積 ・ 船級ソフト連携 (NK,BV,LR,DNVGL) ・ FE解析メッシュ ・ CAD図面 (NAPA Drafting) その他 ・3Dデータ・インターフェース (多くの汎用3D,CADMTIC,AVEVA,S3D) ・ 最適化マネージャー (多目的遺伝的アルゴリズム) 機能設計 生産設計 Interface Interface 艤装 船型 復原性 船殻 上流設計に特化 NAPAの3Dモデルは, 1つのモデルを”成長させながら” 部署を跨いで様々な用途に用いることができます
  • 21. © NAPA NAPA Design Solutions ・ アクティブな機能開発 21 NAPA Designer 3次元設計を身近なものに。モデリングツールの再設計。 NAPA Drafting AutoCADベースの造船用作図ツール。 NAPA 3DモデルとCAD図面がつながりつづける。 • ユーザーフィードバックを元にした継続的な機能拡充と品質改善 • 古いUNIX時代の操作画面を抜本的に見直し, Windowsネイティブの 「NAPA Designer」「NAPA Drafting」を開発  直接, 3次元モデル上で設計を行うユーザー事例が実際に出てきた • 様々なパートナー会社とのコラボレーション (NK, NDES様・・・) NAPA-PSHULL連携 NKとの協業で開発した, 構造規則計算・FEM 解析効率化のための仕組み。連携範囲,拡張中。
  • 22. © NAPA NAPA Design Solutions・“One Ship Model” コンセプト 22 コンピューター上で作成した船のモデルデータで, 1つのモデルに様々な情報が含まれ, 多分野の設計検討に利用できるもの Structural Analysis Class Rule Calc. Weight & Cost DrawingsOutfitting DesignReporting Stability Calc. Hydrodynamics Hull form Fairing Hull Form Compartments Structures “1つの3次元モデル”の変更の影響を 広く・速く・精度良く 評価
  • 23. © NAPA NAPA=上流設計向きの3次元設計システム 23  他部署・後工程へ船型・区画・構造モデルを共有・引継ぎ可能  多種多様な外部の専門ソフトとの緊密なデータ連携  受渡し容易なコンパクトでセキュアなデータベース はやい  モールド面モデル → 軽快なモデル作成, 高品質FEMメッシュ  データ入力は一度だけ, データ活用は幅広く・何度でも  簡単なNAPAマクロで, 単純作業を自動化  ラフモデル→詳細モデルと, 設計進展に応じた作り込み  設計変更に強いモデル化手法, 船型トランスフォーメーション  高いカスタマイズ性 → 手に馴染む道具へ 柔軟 つながる 使える 設計 生産 検討  CAD:形状・配置検討支援, 図面作成, 外部データ連携…  CAE:推進性能, 復原性, 縦強度, 強度計算支援…  重量集計はまずまずだが, 溶接長は不得意  ブロック分割は工程別に仕分け不可 設計情報の”核”である3次元モデルを生産検討に活かせていなかった
  • 24. © NAPA NAPA ✕ Beagleによる生産検討のフロントローディング 24 NAPAの弱点をBeagleが補うことで, 早期の生産検討が可能に 船舶計算と 構造設計に 責任を持つシステム 生産検討に責任 を持つシステム Beagle View 設計情報の核として,試行 錯誤による最適化を支援 3次元モデルを利用し 現場の生産性向上を支援 • 船型,区画,構造検討 • 船舶性能計算 • 構造計算支援 • 図面作成 • 重量・溶接長 • ブロック分割(工程別) • 施工要領検討支援 • 工事用管理物量 • 設計・現場間の協議支援 • 定盤計画, 揚重検討 強固なデータ 連携を構築中 無理なく協力
  • 25. © NAPA これまでの設計・生産検討プロセス(2Dベース) 25 生産設計機能設計基本設計 設計全体で複数のデータ入力作業 → 設計・生産検討の作り込み困難 NAPA 船型・区画配置・性能計算 船殻図面 キープラン・ヤード図 解析ソフト 振動解析・規則要求 船級ソフト 規則計算 生産3D 工作図・一品・完成物量 物量集計 重量・溶接長・部材数 全て独立して データ入力 (変更の手間・大) 生産検討 ブロック分割・施工要領 設計レビュー・大日程 生産準備 足場・吊り・盤木 確度の低い情報 (経験を頼りに検討)
