テストツールの濫用(？)例の紹介 中心となるツール: JMeter Webでしか設定できないサーバの設定を自動化する(IaaC化) 対象: Openfire(XMPPサーバ) 自動化手段: Chef+Vagrant、そしてJMeter

1. JMeterをWebでしか設定できない
サーバの設定自動化に使う
2016/02/19 Javaツール勉強会資料
QTS / ISIT 神戸隆行（かんど たかゆき）
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2. 自己紹介 - 全般
2015/11/20Javaツール勉強会2
 九州先端科学技術研究所（ISIT）の方から来ました
 職場はそこだけど所属はQuoliarc Technology Solutions Ltd.
 チーフソフトウェアエンジニア（…といっても従業員は1人、院の指導教官
がCTO）
 数学ソフトウェア（数値解析、数式処理）、プログラム最適化、動的再構
成可能プロセッサ向けコンパイラと来て今はPTaaSを作っています
 連絡先：
 Twitter: @ChihiroShiiji
 Facebook: takayuki_kando
 mail: kando@nerimadors.or.jp
 趣味プロジェクト： TRPGオンラインセッションツールの開発
 趣味： イラスト描き、コスプレ？

3. 自己紹介 - JMeterとの関わり
2015/11/20Javaツール勉強会3
 PTaaS （Platform for TaaS）
 開発ツールをネットワークのサービスとして提供する（Tool as
a Service）ためのプラットフォーム
 技術的には「XMPPベースのマルチユーザ遠隔分散ビルド」
システム
 JMeterの用途
 JMeter本来の用途には使ってません
 Openfireサーバ（XMPPサーバ）の設定の自動化に使ってい
ます
 XMPP（eXtensible Messaging and Presence Protocol）はSkype
やLINEのようなサービスを実現するオープンなプロトコル

4. 本日のお題
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 テストツールの濫用(？)例の紹介
 中心となるツール: JMeter
 Webでしか設定できないサーバの設定を自動化する
(IaaC化)
 対象: Openfire(XMPPサーバ)
 自動化手段: Chef+Vagrant、そしてJMeter
 サンプルコードとJMeterの画面はライブで
 用意する時間が足りませんでした、済みません。

5. IaaC(Infrastructure as a Code)
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 インフラ(サーバやネットワーク)の設定作業をプログラミ
ングして自動化する
 プロビジョニングツール
 Chef(今回採用)
 Ansible
 仮想環境管理ツール
 Vagrant
 余談: 残念ながらJava系のツールではない
 Chef、Vagrant: Rubyで書かれている
 Ansible: Pythonで書かれている
 Groovyコミュニティ頑張れw

6. Chef: プロビジョニング・ツール(1)
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本日の本題でないので簡潔に
https://www.chef.io/chef/
 ホストやネットワークの設定作業を行う
 設定作業のため情報の基本的な構造
 クックブックはレシピやプロパティ、テンプレート、ファイル等の集まり
 プロパティは設定に必要な値を記述する
 テンプレートは対象ホストに置く設定ファイル等のカスタマイズに利用するファイル
 ファイルは対象ホストに置くファイルそのもの
 レシピはリソースの集まり
 鍵となる概念は「収束」
 リソースには宣言的な構文で設定が終わった時にあるべき姿を記述
 あるべき姿からずれている部分が設定・更新される
 レシピにはRubyのコードも書ける
 …というかRubyの内部DSL（Internal Domain Specific Language）

7. Chef: プロビジョニング・ツール(2)
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本日の本題でないので簡潔に
 設定ファイルとレシピ、クックブック(レシピの集り)を書いておくと以
下の作業がコマンド一発で実行できる
 設定作業の例:
 ディレクトリ、ファイル、アカウントの作成
 各種ソフトウェアやパッケージのインストールや更新
 デーモンの起動設定
 各種設定ファイルのカスタマイズ
 …etc.
 クックブックについて
 既存のクックブックをDLして使うこともできる
 リポジトリもある
 構成により
 {特定のホストだけ／リモートのホストを／クックブックを集中管理するサーバを
立ててホスト群を}収束できる

8. Vagrant: 仮想環境(仮想マシン、VM)の管
理ツール(1)
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本日の本題でないので簡潔に
https://www.vagrantup.com/
 適当に設定ファイルを書いておくと以下の作業がコマンド一
発で実行できる
 設定ファイル
 Rubyの内部DSL
 プロビジョニングの要領やネットワークの設定などを記す
 コマンドの例：
 VMの起動及びプロビジョニング（複数ある時は名前も指定できる）
 vagrant up
 VMの強制終了（複数ある時は名前も指定できる）
 vagrant destroy -f

