2014年11月7日(金)　東京大学で開催された「日本MID協会 定例会」において、日本マクダーミッド株式会社が「LDS プロセスにおけるファインピッチめっきへの取り組み」というテーマで講演を行いました。　ご静聴ありがとうございました。 http://www.macd.co.jp/electronics/mid.html

1. LDS プロセスにおける
ファインピッチめっきへの取り組み
日本マクダーミッド株式会社
技術本部エレクトロニクス課
渡邉 歳哉
日本MID 協会定例会
2014 年11 月7 日
東京大学 生産技術研究所

2. MacDermid: Specialty Chemical Solutions
PPrriinnttiinngg SSoolluuttiioonnss
日本マクダーミッド株式会
社 p.2
• 23カ国に2000人以上の従業員
• 全世界に3500以上の顧客
IInndduussttrriiaall SSoolluuttiioonnss
EElleeccttrroonniiccss SSoolluuttiioonnss

3. MacDermid:日本マクダーミッド株式会社
p.3
設立昭和61年(1986年)4月1日
本社神奈川県川崎市高津区
資本金５，０００万円
従業員７１名（男性４９名 女性２２名）
製品内訳
PCB関連製品
エレクトロニクス関連製品
自動車部品関連製品
印刷用機材

4. MacDermid:日本マクダーミッド株式会社
p.4
海外顧客 16
北海道 (7)
中部 (136)
東北 (39)
関東 (258)
近畿 (89)
中国 (13)
九州 (16) 四国 (1)
外注工場 : 富士化学工業
日本マクダーミッド㈱
(大阪サテライト)
日本マクダーミッド㈱
本社、R&D (川崎)
• 顧客地図
日本マクダーミッド㈱
(名古屋サテライト）

5. MacDermid:日本マクダーミッド株式会社
p.5
• かながわサイエンスパーク （KSP）
CC棟 88FF 分析･実験室
CC棟 88FF ライン室
CC棟 77FF 受付（（営業･業務、ラボ））

6. MacDermid: MID メタライゼーション
p.6
表面仕上げ技術の“融合”
プラスチック上の装
飾めっき及び機能
めっき
（ POP)
プリント配線板用の無電解銅めっき
MID めっきの開発と最適化には
POPと プリント配線板用
めっきの両方の
専門知識の融合が不可欠であった

7. MID テクノロジー
スマートフォン
日本マクダーミッド株式会
ノートパソコン
社p.7
Molded Interconnect Device (MID)
• 電気回路が組み込まれた
熱可塑性プラスチック射出
成形品
 成形樹脂とプリント配線板の融合
今日の市場
• MIDはプラスチック基材の進歩やレー
ザーダイレクトストラクチャリング
（LDS）の開発により拡大している
 主要な用途は携帯電話、ノートパソコン、タ
ブレット等のモバイル通信機器のアンテナ
• 他市場への拡大
 自動車、医療、照明、ウエアラブル端末等
 デザインや機能の可能性が広がり
 小型化に向けた形状や接続性の新たな選択肢
照明
自動車
医療

8. 日本マクダーミッド株式会
トレンド
社p.8
• ファインピッチ技術
 デザイン性を広げる
 小型化
• SMT性能
 耐リフロー性のあるプラスチック
 はんだ付け可能な表面仕上げ
• ワイヤーボンディング
 適確なプラスチック、めっき厚、表面粗
さ、ファイナルフィニッシュの選択
• 軽量化
 電気回路と電子部品を一体化させ、
部品点
数を削減
• 製品スタイルと電気回路の一体化
 未来のデザインの可能性を広げるために
融合さ
れた立体回路

9. ファインピッチのための技術
日本マクダーミッド株式会
社p.9
• 管理・安定しためっきプロセス
 めっき前に効果的な超音波洗浄を利用し、レーザー残渣を全て除去す
る
 レーザー回路内のめっきの保持及びエッジへの析出を最小限に抑制す
るため、無電解銅めっき処理のめっき速度をコントロール
• 新しい銅めっき添加剤
 十分なめっき速度を保持しつつ、ファインピッチめっきが得られるた
めの 添加剤を銅めっき浴に使用
• 代替となるファイナルフィニッシュ
 ファインピッチめっきの妨げとなるキャタリストソリューションの排
除

