R Langlois, P Robertson 『企業制度の理論―ケイパビリティ・取引費用・組織境界』

1. Langlois & Robertson
『企業制度の理論―ケイパビリティ・取引費用・組織境界』
東洋学園大学 現代経営学部 赤尾充哉

2. ２つのケイパビリティ
• ラングロア＆ロバートソン（1995年）
• 企業のケイパビリティ（組織能力）には
2種類ある
• 本質的コア
• その企業特有のケイパビリティで、
市場を通じて利用するのは難しい
• 補助的ケイパビリティ
• 特異性の低いケイパビリティで、
市場を通じて利用するのが容易

3. • 必要な補助的ケイパビリティを
全て自社保有するのは難しい
→ 必要な補助的ケイパビリティのうち、
どれを自社保有して、
どれを他社に頼るかを決めることが重要
• 企業間で知識を伝え合うなどして調整するコスト
が高い場合、
自社保有のほうがよい ダイナミック取引コスト

4. ケイパビリティと企業境界
• イノベーションが
多数の生産段階にまたがっている場合
→ダイナミック取引コストが高いので、
関連企業を統合して内部組織化したほうがよい
• 単独の生産段階で起こるイノベーションが
市場で活発に行われている場合、
→市場を通じて
外部企業のケイパビリティを
活用したほうがよい
システミック・
イノベーション
自律的
イノベーション

5. 21世紀の市場
• 20世紀と比べて
• インターネットなどの情報ツールが発展した
• 国際的な商取引に関わる法制度が整備された
• 特定の業務に特化した専門企業が増加した
• そのため
1. 補助的ケイパビリティを市場で提供する
企業が増えて、外部企業のケイパビリティを
利用しやすくなった
市場の密度の増加

6. 2. 急な環境変化に対しても、
外部企業のケイパビリティを利用して
対応できるため、自社内部で不確実性に
備えなくてもよくなった
※ 現代は、企業組織が小さくなり、
アウトソーシングなど、
企業間の協力が増える傾向
バッファーの
緊急性の低下