9. Vagrant: 仮想環境(仮想マシン、VM)の管
理ツール(2)
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本日の本題でないので簡潔に
 管理作業の例:
 VM起動、終了、簡単なプロビジョニング、プロビジョニング済み
VMの配布可能なイメージの保存やそこからの起動
 プロビジョニング・ツールと連携すると複雑なプロビジョニングも
可能
 標準的にはVirtualBox上のVMがターゲット
 プラグインの追加でAWS上のVM管理とイメージ作成も可能
 典型的な利用例
 開発環境として設定済みWebサーバのイメージを作って開発
チームで共有

10. Openfire
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 http://www.igniterealtime.org/projects/openfire/
 XMPPサーバ
 中小企業のメッセージング・インフラを想定
 より大規模な用途にはTigaseという別のサーバ実装もある
 Javaで書かれている
 オープンソース
 RDBと連携して動くが、無ければ代替実装がある。
 9090ポートで設定用GUIとしてWebインターフェースを提供
 …というかそれでしか設定できない機能が殆ど！
 設定ファイルはごく単純なものしかない
 多くの設定はDB側に格納されている様子
 REST APIはない
 正確にはユーザ追加など機能の限られたREST APIのプラグインが存在
 手動管理には便利だが、IaaCのような設定自動化にとっては超鬼門！

11. そこでJMeterの濫用
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 JMeterを自動化のコントローラーに使う

12. JMeterとは何か
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http://jmeter.apache.org/
 Webサービスの負荷試験を行うツール
 テスト計画に設定されたパターンでリクエストを投げて想定通り
の応答が返せるかどうか試験する
 逐次的に
 繰り返し
 並列に
 …etc.
 Javaで記述されている
 配布元はApache Foundation

13. JMeterのテスト計画
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 テスト計画(.jmxファイル)
 XML形式
 内容：
 JMeter全体の設定情報
 WebサーバやProxyの情報等々
 コントローラ
 プログラミング言語の制御構造に相当
 逐次実行、並列実行、条件分岐、繰り返しなどを表現
 入れ子にできる
 含まれるコントローラやリクエストを実行しレスポンスを確認する
 リクエスト
 HTTPリクエストを表現
 レスポンス
 HTTPリクエストに対するレスポンスを表現

14. JMeterの機能
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 テスト計画の作成
 サンプリング機能
 JMeterがProxyサーバとして動作しリクエストとレスポンスが収集＆記録
される
 0から手作業でテストを作ってると結構大変なので重要
 エディタ機能
 リクエストとレスポンス、それを操る「コントローラ」をGUIから編集できる
 正直、.jmxファイルはかなり人間にはつらいXML形式なので重要
 テストの実行
 GUIから
 コマンドラインから
 これによりChefからの実行が可能になる

15. JMeterによる設定自動化までの手順（１）
サンプリング
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1. デフォルト設定のOpenfireサーバを立ち上げる
 一回目に立ちあがったとき実は9090ポートのWebインターフェース
はユーザとパスワードを設定する画面になっているのだが、無慈悲
に再起動するとデフォルト設定になる
 デフォルト管理ユーザ： admin
 adminのパスワード： admin
2. JMeterを起動しサンプリングができるよう設定
 重要： Proxyの待ち受けポート設定
3. Webブラウザのプロクシを上述のProxyのポートに設定
4. JMeterのサンプリング開始ボタンを押す
5. WebブラウザでOpenfireサーバが立ち上がってるホストの
9090ポートにアクセス
6. ログインしてサンプルしたい設定作業を行う
7. JMeterのサンプリング終了ボタンを押す

16. 操作のサンプリングTips
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 JMeter初期設定
 設定は保存できるので一回やったら名前を付けて保存しておくと便利
 リクエストのログを収集しないファイルタイプ（画像とか）を設定して置くとノイ
ズが増えない
 ページにはボタンやアイコンの画像など操作に直接関係しないデータが沢山埋め込ま
れている
 操作中
 ミスるとやり直しなので息を止めて集中して行う :-p
 失敗すると面倒なので設定作業はある程度小分けした方がいい
 繰り返し作業は後からChefへの対応のついでに行うので一回行えばいい
 設定変更後、OKとかSaveとか書かれているような、submitが行われるボタ
ンを押さないとリクエストが発生しないので注意
 Openfireに関して言えば
 最初の設定作業は管理パスワードの変更がいいと思われる
 そして以降の作業では変更後のパスワードでログインして行う
 設定作業後はログアウトして置く

