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カラーチャートを用いた複数の再撮モニタとカメラの最適色補正
       Optimal Color Correction for Multiple On-set Monitors or Cameras
                          by Using Color Checker Chart

                         松永 力       趙 延軍       和田 雅徳
                Chikara Matsunaga, Yanjun Zhao and Masanori Wada
                         株式会社 朋栄 佐倉研究開発センター
                         FOR-A Co., Ltd. Sakura R&D Center
                           E-mail: matsunaga@for-a.co.jp

              Abstract

    テレビ局で多く行われている「再撮」と呼ばれる演出
のために複数のモニタ間の色調整の自動化を行う.既
知の色レベルからなるカラーチャートを撮影した画像
から,その複数の色レベルを自動的に検出して,それ
                                                    (a)                                   (b)

らが適正な色レベルになるように色補正を行う.カメ                      図 1 (a) 再撮モニタの例,(b) カラーチャート(色
ラによって撮影された映像中のカラーチャートの色レ                      票)による色補正.
ベルには観測誤差や,色空間のレベルに関する制限に
よるガマット誤差が含まれる場合もある.そのような                  ラーチャートの色レベルには観測誤差や,色空間のレベ
場合でも最適な色補正パラメータを推定する.                     ルに関する制限によるガマット誤差 [17] が含まれる場
                                          合もある.そのような場合でも最適な色補正パラメー
                                          タを推定する.
1    はじめに
                                          2    色補正パラメータの最適推定
    テレビ局では,スタジオセット内にモニタを配置し
て,その中に番組のタイトルや番組内容に則した様々                      色補正には多くの研究があるが,色補正パラメータ
な映像を表示して,その画面をカメラで撮影する「再                  の推定において,画像中に含まれる観測誤差や色空間
撮」と呼ばれる演出を多く行っている(図 1(a) .
                        )                 のレベルに関する制限によるガマット誤差の影響は十
    このときに問題となるのが,スタジオ照明と再撮モ               分考慮されてはいない.色補正モデルの推定には,最
ニタの色温度の違いにより,モニタ内の映像の色が正                  小二乗法を用いたり [5],色補正モデルには,高次の多
しく見えないことであり,色温度を合わせるためのモ                  項式モデルや明示的なモデルを未知としてニューラル
ニタの色調整が頻繁に行われる.再撮モニタが複数台                  ネットワークを用いている [4, 1, 5].
の場合には,モニタ間でも色を合わせなければならず,                  RGB3 次元色空間において,カラーマトリクスと呼
台数が増すほど,手間が掛かる.これは,撮影に使用                  ばれる 3 × 3 行列の乗算と 3 次元オフセットベクトルの
する複数のカメラ間の色調整に関しても同様である.                  加算による次のような色変換モデルを考える(図 2).
    本研究では,このような複数のモニタあるいはカメ
ラ間における色調整作業を自動化するために,図 1(b)
                                                                    ¯
                                                             xα = T xα + β.                          (1)
のような既知の色レベルからなるカラーチャート(色                  ここで,
票)を撮影した画像から1 ,その複数の色レベルを自動                                                         
                                                        rα                       rα
                                                                                 ¯
的に検出して,それらが適正な色レベルになるように
                                                             ¯
                                               xα =  gα  , xα =  gα  ,
                                                                    ¯
                                                                 
色補正を行う.カメラによって撮影された映像中のカ                                            ¯α
                                                      bα            b
                                                                          
 1 写真・ビデオ業界ではマクベスチャートとも呼ばれて,ほぼ標                       T11 T12 T13           β1
準的に用いられているものであり [16],カメラの場合には実際のカ               T =  T21 T22 T23  , β =  β2  .
                                                                          
                                                                                                     (2)
ラーチャートを撮影し,モニタの場合にはカラーチャートをモニタ
上に表示させてカメラで撮影すればよい.                                     T31      T32   T33                      β3
数尤度を最大にする T , β を求めるためには,
                                                                                      N
                                                                                                              2
                                                                                 J=                 ¯
                                                                                            xα − (T xα + β)        (6)
                                                                                      α=1

                                                                         を最小にする T , β を求めればよいことがわかる.すな
                                                                         わち,色変換モデルの場合,最尤法は最小二乗法に帰
                                                                         着する.
   図2        色変換モデルの例(3 次元アフィン変換).
                                                                          ところが,実際に必要なのは色変換パラメータでは
                                                                         なく,その 逆変換 ”
                                                                              “     である色補正パラメータである.
入力はカラーチャートにおける真の色データ {¯ α },α
                                                                         そこで,入力と出力を入れ替えて,色補正モデルのパ
                      x
= 1, . . . , N であり,その出力(カラーチャートを撮影
                                                                         ラメータを推定する.したがって,
した観測画像における色データ){xα } には,正規分布
に従う誤差 {εα } が含まれると仮定する.
                                                                                      N
                                                                                                              2
                                                                                 J=                      ¯
                                                                                            (T xα + β) − xα        (7)
 これは,いわゆる回帰問題( 出力誤差モデル ” )
              “         [11]                                                          α=1
であり,N 組の色対応データ {(¯ α , xα ); α = 1, . . . , N }
                 x
                                                                         を最小にするパラメータを推定することを考える2 .
が与えられたときの尤度は次のようになる [13, 11].
                                                                          これは,入力に誤差が含まれる“入力誤差モデル”[11]
                                         N
                                                                         となるが,パラメータの 2 次形式で表されるから,解は
       L(x1 , . . . , xα |T , β, Σ) =         f (xα |T , β, Σ)
                                                                         モーメント行列の最小固有値に対する単位固有ベクト
                                        α=1
        N                                                                ルとして推定することができる [11].しかし,得られる
                  1           1
   =                                   ¯
                         exp − xα − (T xα + β),                          解には統計的な偏差が生じることが知られている [7, 8].
               (2π)3 |Σ|      2
       α=1
                                                                         金谷は式(7)の問題を「幾何学的当てはめ」として一
             Σ−1 xα − (T xα + β)
                         ¯                      .                  (3)   般的に定式化し,それを最適に推定する方法を提案し
                                                                         ている [7, 8](付録 A 参照).本研究では,Chojnacki
ただし,ベクトル a, b の内積を (a, b) と書く.Σ =
                                                                         ら [3] の FNS 法を複数の拘束式に対応させた新妻・金
diag(σ 2 , σ 2 , σ 2 ) とすると(一様等方性),結局
                                                                         谷の多拘束 FNS 法による 2 次元平面の射影変換行列の
                                         N
                                                          1              最適推定 [18] に基き,3 次元アフィン変換による色補
        L(x1 , . . . , xα |T , β, Σ) =
                                                    (2π)3 · 3σ 2         正パラメータの最適計算を定式化する.
                                         α=1

        exp −
                  1
                              ¯
                      xα − (T xα + β)
                                                 2                       3 次元アフィン変換
                 2σ 2                                                      式(1)の色変換は,3 次元のアフィン変換であり,
                                                                         RGB3 次元色空間における対応する色データ (r, g, b),
                                 N                   N
                  1                        1
    =                                exp − 2              ε2   .   (4)
             (2π)3    ·   3σ 2            2σ        α=1
                                                           α
                                                                         (r , g , b ) をスケール定数 f0 によって3 各成分のオーダー
                                                                         をそろえた 4 次元同次ベクトルを改めて x, x で表し,
この尤度を最大にする T , β および σ 2 が色変換モデル
                                                                         3 次元アフィン変換行列を 4 × 4 行列 HA で表す.
のパラメータおよび残差分散の最尤推定量を与える.                                                                                     
                                                                                           r/f0           r /f0
 • これは,説明変数 xα が与えられたとき,目的変数
              ¯                                                                                
                                                                                          g/f0 
                                                                                                               
   xα の確率分布 f が平均 T xα + β ,共分散行列 Σ                                                              , x =  g /f0  ,
                                                                                                               
                    ¯                                                                  x=
                                                                                         
                                                                                          b/f0 
                                                                                                        b /f 
                                                                                                              0 
   = diag(σ 2 , σ 2 , σ 2 ) の(多次元)正規分布で与えら
                                                                                                        
                                                                                             1              1
   れると仮定している.                                                                                              
                                                                                           h11 h12 h13 h14
尤度関数 L の自然対数をとれば,対数尤度
                                                                                                           
                                                                                          h21 h22 h23 h24 
                                                                                    HA = 
                                                                                                           .      (8)
                                                                                           h31 h32 h33 h34 
     l(x|T , β, σ 2 ) = log L(x1 , . . . , xα |T , β, Σ)
                                                                                                           