  • 26. © NAPA の設計・生産検討プロセス (NAPA ✕ Beagle) 26 生産設計機能設計基本設計 船型・区画配置検討 NAPA Steel Beagle View NAPA 船殻図面 船級規則計算 FEM解析 物量集計 ブロック分割・管理物量 施工要領・設計レビュー 工作図 データ連携 (将来?) データ入力は一度だけ データ活用は何度でも 性能・復原性・縦強度 GRADE/HULL Beagle View 一品 完成物量 揚重・大日程・定盤 3次元モデルを”核”とし, 設計と現場の全体最適化 実現へ 確度の高い情報で 定量的に検討の作り込み これから (フロントローディング) 管理物量精度検証 (設計v.s.完成) フィードバック
  • 27. © NAPA [参考] 目的を考えた費用対効果の高い3次元モデル利用 27 設計進展に応じて「モデルを育てる」ことができるNAPAモデルの特性が活かせる 基本設計 機能設計 (~中期) 機能設計 (~後期) 設計設計段階 生産検討 3次元モデル目的 必要な モデル詳細度 • 各種性能計算 • 初期重量推定 • G/A, ラフ図面 • 構造規則計算, FEM • CAD下絵, 重量 • 主要機器・配管配置 • 船殻承認図 • 詳細機器・配管配置 • 生産設計連携モデル • ブロック分割 • 設計レビュー • 施工要領 • 管理物量 • 大日程・定盤 • 吊り・盤木・足場 • 大板・大骨程度のラフ モデル • 重量をチャートから算出 するパラメータを取得 • 板厚・Web Stiff・開口・ 主要ブラケットを含むモデル • 重量は係数掛けで算出 • スロットや骨端部等の詳細 部や小物部材を追加 • 相応のモデリング時間掛かる 必須: カタチが分かり, 十分な 重量精度が得られる 必須:工程別の工事量 (=溶接長)が見積もれる
  • 29. © NAPA まとめ・3次元モデルを用いた生産検討フロントローディング 29 これから (フロントローディング) これまで 設計 使用情報 コスト 2D 現場 検討方法 3D+物量+2D 定性的判断(勘と経験) 定量評価(合理的判断) 属人的(ベテラン頼り) 仕組み化(人に依らない) 小 大 大 → 小 小 (一般的な3DCAD) (NAPA) (Beagle) NAPAxBeagleにより, 費用対効果の高い生産検討プロセスが構築可能に 情報の確度 低い 高い
  • 30. © NAPA 建造生産設計 フロントローディングで変わる各設計段階の果たすべき役割 30 これから (フロントローディング) これまで 機能設計基本設計 建造生産設計機能設計基本設計 売れる船 仕様・性能を 満たす船 作れる船 売れる船 仕様・性能を 満たす船 生産性良く 作れる船 生産性の良い船 NAPA & NAPA Steel Beagle View システム導入と併せて, フロント ローディングの文化醸成を!! 利益性の高い船
  • 31. © NAPA31 本プレゼンでは, 上流設計段階から3次元モデルを用いて生産検討を 行うことによる利点と課題, 解決案を紹介しました。 先人は, 実際の建造現場で体験した失敗から学び, 優れた経験値 (エンジニアリング・センス)を得てきました。エンジニアリング・センスは, 検討時に良い解を短時間で見つけ出すために, これまでも・これからも 非常に重要なスキルであり続けます。 3次元モデルを用いた試行錯誤は,バーチャル上で試作を繰り返し, 多くの失敗を体験することができる手段です。そこで得られる多くの失敗 体験を通じて, 効率的にエンジニアリング・センスを身につけられる事が, フロントローディングの真の価値なのだと, 弊社は考えています。 弊社は, NDES社や他の協業パートナーとも力を合わせ, 造船業に おける3次元モデルの効果的な利用と課題解決を支援してまいります。 おわりに
  • 32. © NAPA www.napa.fi Thank you for your attention 32 NAPA Groupは, お客様のより良い船づくりを支援いたします NAPA Japan株式会社 〒650-0024 神戸市中央区海岸通5番地 商船三井ビル512C Tel: 078-325-2160 Fax: 078-325-2190 E-mail: japan@napa.fi URL: www.napa.fi