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2004/5/31
第7回 診断学的検査
東京大学 田中紀子
2004/5/31
今日の学習目標(text.p74~87)
 診断学的検査の結果を正しく解釈できるようになる
 Key word
– 検査の特性に関する用語
 疑陽性(false-positive)・偽陰性(false-negative)
 感度(sensitivity)・特異度(specificity)
 陽性反応適中度(positive predictive value)
・陰性反応適中度(negative predictive value)
– スクリーニング検査
– 検査結果をゆがませる二つのタイプのバイアス
 疾病期間バイアス
 リードタイムバイアス
2004/5/31
今日の症例 Fさん
 患者背景
– 年齢:54歳
– 性別:女性
– 職業:高校教師
 臨床所見
– 健康診断の結果からは異常所見なし
2004/5/31
今日の症例ー続き
 医師にマンモグラフィー(乳房撮影)を勧められた
結果、異常が発見され、穿刺吸引細胞診(FNA;
fine needle aspiration)でがん細胞が発見される
乳がん (?)
2004/5/31
臨床診断
多くの場合、問診と同時に臨床検査によって
診断が確定される
例えば、
Bさん:血液検査⇒生体組織検査
Dさん:喀痰顕微鏡検査など
Fさん:各種検査(健康診断)
2004/5/31
健康診断
年に1回は学校・職場などで実施される
法律で定められていた!
法 律 健診の名称
雇入時健康診断
定期健康診断
特定業務従事者の健康診断
海外派遣労働者の健康診断>
結核健康診断
給食従業員の検便
有機溶剤健康診断
鉛健康診断
四アルキル鉛健康診断
特定化学物質健康診断
高気圧業務又は潜水業務健康診断
電離放射線健康診断
臨時の健
康診断
じん肺法 じん肺健康診断
労働安全
衛生法
一般健康
診断
特殊健康
診断
2004/5/31
定期健康診断で検査される項目
(1)既往歴及び業務歴の調査
(2)自覚症状及び他覚症状の有無の検
(3)身長、体重、視力、聴力(1000Hz及
び4000Hz)の検査
(4)胸部X線検査
(5)血圧の検査
(6)尿検査(尿中の糖及び蛋白)
(7)貧血検査(血色素量、赤血球数)
(8)肝機能検査(GOT,GPT,γ-GTP)
(9)血中脂質検査(総コレステロール、ト
リグリセライド、HDLコレステロール)
(10)血糖検査
(11)心電図検査
Fさんの場合これらすべてに異常が認められなかった
⇒異常って?
2004/5/31
主な項目の正常範囲
検査項目 基準値 この検査で分ること
蛋白 陰性(-) 腎臓や尿路の異常
尿糖 陰性(-) 糖尿病
赤血球数 男:400~550万μl
(RBC) 女:350~500万μl 貧血、赤血球増多症
ヘモグロビン量 男:13.0~17.0g/dl 貧血
(Hb) 女:11.0~15.0g/dl
GOT(AST) 8~40(IU/l) 心筋梗塞や急性肝炎、アルコール性肝障害
GPT(ALT) 6~35(IU/l) 肝炎
γ-GTP 男:0~65(IU/l) 閉塞性黄疸、肝炎、アルコール性肝障害
女:0~30(IU/l)
総コレステロール140~219mg/dl 動脈硬化
これらの基準範囲外の値(もしくは陰性)だったら
異常なの?
2004/5/31
マンモグラフィー
正常な乳房 石灰化が発見された乳房
石灰化が発見されても悪性と良性の場合がある
陰性
(-)
陽性
(+)
2004/5/31
検査結果は常に正しい?
一つの検査だけで、本当にその人が罹患している
(もしくは健康な状態にない)かどうかはわからない
検査結果にも誤りはつきものである
2004/5/31
検査の特性―偽陽性率と偽陰性率―
疾患あり 疾患なし
TP FP
真陽性 疑陽性
FN TN
疑陰性 真陰性
真の状態
陽性
陰性
検
査
結
果
偽陽性率(false positive rate;FP)=FP/(FP+TN)
偽陰性率(false negative rate;FN)=FN/(TP+FN)
その検査の特性、特に検査の正確度を評価すること
ができる指標となる
ゴールド・スタンダード
2004/5/31