                                                                                            0    0   0 h44
       3N              N
    =−      log 2π −      log 3σ 2
        2               2                                                これらを用いると 3 次元アフィン変換は次のように書
                           N
                1
              − 2                        ¯
                                 xα − (T xα + β)
                                                         2
                                                                   (5)   ける.
               2σ         α=1
                                                                                          x = Z[HA x].             (9)
が得られる.最尤推定量を求めるためには,対数尤度 l
                                                                           2式(6)と式(7)の T , β は同じものではない.その意味も 変
                                                                                                            “
を最大にする T , β および σ 2 を求めればよい.この対                                         換”とその逆変換である 補正 ”
                                                                                      “       であることには注意が必要である.
                                                                          3 色データの量子化ビット数 8 ビットのため f = 255 とした.
                                                                                                      0
ただし,Z[ · ] は 4 次元ベクトルの第 4 成分を 1 とする                                                   ここで,V0
                                                                                                       (kl)
                                                                                                              [ξ α ] は ξ (k) の正規化共分散行列である.
                                                                                                                         α
正規化作用素である.行列 HA には定数倍の不定性が                                                             (kl)
                                                                                      V0        [ξ α ] はデータ z α の正規化共分散行列 V0 [z α ] から
ある.そこで以下,適当な定数を掛けて HA = 1 と                                                           線形近似によって次のように計算できる.
正規化する(行列のノルムは HA =                                                            h2 と
                                                                      4
                                                                      i,j=1    ij
                                                                                            (kl)
定義する).式(9)を各成分毎に書くと
                                                                                                                        (k)                            (l)
                                                                                           V0      [ξ α ] =        zξ         |z =z α V0 [z α ]   zξ         |z =z α .   (20)

               h44 r = h11 r + h12 g + h13 b + h14 f0 ,                        (10)   ただし,           |z =z α は ξ (k) (z) のヤコビ行列(各成
                                                                                                       zξ
                                                                                                             (k)


               h44 g = h21 r + h22 g + h23 b + h24 f0 ,                        (11)   分の r, g, b, r , g , b に関する微分を並べた行列)に
                                                                                      z α = (rα , gα , bα , rα , gα , bα ) を代入した値である(詳
               h44 b = h31 r + h32 g + h33 b + h34 f0 .                        (12)
                                                                                      細省略).
13 次元ベクトル hA , ξ (1) (z), ξ (2) (z), ξ (3) (z), z =
                                                                                       • データ z α の正規化共分散行列 V0 [z α ] は,再撮モ
(r, g, b, r , g , b ) を次のように定義する.
                                                                                         ニタを色補正する場合には,モニタに誤差のない
              hA = (h11 , h12 , h13 , h14 , h21 , h22 , h23 , h24 ,                         カラーチャートを表示したものをカメラで撮影す

                             h31 , h32 , h33 , h34 , h44 ) ,                   (13)         るため,V0 [z α ] = diag(1, 1, 1, 0, 0, 0) とする.
                                                                                       • カメラを色補正する場合には,実際のカラーチャー
    ξ (1) (z) = (r, g, b, f0 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, −r ) , (14)
                                                                                         トをカメラで撮影するため,V0 [z α ] = I 6×6 とす
    ξ (2) (z) = (0, 0, 0, 0, r, g, b, f0 , 0, 0, 0, 0, −g ) , (15)                          る.I 6×6 は 6 次の単位正方行列である.
        (3)
    ξ         (z) = (0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, r, g, b, f0 , −b ) . (16)

正規化 HA = 1 は式(13)の hA が単位ベクトルで                                                        多拘束 FNS 法
あること( hA = 1)と等価である.3 次元アフィン                                                           式(18)を hA で微分すると次のようになる.
変換の各成分毎の式(10) 11) 12)から次の拘束式
             (   (
                                                                                                               hA J      = 2(M − L)hA .                                  (21)
を得る.
                                                                                      ただし,13 × 13 行列 M , L を次のように置いた.
               (ξ (1) (z), hA ) = 0,         (ξ (2) (z), hA ) = 0,
                                                                                                                    N           3
               (ξ (3) (z), hA ) = 0.                                           (17)
                                                                                                       M =                          Wα ξ (k) ξ (l) ,
                                                                                                                                     (kl)
                                                                                                                                          α    α
                                                                                                                   α=1 k,l=1
                                                                                                                    N           3
3 次元アフィン変換の最適計算
                                                                                                                                     (k) (l)      (kl)
                                                                                                         L=                         vα vα V0             [ξ α ].         (22)
  N 個の色データ (rα , gα , bα ) と対応する色データ                                                                               α=1 k,l=1

(rα , gα , bα ), α = 1, . . . , N が与えられたとき,それらの                                       上式中の vα は次のように定義する.
                                                                                                       (k)

間の 3 次元アフィン変換を最適に計算したい.データ z α
                                                                                                                         3
= (rα , gα , bα , rα , gα , bα ) を代入した式(14) 15) 16)
                                          ( (                                                            (k)
                                                                                                        vα =                    (kl) (l)
                                                                                                                               Wα (ξ α , hA ).                           (23)
のベクトル ξ (z α ), ξ (z α ), ξ (z α ) をそれぞれ ξ (1) ,
               (1)           (2)    (3)
                                                α                                                                       l=1
ξ α , ξ α と書く.データに誤差があるとき,解くべき
  (2)   (3)
                                                                                      式(18)を最小にするには式(21)より (M − L)hA =
問題は (ξ (1) , hA ) ≈ 0, (ξ (2) , hA ) ≈ 0, (ξ (3) , hA ) ≈ 0, α
             α            α                  α
                                                                                      0 を解けばよく,固有値問題を反復して解く Chojnacki
= 1, . . . , N となるような 13 次元ベクトル hA を計算す
                                                                                      ら [3] の FNS 法を用いることができる.多拘束 FNS 法
ることである.そのためには誤差の統計的性質を考慮す
                                                                                      の手順は次のようになる.
る必要がある.各色データ (rα , gα , bα ), (rα , gα , bα ) は
真値 (¯α , gα , ¯α ), (¯ , g , ¯ ) に期待値 0,標準偏差 σ の
    r ¯ b            r ¯ b   α   α    α                                                1. hA の初期値 hA0 を与える.
正規分布に従う誤差が加わると仮定する.最尤推定は                                                               2. 式(22)の M , L を計算する.
次の目的関数 J を最小にする hA を求めることである.                                                          3. 固有値問題 (M − L)hA = λhA の最小固有値 λ に
                  N      3                                                                  対する単位固有値ベクトル hA を計算する.
        J=                    (kl)
                                   α
                                                (l)
                             Wα (ξ (k) , hA )(ξ α , hA ).                      (18)    4. 符号を除いて hA ≈ hA0 であれば次のアフィン変換
                α=1 k,l=1                                                                   行列 hA を返して終了する.そうでなければ hA0 ←

ただし,Wα
                  (kl)
                         は (hA , V0
                                     (kl)
                                            [ξ α ]hA ) を (kl) 要素とする                         N [hA0 + hA ] としてステップ 2 に戻る(N [ · ] は単
3 × 3 行列の(ムーア・ペンローズの)一般逆行列の (kl)                                                            位ベクトルへの正規化)4 .

要素である.                                                                                 4 解の更新に N [h +h ] を用いるのは,
                                                                                                   A0 A        “中点” [(hA0 +hA )/2]
                                                                                                                   N
                (kl)                      (kl)
                                                              −                       を用いることを意味しており,これは反復の収束を行うための工夫
               Wα    = (hA , V0                  [ξ α ]hA )       .            (19)   である [12].
最小二乗法
  反復には初期値が必要であり,最も簡便なものが最
小二乗法である.式(18)で Wα    = δkl(クロネッカ
                                          (kl)

のデルタ:k = l で 1,それ以外で 0)と置くと次のよ
うになる.
                       N      3
             JLS =                (ξ (k) , hA )2 .
                                     α                  (24)
                      α=1 k=1                                      図3 色変換モデルの例(3 次元アフィン変換+クリッ
                                                                   プ処理).
これは次のように変形される.
         N    3
 JLS =             hA ξ (k) ξ α hA = (hA , M LS hA ). (25)
                        α
                              (k)
                                                               3      レベル制約付き最適推定とモデル選択
         α=1 k=1

ただし,次のように置いた.                                                      色空間における色変換処理であることから,厳密に
                                                               はレベルに関する制限であるクリップ処理が付く(図
                         N        3
             M LS =                           (k)
                                      ξ (k) ξ α .       (26)   3).すなわち,式(1)の 3 次元アフィン変換による色
                                        α
                       α=1 k=1                                 変換は次のようになる.
式(25)は hA の 2 次形式であるから,これを最小化す                                                       I        ¯
                                                                               xα = C0 max [T xα + β].                      (31)
る単位ベクトル hA はモーメント行列 M LS の最小固有
値に対する単位固有ベクトルである.                                              ここで,Imax = (rmax , gmax , bmax ) , 0 = (0, 0, 0) で
                                                               あり,rmax , gmax , bmax は色空間における最大レベルで
精度の評価と理論限界
                                                               ある.C Imax [ · ] は色データを RGB3 次元色空間におけ
 アフィン変換行列 HA を表す式(13)の 13 次元単位                                             0
                                                               る 3 次元ベクトルと見なして,そのベクトルの方向を
ベクトル hA の推定値を hA ,誤差がない場合の真値を
              ˆ
                                                               保存する様に各色成分を各上限下限成分にクリップす
hA とするとき,誤差 ∆hA を次のように定義する.
¯
                                                               る処理である(詳細省略).色空間のレベルに関する制
           ¯ ˆ
   ∆hA = P hA hA ,                            ¯ ¯
                             P hA = I 13×13 − hA hA .
                               ¯                        (27)   限であるクリップ処理によって生じるガマット誤差は,
                                                               色補正パラメータの推定に影響を及ぼす.
P hA は hA に直交する方向に射影した成分を得る射影行
       ¯
                                                                   色補正パラメータの推定において,クリップ処理によ
  ¯

