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JICPA兵庫会 業務開発研修会 2014年2月4日 無形資産評価
- 1. 事例例を踏まえた無形資産の 評価⼿手続と評価⽅方法のポイント IP Valuation 特許事務所 弁理理⼠士 松本 浩⼀一郎郎 2014年年2⽉月4⽇日 ⽇日本公認会計⼠士協会兵庫会 業務開発研修会
- 2. 1. はじめに 2014/2/4 IP Valuation Patent Office
- 3. 無形資産の重要性が増⼤大 2014/2/4 IP Valuation Patent Office3
- 4. 相次ぐM&A – 最近の事例例 買い⼿手 対象会社等 取引⾦金金額 サントリー ビーム 1兆6,500億円 ABインベブ OBビール（韓国） 6,000億円 レノボ Google傘下のモトローラ・モビリティのスマート フォン事業 2,970億円 レノボ IBMのPCサーバー事業 2,400億円 ベライゾン インテルのネットテレビ部⾨門 210億円程度度 リンガーハット ハチバン（８番らーめん） 50億円程度度 ホットランド （築地銀だこ） コールドストーン⽇日本法⼈人 10億円前後 双⽇日 東南アジアでの「アドミラル」商標権 ⾮非公表 電通 ポーランドとオーストラリアで広告会社買収 ⾮非公表 ⽇日本テレビ タツノコプロ（タカラトミーの⼦子会社） 数億円 2014/2/4 IP Valuation Patent Office →ブランド、コンテンツ、顧客基盤などの無形資産がターゲット 4
- 5. 7&iは昨年年12⽉月だけで4件 対象会社等 取引形態 取引⾦金金額 ニッセンホールディングス TOBおよび第三者割当増資 132億円 バーニーズジャパン ファンドから49.99%の株式取得 60億円 天満屋ストア 既存株主から20％の株式取得 30億円 バルス（フランフラン） 第三者割当増資および既存株主か ら計50％弱の株式取得 50億円 2014/2/4 IP Valuation Patent Office5
- 6. 過去の知財⽬目的の⼤大型M＆A 年年⽉月 買い⼿手 対象会社等 取引⾦金金額 2011年年8⽉月 Google Motorola Mobility 125億ドル 2011年年7⽉月 Sony, Apple, Microsoft等6社 破綻会社NORTELの特許ポートフォリオ 6,000件 45億ドル 2011年年5⽉月 武⽥田薬品 ナイコメッド（スイス） 96億ユーロ （1兆1000億円） 2010年年4⽉月 HP パーム（Palm、WebOS等） 12億ドル 2010年年3⽉月 アステラス製薬 OSIファーマシューティカルズ 3,700億円 2008年年11⽉月 パナソニック 三洋電機の普通株式50.2％ 4,038億円 2008年年6⽉月 第⼀一三共 ランバクシー・ラボラトリーズ（イン ド） 4,900億円 2008年年4⽉月 武⽥田薬品 ミレニアム・ファーマシューティカルズ 8,800億円 2014/2/4 IP Valuation Patent Office →⼤大型案件は製薬とモバイル関連 6
- 7. 特許そのものの取引 (1) 年年⽉月 買い⼿手 対象特許等 取引⾦金金額 2014年年1⽉月 クアルコム HPが保有するPalm、iPaq等関連特許 2,400件 ⾮非公表 2013年年4⽉月 船井電機 レックスマークが保有するインク ジェットプリンター関連特許1,651件 73.5百万ドル 2013年年3⽉月 HTC ADC Telecomが保有する4G通信に関 する特許82件 75百万ドル 2013年年2⽉月 LG HPが保有するWebOS関連ソフトウェ ア、ライセンスおよび⼈人材 ⾮非公表 2013年年1⽉月 Apple, Google 破綻したKodakの特許1,100件 527百万ドル 2012年年11 ⽉月 ARM MIPS Technologiesが保有するネット ワーク関連特許580件 350百万ドル 2012年年7⽉月 Universal Display Corp 富⼠士フイルムが保有する有機EL関連特 許1,200件 105百万ドル 2014/2/4 IP Valuation Patent Office7
- 8. 特許そのものの取引 (2) 年年⽉月 買い⼿手 対象特許等 取引⾦金金額 2012年年6⽉月 インテル InterDigitalが保有する3G/LTE関連 特許1,700件 375百万ドル 2012年年4⽉月 Facebook MicrosoftがAOLから取得した特許 の⼀一部650件 550百万ドル 2012年年4⽉月 Microsoft AOLが保有するインターネット関連 特許925件 1,056百万ド ル 2012年年3⽉月 Facebook IBMが保有するネットワーク関連の 特許750件 n/a 2011年年7⽉月 Google IBMが保有する広範な特許1,000件 n/a 2011年年7⽉月 Rockstar Consortium (Sony, Apple, Microsoft等6社) 破綻会社NORTELの特許6,000件 45億ドル 2014/2/4 IP Valuation Patent Office8
- 9. 取引価格の動向 2014/2/4 IP Valuation Patent Office Ê ⽶米国の特許取引アドバイザリー会社 IPOffringsによると、2012年年の特許1件あ たりの取引価格は平均値で約37万ドル、 中央値で22万ドル Ê 同じく、2013年年の取引価格の平均値は約 23万ドル、中央値は17万ドル Ê 2011年年から2012年年にかけての、インター ネット・無線通信・携帯情報端末関連の特 許獲得競争が⼀一段落落したことから、特許取 引価格は下落落傾向 9