検査の特性―感度と特異度―
疾患あり 疾患なし
TP FP
真陽性 疑陽性
FN TN
疑陰性 真陰性
真の状態
陽性
陰性
検
査
結
果
感度(sensitivity)=TP/(TP+FN)
特異度(specificity)=TN/(FP+TN)
その検査の特性、特に検査の正確度を評価すること
ができる指標となる
2004/5/31
マンモグラフィーの例(Kavanagh, et al.2000)
オーストラリアのビクトリアで行われた検査に106826人が参加した結果
疾患あり 疾患なし
TP FP
623 5966 6589
FN TN
200 100067 100267
823 106033 106826
真の状態
検査結果
陽性
陰性
人
感度=TP/(TP+FN)=623/823≒0.757
特異度=TN/(FP+TN)=100067/106033≒0.944
2004/5/31
FNA検査の例(Bibbo M,et al.1988)
疾患あり 疾患なし
TP FP
14 8 22
FN TN
1 91 92
15 99 114
真の状態
検査結果
陽性
陰性
感度=TP/(TP+FN)=14/15≒0.933
特異度=TN/(FP+TN)=91/99≒0.919
両方比較
的高い
2004/5/31
感度と特異度の意味
感度=
(検査時点で罹患している人の数)
(検査で陽性と判断された人の数)
特異度=
(検査時点で罹患していない人の数)
(検査で陰性と判断された人の数)
⇒感度が高い=疾患に罹っている人をより確実に検出する検査
⇒特異度が高い=疾患に罹っていない人をより確実に除外する検査
⇒感度の高い検査で陰性であれば、罹患している可能性は低い
⇒特異度の高い検査で陽性であれば、罹患している可能性は高い
2004/5/31
感度・特異度と偽陽性率・偽陰性率の関係
 つまり、
感度↑=偽陰性↓
⇒感度が高い検査ほど、疾患のある人を間違って
「ない」という確率が低い
特異度↑=偽陽性↓
⇒特異度が高い検査ほど、疾患のない人を間違って
「ある」という確率が低い
偽陽性率=1―特異度
偽陰性率=1―感度
2004/5/31
あなたなら、どう解釈しますか?
 胃がんX線検査でがん陽性の結果がでました。
この検査の感度90%、特異度95%です。
 妊娠検査で陽性の結果がでました。
この検査の感度90%、特異度95%です。
2004/5/31
胃がんの例
疾患あり 疾患なし
TP FP
18 199 217
FN TN
2 3781 3783
20 3980 4000
真の状態
陽性
陰性
陽性者ががん有りの確率
18/217≒8.3%
陰性者ががんなしの確率
2/3781≒99.95%
陽性反応適中度(正の予測
価)
Positive-predictive value
陰性反応適中度(正の予測
価)
Negative-predictive value
集団中で胃がんに罹患し
ている割合
20/4000≒0.5%
有病割合Prevalence
2004/5/31
検査の特性
―陽性反応適中度・陰性反応適中度―
疾患あり 疾患なし
TP FP
真陽性 疑陽性
FN TN
疑陰性 真陰性
真の状態
陽性
陰性
検
査
結
果
陽性反応適中度(PV+)=TP/(TP+FP)
陰性反応適中度( PV―)=FN/(FN+TN)
その検査の特性、特に検査の判定の適中率の指標と
なる
2004/5/31
妊娠の例
疾患あり 疾患なし
TP FP
1800 100 1900
FN TN
200 1900 2100
2000 2000 4000
真の状態
陽性
陰性
陽性者が妊娠している確率
1800/1900≒94.7%
陰性者が妊娠していない確率
200/2100≒90.5%
検査陽性の場合の事後確率
Posterior-probability
集団中で妊娠している割合
2000/4000=50%
検査を行う前の事前確率
Prior-probability
2004/5/31
検査の特性に影響を与える要因
 胃がんと妊娠の例から、同じ正確さをもった(=感
度と特異度が同じ)検査でも、検査を適用する集
団の有病率(事前確率)が変わると、陽性反応適
中度(事後確率)が変わることがわかった。
事前確率?事後確率?
2004/5/31
ベイズの定理
一般に、
     