列である.I 13×13 は 13 次の単位正方行列である.これ
                                                               る影響を避ける素朴な方法としては,色空間の上限下
から推定値 hA の共分散行列が次のように定義できる.
           ˆ
                                                               限近傍の色データを用いない方法が考えられるが,そ
                 ˆ
              V [hA ] = E[∆hA ∆hA ].                    (28)   うすると,色空間の上限下限の色レベルにおいて,正
                                                               しい色補正の結果が得られない.クリップ処理された
金谷の統計的最適化理論によれば,どのように hA を推                                    色空間の上限下限近傍のディテールを復元することは
定しても,それが不偏推定量であればその共分散行列                                       不可能である.しかし,明らかに上限下限の色レベル
V [hA ] には次の下界があることが示される [7, 8].
   ˆ
                                                               における色補正の結果が異なることは望ましくない.
                      ˆ
                   V [hA ]         ¯−
                               σ 2 M 12 .               (29)       そこで,観測画像にはガマット誤差が含まれること
                                                               を考慮して,色空間の上限下限における色データの対
ただし, は左辺引く右辺が正値対称行列であることを                                      応を拘束条件としたレベル制約付き最適化によって色
示す.右辺の M は式(22)の行列 M を色データの真
       ¯                                                       補正パラメータを推定する.最適化の手法には,変数
値 (¯α , gα , ¯α ), (¯α , gα , ¯α ) および hA の真値 hA を用い
   r ¯ b            r ¯ b                     ¯                間の内部拘束を自動的に満たす解を求めるように FNS
て計算した値である.また ( · )− はランク 12 の(ムー
                  12                                           法を拡張した拡張 FNS 法を用いる [12].
ア・ペンローズの)一般逆行列を表す5 .式(29)の右
                                                               内部拘束
辺は「KCR 下界」と呼ばれる [2].式(29)の両辺の平
                                                                データ {ξ α }, α = 1, . . . , N , k = 1, . . . , r は,n 次
                                                                       (k)
方根を取り,式(28)より trV [hA ] = E[ ∆hA 2 ] であ
                   ˆ
                                                               元ベクトルであり,それらの真の値 {ξ } は次の拘束         ¯(k)
ることに注意すると,次の平方平均二乗(RMS)誤差                                                                                    α
                                                               式を満たすとする.
の下界が得られる.
                                                                    ¯(k)
                                                 −                 (ξ α , u) = 0,   α = 1, . . . , N,   k = 1, . . . , r.   (32)
             E[ ∆hA 2 ] ≥ σ                ¯
                                         trM 12 .       (30)
 5 n × n 対称行列 A のランク r(< n) の一般逆行列 A− とは,A
                                    r
                                                               ただし,u は未知の n 次元ベクトルである.問題は誤
の大きい r 個の固有値を逆数に置き換え,残りの固有値を 0 に置き                             差のあるデータ {ξ (k) } から u を推定することである.
換えた行列である.                                                                 α
式(32)の形では未知ベクトルのスケールが不定と                                                     8. 次の u を計算する.
なるので, u = 1 と正規化するが,これも一つの内
                                                                                                       ˆ
                                                                                            u = N [P V u].               (42)
部拘束である.そして,これ以外に u に次の s 個の内
部拘束が存在するとする.                                                                  9. u ≈ u なら u を返して終了する.そうでなけれ
                                                                                 ば,u ← N [u + u ] としてステップ 2 に戻る.
           φm (u) = 0,         m = 1, . . . , s.                       (33)
                                                                              色補正モデルの選択
これら s 個の式は代数的に独立であるとする.最尤推
                                                                               ガマット誤差が生じている場合,線形の色変換であっ
定量 u は
   ˆ
                                                                              たとしても,十分な色補正結果を得るためには,例え
            N    r
      J=               Wα (ξ (k) , u)(ξ (l) , u)
                        (kl)
                                                                       (34)   ば,その逆変換である色補正モデルを多項式モデルと
                             α          α
           α=1 k,l=1                                                          すると,高次の項が含まれる必要がある.しかし,ガ

を内部拘束 u = 1, φm (u) = 0, m = 1, . . . , s のもと                                 マット誤差が含まれているかどうかは未知であり,ま

で最小化するものである.ここで,                                                              た,ガマット誤差が含まれている場合にも,その色補
                                                     −                        正モデルも未知である.色補正モデルの次数にも限界
                                   (kl)
                                                                              があり,一般に過剰な高次項を含む色補正モデルによ
          (kl)
         Wα    = (u, V0                   [ξ α ]u)       .             (35)
                                                     r
                                                                              る色補正は不安定になる.そこで,複数の色補正モデ
                                                                              ルを当てはめた結果から,モデル選択によって現実的
多拘束拡張 FNS 法
                                                                              な色補正モデルを選択することを考える.
 1. u の初期解を与える.                                                                「幾何学的当てはめ」における代表的なモデル選択
 2. 次の行列 M , L を計算する.                                                         の規準には「幾何学的 AIC」と「幾何学的 MDL」があ
                       N       r
                                                                              る [10, 8](付録 A 参照).金澤・金谷は画像モザイク
             M =                    Wα ξ (k) ξ (l)
                                     (kl)
                                          α    α                ,             生成のために幾何学的 AIC による幾何学的モデル選択
                     α=1 k,l=1                                                を用いた [6].松永・金谷は移動カメラのキャリブレー
                       N       r
                                     (k) (l)         (kl)                     ションのために幾何学的 AIC と幾何学的 MDL による
                L=                  vα vα V0                 [ξ α ].   (36)
                     α=1 k,l=1
                                                                              幾何学的モデル選択を用いた [14, 15].Kanatani は複
                                                                              数の運動物体の分離に幾何学的 AIC と幾何学的 MDL
   ここで,
                                                                              を用いた [9].
                                                                               3 次元アフィン変換モデルを最も自由度の高い一般モ
                           r
                 (k)
                vα =           Wα (ξ (l) , u).
                                (kl)
                                                                       (37)
                                                                              デルとすると,その自由度は 12 であり,そのパラメー
                                     α
                        l=1

 3. ベ ク ト ル u φ1 (u), . . . , u φs (u) を 計 算 し ,こ                             タを最適に推定した結果の目的関数 J の当てはめ残差

    れ に シュミット の 直 交 化 を 施 し た 正 規 直 交 系                                       J から二乗ノイズレベルを次のように推定する.
                                                                              ˆ

   {u1 , . . . , us } を求める.                                                               ˆ2 =
                                                                                                    ˆ
                                                                                                    J
                                                                                                         .               (43)
 4. 次の射影行列 P V を計算する.                                                                            3N − 12
                                      s                                       3 次元アフィン変換モデルの幾何学的 AIC と幾何学的
             P V = I n×n −                   um um .                   (38)   MDL は,パラメータを最適に推定した結果の目的関数
                                    m=1
                                                                              の当てはめ残差 J と式(43)より推定した二乗ノイズ
                                                                                       ˆ
   ここで,I n×n は n 次の単位正方行列である.                                                 レベル ˆ から次のように計算される.
                                                                                   2

 5. 次の行列 X を計算する.                                                                            ˆ
                                                                                     G-AIC = J + 24ˆ2 ,                  (44)
                                                                                                                 2
                X = P V (M − L)P V .                                   (39)                                  ˆ
                                                                                             ˆ
                                                                                     G-MDL = J − 12ˆ2 log            .   (45)
                                                                                                             L
 6. 固有値問題
                                                                              ここで L は基準長であり,色データの量子化ビット数
                           Xv = λv                                     (40)   8 ビットの場合 255 とする.3 次元アフィン変換のラン
                                                                              クは 3,補正モデルの次元は 3 である.モデルの次元の
   の絶対値の小さい s + 1 個の固有値に対する単位固
                                                                              項は各モデルに共通の場合には除外してもよい.
   有ベクトル v 0 , . . . , v s を求める.
                                                                               その他のモデルも同様にしてパラメータを最適に推
 7. 現在の解 u を次のように {v 0 , . . . , v s } に射影した
                                                                              定した結果の目的関数の当てはめ残差 J と式(43)より
                                                                                                ˆ
    u を計算する.
    ˆ
                                                                              推定した一般モデルの二乗ノイズレベル ˆ2 から計算す
                           s
                 ˆ
                 u=            (u, v m )v m .                          (41)   ることができる.幾何学的 AIC あるいは幾何学的 MDL
                        m=0                                                   が最小になるモデルを選択すればよい.
4         実験

3 次元アフィン変換による色補正パラメータの最適推定
の数値シミュレーション
  図 4(a)を理想カラーチャートによる基準画像とし
て図 4(b)の観測画像を 3 次元アフィン変換により基準
                                                                   (a)                     (b)

画像の色レベルに補正する行列 HA は次のようになる.
                        ¯
                                      
         0.6726 −0.0425 −0.0199 0.0063
                                      
 ¯ A =  −0.0312 0.5024 −0.0109 0.0140  .
                                      
H       0.0396 −0.0012 0.3847 −0.0500 
                                      
            0       0      0    0.3737
                                                (46)

    カラーチャートの真の色レベルをデータ {xα }, α =
1, . . . , 24 として,対応する観測画像の色データ {xα } に
独立に期待値 0,標準偏差 σ の正規乱数誤差を加えた.                                                   (c)
ただし,色データに対してはクリップ処理は行わなかっ
                                                         図4  (a) 基準画像,(b) 観測画像,(c) 計算した 3 次
た.そして,計算したアフィン変換行列 HA = (hij ) を
                                                         元アフィン変換の RMS 誤差.
式(13)の単位ベクトル hA の形に表し,その誤差を式
(27)の ∆hA とする.これを各 σ で誤差を変えて 1000
回試行し,その RMS 誤差を次のように評価した.                              例えば,2 次多項式モデルによる補正の場合,ξ α =
                                                       (x2 , xα f0 , yα f0 , f0 ) , u = (A, B, C, D) であり,あ
                                                         α
                                                                              2