10. 管理・安定しためっきプロセス
日本マクダーミッド株式会
社p.10
• ファインピッチめっき用の
銅めっき
パラメーター：
 超音波クリーニング
• レーザー残渣の除去を可能にする
特別に処方された薬品
 管理されたストライク銅めっき
• 多種のLDS基材に対応
 安定したビルド銅めっき
• エッジへの析出を防ぐ緩やかなめっ
き速度
従来の銅めっきプロセス
最適化されたプロセス
クリーニング
LDS Select
Prep 2000
クリーニング
LDS Select
Prep 2000
銅ストライク
MID Copper
銅ストライク
MID Copper
100 XB
100 XB
銅ビルド
MID Copper
100 XB
銅ビルド
MID Copper
100 XB

11. 管理・安定しためっきプロセス
日本マクダーミッド株式会
社p.11
• ファインパターンめっき
のニーズに対応できる銅
めっきプロセスの改良
• ライン間隔の目標：
40～100 μm
• エッジへの析出の低減と
スペースの完全性を保つ
ための銅めっきプロセス
の管理パラメータの設定
40 μm

12. 新しい銅めっき添加剤
日本マクダーミッド株式会
社p.12
• 新開発品
 めっき速度を犠牲にすることなく過剰な析出をコント
ロールする独自の添加剤を採用
 めっき速度 5 μm/hrが可能
通常のファインピッチめっきは2～3 μm/hr
 高速で高品質のめっき皮膜を維持

13. 新しい銅めっき添加剤
添加剤なし添加剤あり
添加剤を使用することでより直線的なラインが得られる
日本マクダーミッド株式会
社p.13

14. 粒子構造の比較
添加剤なし添加剤あり
日本マクダーミッド株式会
社p.14
SEM画像 5000倍
添加剤を使用することでより細かい粒子の皮膜が得られる

15. 新しい銅めっき添加剤
添加剤なし添加剤あり
日本マクダーミッド株式会
社p.15
回路幅 = 868.6 mm
ギャップ = 364.2 mm
回路幅 = 815.1 mm
ギャップ = 411.0 mm
添加剤を使用すると回路幅は広がることなく、ギャップも狭まらなかった

16. 代替となるファイナルフィニッシュ
• 従来: EN（無電解ニッケル） または
ENIG（無電解ニッケル/置換金） プロ
セス
 銅上にニッケルを析出させるのにパラジウム触媒が
必要
 触媒は回路間のギャップに残り無電解ニッケルの
エッジへの析出や過剰な析出を促進させることがあ
る
無電解ニッケルめっき前無電解ニッケルめっき後
日本マクダーミッド株式会
社p.16

17. 代替となるファイナルフィニッシュ
銀めっき
後
日本マクダーミッド株式会
社p.17
• 代替: MID Silver 100 プロセス
 銅上の銀は置換反応なので触媒を必要としない
 銀は銅上にのみ析出するのでエッジへの析出や過剰
な析出を防止することができる
銀めっき前

18. プロセスフロー – MID Silver vs. ENIG
日本マクダーミッド株式会
社p.18
MID 初期銅めっきサイクル
工程温度 ℃ 時間工程温度℃ 時間
MID Silver Pre-Dip 45 1 酸プレディップ室温1
MID Silver 100 55 3 水洗室温1
純水洗室温2 MID Ni Initiator 43 3
MID Anti-Tarnish 54 1.5 水洗室温1
温水洗50 3 酸ポストディップ室温1
乾燥n/a n/a MID MP Nickel 100 88 15
合計時間11 分水洗室温2
MID Gold 100 85 10
水洗室温2
乾燥n/a n/a
合計時間40 分
• 工数の削減 =
製造時間の短縮
• 浴温の低下 =
エネルギーコストの削減

19. 代替となるファイナルフィニッシュ
MID ニッケル金MID Silver 100
日本マクダーミッド株式会
社p.19
• 試験方法： ASTM B117-09
 NSST 96時間
 長時間の悪環境でも良好な耐食性を示す
MID Silver 100はAnti-Tarnish処理をする事でニッケル金よ
りもNSSTで高い耐食性を示す

20. • LDS MIDにおけるファインピッチめっき適用
には多くのアプローチがあります・・・
 コントロールされためっきプロセスからのアプロー
チ
 新しい添加剤からのアプローチ
 代替となるファイナルフィニッシュからのアプロー
チ
• ファインピッチめっき性能によりデザインの可
能性が広がり、MIDをより新しく革新的な市
場へと拡大させることができます
日本マクダーミッド株式会
まとめ
社p.20

21. MIDに限界はありません
日本マクダーミッド株式会
社p.21