- 10. ⾼高額取引の背景 2014/2/4 IP Valuation Patent Office Ê 右の図は、2011年年夏頃の各社間 で争われている裁判の状況を⽰示し たもの Ê このような状況下で、裁判⽬目的で Apple、Google、Microsoftと いった⼤大企業が特許を買い集める 戦略略を取ったため、2011年年から 2012年年にかけて特許の⾼高額取引 が相次いだ 10
- 11. 2．知財評価が求められる場⾯面 IP Valuation Patent Office2014/2/4
- 12. １）海外⼦子会社への機能移転 Ê 最初は、⽣生産⼦子会社をアジアに設⽴立立し⽣生産機能を移転し、 製品を輸⼊入 Ê その後、国内販売がなくなりアジアおよびその他の世界 販売のみへ Ê 効率率率化のため国内の開発機能を⽣生産拠点と統合したい Ê 特許等のほか、製品製造に必要な図⾯面等の知的財産⼀一式を 現地⽣生産⼦子会社へ移転 Ê 移転対象の知的財産の価値をどう考えるか 2014/2/4 IP Valuation Patent Office12
- 13. ２）海外⼦子会社から知財集約 Ê 海外⼦子会社が現地製品に⽤用いる製品容器やパッケージデ ザインについて現地で意匠権を取得 Ê ⽇日本本社が知財権の⼀一元管理理のため⼦子会社から当該意匠 権を取得したい Ê 譲渡対価およびロイヤルティについて、どのように決め たらよいか 2014/2/4 IP Valuation Patent Office13
- 14. ３）買収先からの知財集約 Ê 株式買収により⼦子会社化した会社が保有する特許権等に ついて、本社へ集約するために買い取りたい Ê 特許権等の売買（知財部所管）に先⽴立立って、買収に伴う PPA⼿手続き（買収対価の配分）が経理理部（および外部コ ンサルタント）によって⾏行行われ、買取対象となる特許権 等の連結上の公正価値（＝帳簿価格）が算定される Ê この場合、⼦子会社からの買取価格と帳簿価格との関係を どのように考えたらよいか Ê もし、異異なる場合、税務上のリスクはないか 2014/2/4 IP Valuation Patent Office14
- 15. ４）本社空洞洞化への対応 Ê 当初は部品を海外で製造し、最終製品は国内⽣生産であっ たが、徐々に最終製品まで海外⽣生産に移⾏行行 Ê 販売先も海外となり、物流流・商流流ともに本社を経由しな い状態に Ê 研究開発費、広告宣伝費のほか、グループ管理理コストも 含めた本社費⽤用の回収が困難に Ê 技術ロイヤルティ、ブランド・ロイヤルティ、経営指導 料料などによる回収策の検討 2014/2/4 IP Valuation Patent Office15
- 16. ５）持株会社の収益確保 Ê 持株会社では、⾃自社ブランドの維持、管理理および価値向 上のためのコストを負担しているが、製品販売および サービス提供をしていないため、直接的なコスト回収が できない Ê ⼦子会社配当⾦金金収⼊入による回収では課税所得が⽋欠損となる Ê このため、⼦子会社からブランド使⽤用料料を徴収することに よってこのコストを回収したい Ê どのような回収⽅方法が考えられるか Ê 役務提供の対価（コストベース） Ê 無形資産の使⽤用料料（インカムベース） 2014/2/4 IP Valuation Patent Office16
- 17. ６）形式的な特許権の保有 Ê グループ内特許の⼀一元管理理および有効活⽤用のため、⼦子会 社が取得した特許権等はすべて持株会社に集約 Ê 持株会社は、全ての権利利を⼦子会社にライセンス供与 Ê 研究開発費、特許維持費は⼦子会社負担 Ê 持株会社は、形式的に権利利を保有しているだけ Ê この場合に、無償での権利利移転および無償でのライセン スとしたいが、何らかの（特に税務上の）リスクはある か。 2014/2/4 IP Valuation Patent Office17
- 18. 3. 無形資産に関する会計基準 IP Valuation Patent Office2014/2/4
- 19. 現在の状況 Ê ⽇日本にはIFRSや⽶米国会計基準のように無形資産全般に 関する会計基準が存在していない Ê IFRSではIAS第38号「無形資産」、⽶米国会計基準では ASC350「無形資産−のれん及びその他」がある Ê 企業会計原則に無形固定資産に関する定めがあるが、個 別の会計基準では、企業結合により受け⼊入れた無形資産 に関しては「企業結合に関する会計基準」、研究開発費 やソフトウェア制作費に関しては「研究開発費等に関す る会計基準」が定められているにとどまり、無形資産の 定義や認識識⽤用件は明⽰示されていない 2014/2/4 IP Valuation Patent Office19
- 20. これまでの経緯 Ê 2007年年7⽉月、企業会計審議会に無形資産専⾨門委員会を設 置し、無形資産に関してコンバージェンスの観点から検 討すべき論論点の整理理に向けて具体的な検討を開始 Ê 2007年年12⽉月、「研究開発費に関する論論点の整理理」を公 表 Ê 2008年年12⽉月、企業結合会計基準および研究開発費等に 関する会計基準の⼀一部改正を公表 Ê 2009年年12⽉月、「無形資産に関する論論点の整理理」を公表 Ê 2013年年6⽉月、「無形資産に関する検討経過の取りまと め」を公表 2014/2/4 IP Valuation Patent Office20