                                                       る特定の色レベル xa が特定の色レベル ya に補正され
                           1000
                      1             (a) 2
              E=                  ∆hA       .   (47)
                    1000   a=1                         るとすると,色レベルに関する内部拘束は次のように
                                                       なる.
∆hA は誤差 ∆hA の a 回目の試行の値である.図 4(c)
        (a)

は横軸に σ をとって最小二乗法,多拘束 FNS 法の RMS                           φ(u) = Ax2 + Bxa f0 + Cya f0 + Df0 = 0.
                                                                   a
                                                                                           2
                                                                                                      (49)
誤差 E を KCR 下界(式(30)の右辺)とともにプロッ
                                                       クリップされていない色データのみによる色補正結果
トしたものである.これから分かるように最小二乗法
                                                       では,クリップされた色データのレベルが正しく補正
に対して多拘束 FNS 法は,色データがクリップ処理さ
                                                       されていない(同図(c) .白・黒レベルを拘束条件と
                                                                   )
れていない場合においては,精度の理論限界にほぼ到
                                                       したことにより,厳密に白・黒レベルに補正されている
達している.
                                                       (同図(f) .モデル選択の結果は,幾何学的 AIC によ
                                                             )
多項式モデルによる色補正パラメータのレベル制約付                               り 4 次多項式モデルが選ばれ,幾何学的 MDL により 3
き最適推定とモデル選択                                            次多項式モデルが選ばれた7 .
    図 5 は 1 次元理想ランプ(ramp)画像に色変換とし
                                                       カラーチャート検出の画像処理
て線形変換を行った場合の簡単な例である.色補正パ
                                                         カラーチャートを撮影した画像から画像処理によって
ラメータを推定するために,クリップされていない色
                                                       カラーチャートの色レベルを自動的に検出する.RGB
データのみを用いた場合と,クリップされていない色
                                                       成分毎の各々の画像を複数のしきい値により複数の 2 値
データとレベル制約を課した場合を比較する.
                                                       画像へ変換する.それら複数の 2 値画像中の矩形領域
    多項式モデルを拡張 FNS 法により最適に推定する.
                                                       を境界追跡処理によって抽出する.そのようにして得
図中,計算に用いた色データは◇で示す.色補正モデ
                                                       られた矩形領域の大きさと 4 つの頂点のなす角度,矩
ルには,多項式モデルとして 1 次から 4 次多項式を用
                                                       形領域内の画素値の平均と分散から,得られた矩形領
いる.1 次元多項式モデルによる色補正パラメータの最
                                                       域がカラーチャートの一部であるかどうかを判定する.
適推定は,拘束式が一つだから,次の目的関数 J を白・
                                                       そのようにして選別した矩形領域の左上頂点座標によっ
黒レベルを拘束条件として最小化すればよい6 .
                                                       てソートして 2 方向に整列させて,矩形領域全体とし
                     N
               J=
                        (ξ α , u)2
                                      .         (48)   て 24 色からなるカラーチャートを同定する.各矩形領
                                                       域の重心座標からの一定領域中の画素の平均値をその
                  α=1
                      (u, V0 [ξ α ]u)
    白・黒レベルの制約を課すことにより多項式モデルの自由度は
    6
                                                       領域における色レベルとして用いる.
2 減る.1 次式モデルの場合,2 点をレベル制約とすると一意にパラ
メータが決まってしまうので,白レベルのみの拘束条件とした.                            7   幾何学的 MDL の方が退化モデルを選ぶ傾向がある [15, 9, 10].
(a)                             (b)                                   (c)




                (d)                             (e)                                   (f)

  図5   (a) 理想ランプ(ramp)画像と波形表示,(b) 色変換画像と波形表示,(c) クリップされたデータを除外した場
  合の 1 次式による色補正モデル,(d) 色補正モデル (c) による補正画像と波形表示,(e) レベル制約を課した多項式色補
  正モデル,(f) 色補正モデル (e) の 4 次多項式モデルによる補正画像と波形表示.



実画像実験(再撮モニタ映像の色補正)                                    5    まとめ
 図 6(a)の撮影画像は,スタジオ内にある液晶モニ
タを撮影したものである.スタジオ照明より色温度が                                  再撮モニタの色補正を行うために,既知の色レベル
高く,カラーチャートがやや青みがかって見える.画像                             からなるカラーチャートをモニタに表示したものをカ
処理によりカラーチャートの色レベルを自動的に検出                              メラで撮影して,撮影画像中のカラーチャートの色レ
する.理想カラーチャートの色レベルに揃えるための                              ベルを自動的に検出した.観測誤差やガマット誤差を
色補正パラメータを最適に推定して,撮影画像を色補                              考慮した最適なパラメータ推定による色補正を行った.
正する.                                                      今後の課題としては,ビデオ信号において標準的に
 観測画像における特定の色レベル xa = (ra /f0 , ga /f0 ,              用いられる輝度色差色空間における色補正モデルによ
ba /f0 , 1) がカラーチャート中の特定の色レベル xa =        ¯           る色補正も検討することである.色補正モデルとして,
(¯a /f0 , ga /f0 , ¯a /f0 , 1) に色補正されるとする.3 次
 r        ¯        b                                  3 次元アフィン変換モデル,1 次元多項式モデルを用い
元アフィン変換により色補正される場合には,xa =
                     ¯                                たが,その他のモデルも検討したい.具体的な応用例
Z[HA xa ] が内部拘束になる.                                   として,立体視映像の撮影への適用も検討したい.
  図 6(b)はカラーチャート中の白レベルを拘束条件
として,多拘束拡張 FNS 法によりレベル制約付き最適                           参考文献
推定した色補正パラメータによる色補正結果である.こ
                                                      [1] V. Cheung, S. Westland, D. Connah and C. Ripa-
こでは,モニタ映像だけでなく撮影画像全体を色補正
                                                          monti, A comparative study of the characterisation
している8 .カラーチャートの色レベルの RMS 誤差は                              of colour cameras by means of neural networks and
27.7 であり,厳密に白バランスが取れている.レベル                               polynomial transforms, Coloration Technology, Vol.
制約を課さずに多拘束 FNS 法により最適推定した場合                               120, No. 1 (2004-1), 19–25.
の RMS 誤差は 19.3 であり,それよりはやや上回って                        [2] M. Chernov and C. Lesort, Statistical efficiency of
いるが,最小二乗推定した場合の 32.7 よりは下回って                              curve fitting algorithms, Computational Statistics

いる.図 6(c)は理想的なカラーチャート画像である.
                                                          and Data Analysis, Vol. 47, No. 4 (2004-4), 713–728.
                                                      [3] W. Chojnacki, M. J. Brooks, A. van den Hengel and
  8   実際には,モニタに映す映像のみ色補正する.                               D. Gawley, On the fitting of surfaces to data with
(a)                                    (b)                                             (c)

            図6      (a) モニタ撮影画像,(b) レベル制約付き最適推定による色補正画像,(c) 理想カラーチャート.


       covariances, IEEE Transactions on Pattern Analysis        [16] C. S. McCamy, H. Marcus and J. G. Davidson,
       and Machine Intelligence, Vol. 22, No. 11 (2000-11),           A color-rendition chart, Journal of Applied Photo-
       1294–1303.                                                     graphic Engineering, Vol. 2, No. 3 (Summer 1976),
 [4]   G. D. Finlayson, S. D. Hordley and I. Tastl, Gamut             95–99. http://www.xrite.com/
       constrained illuminant estimation, 9th IEEE Int.          [17] J´n Moroviˇ, Color Gamut Mapping, John Wiley &
                                                                       a         c
       Conf. Comput. Vision (ICCV’03) Vol. 2, 2003, 792–              Sons Ltd., August 2008.
       799.                                                      [18] 新妻 弘崇,金谷 健一,最適な射影変換の新しい計算アル
 [5]   A. Ilie and G. Welch, Ensuring color consistency               ゴリズム,情報処理学会研究報告,2009-CVIM-169-37,
       across multiple cameras, 10th IEEE Int. Conf. Com-             (2009-11),金沢市 (金沢工業大学),1–8.
       put. Vision (ICCV’05) Vol. 2, 2005, 1268–1275.
 [6]   金澤 靖,金谷 健一,幾何学的 AIC による画像モザイク                             付録 A       幾何学的当てはめと幾何学的 AIC /
       生成の安定化,電子情報通信学会論文誌 A,Vol. J83-A,
                                                                            幾何学的 MDL
       No. 6 (2000-6),686–693.
 [7]   金谷 健一,    「空間データの数理 – 3次元コンピューティ                           「幾何学的当てはめ」とは「拘束式」
       ングに向けて –」        ,朝倉書店,1995 年 3 月.
 [8]   K. Kanatani, Statistical Optimization for Geometric                F (k) (ξ, u) = 0,       k = 1, . . . , r,           (A.1)

                                                                 と変数 ξ の複数の実現値 {ξ α } からパラメータ u を推
       Computation: Theory and Practice, Elsevier Science,
       Amsterdam, The Netherlands, April 1996, reprinted
                                                                 定する問題である [7, 8].誤差は正規分布に従い,各 ξ α
       Dover Publications, New York, U.S.A., July 2005.
 [9]   K. Kanatani, Motion segmentation by subspace sep-         の正規化共分散行列 V0 [ξ α ](一般には特異行列)は既
       aration: Model selection and reliability evaluation,      知とする.この問題の「最尤推定」はマハラノビス距離
       International Journal of Image and Graphics, Vol. 2,                 N

