Important points on the revision of the Inheritance Law - Review on the division of estates.

1. 相続法改正のポイント
遺産分割に関する見直し
新米行政書士オンラインゼミ 2024年5月7日
発表者：ならざき
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2. 目次
１．自己紹介、はじめに
２．平成３０年相続法改正の概要
３．遺産分割に関する見直し
４．持戻し免除の意思表示の推定規定の創設（民903条4項関係）
５．遺産分割前における預貯金の払戻制度の創設等
６．一部分割（民907条関係）
７．遺産の分割前の遺産に属する財産が処分された場合の取扱い（民906条の2関
係）
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3. １．自己紹介、はじめに
◎自己紹介：ならざき
・愛知県名古屋市に在住
・前職：公立学校教員（高等学校教諭）
・令和５年度行政書士試験に合格
・令和６年１０月に開業の予定
・主な取扱い業務（案）
（主要）障害福祉サービス
（可能）相続・後見、外国人在留
◎はじめに
（１）平成３０年相続法改正の趣旨
①配偶者を保護する
②遺言の活用を促進する
③相続人を含む利害関係人の実質的公平を図
る
（２）今回の発表では
①と③に関する遺産分割の見直しを中心に
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4. ２．平成３０年相続法改正の概要
（１）配偶者の居住権を保護するための方策
（２）遺産分割に関する見直し
（３）遺産制度に関する見直し
（４）遺留分制度に関する見直し
（５）相続の効力等に関する見直し
（６）相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
（７）施行期日等
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5. ３．遺産分割に関する見直し
（１）持戻し免除の意思表示の推定規定の創設（民９０３条４項関係）→４．
（２）遺産分割前における預貯金の払戻制度の創設等→５．
（３）一部分割（民９０７条関係）→６．
（４）遺産の分割前の遺産に属する財産が処分された場合の取扱い（民９０６条
の２関係）→７．
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6. ４．持戻し免除の意思表示の推定規定
の創設（民903条4項関係）
（１）改正の趣旨
・高齢化の進展等に伴い、配偶者の死亡により残された他方配偶者の生活
への配慮が必要となっている。
・そこで、配偶者居住権等を新設したのに加え、配偶者の長年の貢献を実質
的に評価するため。
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7. ４．持戻し免除の意思表示の推定規定
の創設（民903条4項関係）
（２）要件
①婚姻期間が２０年以上の夫婦であること
②居住用不動産の贈与又は遺贈がされたこと
（３）効果
・被相続人が持戻しの免除の意思表示をしたものと推定される。
・その結果、遺産分割では、当該居住用不動産の価額が特別受益として扱
われないので、配偶者の取得額が増えることになる。
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8. ５．遺産分割前における預貯金の払戻
制度の創設等①
（１）改正の趣旨
・最大決（平28.12.19）は、預貯金債権が遺産分割の対象に含まれると判断し
た。そのため、遺産分割までの間は共同相続人全員の同意がなければ預貯
金債権の払戻しができなくなった。
・そこで、共同相続人の各種の資金需要に迅速に対応するのを可能にする
ため。
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9. ５．遺産分割前における預貯金の払戻
制度の創設等②
（２）家庭裁判所の判断を経ないで、預貯金の払戻しを認める方策
①払戻し可能な金額
②金融機関ごとの上限 法務省令では１５０万円
（３）払戻しがされた場合の効果
①遺産の一部分割により取得したものとみなす
②払い戻した預貯金の額がその者の具体的相続分を超える場合
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単独で払戻しできる金額
＝（相続開始時の預貯金債権の額）×1/3×（払戻しを求める共同相続人の法定相続分）

10. 【事例】相続人はＡＢの２人であり、法定相続分は各２分の１である。
被相続人Ｘの財産は、普通預金１０００万円である。
Ｘの相続開始の１年前、ＸはＡに１０００万円を贈与していた。
Ｘの相続開始後、Ａは上記預金から５０万円の払戻しを受けた。
【結論】
遺産分割の対象財産 950万円＋50万円＝1000万円
Ａの具体的相続分 （1000万円＋1000万円）×1/2－1000万円＝０円
Ｂの具体的相続分 （1000万円＋1000万円）×1/2＝1000万円
実際には残余財産は950万円しかないので、
Ｂは、預金債権950万円と、Ａに対する代償金請求権50万円を取得する。
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11. ６．一部分割（民907条関係）
（１）改正の趣旨
・旧法下の実務では、遺産分割を早期に解決するため、争いのない遺産につ
いては先行して一部分割を行うことが許されるとの見解が一般的であった。
・そこで、どんな場合に一部分割をすることができるかを明らかにするため。
（２）共同相続人の協議による一部分割
（３）家庭裁判所に対する一部分割の請求
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12. ７．遺産の分割前の遺産に属する財産が処
分された場合の取扱い（民906条の2関係）
（１）改正の趣旨
・旧法下の実務では、共同相続人の一人が遺産分割前に遺産の一部を処分
した場合、その時点で実際に存在する財産を基準に遺産分割を行い、当該共
同相続人が処分により得た利益は考慮されないとされていた。そのため、共同
相続人の間で不公平が生じることがあった。
・そこで、このような不公平が生じないようにするため。
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13. ７．遺産の分割前の遺産に属する財産が処分
された場合の取扱い（民906条の2関係）①
（２）共同相続人全員の同意によって遺産分割の対象財産とすることを認める
①従来の判例や実務によって承認されてきた考え方を明文化
・遺産分割時に存在しない財産であっても、共同相続人の全員がこれを遺
産分割の対象に含める旨の合意をした場合には、例外的にこれを遺産分割の
対象とする取扱いがなされてきた。
②「処分」とは、例えば、
・預貯金を払い戻す ・不動産の共有持分を第三者へ譲渡する
・遺産に含まれる動産を現実に毀損・滅失させる
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14. ７．遺産の分割前の遺産に属する財産が処分
された場合の取扱い（民906条の2関係）②
（３）処分を行った共同相続人の同意を得る必要がないこと
・他の共同相続人の同意さえあれば、処分された財産を遺産分割の対象とし
て含めることができるようになる。
→公平な遺産分割を実現することができる。
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15. 参考文献等
竹内豊『行政書士のための遺言・相続 実務家養成講座〔新訂第３版〕』（2022年、税務経理協
会）252-263頁
『伊藤塾 行政書士実務講座実践マスター 理論編〈第１分冊〉』p.19～p.58「実務民法論」（担
当：志水晋介講師）
潮見佳男『民法（全）〔第３版〕』（2022年、有斐閣）p.642～p.669
『ＦＰジャーナル2023年8月号』（日本ＦＰ協会）p.46～p.47
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