家族福祉信託のすすめ
- 2. 高齢とリスク
健常時 認知症 死亡 相続
不動産
金銭 凍結 相続税 争続
動産 (後見人) (遺言) (家督相続)
等
家族
ペット(犬、猫) 殺処分
(ペット信託) 動物施設 里親
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- 7. 福祉型財産管理処分自己信託
◎ 信託当事者
設定者(委託者、受託者) ― 親S
第一次受益 ― 親S及び長子B
それぞれの第二次受益者 ― 次子C
後継受託者(S後見開始・死亡後)― 次子C
◎ 信託財産
不動産(駐車場用地)
預貯金・有価証券
◎ 信託の目的
知的障害をもつ長子Bの生活の支援
(親なき後の安心設計)
委託者 S 受託者 S
(S死亡・
後見開始後はC)
【信託財産】
第一次受益者 S・B(長子)
それぞれの第二次受益者 C(次子)
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- 8. 不動産及び株式管理自己信託
◎ 信託当事者
設定者(委託者、受託者) ― 夫S
受益者 ― 夫S・妻
残余財産受益者 ―(子や孫)
後継受託者 ― 親族
◎ 信託財産
不動産(自宅)・株式・金融資産
◎ 信託の目的
自宅を信託財産とし、受益者両名の生活の本拠地
として老後も安心して住めるようにし、また自社株
を中心に株式を適正に運用し、夫婦が安心した収入
が得られるように、指図権者を指定するもの。
委託者S 受託者S
(設定者) (後継受託者)
【信託財産】
受益者S 受益者B
(配偶者)
残余財産権利帰属者 C D
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- 9. 未成年者養護型自己信託
◎ 信託当事者
設定者(委託者) ― 祖父母S
受益者 ― 孫B
後継受託者 ― S
Sの後見開始もしくは死亡後 ― T
◎ 信託財産
預貯金(現金)
◎ 信託の目的
祖父母が未成年者である孫の教育費支援(多くは
大学卒業まで)のため金銭を信託して、祖父母の判
断で生活費、学費や留学費等を給付し孫の生活や教
育を支援するというもの。(祖父母による孫に対す
る教育費支援自己信託)
委託者S 受託者S
(Bの祖父母) (S後見開始後はT)
【信託財産】
受益者B
(孫)
(Bが未成年者の間は
受益者代理人を指定)
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- 10. 福祉型遺言信託
◎ 信託当事者
委託者(遺言者) ― 夫S
受益者 ― 妻B
受託者 ― 次子T
◎ 信託財産
預貯金
◎ 信託の目的
認知症を患っている妻Bの生活の支援
(配偶者なき後の安心設計)
委託者S 受託者T
(遺言者) (親族)
【信託財産】
受益者B
(認知症の配偶者)
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- 11. 任意後見支援信託
◎ 信託当事者
A(委託者)B(受託者)
A,C(受益者)
◎ 信託財産
不動産・預貯金・有価証券
◎ 信託目的等
高齢の委託者が、収益のある不動産や老後のために貯蓄した金融
資産を確実に管理活用して自分と妻の老後の生活を守るための信託
契約。この場合、委託者は、一方で任意後見契約を締結しておき、
この任意後見契約に基づき任意後見監督人が選任されたとき(または
申立てのとき)、本信託が開始、発行するというスキームの信託である。
委託者 A 受託者 B
(親族)
【信託財産】
受益者 A C
(配偶者)
※本信託は、Sにつき任意後見開始の
申立て等があったときに発効する。
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- 12. 受益者連続福祉型遺言信託
◎ 信託当事者
委託者(遺言者)― 父親S
第一次受益者 ― 長子B・次子T
受託者 ― 次子T(後継受託者の定めあり)
◎ 信託財産
賃貸用不動産(アパート)・預貯金
◎ 信託の目的
受益者である知的障害をもつ長子Bの幸福な生活
を確保するための信託。第一次受益者はBと受託者
を兼ねる堅実な次子Tとし、次子Tが、信託期間終
了前に死亡した場合には、後継受託者は知人とし、
第二次受益者を孫Cにするもの。(親なき後支援
信託)
委託者S 受託者S
(遺言者) (親族 ― 後継者は専門職)
【信託財産】
受益者B、T 受益者
代理人
(障害をもつ子)(T)
(第二次受益者―Tの子C)
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- 13. 受益者複数遺言信託
◎ 信託当事者
委託者(遺言者)― 母親S
受益者 ― 長子B・次子C
受託者 ― 親族または旧知の仲の専門職
◎ 信託財産
不動産(自宅・マンション)・預貯金
◎ 信託の目的
受益者は2名で、うち1名(長子)は知的障害をもつ者で、
他の1名(次子)は住居も明かさない浪費者である。この場合、
次子に財産を相続させると、短期間に相続財産を失ってしまう
ことが目に見えているので、信託を設定し、長子同様、長期間
(生涯)にわたって生活の安定を確保しようというもの。(親
なき後支援信託)
委託者S 受託者T
(遺言者) (専門職)
【信託財産】
受益者B
受益者C 受益者代理人
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- 14. 未成年者養護型遺言信託
◎ 信託当事者
委託者(遺言者)― 母親S
受益者 ― 未成年の子B
受託者 ― 親族(兄弟または両親)
◎ 信託財産
居住用不動産(自宅マンション)・預貯金
◎ 信託の目的
離婚した病弱な母親の遺言信託で、病気が悪化し
自己が死亡した後、子に相続させる不動産や金融資
産を離婚した夫から守るための信託の設定。子が成
人に達した後は、子の名義に移転するもの。
委託者S 受託者T
(遺言者) (親族)
【信託財産】
受益者B 受益者代理人
信託終了(成人)
残余財産の帰属
B
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- 16. 死後事務委任型信託契約
◎ 信託当事者
A (委託者 、妻子なし)
C (受益者、弟妹)
B (受託者、甥姪)
◎ 信託財産
現金
◎ 信託の目的
菩提を弔おう甥Tに自己の死後事務を依頼し確実に
改葬祀まで実施してもらうためその費用を信託し、祭
祀行為等の都度Bにおいて支弁するもの。
委託者A 受託者B(甥姪)
受益者C(弟妹)
【信託財産 ― 金銭】
(各種祭祀行為 (法要等)
墓の返還・合祀墓への改葬 ― 費用の支払い)
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- 17. 死後事務管理型遺言信託
◎ 信託当事者
委託者(遺言者) ― 叔母S
受益者 ― 甥B
受託者 ― 姪T
◎ 信託財産
現金
◎ 信託の目的
生家の甥Bに自己の死後事務を依頼し、その費用と
報酬を信頼している姪Tに預けて、祭祀行為等の都度
姪Tにおいて支弁するもの。
委託者S 受託者T
(遺言者) (親族 ― 姪)
【信託財産】 (費用の支払い)
受益者B
(祭祀主宰者)・各種祭祀行為
・墓の返還
・合祀墓への改葬
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- 18. 遺言代用信託に基づく事業承継
◎ 信託当事者
委託者(受益者)創業者S
受益者 ― 長男B(後継者)、次男C、長男Bの孫D
受託者 ― 信頼のおける者T
◎ 信託財産
自社株
◎ 信託の目的
種類株式の代用として、信託の枠組みを利用して事業の承継を
することができる
(S存命中)
委託者S 受託者T
(受益者、配当、議決権行使指図) (=株主)
信託監督人
【X社株式】
(S死亡後)
受益者B 受益者C
配当請求 配当請求のみ
議決権行使指図
受益者D
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