       No. 2 (2002-4), 179–197.                                        J=                ¯                       ¯
                                                                                  (ξ α − ξ α , V0 [ξ α ]− (ξ α − ξ α ))       (A.2)
[10]   K. Kanatani, Uncertainty modeling and model selec-                   α=1

       tion for geometric inference, IEEE Transactions on        を拘束式 F (k) (ξ α , u) = 0 のもとで未知数 {ξ α }, u に
                                                                             ¯                     ¯
       Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol. 26,       関して最小化することである.その残差(J の最小値)
       No. 10 (2004-10), 1307–1319.                              を J とし,ノイズレベルを とすると J/ 2 は第 1 近
                                                                   ˆ                 ˆ
       金谷 健一,    「これなら分かる最適化数学 – 基礎原理から
                                                                 似において自由度 rN − p の χ2 分布に従う [7, 8].た
[11]
       計算手法まで –」        ,共立出版,2005 年 9 月.
                                                                 だし,r は拘束条件(A.1)のランク(独立なものの数)
[12]   金谷 健一,菅谷 保之,制約付きパラメータ推定のため
       の拡張 FNS 法,情報処理学会研究報告,2007-CVIM-                           であり,p は未知数 u の自由度である.これからノイ
       158-4,(2007-3),鹿児島市 (鹿児島大),25–32.                         ズレベル の次の不偏推定量が得られる.
[13]   坂本 慶行,石黒 真木夫,北川 源四郎, 情報量統計学」        「               ,                                   Jˆ
       共立出版,1993.                                                                     ˆ2 =          .                         (A.3)
                                                                                             rN − p
[14]   松永 力,金谷 健一,平面パタンを用いる移動カメラの
                                                                 拘束式(A.1)がデータ空間(変数 ξ の空間)に d 次元
       校正:最適計算,信頼性評価,および幾何学的 AIC に
                                                                 モデル(多様体)S を定義するとき,その幾何学的 AIC
       よる安定化,電子情報通信学会論文誌 A,Vol. J83-A,
       No. 6 (2000-6),694–701.                                   および幾何学的 MDL は次のように定義される [10, 8].
[15]   C. Matsunaga and K. Kanatani, Calibration of a                             ˆ
                                                                          G-AIC = J + 2(N d + p) 2 ,                          (A.4)
       moving camera using a planar pattern: Optimal com-                                                                 2
       putation, reliability evaluation and stabilization by
                                                                                 ˆ
                                                                         G-MDL = J − (N d + p)
                                                                                             . (A.5)       2
                                                                                                               log
                                                                                        L
                                                                 ここに L はある基準長であり,データ ξ α /L が O(1) と
       model selection, Proc. 6th Euro. Conf. Comput. Vi-
       sion, Dublin, Ireland, Vol. 2, 595–609, June.July
                                                                 なるように選ぶ.ただし,ノイズレベルは一般モデル
       2000.
                                                                 により式(A.3)で推定する.

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カラーチャートを用いた複数の再撮モニタ とカメラの最適色補正論文