 A
BAB
AB
Pr
PrPr
Pr


ある条件AのもとでBがおこる確率
(条件付確率)
Bがおこる確率
Aがおこる確率
ある条件BのもとでAがおこる確率
2004/5/31
検査の特性とベイズの定理
疾患あり 疾患なし
TP FP
FN TN
陽性
陰性
 DPr
 DPr
 nonDPr
 nonDPr
陽性反応適中度
(事後確率)
 DPr
有病割合
(事前確率)
 DPr
     
 


Pr
PrPr
Pr
DD
D
TP
検査陽性の確率たいていここがわからない。。。どうしよう
2004/5/31
オッズとオッズ比
わからないものが二つあるより一つのほうが推定しやすい
オッズをとってみる
•オッズ比
–オッズ・・・確率の比
– (ある疾患にかかる確率)
(ある疾患にかからない確率)
オッズ比・・・オッズの比
p
p
1
q
q
p
p
 11
第10回で詳細を解説
2004/5/31
検査の特性
―尤度比(likelihood ratio:LR)―
 
 
 
 
 
 nonD
D
nonD
D
nonD
D





Pr
Pr
Pr
Pr
Pr
Pr
事後のオッズ 事前のオッズ 尤度比
陽性反応適中度のオッズ比
感度
1―特異度
検査の特性を調べるために、疾
患のある人とない人を対象とし
ても計算できる値
2004/5/31
尤度比と有病率、陽性反応適中度の関係
 
 
 
 
 
 nonD
D
nonD
D
nonD
D





Pr
Pr
Pr
Pr
Pr
Pr
事後のオッズ 事前のオッズ 尤度比
この式からわかること
1. 感度と特異度は有病率に影響をうけない
2. 有病率が一定であれば、感度の高い検査ほど陽性適
中度が高くなる
3. 感度・特異度が同じ検査であっても、適用する疾患の
有病率が異なると、有病率の低い疾患に適用した検査
のほうが陽性適中度は低くなる
2004/5/31
FNA検査の例(Bibbo M,et al.1988)
疾患あり 疾患なし
TP FP
14 8 22
FN TN
1 91 92
15 99 114
真の状態
結果
陽性
陰性
感度=≒0.933
特異度=≒0.919
尤度比
=感度/(1―特異度)
=0.933/(1-0.919)≒11.6
 
 
 
 
 