- 21. 「取りまとめ」における主な論論点 Ê 社内開発費 Ê 現状はすべて費⽤用処理理。無形資産の認 識識要件を満たす場合には、費⽤用収益対 応の観点から資産計上すべきか Ê 企業結合時に識識別される無形資産 Ê より広い範囲で無形資産を識識別・評価 して、のれんから区別することのベネ フィットとコスト Ê 個別に取得した仕掛研究開発 Ê 企業結合会計基準との整合性、資産計 上の要否 Ê 耐⽤用年年数が確定できない無形資産 2014/2/4 IP Valuation Patent Office21
- 22. IFRS/⽶米国会計基準における無形資産の定義 Ê 定義 Ê 物理理的実体のない識識別可能な⾮非貨幣性資産 Ê 過去の事象の結果として、企業が⽀支配 Ê 将来の経済的便便益が企業に流流⼊入する期待 Ê 認識識基準 Ê 当該資産に起因する、期待される将来の経済的便便 益が企業に流流⼊入する可能性が⾼高い Ê 当該資産の取得原価を信頼性をもって測定できる 2014/2/4 IP Valuation Patent Office22
- 23. 企業結合時に識識別される無形資産 項⽬目 ⽇日本基準 IFRS/⽶米国会計基準 識識別可能性 法律律上の権利利など分離離して識識別 可能なもの 「分離離可能である」または「契 約またはその他の法的権利利から ⽣生じるもの」のどちらか 例例⽰示 特定の法律律に基づく知的財産権 （知的所有権）等の権利利につい てあり （次⾴頁参照） 当初認識識後の 会計処理理 規定なし 規定あり（耐⽤用年年数、償却期間 および償却⽅方法、残存価額、耐 ⽤用年年数を確定できない無形資産 など） 開⽰示 取得原価の⼤大部分がのれん以外の無 形資産に配分された場合には、その ⾦金金額及び主要な種類別の内訳並びに 全体及び主要な種類別の加重平均償 却期間を開⽰示 取得した資産及び引き受けた負 債の主要な種類ごとに、取得⽇日 時点で認識識された⾦金金額を開⽰示 2014/2/4 IP Valuation Patent Office23
- 24. IFRS/⽶米国会計基準における無形資産の例例⽰示 種類 項⽬目 マーケティン グ関連 商標、商号、サービスマーク、新聞題字、インターネッ トドメイン名 顧客関連 顧客リスト、顧客との関係、受注残 芸術関連 演劇、オペラ、バレエ、書籍、雑誌、新聞、⾳音楽（作曲、 作詞）、絵画、写真、映画、テレビ番組 契約関連 ライセンス、ロイヤルティ、広告契約、賃貸借契約、建 築許可、フランチャイズ契約、営業権、放送権、利利⽤用権 技術関連 特許権、ソフトウェア、企業秘密（製法など） 2014/2/4 IP Valuation Patent Office24
- 25. ⽇日本基準における無形資産の例例⽰示 Ê 企業会計原則 第三４（⼀一）B Ê 「営業権、特許権、地上権、商標権等は、無形固定資産に属するものとす る」 Ê 財務諸表等規則第28 Ê のれん、特許権、借地権（地上権を含む）、商標権、実⽤用新案権、意匠権、 鉱業権、漁業権（⼊入漁権を含む）、ソフトウェア、リース資産 Ê 企業結合会計基準(2008) Ê 識識別可能要件として「法律律上の権利利など分離離して譲渡可能な無形資産」 Ê 法律律上の権利利の例例⽰示として、特許権等の産業財産権、著作権、商号、営業 上の機密事項、など Ê 分離離して譲渡可能な資産の例例⽰示として、ソフトウェア、顧客リスト、デー タベース、仕掛中の研究開発費、など 2014/2/4 IP Valuation Patent Office25
- 27. ⽇日本基準による開⽰示事例例−LIXIL Ê LIXILは特に海外で積極的に買収を実施 2014/2/4 IP Valuation Patent Office 買収時期 対象会社等 取引⾦金金額 2009年年 アメリカンスタンダード アジア・パシフィック 部⾨門 176億円 2011年年 ペルマスティリーザ（イタリア） カーテンウォール（ビル向けガラス外壁）事業 608億円 2013年年 アメリカンスタンダード北北⽶米部⾨門 531億円 2013年年 グローエ（ドイツ） 3,800億円 27
- 28. LIXILのB/Sおよび注記 2014/2/4 IP Valuation Patent Office Ê 2012年年3⽉月期に買 収したペルマス ティリーザの取得 原価の配分に関す る注記 Ê 無形資産の内訳は 開⽰示されず、何を 取得したのかは不不 明 28
- 29. ⽇日本基準による開⽰示事例例−KIRIN Ê キリンホールディングスは、2011年年10⽉月にブラジルの ビール等飲料料事業を営むスキンカリオール(Schincariol) グループを買収 2014/2/4 IP Valuation Patent Office29
- 30. KIRINのB/Sおよび注記 2014/2/4 IP Valuation Patent Office Ê 2012年年3⽉月期に買 収したブラジルキ リン（旧スキンカ リオール）の取得 原価の配分に関す る注記 Ê 無形資産の内訳は 開⽰示されず、何を 取得したのかは不不 明 30
- 31. ⽶米国会計基準による開⽰示事例例−三菱菱商事 2014/2/4 IP Valuation Patent Office31
- 32. 4．無形資産の評価⼿手続 2014/2/4 IP Valuation Patent Office
- 33. PPAにおける評価⼿手続き 1. 配分すべき⾦金金額の算定 2. 評価基準⽇日におけるB/Sの⼊入⼿手 3. 無形資産以外の資産および負債の公正価値評価 4. 無形資産の識識別 5. 無形資産の測定 2014/2/4 IP Valuation Patent Office33
- 34. 配分⾦金金額の算定 Ê 配分すべき⾦金金額は、取得した対象会社の株式の価値と対 象会社の有利利⼦子負債（公正価値）の⾦金金額の合計 Ê 取得した株式が100％未満の場合には、100％ベースに換 算 Ê 取得に直接要した費⽤用は、⽶米国会計基準およびIFRSでは取 得原価に含めず費⽤用処理理（現⾏行行⽇日本基準では取得原価に含 めるが、昨年年9⽉月に公表された改正企業結合会計基準では、 含めない。2015年年4⽉月１⽇日より適⽤用） 2014/2/4 IP Valuation Patent Office34