  • 1. カラーチャートを用いた複数の再撮モニタとカメラの最適色補正 Optimal Color Correction for Multiple On-set Monitors or Cameras by Using Color Checker Chart 松永 力 趙 延軍 和田 雅徳 Chikara Matsunaga, Yanjun Zhao and Masanori Wada 株式会社 朋栄 佐倉研究開発センター FOR-A Co., Ltd. Sakura R&D Center E-mail: matsunaga@for-a.co.jp Abstract テレビ局で多く行われている「再撮」と呼ばれる演出 のために複数のモニタ間の色調整の自動化を行う.既 知の色レベルからなるカラーチャートを撮影した画像 から,その複数の色レベルを自動的に検出して,それ (a) (b) らが適正な色レベルになるように色補正を行う.カメ 図 1 (a) 再撮モニタの例,(b) カラーチャート(色 ラによって撮影された映像中のカラーチャートの色レ 票)による色補正. ベルには観測誤差や,色空間のレベルに関する制限に よるガマット誤差が含まれる場合もある.そのような ラーチャートの色レベルには観測誤差や,色空間のレベ 場合でも最適な色補正パラメータを推定する. ルに関する制限によるガマット誤差 [17] が含まれる場 合もある.そのような場合でも最適な色補正パラメー タを推定する. 1 はじめに 2 色補正パラメータの最適推定 テレビ局では,スタジオセット内にモニタを配置し て,その中に番組のタイトルや番組内容に則した様々 色補正には多くの研究があるが,色補正パラメータ な映像を表示して,その画面をカメラで撮影する「再 の推定において,画像中に含まれる観測誤差や色空間 撮」と呼ばれる演出を多く行っている(図 1(a) . ) のレベルに関する制限によるガマット誤差の影響は十 このときに問題となるのが,スタジオ照明と再撮モ 分考慮されてはいない.色補正モデルの推定には,最 ニタの色温度の違いにより,モニタ内の映像の色が正 小二乗法を用いたり [5],色補正モデルには,高次の多 しく見えないことであり,色温度を合わせるためのモ 項式モデルや明示的なモデルを未知としてニューラル ニタの色調整が頻繁に行われる.再撮モニタが複数台 ネットワークを用いている [4, 1, 5]. の場合には,モニタ間でも色を合わせなければならず, RGB3 次元色空間において,カラーマトリクスと呼 台数が増すほど,手間が掛かる.これは,撮影に使用 ばれる 3 × 3 行列の乗算と 3 次元オフセットベクトルの する複数のカメラ間の色調整に関しても同様である. 加算による次のような色変換モデルを考える(図 2). 本研究では,このような複数のモニタあるいはカメ ラ間における色調整作業を自動化するために,図 1(b) ¯ xα = T xα + β. (1) のような既知の色レベルからなるカラーチャート(色 ここで, 票)を撮影した画像から1 ,その複数の色レベルを自動     rα rα ¯ 的に検出して,それらが適正な色レベルになるように ¯ xα =  gα  , xα =  gα  , ¯     色補正を行う.カメラによって撮影された映像中のカ ¯α bα b     1 写真・ビデオ業界ではマクベスチャートとも呼ばれて,ほぼ標 T11 T12 T13 β1 準的に用いられているものであり [16],カメラの場合には実際のカ T =  T21 T22 T23  , β =  β2  .     (2) ラーチャートを撮影し,モニタの場合にはカラーチャートをモニタ 上に表示させてカメラで撮影すればよい. T31 T32 T33 β3
  • 2. 数尤度を最大にする T , β を求めるためには, N 2 J= ¯ xα − (T xα + β) (6) α=1 を最小にする T , β を求めればよいことがわかる.すな わち,色変換モデルの場合,最尤法は最小二乗法に帰 着する. 図2 色変換モデルの例(3 次元アフィン変換). ところが,実際に必要なのは色変換パラメータでは なく,その 逆変換 ” “ である色補正パラメータである. 入力はカラーチャートにおける真の色データ {¯ α },α そこで,入力と出力を入れ替えて,色補正モデルのパ x = 1, . . . , N であり,その出力(カラーチャートを撮影 ラメータを推定する.したがって, した観測画像における色データ){xα } には,正規分布 に従う誤差 {εα } が含まれると仮定する. N 2 J= ¯ (T xα + β) − xα (7) これは,いわゆる回帰問題( 出力誤差モデル ” ) “ [11] α=1 であり,N 組の色対応データ {(¯ α , xα ); α = 1, . . . , N } x を最小にするパラメータを推定することを考える2 . が与えられたときの尤度は次のようになる [13, 11]. これは,入力に誤差が含まれる“入力誤差モデル”[11] N となるが,パラメータの 2 次形式で表されるから,解は L(x1 , . . . , xα |T , β, Σ) = f (xα |T , β, Σ) モーメント行列の最小固有値に対する単位固有ベクト α=1 N ルとして推定することができる [11].しかし,得られる 1 1 = ¯ exp − xα − (T xα + β), 解には統計的な偏差が生じることが知られている [7, 8]. (2π)3 |Σ| 2 α=1 金谷は式(7)の問題を「幾何学的当てはめ」として一 Σ−1 xα − (T xα + β) ¯ . (3) 般的に定式化し,それを最適に推定する方法を提案し ている [7, 8](付録 A 参照).本研究では,Chojnacki ただし,ベクトル a, b の内積を (a, b) と書く.Σ = ら [3] の FNS 法を複数の拘束式に対応させた新妻・金 diag(σ 2 , σ 2 , σ 2 ) とすると(一様等方性),結局 谷の多拘束 FNS 法による 2 次元平面の射影変換行列の N 1 最適推定 [18] に基き,3 次元アフィン変換による色補 L(x1 , . . . , xα |T , β, Σ) = (2π)3 · 3σ 2 正パラメータの最適計算を定式化する. α=1 exp − 1 ¯ xα − (T xα + β) 2 3 次元アフィン変換 2σ 2 式(1)の色変換は,3 次元のアフィン変換であり, RGB3 次元色空間における対応する色データ (r, g, b), N N 1 1 = exp − 2 ε2 . (4) (2π)3 · 3σ 2 2σ α=1 α (r , g , b ) をスケール定数 f0 によって3 各成分のオーダー をそろえた 4 次元同次ベクトルを改めて x, x で表し, この尤度を最大にする T , β および σ 2 が色変換モデル 3 次元アフィン変換行列を 4 × 4 行列 HA で表す. のパラメータおよび残差分散の最尤推定量を与える.     r/f0 r /f0 • これは,説明変数 xα が与えられたとき,目的変数 ¯    g/f0    xα の確率分布 f が平均 T xα + β ,共分散行列 Σ  , x =  g /f0  ,   ¯ x=   b/f0    b /f  0  = diag(σ 2 , σ 2 , σ 2 ) の(多次元)正規分布で与えら  1 1 れると仮定している.   h11 h12 h13 h14 尤度関数 L の自然対数をとれば,対数尤度    h21 h22 h23 h24  HA =   . (8) h31 h32 h33 h34  l(x|T , β, σ 2 ) = log L(x1 , . . . , xα |T , β, Σ)   0 0 0 h44 3N N =− log 2π − log 3σ 2 2 2 これらを用いると 3 次元アフィン変換は次のように書 N 1 − 2 ¯ xα − (T xα + β) 2 (5) ける. 2σ α=1 x = Z[HA x]. (9) が得られる.最尤推定量を求めるためには,対数尤度 l 2式(6)と式(7)の T , β は同じものではない.その意味も 変 “ を最大にする T , β および σ 2 を求めればよい.この対 換”とその逆変換である 補正 ” “ であることには注意が必要である. 3 色データの量子化ビット数 8 ビットのため f = 255 とした. 0
  • 3. ただし,Z[ · ] は 4 次元ベクトルの第 4 成分を 1 とする ここで,V0 (kl) [ξ α ] は ξ (k) の正規化共分散行列である. α 正規化作用素である.行列 HA には定数倍の不定性が (kl) V0 [ξ α ] はデータ z α の正規化共分散行列 V0 [z α ] から ある.そこで以下,適当な定数を掛けて HA = 1 と 線形近似によって次のように計算できる. 正規化する(行列のノルムは HA = h2 と 4 i,j=1 ij (kl) 定義する).式(9)を各成分毎に書くと (k) (l) V0 [ξ α ] = zξ |z =z α V0 [z α ] zξ |z =z α . (20) h44 r = h11 r + h12 g + h13 b + h14 f0 , (10) ただし, |z =z α は ξ (k) (z) のヤコビ行列(各成 zξ (k) h44 g = h21 r + h22 g + h23 b + h24 f0 , (11) 分の r, g, b, r , g , b に関する微分を並べた行列)に z α = (rα , gα , bα , rα , gα , bα ) を代入した値である(詳 h44 b = h31 r + h32 g + h33 b + h34 f0 . (12) 細省略). 13 次元ベクトル hA , ξ (1) (z), ξ (2) (z), ξ (3) (z), z = • データ z α の正規化共分散行列 V0 [z α ] は,再撮モ (r, g, b, r , g , b ) を次のように定義する. ニタを色補正する場合には,モニタに誤差のない hA = (h11 , h12 , h13 , h14 , h21 , h22 , h23 , h24 , カラーチャートを表示したものをカメラで撮影す h31 , h32 , h33 , h34 , h44 ) , (13) るため,V0 [z α ] = diag(1, 1, 1, 0, 0, 0) とする. • カメラを色補正する場合には,実際のカラーチャー ξ (1) (z) = (r, g, b, f0 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, −r ) , (14) トをカメラで撮影するため,V0 [z α ] = I 6×6 とす ξ (2) (z) = (0, 0, 0, 0, r, g, b, f0 , 0, 0, 0, 0, −g ) , (15) る.I 6×6 は 6 次の単位正方行列である. (3) ξ (z) = (0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, r, g, b, f0 , −b ) . (16) 正規化 HA = 1 は式(13)の hA が単位ベクトルで 多拘束 FNS 法 あること( hA = 1)と等価である.3 次元アフィン 式(18)を hA で微分すると次のようになる. 変換の各成分毎の式(10) 11) 12)から次の拘束式 ( ( hA J = 2(M − L)hA . (21) を得る. ただし,13 × 13 行列 M , L を次のように置いた. (ξ (1) (z), hA ) = 0, (ξ (2) (z), hA ) = 0, N 3 (ξ (3) (z), hA ) = 0. (17) M = Wα ξ (k) ξ (l) , (kl) α α α=1 k,l=1 N 3 3 次元アフィン変換の最適計算 (k) (l) (kl) L= vα vα V0 [ξ α ]. (22) N 個の色データ (rα , gα , bα ) と対応する色データ α=1 k,l=1 (rα , gα , bα ), α = 1, . . . , N が与えられたとき,それらの 上式中の vα は次のように定義する. (k) 間の 3 次元アフィン変換を最適に計算したい.データ z α 3 = (rα , gα , bα , rα , gα , bα ) を代入した式(14) 15) 16) ( ( (k) vα = (kl) (l) Wα (ξ α , hA ). (23) のベクトル ξ (z α ), ξ (z α ), ξ (z α ) をそれぞれ ξ (1) , (1) (2) (3) α l=1 ξ α , ξ α と書く.データに誤差があるとき,解くべき (2) (3) 式(18)を最小にするには式(21)より (M − L)hA = 問題は (ξ (1) , hA ) ≈ 0, (ξ (2) , hA ) ≈ 0, (ξ (3) , hA ) ≈ 0, α α α α 0 を解けばよく,固有値問題を反復して解く Chojnacki = 1, . . . , N となるような 13 次元ベクトル hA を計算す ら [3] の FNS 法を用いることができる.多拘束 FNS 法 ることである.そのためには誤差の統計的性質を考慮す の手順は次のようになる. る必要がある.各色データ (rα , gα , bα ), (rα , gα , bα ) は 真値 (¯α , gα , ¯α ), (¯ , g , ¯ ) に期待値 0,標準偏差 σ の r ¯ b r ¯ b α α α 1. hA の初期値 hA0 を与える. 正規分布に従う誤差が加わると仮定する.最尤推定は 2. 式(22)の M , L を計算する. 次の目的関数 J を最小にする hA を求めることである. 3. 固有値問題 (M − L)hA = λhA の最小固有値 λ に N 3 対する単位固有値ベクトル hA を計算する. J= (kl) α (l) Wα (ξ (k) , hA )(ξ α , hA ). (18) 4. 符号を除いて hA ≈ hA0 であれば次のアフィン変換 α=1 k,l=1 行列 hA を返して終了する.そうでなければ hA0 ← ただし,Wα (kl) は (hA , V0 (kl) [ξ α ]hA ) を (kl) 要素とする N [hA0 + hA ] としてステップ 2 に戻る(N [ · ] は単 3 × 3 行列の(ムーア・ペンローズの)一般逆行列の (kl) 位ベクトルへの正規化)4 . 要素である. 4 解の更新に N [h +h ] を用いるのは, A0 A “中点” [(hA0 +hA )/2] N (kl) (kl) − を用いることを意味しており,これは反復の収束を行うための工夫 Wα = (hA , V0 [ξ α ]hA ) . (19) である [12].