 nonD
D
nonD
D
nonD
D





Pr
Pr
Pr
Pr
Pr
Pr
事後のオッズ
=0.15×11.6
=1.75
事前のオッズ
=
)114/151(
114/15

=0.15
2004/5/31
まとめ
 多くの場合検査だけで、疾患の有無を判断することはでき
ないので、検査結果には誤りがつきものである。
 誤りがどのくらいあるかでその検査の正確度がわかる
 検査の正確度を測る指標
• 偽陽性率・偽陰性率
• 感度・特異度
• (尤度比)
 検査を行った結果の適中度を測る指標
– 陽性反応的中度・陰性反応的中度
2004/5/31
主な項目の正常範囲
検査項目 基準値 この検査で分ること
蛋白 陰性(-) 腎臓や尿路の異常
尿糖 陰性(-) 糖尿病
赤血球数 男:400~550万μl
(RBC) 女:350~500万μl 貧血、赤血球増多症
ヘモグロビン量 男:13.0~17.0g/dl 貧血
(Hb) 女:11.0~15.0g/dl
GOT(AST) 8~40(IU/l) 心筋梗塞や急性肝炎、アルコール性肝障害
GPT(ALT) 6~35(IU/l) 肝炎
γ-GTP 男:0~65(IU/l) 閉塞性黄疸、肝炎、アルコール性肝障害
女:0~30(IU/l)
総コレステロール140~219mg/dl 動脈硬化
これらの基準はどのように決めているの?
2004/5/31
FNA検査結果
陽性OR陰性
1. がん細胞の有無を適切に評価するには材
料が不適切
2. 良性(悪性細胞なし)
3. 疑い有り(非定型細胞は存在するが、明ら
かに悪性とはいえない)
4. 悪性細胞あり
2004/5/31
陽性or陰性?
1. がん細胞の有無を適
切に評価するには材料
が不適切
2. 良性(悪性細胞なし)
3. 疑い有り(非定型細胞
は存在するが、明らか
に悪性とはいえない)
4. 悪性細胞あり
再検査or陰性
陰性
陽性
陽性or陰性?
2004/5/31
カットオフ・ポイント
検査結果が陰性から陽性に転じると
考えられる点
例えば、
FNA検査であれば、「良性と疑わしいの間」
赤血球数は350~500μlの間
にカットオフ・ポイントはある
2004/5/31
FNA検査の例(Smith C et al.,1988)
疾患あり 疾患なし
TP FP
113 15 128
FN TN
8 181 189
121 196 317
外科的生検
陽性
陰性
疑い有りを陽性としたとき
疑い有りを陰性としたとき
有病率=38%
感度=93%
特異度=92%
PV+=88%
PV-=96%
有病率=38%
感度=75%
特異度=100%
PV+ =100%
PV- =87%
疾患あり 疾患なし
TP FP
91 0 91
FN TN
30 196 226
121 196 317
外科的生検
陽性
陰性
2004/5/31
カットオフ・ポイントが感度と特異度に与える影響
例:ELIZA(enzyme-linked immunosorbent assay)検査
(AIDSの検査)の結果
比 健常者 AIDS患者
<2 202 0
2.0-2.99 73 2
3.0-3.99 15 7
4.0-4.99 3 7
5.0-5.99 2 15
6.0-11.99 2 36
12.0- 0 21
計 297 88
カットオ
フ・ポイン
ト
2004/5/31
カット・オフポイントを変えた場合の感度と特異度
カットオフ・ポイント 感度 特異度
2 1.00 0.68
3 0.98 0.93
4 0.90 0.98
5 0.82 0.99
6 0.65 0.99
12 0.24 1.00
AIDS患者 健常者
TP FP
88 95 183
FN TN
0 202 202
88 297 385
陽性
陰性
AIDS患者 健常者
TP FP
86 22 108
FN TN
2 275 277
88 297 385
陽性
陰性
AIDS患者 健常者
TP FP
79 7 86
FN TN
9 290 299
88 297 385
陽性
陰性
2004/5/31
感度と特異度のプロット―ROC曲線―
もっと細かく検査値をきざんでいけば、もっとたくさんの表が
でき、たくさんの感度と特異度の値が計算できる
感度と特異度の関係のグラフを
書くことができる
ROC曲線
(receiver operating characteristic curve)
2004/5/31
ELIZA検査のROC曲線
1―特異度
感
度
2004/5/31
ROC曲線と感度・特異度の特徴
カーブの
変曲点が
かどに近
づくほどい
い検査と
いえる
横軸には必ず
(1―特異度)をとる
最適な閾値
2004/5/31
感度と特異度―まとめ―
感度と特異度は高いほうがよい検査といえるが、
同時に高くすることはできない
適切なカットオフ・ポイントを設定することが重要
2004/5/31
検査の役割
例えば、Fさんの例だと
健康診断の検査
マンモグラフィー
FNA検査
なんで、こんな順番で
検査をするの?
2004/5/31
検査の特性から
感度と特異度は同時に高くすることができない
感度の方が高い=病気である人を確実に陽性と判断できる
特異度の方が高い=健康な人を間違って陽性と判断しない
最初に行う検査ではまずは
こちらが重要
2004/5/31
確定診断までの流れ
検
査
1
検
査
2
確定診断へ
スクリーニン
グ検査
2004/5/31
スクリーニング検査
<目的>
一般の集団に対して実施することで、
疾患の早期発見をめざす(1次予防の実施)
検査の特性としては、感度が高く、
陽性反応的中度が低い