- 35. 無形資産以外の公正価値評価 Ê ⼊入⼿手した評価基準⽇日時点における、有利利⼦子負債以外の負 債、流流動資産および有形固定資産について、公正価値評 価を実施 Ê 運転資本や有形固定資産の公正価値評価額は、無形資産 評価において超過収益法を⽤用いる際に必要となる Ê このため、無形資産評価に先⽴立立って、無形資産以外の公 正価値評価が⾏行行われる 2014/2/4 IP Valuation Patent Office35
- 36. 無形資産の識識別 Ê 以下のいずれかの要件を満たすものを認識識 1. 契約または法律律上の権利利によって⽣生じるもの（契約・法 的要件） 2. 分離離・分割が可能で、売却、譲渡、ライセンスの付与、 貸与または交換が可能な資産（意志の有無は不不問） Ê 具体的には、買収先選定の検討資料料、買収交渉の内容、 買い⼿手やターゲット会社へのインタビューなどによっ て、取得の⽬目的、ターゲットの有する強み、固有の特 徴などから把握 2014/2/4 IP Valuation Patent Office36
- 37. 無形資産の測定 Ê 識識別された無形資産のそれぞれについて、必要な資料料を ⼊入⼿手し、適切切な評価⼿手法を⽤用いて、無形資産の公正価値 を評価する Ê 作業に必要な資料料については、直接的なものがない場合 ば多い（例例えば、契約の更更新率率率や顧客の継続期間、技術 が陳腐化するまでの期間、等）ので、代替となる資料料も 含めて検討 2014/2/4 IP Valuation Patent Office37
- 38. 5．無形資産の評価⼿手法 IP Valuation Patent Office2014/2/4
- 40. ロイヤルティ免除法：料料率率率データ Ê ロイヤルティ免除法に⽤用いるロイヤルティ料料率率率は、以 下の資料料を参考に検討 Ê 対象会社における過去のライセンス契約実績データ Ê （⼊入⼿手可能な場合）同業他社におけるライセンス実績 データ Ê ロイヤルティ料料率率率データハンドブック（経済産業調査 会） Ê 実施料料率率率（第５版）（発明協会） ※やや古い Ê royaltystat database (www.royaltystat.com) Ê RoyaltySource database (www.royaltysource.com) 2014/2/4 IP Valuation Patent Office40
- 41. 2014/2/4 ロイヤルティ免除法（計算例例） Year 1 Year 2 Year 3 Year 4 Year 5 ロイヤルティ対象売上 10,000 8,500 6,500 3,250 1,000 ロイヤルティ料率 5% 5% 5% 5% 5% ロイヤルティ免除額 500 425 325 163 50 法人税率 40% 法人税等 (200) (170) (130) (65) (20) 税引後ロイヤルティ免除額 300 255 195 98 30 割引率 10% 割引期間 0.50 1.50 2.50 3.50 4.50 現在価値へのディスカウント･ファクター 0.95 0.87 0.79 0.72 0.65 ロイヤルティ免除額現在価値 286 221 154 70 20 現在価値合計 750 償却に係る税効果額 263 0.35 評価額 1,013 IP Valuation Patent Office41
- 43. 2014/2/4 超過収益法（計算例例） Year 1 Year 2 Year 3 Year 4 Year 5 特許権に関連する事業による収益 10,000 8,500 6,500 3,250 1,000 特許権に関連する事業にかかる費用 (7,000) (5,950) (4,550) (2,275) (700) 利益 3,000 2,550 1,950 975 300 加算：償却費 500 425 325 163 50 キャピタル・アセット・チャージ（CAC） 売上高比 減算：CAC運転資本 1.0% (100) (85) (65) (33) (10) 減算：CAC建物・機械装置等 3.0% (300) (255) (195) (98) (30) 減算：CAC土地 1.0% (100) (85) (65) (33) (10) 減算：CAC労働力の集合体 4.0% (400) (340) (260) (130) (40) 税引前利益 2,600 2,210 1,690 845 260 法人税率 40% 法人税等 (1,040) (884) (676) (338) (104) 税引後利益 1,560 1,326 1,014 507 156 割引率 15% 割引期間 0.50 1.50 2.50 3.50 4.50 現在価値へのディスカウント･ファクター 0.93 0.81 0.71 0.61 0.53 超過収益現在価値 1,455 1,075 715 311 83 現在価値合計 3,639 償却に係る税効果額 1,456 0.40 評価額 5,095 IP Valuation Patent Office43
- 44. WACCとWARA 運転資本 顧客関係 有利利⼦子負債 (Debt) 株式 (Equity) 事業⽤用資産 調達資⾦金金 WARA (Weighted Average Return on Assets) 2014/2/4 IP Valuation Patent Office WACC (Weighted Average Cost of Capital) 建物 ⼟土地 商標権 のれん 特許権 44