  • 4. 最小二乗法 反復には初期値が必要であり,最も簡便なものが最 小二乗法である.式(18)で Wα = δkl(クロネッカ (kl) のデルタ:k = l で 1,それ以外で 0)と置くと次のよ うになる. N 3 JLS = (ξ (k) , hA )2 . α (24) α=1 k=1 図3 色変換モデルの例(3 次元アフィン変換+クリッ プ処理). これは次のように変形される. N 3 JLS = hA ξ (k) ξ α hA = (hA , M LS hA ). (25) α (k) 3 レベル制約付き最適推定とモデル選択 α=1 k=1 ただし,次のように置いた. 色空間における色変換処理であることから,厳密に はレベルに関する制限であるクリップ処理が付く(図 N 3 M LS = (k) ξ (k) ξ α . (26) 3).すなわち,式(1)の 3 次元アフィン変換による色 α α=1 k=1 変換は次のようになる. 式(25)は hA の 2 次形式であるから,これを最小化す I ¯ xα = C0 max [T xα + β]. (31) る単位ベクトル hA はモーメント行列 M LS の最小固有 値に対する単位固有ベクトルである. ここで,Imax = (rmax , gmax , bmax ) , 0 = (0, 0, 0) で あり,rmax , gmax , bmax は色空間における最大レベルで 精度の評価と理論限界 ある.C Imax [ · ] は色データを RGB3 次元色空間におけ アフィン変換行列 HA を表す式(13)の 13 次元単位 0 る 3 次元ベクトルと見なして,そのベクトルの方向を ベクトル hA の推定値を hA ,誤差がない場合の真値を ˆ 保存する様に各色成分を各上限下限成分にクリップす hA とするとき,誤差 ∆hA を次のように定義する. ¯ る処理である(詳細省略).色空間のレベルに関する制 ¯ ˆ ∆hA = P hA hA , ¯ ¯ P hA = I 13×13 − hA hA . ¯ (27) 限であるクリップ処理によって生じるガマット誤差は, 色補正パラメータの推定に影響を及ぼす. P hA は hA に直交する方向に射影した成分を得る射影行 ¯ 色補正パラメータの推定において,クリップ処理によ ¯ 列である.I 13×13 は 13 次の単位正方行列である.これ る影響を避ける素朴な方法としては,色空間の上限下 から推定値 hA の共分散行列が次のように定義できる. ˆ 限近傍の色データを用いない方法が考えられるが,そ ˆ V [hA ] = E[∆hA ∆hA ]. (28) うすると,色空間の上限下限の色レベルにおいて,正 しい色補正の結果が得られない.クリップ処理された 金谷の統計的最適化理論によれば,どのように hA を推 色空間の上限下限近傍のディテールを復元することは 定しても,それが不偏推定量であればその共分散行列 不可能である.しかし,明らかに上限下限の色レベル V [hA ] には次の下界があることが示される [7, 8]. ˆ における色補正の結果が異なることは望ましくない. ˆ V [hA ] ¯− σ 2 M 12 . (29) そこで,観測画像にはガマット誤差が含まれること を考慮して,色空間の上限下限における色データの対 ただし, は左辺引く右辺が正値対称行列であることを 応を拘束条件としたレベル制約付き最適化によって色 示す.右辺の M は式(22)の行列 M を色データの真 ¯ 補正パラメータを推定する.最適化の手法には,変数 値 (¯α , gα , ¯α ), (¯α , gα , ¯α ) および hA の真値 hA を用い r ¯ b r ¯ b ¯ 間の内部拘束を自動的に満たす解を求めるように FNS て計算した値である.また ( · )− はランク 12 の(ムー 12 法を拡張した拡張 FNS 法を用いる [12]. ア・ペンローズの)一般逆行列を表す5 .式(29)の右 内部拘束 辺は「KCR 下界」と呼ばれる [2].式(29)の両辺の平 データ {ξ α }, α = 1, . . . , N , k = 1, . . . , r は,n 次 (k) 方根を取り,式(28)より trV [hA ] = E[ ∆hA 2 ] であ ˆ 元ベクトルであり,それらの真の値 {ξ } は次の拘束 ¯(k) ることに注意すると,次の平方平均二乗(RMS)誤差 α 式を満たすとする. の下界が得られる. ¯(k) − (ξ α , u) = 0, α = 1, . . . , N, k = 1, . . . , r. (32) E[ ∆hA 2 ] ≥ σ ¯ trM 12 . (30) 5 n × n 対称行列 A のランク r(< n) の一般逆行列 A− とは,A r ただし,u は未知の n 次元ベクトルである.問題は誤 の大きい r 個の固有値を逆数に置き換え,残りの固有値を 0 に置き 差のあるデータ {ξ (k) } から u を推定することである. 換えた行列である. α
  • 5. 式(32)の形では未知ベクトルのスケールが不定と 8. 次の u を計算する. なるので, u = 1 と正規化するが,これも一つの内 ˆ u = N [P V u]. (42) 部拘束である.そして,これ以外に u に次の s 個の内 部拘束が存在するとする. 9. u ≈ u なら u を返して終了する.そうでなけれ ば,u ← N [u + u ] としてステップ 2 に戻る. φm (u) = 0, m = 1, . . . , s. (33) 色補正モデルの選択 これら s 個の式は代数的に独立であるとする.最尤推 ガマット誤差が生じている場合,線形の色変換であっ 定量 u は ˆ たとしても,十分な色補正結果を得るためには,例え N r J= Wα (ξ (k) , u)(ξ (l) , u) (kl) (34) ば,その逆変換である色補正モデルを多項式モデルと α α α=1 k,l=1 すると,高次の項が含まれる必要がある.しかし,ガ を内部拘束 u = 1, φm (u) = 0, m = 1, . . . , s のもと マット誤差が含まれているかどうかは未知であり,ま で最小化するものである.ここで, た,ガマット誤差が含まれている場合にも,その色補 − 正モデルも未知である.色補正モデルの次数にも限界 (kl) があり,一般に過剰な高次項を含む色補正モデルによ (kl) Wα = (u, V0 [ξ α ]u) . (35) r る色補正は不安定になる.そこで,複数の色補正モデ ルを当てはめた結果から,モデル選択によって現実的 多拘束拡張 FNS 法 な色補正モデルを選択することを考える. 1. u の初期解を与える. 「幾何学的当てはめ」における代表的なモデル選択 2. 次の行列 M , L を計算する. の規準には「幾何学的 AIC」と「幾何学的 MDL」があ N r る [10, 8](付録 A 参照).金澤・金谷は画像モザイク M = Wα ξ (k) ξ (l) (kl) α α , 生成のために幾何学的 AIC による幾何学的モデル選択 α=1 k,l=1 を用いた [6].松永・金谷は移動カメラのキャリブレー N r (k) (l) (kl) ションのために幾何学的 AIC と幾何学的 MDL による L= vα vα V0 [ξ α ]. (36) α=1 k,l=1 幾何学的モデル選択を用いた [14, 15].Kanatani は複 数の運動物体の分離に幾何学的 AIC と幾何学的 MDL ここで, を用いた [9]. 3 次元アフィン変換モデルを最も自由度の高い一般モ r (k) vα = Wα (ξ (l) , u). (kl) (37) デルとすると,その自由度は 12 であり,そのパラメー α l=1 3. ベ ク ト ル u φ1 (u), . . . , u φs (u) を 計 算 し ,こ タを最適に推定した結果の目的関数 J の当てはめ残差 れ に シュミット の 直 交 化 を 施 し た 正 規 直 交 系 J から二乗ノイズレベルを次のように推定する. ˆ {u1 , . . . , us } を求める. ˆ2 = ˆ J . (43) 4. 次の射影行列 P V を計算する. 3N − 12 s 3 次元アフィン変換モデルの幾何学的 AIC と幾何学的 P V = I n×n − um um . (38) MDL は,パラメータを最適に推定した結果の目的関数 m=1 の当てはめ残差 J と式(43)より推定した二乗ノイズ ˆ ここで,I n×n は n 次の単位正方行列である. レベル ˆ から次のように計算される. 2 5. 次の行列 X を計算する. ˆ G-AIC = J + 24ˆ2 , (44) 2 X = P V (M − L)P V . (39) ˆ ˆ G-MDL = J − 12ˆ2 log . (45) L 6. 固有値問題 ここで L は基準長であり,色データの量子化ビット数 Xv = λv (40) 8 ビットの場合 255 とする.3 次元アフィン変換のラン クは 3,補正モデルの次元は 3 である.モデルの次元の の絶対値の小さい s + 1 個の固有値に対する単位固 項は各モデルに共通の場合には除外してもよい. 有ベクトル v 0 , . . . , v s を求める. その他のモデルも同様にしてパラメータを最適に推 7. 現在の解 u を次のように {v 0 , . . . , v s } に射影した 定した結果の目的関数の当てはめ残差 J と式(43)より ˆ u を計算する. ˆ 推定した一般モデルの二乗ノイズレベル ˆ2 から計算す s ˆ u= (u, v m )v m . (41) ることができる.幾何学的 AIC あるいは幾何学的 MDL m=0 が最小になるモデルを選択すればよい.