17. JMeterによる設定自動化までの手順（2）
編集
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 JMeter上で採集できたサンプル一式をでテストプランに
カット＆ペーストする
 テストプランに相応しい名前を付けて.jmxファイルを保存
する
 ここまでで再生の準備はできているのでコマンドラインか
ら.jmxファイルを指定してJMeterを立ち上げればサンプル時
と全く同じ設定は可能
 条件判定や繰り返しを行うときは.jmxファイルをテンプレート
化し、テンプレート・エンジンを利用してパラメタや制御構造を
埋め込んで.jmxファイルを生成すると良い
 今回はChefでプロビジョニングしているのでRubyの標準テンプレー
ト・エンジンERBを利用

18. JMeterによる設定自動化までの手順（3）
Chefクックブックへの組み込みの概略
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 Chefで自分が設定に使うクックブックを作成
 クックブックのレシピ内でarkリソースによりJMeterをインストール
 arkリソースはアーカイブをDLし展開するリソース
 標準ではない拡張リソースなのでクックブックを追加しておく必要がある
 Berkshelfの依存ファイルに追加してberksコマンドを実行しておくなど
 必要ならJavaもインストール
 .jmxファイルを設定用に作成したクックブックのtemplatesディレクトリにコ
ピー
 拡張子は.jmxから.jmx.erbに変更
 Rubyの標準テンプレートエンジンERBのテンプレートを示す拡張子が.erb
 ERBのタグを埋め込む
 <%= 変数名 %>…値の埋め込み
 <% Rubyコード埋め込み %>…制御構造の埋め込み
 レシピでtemplateリソースによりテンプレートの展開を指示
 このときテンプレート内で参照する変数指定して値を渡す
 レシピ内でscriptリソースにJMeterを実行するスクリプトを指定
 設定が行われる

19. Chef組み込みのTips
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 詳細はChefとRubyの理解が必要なるので今回は省略
 小規模の.erbファイルに小分けしてレシピ内でそれらを
適用させるほうが楽
 ERBタグの埋め込み編集はIDEの支援を受けられず人間に
とってかなり苦痛

20. まとめ
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 Chef、Vagrantを利用した自動的なプロビジョニングで
JMeterを用いてWebの設定インターフェースしかない
サーバを設定する方法（IaaC化）の概略を紹介した
 JMeterのテストプラン作成機能とテスト実行機能を利用する
とWebで提供されるGUIを操作できる
 JMeterのWebプロクシ機能を利用するとテストプランの作成が簡単
になる
 でき上ったテストプランをテンプレート化し適当なテンプレート
エンジンで処理することで必要な値を埋め込んだテストプラン
を生成できる
 テストプランのテンプレートをChefのクックブックに組み込み、
Chef内からJMeterを実行してWebの設定インターフェースを
介した設定が自動化できる

21. 参考文献
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 Chef実践入門 ～コードによるインフラ構成の自動化
 吉羽 龍太郎 他著、技術評論社刊
 2014/5/22、ISBN-13: 978-4774165004
 見通しが良いです
 Chef活用ガイド コードではじめる構成管理
 澤登亨彦 他著、KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 刊
 2014/4/25、ISBN-13: 978-4048919852
 網羅的だが見通しが悪く読みにくい
 実践 Vagrant
 Mitchell Hashimoto 著、Sky株式会社 玉川 竜司 訳、オライリージャパン 刊
 2014/2/21、ISBN-13: 978-4873116655
 JMeter/自動でテストケースを作成したい - Void of Knowledge
 https://vok.paburica.com/index.php?JMeter%2F%E8%87%AA%E5%8B%95%E3%
81%A7%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%B1%E3%83%BC%E3
%82%B9%E3%82%92%E4%BD%9C%E6%88%90%E3%81%97%E3%81%9F%E
3%81%84 、2016/02/19閲覧
 Rubyist Magazine - 標準添付ライブラリ紹介 【第 10 回】 ERB
 http://magazine.rubyist.net/?0017-BundledLibraries 、2016/02/19閲覧