- 45. 6．識識別と評価の事例例 IP Valuation Patent Office2014/2/4
- 46. 今回取り上げる事例例 Ê ある⾃自動⾞車車部品製造会社を買収したケース Ê 識識別を検討した無形資産 Ê 商標の使⽤用権 Ê 顧客関係 Ê 技術（特許及びノウハウ） Ê 労働⼒力力の集合体 Ê その他（有利利／不不利利な契約、受注残、競業避⽌止契約、等） 2014/2/4 IP Valuation Patent Office46
- 47. 商標の使⽤用権 Ê 概要 Ê 商標は⾃自他識識別のために製品に付される⽂文字や記号、シン ボルであり、登録により保護される Ê 本件では、SPA（株式売買契約）により5年年間の使⽤用権が 付与されている Ê 認識識 Ê 商標の使⽤用権(Use rights for trade name)は契約に基づく 権利利であるため、契約・法的要件を満たす 2014/2/4 IP Valuation Patent Office47
- 48. 技術（特許およびノウハウ） Ê 概要 Ê 特許は、特許要件を満たした技術的思想に対して独占権を 与えるものである Ê また、ノウハウは事業上有益で、⼀一般に知られておらず、 秘密に管理理されているものである Ê 認識識 Ê 特許及びノウハウは法的に保護される権利利であるため、契 約・法的要件を満たす Ê ただし、本件ではインタビューの結果、既に業界において 同等・類似の技術・ノウハウが利利⽤用されている実態がある ため、重要性がないものとして、認識識しないこととされた 2014/2/4 IP Valuation Patent Office48
- 49. 顧客関係 Ê 概要 Ê 対象会社は複数の完成⾞車車メーカーとの間で部品供給契約を 締結しているほか、営業部⾨門社員が顧客と⾃自社技術部⾨門と の関係維持に貢献している Ê 現⾏行行モデルに対する部品供給に加えて、新型についても部 品供給契約を締結できる可能性もある Ê 認識識 Ê このような顧客との関係性は、契約・法的要件を満たすた め、無形資産として認識識する必要がある 2014/2/4 IP Valuation Patent Office49
- 50. 労働⼒力力の集合体 Ê 概要 Ê 労働⼒力力の集合体(Assembled Workforce)は、将来キャッ シュ・フローを⽣生み出すために重要な資源である Ê 買い⼿手は、⼀一定の労働⼒力力を組織するコストを節約できる Ê 認識識 Ê 労働⼒力力の集合体は、最終的にのれんに含めて計上されるた め、直接的には認識識・測定の必要はない Ê ただし、前述の「顧客関係」を超過収益法で算定する際に、 労働⼒力力の使⽤用コストをキャピタルチャージとして考慮する 必要があるため、認識識・測定を要する 2014/2/4 IP Valuation Patent Office50
- 51. その他の無形資産 Ê 概要 Ê 有利利／不不利利な契約、受注残、競業避⽌止義務などで、重要な ものがあれば、無形資産として認識識する必要がある Ê 認識識 Ê 上記のような契約等はいずれも契約・法的要件を満たす Ê 本件では、インタビューの結果、これらに該当する契約等 は存在しないか、あっても重要性に乏しいということで あった 2014/2/4 IP Valuation Patent Office51
- 52. 無形資産の測定 Ê 無形資産の識識別の結果、測定を要する無形資産は以下の とおりとなった Ê 商標の使⽤用権 Ê 顧客関係 Ê 労働⼒力力の集合体（顧客関係の算定に使⽤用） Ê 測定⽅方法 Ê 商標の使⽤用権については、ロイヤルティ免除法を採⽤用 Ê 顧客関係については、超過収益法を採⽤用 Ê 労働⼒力力の集合体については、コスト・アプローチ（再構築 費⽤用）を採⽤用 2014/2/4 IP Valuation Patent Office52
- 53. 商標の使⽤用権 Ê 評価⽅方法 Ê 商標使⽤用権の評価⽅方法として、最も⼀一般的なロイヤルティ 免除法を採⽤用 Ê 主な前提条件 Ê 存続期間については、SPAにおいて定められた5年年間 Ê 計画期間後の売上⾼高伸び率率率は1％ Ê ロイヤルティ料料率率率については、対象会社へのヒアリング等 を参考に決定 Ê 割引率率率はWACCに2％のリスクプレミアムを加算 Ê 節税効果の計算に⽤用いる償却期間は税法に基づき5年年 2014/2/4 IP Valuation Patent Office53
- 54. 使⽤用権の計算例例 2014/2/4 IP Valuation Patent Office54
- 55. 労働⼒力力の集合体 Ê 評価⽅方法 Ê 労働⼒力力の集合体の評価⽅方法として、最も⼀一般的な再構築コ スト法を採⽤用 Ê 主な前提条件 Ê 社員を、部⻑⾧長以上とそれ以外に区分 Ê 採⽤用費については、平均給与の3か⽉月分 Ê 研修費については、研修に要する期間を部⻑⾧長以上は6か⽉月、 それ以外については12か⽉月と想定 Ê 節税効果の計算に⽤用いる償却期間は税法に基づき5年年 2014/2/4 IP Valuation Patent Office55
- 56. 採⽤用費の計算例例 2014/2/4 IP Valuation Patent Office56
- 57. 研修費の計算例例 2014/2/4 IP Valuation Patent Office57
- 58. 顧客関係 Ê 評価⽅方法 Ê 顧客関係の評価⽅方法として、最も⼀一般的な超過収益法を採 ⽤用 Ê 主な前提条件 Ê WACCは、類似会社等を参考に6.6％と算定 Ê WACCおよび各資産の要求収益率率率、公正価値及び残存期間 から売上⾼高に対するキャピタルチャージを算定 Ê 顧客の残存率率率については、既存契約の更更新率率率を50％、更更新 契約の期間を5年年間として計算 2014/2/4 IP Valuation Patent Office58