2004/5/31
スクリーニング検査による効果
疾患が早期発見されると、スクリーニング実施
前より見かけ上有病割合があがる
早期発見により早期治療が開始できると、見か
け上その疾患の罹患から死亡までの期間)生存
期間)が大幅に延長される
2004/5/31
スクリーニング検査実施時におこるバイアス
リード・タイムバイアス(lead-time bias)
疾病期間バイアス(length-biased sampling)
2004/5/31
医学研究におけるバイアス(偏り)
 何かしらの推論を行う場合に、真の状
態から系統的に異なる結果を導き出す
傾向にあるあらゆるプロセス
統計学では系統誤差(systematic error)
第11回の講義にて詳細に説明
2004/5/31
リード・タイムバイアス
乳がんを例とすると。。
がん発生 診断可能 発症 死亡
スクリーニング
がんの進行になんら変化がなかったとしても、診断
から計測される生存期間はスクリーニングにより延
長したことになる
2004/5/31
疾病期間バイアス(length-biased sampling)
スクリーニング
タ
イ
プ
1
が
ん
発
生
診
断
可
能
発
症
死
亡
スクリーニング
診
断
可
能
発
症
死
亡
Aさん
Bさん
タ
イ
プ
2
が
ん
発
生
Aさんのようなタイプのがんがたくさん発見されれば、
発見されてからの生存期間は延長されたことになる
2004/5/31
スクリーニング検査の有用性
―マンモグラフィーを例に―
2004/5/31
スクリーニング検査が成功するための基準1
•罹患率および死亡率による集団への効果
•その疾患の罹患率と死亡率が公衆衛生にとって十分な関心
事となっていること
•ハイリスク集団が存在すること
•罹患率と死亡率を減少させるための効果的な早期介入の方
法がわかっていること
2004/5/31
スクリーニング検査が成功するための基準2
•スクリーニング検査
•感度と特異度が高いこと
•対象となる集団に受け入れられること
•検査に伴うリスクが極めて小さいこと
•偽陽性を含めた全検査陽性者に精密検査を行える
体制があること
2004/5/31
まとめ2
 カットオフポイントと感度・特異度との関係
– カットオフ・ポイントを変えると感度・特異度は変化し、この二つの指
標は同時に高めることはできない
– カットオフ・ポイントを変えたときの感度・特異度の変化は、ROC曲
線としてしばしば表される。
 スクリーニング検査
– 疾患の早期発見を目的として実施される検査
– 検査の評価には、二つのバイアス(リード・タイムバイアス、疾患期
間バイアス)に注意しなければならない
– 成功するためには、ハイリスク集団が存在する疾患に正確で集団
に受け入れやすい検査を実施することが必要
2004/5/31
演習1-丸かばつをつけなさい
 陽性率はa/Nである。
 偽陽性率はbである。
 a/n1が大きく,d/n2が大きいのが検査法として優れて
いる。
 a/n3が大きく,d/n4が小さいのが検査法として優れて
いる。
 偽陽性者はaである。
陽性 陰性 計
a b n3
c d n4
計 n1 n2 N
疾患無し
疾患有り
2004/5/31
演習2-丸かばつをつけなさい
 感度が高いと特異度も高い
 特異度が高いと偽陽性率は低い
 有病率が高くなると感度も高くなる
 同じ精度で有病率が高いと偽陰性者が少ない
 ROC曲線は特異度と有病率とで得られる
2004/5/31
演習3-正しいものを選びなさい
 スクリーニング検査に関する指標で、対象集団の
有病率の影響をうけるのはどれか。
1. 感度
2. 特異度
3. 精度
4. 陽性反応適中度
2004/5/31
演習4-正しいものを選んでください
 肺がん検診の喀痰細胞診で正しいのはどれか
1. 感度、特異度ともに低い
2. 感度が高く、特異度が低い
3. 感度が低く、特異度が高い
4. 感度も特異度も高い
2004/5/31
演習5-正しいものを選んでください
 ツベルクリン反応検査は感度98%、特異度99%
の優れた結核のスクリーニング検査であるが、近
年陽性と判定された子供の真の結核感染者の割
合は低下している。
考えられる原因はどれか。
1. ツベルクリン反応の実施が普及した
2. 結核の有病率が低下した
3. 結核以外でツベルクリン反応陽性となる疾患が
増加した
4. 疑陽性者を陽性と判定するようになった
2004/5/31
参考図書・文献
 Kavanagh AM, Giles GG, Mitchell H, Cawson JN.
The sensitivity, specificity, and positive predictive value
of screening mammography and symptomatic status.
J Med Screen. 2000;7(2):105-10.
 Altman DG. Practical Statistics for medical
research.1991.Chapman&Hall
2004/5/31
参考URL
 国立感染症研究所 感染症情報センター
– http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
 厚生労働省食中毒情報
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/jokyo/nenji.html

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