  • 6. 4 実験 3 次元アフィン変換による色補正パラメータの最適推定 の数値シミュレーション 図 4(a)を理想カラーチャートによる基準画像とし て図 4(b)の観測画像を 3 次元アフィン変換により基準 (a) (b) 画像の色レベルに補正する行列 HA は次のようになる. ¯   0.6726 −0.0425 −0.0199 0.0063   ¯ A =  −0.0312 0.5024 −0.0109 0.0140  .   H  0.0396 −0.0012 0.3847 −0.0500    0 0 0 0.3737 (46) カラーチャートの真の色レベルをデータ {xα }, α = 1, . . . , 24 として,対応する観測画像の色データ {xα } に 独立に期待値 0,標準偏差 σ の正規乱数誤差を加えた. (c) ただし,色データに対してはクリップ処理は行わなかっ 図4 (a) 基準画像,(b) 観測画像,(c) 計算した 3 次 た.そして,計算したアフィン変換行列 HA = (hij ) を 元アフィン変換の RMS 誤差. 式(13)の単位ベクトル hA の形に表し,その誤差を式 (27)の ∆hA とする.これを各 σ で誤差を変えて 1000 回試行し,その RMS 誤差を次のように評価した. 例えば,2 次多項式モデルによる補正の場合,ξ α = (x2 , xα f0 , yα f0 , f0 ) , u = (A, B, C, D) であり,あ α 2 る特定の色レベル xa が特定の色レベル ya に補正され 1000 1 (a) 2 E= ∆hA . (47) 1000 a=1 るとすると,色レベルに関する内部拘束は次のように なる. ∆hA は誤差 ∆hA の a 回目の試行の値である.図 4(c) (a) は横軸に σ をとって最小二乗法,多拘束 FNS 法の RMS φ(u) = Ax2 + Bxa f0 + Cya f0 + Df0 = 0. a 2 (49) 誤差 E を KCR 下界(式(30)の右辺)とともにプロッ クリップされていない色データのみによる色補正結果 トしたものである.これから分かるように最小二乗法 では,クリップされた色データのレベルが正しく補正 に対して多拘束 FNS 法は,色データがクリップ処理さ されていない(同図(c) .白・黒レベルを拘束条件と ) れていない場合においては,精度の理論限界にほぼ到 したことにより,厳密に白・黒レベルに補正されている 達している. (同図(f) .モデル選択の結果は,幾何学的 AIC によ ) 多項式モデルによる色補正パラメータのレベル制約付 り 4 次多項式モデルが選ばれ,幾何学的 MDL により 3 き最適推定とモデル選択 次多項式モデルが選ばれた7 . 図 5 は 1 次元理想ランプ(ramp)画像に色変換とし カラーチャート検出の画像処理 て線形変換を行った場合の簡単な例である.色補正パ カラーチャートを撮影した画像から画像処理によって ラメータを推定するために,クリップされていない色 カラーチャートの色レベルを自動的に検出する.RGB データのみを用いた場合と,クリップされていない色 成分毎の各々の画像を複数のしきい値により複数の 2 値 データとレベル制約を課した場合を比較する. 画像へ変換する.それら複数の 2 値画像中の矩形領域 多項式モデルを拡張 FNS 法により最適に推定する. を境界追跡処理によって抽出する.そのようにして得 図中,計算に用いた色データは◇で示す.色補正モデ られた矩形領域の大きさと 4 つの頂点のなす角度,矩 ルには,多項式モデルとして 1 次から 4 次多項式を用 形領域内の画素値の平均と分散から,得られた矩形領 いる.1 次元多項式モデルによる色補正パラメータの最 域がカラーチャートの一部であるかどうかを判定する. 適推定は,拘束式が一つだから,次の目的関数 J を白・ そのようにして選別した矩形領域の左上頂点座標によっ 黒レベルを拘束条件として最小化すればよい6 . てソートして 2 方向に整列させて,矩形領域全体とし N J= (ξ α , u)2 . (48) て 24 色からなるカラーチャートを同定する.各矩形領 域の重心座標からの一定領域中の画素の平均値をその α=1 (u, V0 [ξ α ]u) 白・黒レベルの制約を課すことにより多項式モデルの自由度は 6 領域における色レベルとして用いる. 2 減る.1 次式モデルの場合,2 点をレベル制約とすると一意にパラ メータが決まってしまうので,白レベルのみの拘束条件とした. 7 幾何学的 MDL の方が退化モデルを選ぶ傾向がある [15, 9, 10].
  • 7. (a) (b) (c) (d) (e) (f) 図5 (a) 理想ランプ(ramp)画像と波形表示,(b) 色変換画像と波形表示,(c) クリップされたデータを除外した場 合の 1 次式による色補正モデル,(d) 色補正モデル (c) による補正画像と波形表示,(e) レベル制約を課した多項式色補 正モデル,(f) 色補正モデル (e) の 4 次多項式モデルによる補正画像と波形表示. 実画像実験(再撮モニタ映像の色補正) 5 まとめ 図 6(a)の撮影画像は,スタジオ内にある液晶モニ タを撮影したものである.スタジオ照明より色温度が 再撮モニタの色補正を行うために,既知の色レベル 高く,カラーチャートがやや青みがかって見える.画像 からなるカラーチャートをモニタに表示したものをカ 処理によりカラーチャートの色レベルを自動的に検出 メラで撮影して,撮影画像中のカラーチャートの色レ する.理想カラーチャートの色レベルに揃えるための ベルを自動的に検出した.観測誤差やガマット誤差を 色補正パラメータを最適に推定して,撮影画像を色補 考慮した最適なパラメータ推定による色補正を行った. 正する. 今後の課題としては,ビデオ信号において標準的に 観測画像における特定の色レベル xa = (ra /f0 , ga /f0 , 用いられる輝度色差色空間における色補正モデルによ ba /f0 , 1) がカラーチャート中の特定の色レベル xa = ¯ る色補正も検討することである.色補正モデルとして, (¯a /f0 , ga /f0 , ¯a /f0 , 1) に色補正されるとする.3 次 r ¯ b 3 次元アフィン変換モデル,1 次元多項式モデルを用い 元アフィン変換により色補正される場合には,xa = ¯ たが,その他のモデルも検討したい.具体的な応用例 Z[HA xa ] が内部拘束になる. として,立体視映像の撮影への適用も検討したい. 図 6(b)はカラーチャート中の白レベルを拘束条件 として,多拘束拡張 FNS 法によりレベル制約付き最適 参考文献 推定した色補正パラメータによる色補正結果である.こ [1] V. Cheung, S. Westland, D. Connah and C. Ripa- こでは,モニタ映像だけでなく撮影画像全体を色補正 monti, A comparative study of the characterisation している8 .カラーチャートの色レベルの RMS 誤差は of colour cameras by means of neural networks and 27.7 であり,厳密に白バランスが取れている.レベル polynomial transforms, Coloration Technology, Vol. 制約を課さずに多拘束 FNS 法により最適推定した場合 120, No. 1 (2004-1), 19–25. の RMS 誤差は 19.3 であり,それよりはやや上回って [2] M. Chernov and C. Lesort, Statistical efficiency of いるが,最小二乗推定した場合の 32.7 よりは下回って curve fitting algorithms, Computational Statistics いる.図 6(c)は理想的なカラーチャート画像である. and Data Analysis, Vol. 47, No. 4 (2004-4), 713–728. [3] W. Chojnacki, M. J. Brooks, A. van den Hengel and 8 実際には,モニタに映す映像のみ色補正する. D. Gawley, On the fitting of surfaces to data with
  • 8. (a) (b) (c) 図6 (a) モニタ撮影画像,(b) レベル制約付き最適推定による色補正画像,(c) 理想カラーチャート. covariances, IEEE Transactions on Pattern Analysis [16] C. S. McCamy, H. Marcus and J. G. Davidson, and Machine Intelligence, Vol. 22, No. 11 (2000-11), A color-rendition chart, Journal of Applied Photo- 1294–1303. graphic Engineering, Vol. 2, No. 3 (Summer 1976), [4] G. D. Finlayson, S. D. Hordley and I. Tastl, Gamut 95–99. http://www.xrite.com/ constrained illuminant estimation, 9th IEEE Int. [17] J´n Moroviˇ, Color Gamut Mapping, John Wiley & a c Conf. Comput. Vision (ICCV’03) Vol. 2, 2003, 792– Sons Ltd., August 2008. 799. [18] 新妻 弘崇,金谷 健一,最適な射影変換の新しい計算アル [5] A. Ilie and G. Welch, Ensuring color consistency ゴリズム,情報処理学会研究報告,2009-CVIM-169-37, across multiple cameras, 10th IEEE Int. Conf. Com- (2009-11),金沢市 (金沢工業大学),1–8. put. Vision (ICCV’05) Vol. 2, 2005, 1268–1275. [6] 金澤 靖,金谷 健一,幾何学的 AIC による画像モザイク 付録 A 幾何学的当てはめと幾何学的 AIC / 生成の安定化,電子情報通信学会論文誌 A,Vol. J83-A, 幾何学的 MDL No. 6 (2000-6),686–693. [7] 金谷 健一, 「空間データの数理 – 3次元コンピューティ 「幾何学的当てはめ」とは「拘束式」 ングに向けて –」 ,朝倉書店,1995 年 3 月. [8] K. Kanatani, Statistical Optimization for Geometric F (k) (ξ, u) = 0, k = 1, . . . , r, (A.1) と変数 ξ の複数の実現値 {ξ α } からパラメータ u を推 Computation: Theory and Practice, Elsevier Science, Amsterdam, The Netherlands, April 1996, reprinted 定する問題である [7, 8].誤差は正規分布に従い,各 ξ α Dover Publications, New York, U.S.A., July 2005. [9] K. Kanatani, Motion segmentation by subspace sep- の正規化共分散行列 V0 [ξ α ](一般には特異行列)は既 aration: Model selection and reliability evaluation, 知とする.この問題の「最尤推定」はマハラノビス距離 International Journal of Image and Graphics, Vol. 2, N No. 2 (2002-4), 179–197. J= ¯ ¯ (ξ α − ξ α , V0 [ξ α ]− (ξ α − ξ α )) (A.2) [10] K. Kanatani, Uncertainty modeling and model selec- α=1 tion for geometric inference, IEEE Transactions on を拘束式 F (k) (ξ α , u) = 0 のもとで未知数 {ξ α }, u に ¯ ¯ Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol. 26, 関して最小化することである.その残差(J の最小値) No. 10 (2004-10), 1307–1319. を J とし,ノイズレベルを とすると J/ 2 は第 1 近 ˆ ˆ 金谷 健一, 「これなら分かる最適化数学 – 基礎原理から 似において自由度 rN − p の χ2 分布に従う [7, 8].た [11] 計算手法まで –」 ,共立出版,2005 年 9 月. だし,r は拘束条件(A.1)のランク(独立なものの数) [12] 金谷 健一,菅谷 保之,制約付きパラメータ推定のため の拡張 FNS 法,情報処理学会研究報告,2007-CVIM- であり,p は未知数 u の自由度である.これからノイ 158-4,(2007-3),鹿児島市 (鹿児島大),25–32. ズレベル の次の不偏推定量が得られる. [13] 坂本 慶行,石黒 真木夫,北川 源四郎, 情報量統計学」 「 , Jˆ 共立出版,1993. ˆ2 = . (A.3) rN − p [14] 松永 力,金谷 健一,平面パタンを用いる移動カメラの 拘束式(A.1)がデータ空間(変数 ξ の空間)に d 次元 校正:最適計算,信頼性評価,および幾何学的 AIC に モデル(多様体)S を定義するとき,その幾何学的 AIC よる安定化,電子情報通信学会論文誌 A,Vol. J83-A, No. 6 (2000-6),694–701. および幾何学的 MDL は次のように定義される [10, 8]. [15] C. Matsunaga and K. Kanatani, Calibration of a ˆ G-AIC = J + 2(N d + p) 2 , (A.4) moving camera using a planar pattern: Optimal com- 2 putation, reliability evaluation and stabilization by ˆ G-MDL = J − (N d + p) . (A.5) 2 log L ここに L はある基準長であり,データ ξ α /L が O(1) と model selection, Proc. 6th Euro. Conf. Comput. Vi- sion, Dublin, Ireland, Vol. 2, 595–609, June.July なるように選ぶ.ただし,ノイズレベルは一般モデル 2000. により式(A.3)で推定する.