- 59. 顧客関係の計算例例 2014/2/4 IP Valuation Patent Office59
- 60. 運転資本のキャピタルチャージの計算例例 2014/2/4 IP Valuation Patent Office60
- 61. 器具(Equipment)のキャピタルチャージの計算例例 2014/2/4 IP Valuation Patent Office61
- 62. 機械(Machinery)のキャピタルチャージの計算例例 2014/2/4 IP Valuation Patent Office62
- 63. 取得価格の配分結果 2014/2/4 IP Valuation Patent Office63
- 64. WARA分析 2014/2/4 IP Valuation Patent Office64
- 65. 7. Non-‐‑‒practicing Entity IP Valuation Patent Office2014/2/4
- 66. NPEとPAE Ê Non-‐‑‒practicing Entity: 特許不不実施主体 Ê 特許を保有しているが、特許の実施（特許製品の製造、販 売等）を⾏行行わない者。⼤大学、研究機関、個⼈人などが代表的 Ê DPA (Defensive Patent Aggregators)も含まれる(RPX、 Allied Security Trust等） Ê Patent Assertion Entity: 特許主張主体 Ê NPEのうち、もっぱら保有特許を⽤用いて、第三者からライ センス料料や特許侵害にかかる損害賠償⾦金金の獲得を⽬目的に活 動する者 Ê 悪意的に「パテント・トロール」と呼ばれる 2014/2/4 IP Valuation Patent Office66
- 67. NPEが関係する特許訴訟の増加 2014/2/4 IP Valuation Patent Office67
- 68. 主なPAE 企業名 特許保有件数（件） Intellectual Ventures 2万〜～2万5千（推定） Interdigital 3,542 Round Rock Research LLC 3,539 Rockstar Consortium LLC 3,378 Mosaid Technologies Inc. 2,023 Acacia Technologies 1,786 Rambus 1,566 Tessera Technologies Inc. 1,324 IPG Healthcaare 501 Limited 1,065 Unwired Planet LLC 1,037 Walger Digital 890 Wi-‐‑‒LAN 864 2014/2/4 IP Valuation Patent Office Source: PatentFreedom @ 2014. Data captured as of January 6, 2014 68
- 69. パナソニックは相次ぐ売却 報道年年⽉月 対象会社等 売却先 取引⾦金金額 2013年年7⽉月 パナソニックヘルスケアの 超⾳音波診断装置事業 コニカミノルタ 数⼗十億円 2013年年9⽉月 パナソニックヘルスケア KKR 1,650億円 2013年年11⽉月 国内の半導体3⼯工場 タワージャズ （イスラエル） ⾮非公表 2014年年1⽉月 パナソニックITソリューショ ンズおよびコーポレート情報 システム社（社内分社） -‐‑‒ 対象者1,000⼈人が転籍 富⼠士通、IBM 未定 2014年年1⽉月 東南アジアの半導体3⼯工場 UTAC(Singapore) 交渉中 2014年年1⽉月 パナソニックロジスティクス 株式の66.6% ⽇日本通運 数百億円 2014年年1⽉月 尼崎第三⼯工場の建物 不不動産投資顧問会社 交渉中 2014/2/4 IP Valuation Patent Office69
- 70. パナソニックの取り組み 2014/2/4 IP Valuation Patent Office70
- 71. 具体的な特許売却案件 報道年年⽉月 対象特許等 売却先 取引⾦金金額 2013年年12⽉月 CMOSイメージセンサー及び マイコン、光デバイス⽤用途向 け半導体等複数の技術分野を 網羅羅する、合計900件以上の 特許ポートフォリオ Wi-‐‑‒LAN社 (NASDAQ:WILN) の⼦子会社 Collabo Innovations Inc. ⾮非公表 2014年年1⽉月 3G通信および4G通信の基幹 技術に関する約500件の特許 ポートフォリオ Inventergy社 (NASDAQ: EONC) ⾮非公表 2014年年1⽉月 DSL（デジタル加⼊入者線）の ハンドシェーク⼿手順に関する 技術標準G.994.1の必須特許 Sisvel社 ⾮非公表 2014/2/4 IP Valuation Patent Office71
- 72. 2014/2/4 IP Valuation Patent Office ! www.wilan.com © copyright Wi-LAN 2013 1 ! PRESS RELEASE Wi-LAN 72
