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なぜアメリカ型の民事信託が 行われなかったか 信託法では遺言信託など明らかに民事信託を想定した規定が認められていたのに? 妨げる理由 1 民事法の不明確さ 例:遺言信託 受益者連続が許されるか 遺留分との関係・相続手続きとの関係 2 業法との関係->信託会社としての許可? 3 最大は税法 誰にどう税をかけるか 信託法改正でどのように変化したのか - 7.
Ⅰ 信託法試験問題法科大学院 2006/9/51 信託と委任契約との違いについて説明しなさい。 2 わが国の信託について、従来の信託法は基本的に民事信託を想定しており、私法でありながら規制色が強いものだったといわれる。しかも、日本で行われてきた信託の主要なものはすべて商事信託であるのに、これにふさわしい法理論が欠落してきたともいわれる。 1)そこで、商事信託は民事信託といかに異なるかを説明しなさい。 2)さらに、信託を規制する信託業法と、私法としての信託法の役割のあり方の関連と区別について論じなさい。 - 8.
民事信託( Gift 型) estate planning アメリカでの利用法: Dukeminier & Johanson, Wills, Trusts and Estates 555 (6th ed. 2000, Aspen) 1 revocable trust 撤回可能信託 S->S=T 収益をSの生存中はSに 死亡した時点で、Sの子に元本を 目的=遺言代替方法 手段=自己信託 わが国での需要 - 9.
利用法 2 maritaltrust (marital deduction) 婚姻信託・典型的な家族信託の一例 S->T 収益を配偶者Wの生存中はWに Wが死亡した時点でSの子に元本を 目的=相続税繰延 配偶者の生活・Sの前婚の子 専門家の管理 手段=信託譲渡・遺言信託 わが国での需要 - 10.
利用法 3 trustfor incompetent person 障害者信託 S->T 収益を障害者である子Aに A死亡後はAの子孫に元本を 子孫がなければ別の子Bとその子孫 目的=障害者である子の生活 専門家の管理 手段=信託譲渡 わが国での需要 - 11.
利用法 4 trustfor minor 未成年者のための信託 S->T or S=T 未成年者に毎年1万ドルまで贈与=無税 信託を設定し、毎年1万ドルの収益を未成年の子のために使用。21歳になった時点で、元本を子に引き渡し。 目的=節税 手段=自己信託・信託譲渡 わが国での需要 - 12.
利用法 5 dynastytrust 金持ち信託 S->T Sの子どもたちに生涯受益。子どもたちが死亡後は、孫たちに。孫たちが死亡した時点で曾孫へ元本を。 目的=相続税繰延、世代飛越税スキーム 家産の維持、専門家の利用、100年計画 手段=信託譲渡 永久もありうる わが国での需要 - 13.
利用法 6 discretionary trust裁量信託 S->T 遺言信託設定 Tに裁量権。受益者Bをクラス化。他には、Bを特定するも、その間での配分に裁量。 目的=節税、受益者の債権者からの保護 事情変更に応じた柔軟性 手段=信託譲渡・遺言信託(生前信託もあり) わが国での需要 - 14.
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預金型の例 貸付信託 S -> T (信託銀行) -> B(=S) 2年または5年の期間、金銭を預ける。 T(信託銀行)は預けられた資金を合同運用し、主として貸付または手形割引の方法により運用する 委託者S自身が受益者Bであり、自益信託の形をとり、証券化された受益権をもつ。 1)貸付信託法という特別法に基づく制度であること。 2)1つの信託約款に基づき、信託銀行が多数の投資家(委託者)と契約して、資金を集めるものであること。 3)資金の運用方法も法定されており、企業への融資に使われること。 4)受益権は証券化されたものの、受益権譲渡は一般的ではなく、委託者兼受益者は信託設定後、信託銀行に買い取りを請求する形で現金化を図ることができたこと。 5)元本補填特約など、預金と酷似する扱いになっていること。 問 これは本当に信託か? 信託とは何か? - 20.
運用型の例 指定金銭信託(ユニット型) S -> T (信託銀行) -> B 委託者SはTに一定期間、金銭を信託する。 T(信託銀行)は預けられた資金を合同運用する。 委託者Sと受益者Bは異なることがありうるが、自益信託が多い。 1)実績配当型。予想配当率もなく、元本補填特約もない。信託銀行の運用次第で収益があがる。もちろん収益はすべて受益者に帰属。 2)貸付信託よりも運用方法の規制が緩やかで、株式・社債などの有価証券、公債等にも運用すること。フレキシブルな商品設計が可能とされ、信託期間、運用対象、それらの運用比率なども募集ファンド毎に設定されること。 3)約款上、委託者は受益者を変更することができるとあるので、自益信託に限らず他益信託も認められること。 4)約款上、受益権の譲渡・質入れは認められないとされていること。 - 21.
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能見善久 信託法改正の基本理念3点 能見善久「総論(シンポジウム信託法改正の論点)」信託法研究30号3~21頁(2006年)1 包括的な信託法 わが国の信託の利用が商事信託に偏ってきたことから、信託法自体に業法的な規制色が強い側面があった。だが、本来の信託は多様な利用が可能なものであり、民事信託と商事信託に共通なルールを明らかにすることが重要である。「包括的な信託法」第1のキャッチワード。 2 任意法規化と自由な活動促進 従来の信託法には強行法規的な規定が多く、信託を利用した自由な活動を阻害している面があった。今回の改正では、信託法も私法の一種であり、原則は任意法規であることを確認し、それによって多様な信託を作り出すことを可能にする。信託法の「任意法規化」と信託を利用した「自由な活動促進」がキャッチワード。 3 受益者保護の徹底 従来の信託法も受益者保護のための法であることが基本とされていたが、それでもいくつかの点で受益者保護に不十分な面が見られた。「受益者保護の徹底」、これが第3のキャッチワード。 - 25.