- 73. 2014/2/4 IP Valuation Patent Office Inventergy Inc. Quadruples Telecommunications Patent Portfolio, Acquiring 500 Patent Assets From Panasonic Inventergy Inc. January 6, 2014 8:55 AM CUPERTINO, CA-‐-‐(Marketwired -‐ Jan 6, 2014) -‐ Inventergy Inc. (NASDAQ: EONC) has announced today that it has acquired approximately 500 patent assets from Panasonic Corporation (a Fortune 100 global electronics company). The portfolio covers key technologies in 3G and 4G communications, a field where Panasonic has been an early technology innovator. This transaction marks Inventergy‘s second significant patent portfolio acquisition in the telecommunications space in approximately six months, and increases the company’s portfolio to more than 660 patents. The portfolio, among other things, applies broadly to radio access network communications technologies and spans a number of key market segments including telecommunications operators, base station equipment vendors, and end-‐user equipment vendors. Inventergy has currently identified more than 100 companies within these primary licensee market segments that could benefit from a license to these important mobile broadband intellectual property assets. 73
- 74. 2014/2/4 IP Valuation Patent Office Sisvel To Launch New License Program Based On DSL Standard Essential Patents From Panasonic LAS VEGAS, Jan. 9, 2014 /PRNewswire/ -‐-‐ Sisvel International S.A. ("Sisvel") announced today the launch of a new licensing program for patents acquired from Panasonic System Networks Co., Ltd., a division of Panasonic Corporation, and which are essential to DSL technology standards; specifically the G.994.1 standard, which relates to handshake procedures for digital subscriber line (DSL) transceivers. "In Sisvel's view, this patent portfolio reflects the most significant contribution to the development of the G.994.1 standard and we thank Panasonic System Networks Co., Ltd. for the opportunity to ensure that its work within this space is properly recognized," said Mr. Sandro Spina, Licensing Director of the Sisvel Group. Licenses under these patents will be offered on reasonable, and non-‐discriminatory, or RAND, conditions. Information about the terms and conditions of such licenses will soon be available from Sisvel upon request by companies requiring a license. Interested parties should contact Sisvel by sending a message to DSL-‐manager@sisvelus.com. 74
- 75. Wi-‐LANとは Ê Wi-‐LAN Inc. (Canada) Ê Nasdaqおよびトロント証券取引所に上場 Ê 4千件以上の特許を保有 Ê 主に無線通信に関する技術についてライセンスを供与して 収益を獲得 Ê 他社から特許を買い取ることによって、保有する特許ポー トフォリオを拡⼤大 Ê 主なライセンシー 2014/2/4 IP Valuation Patent Office75
- 76. Wi-‐LANの財務状況 2014/2/4 IP Valuation Patent Office76
- 77. Inventergyとは Ê Inventergy Inc. Ê HPの特許担当役員だったJoe Beyersが 設⽴立立した特許取得／ライセンス会社 Ê 2013年年12⽉月にeOn Communications (NASDAQ: EONC)と逆さ 合併して上場会社Inventergy Global Inc.となることを発表 Ê 主として、⼤大企業から優良良な特許ポートフォリオを取得し、適切切 にライセンス料料を獲得するモデルであり、パテント・トロールと は⼀一線を画すと主張 2014/2/4 IP Valuation Patent Office77
- 78. SISVELとは Ê SISVEL International S.A. Ê イタリアに本社がある知的財産権の 管理理会社 Ê 特許権者からの委託を受けて、以下の様な規格のパテントプール（ライセ ンス・プログラム）を運営している Ê MPEG Audio Ê DVB-‐‑‒T, DVB-‐‑‒T2 Ê H.264 SVC Ê LTE Ê Wi-‐‑‒Fi 2014/2/4 IP Valuation Patent Office78
- 79. 7．最近のトピックス IP Valuation Patent Office 2014/2/4
- 80. エリクソンによる特許の資⾦金金化 特許保有SPV 特許260件 特許2,185件 さらに2014年年から５年年間、 毎年年100件ずつ追加 対価はライセンス料料から受領領 累累積収益 Ericsson Unwired Planet 1億ドルまで 20% 80% 1億ドル超 5億ドルまで 50% 50% 5億ドル超 70% 30% SPVの収益配分 ⽀支配権 • ロイヤルティ獲得が主要業務 （必要に応じて訴訟も） • 16億ドルの繰越⽋欠損⾦金金の有効 活⽤用 2014/2/4 IP Valuation Patent Office （特許ライセンス会社） 80
- 81. 知財を巡る国際機関や国の動き Ê OECD Ê 課税回避防⽌止に向けた⾏行行動計画「税源侵⾷食と利利益移転(BEPS; Base Erosion and Profit Shifting)」を発表 Ê TPP交渉 Ê ブルネイの閣僚僚会合で「年年内妥結へ向け交渉加速」⽅方針 Ê 知的財産は難航分野として列列挙された７分野のひとつ Ê 知的財産戦略略本部 Ê 知的財産政策ビジョン〜～今後10年年間を⾒見見据えた⻑⾧長期ビジョンを策定 Ê 産業⾰革新機構 Ê ⽇日本企業の知財の有効活⽤用を⽬目指す知財ファンドへの出資 Ê 経団連 Ê 税制改正要望ーパテントボックス税制を前年年に引き続き要望 2014/2/4 IP Valuation Patent Office81
- 82. OECD: BEPS⾏行行動計画 Ê Apple, Google, Starbucksなどが採⽤用しているグ ローバル節税策に対する批判の⾼高まり Ê Apple CEOのTim Cook⽒氏は、課税回避の疑いに ついて⽶米上院の公聴会で証⾔言 Ê スターバックス英国法⼈人は、「法の求めを超え て」「利利益に関係なく」今後２年年間１千万ポンド の法⼈人税を⽀支払い Ê オランダ、スイス、アイルランド、ルクセンブルク といった税率率率の低い国に所得を移転して課税を回避 Ê ⾏行行動計画では、無形資産に関して、グループ内で低 課税国に移転する際の価格の算定⽅方法について、国 際基準を策定することを検討 Ê 無形資産の広範かつ明瞭な定義 Ê 価値評価が困難な無形資産に関するルール策定 2014/2/4 IP Valuation Patent Office82
- 83. 知財戦略略本部：知財政策ビジョン Ê 今後10年年間を⾒見見据えた⻑⾧長期ビジョンとして、今年年6⽉月に策定。 Ê グローバル知財システムの構築 Ê 新興国における知財制度度の構築⽀支援 Ê 職務発明制度度の⾒見見直し→法⼈人帰属または個別契約 Ê 営業秘密保護強化 Ê 中⼩小・ベンチャーの知財マネジメント強化⽀支援 Ê 保有する知財の有効活⽤用を⽀支援 Ê 中⼩小・ベンチャーの知財活動インセンティブ強化 Ê 知財の取得、海外展開、活⽤用までを⼀一気通貫で⽀支援 Ê デジタル・ネットワーク社会への環境整備 Ê 権利利者と利利⽤用者の利利害対⽴立立を超えた制度度設計 Ê コンテンツを中⼼心としたソフトパワー強化 2014/2/4 IP Valuation Patent Office83
- 84. 産業⾰革新機構：知財ファンド 2014/2/4 IP Valuation Patent Office 新規設⽴立立の株式会社 社⻑⾧長 吉井重治⽒氏 （元⽇日本コカコーラ副社 ⻑⾧長、元三洋電機常務） 従業員10名 （9千万円） （27.5億円） 三井物産、 パナソニック （2.5億円） パナソニック 等電機会社 ⼤大⼿手電機会社から未利利⽤用特許を買い取り （技術流流出防⽌止） 買い取った特許を中⼩小・ベンチャーへラ イセンス ライセンス先へ技術者をコンサルタント として派遣（技術者の海外流流出防⽌止） 84
- 85. 経団連ー税制改正要望 Ê 平成26年年度度税制改正要望で、前年年度度に引き続き「パテン トボックスの導⼊入」を要望 Ê 知的財産を国内に保有、活⽤用するインセンティブが不不⾜足 Ê 欧州諸国では、知財に起因する所得について税制メリット を与えるパテントボックス税制が普及 Ê 2013年年4⽉月からイギリスでパテントボックス税制が導⼊入 Ê 既にGSKがイギリスに新⼯工場建設、2億ポンドの投資を決定 Ê FIAT/Chryslerも本社機能はイギリスへ Ê ⽇日本企業の研究開発拠点や無形資産が、パテントボックス 導⼊入国へ移転する懸念念 2014/2/4 IP Valuation Patent Office85