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© 2020 森林会
”Re-think New normal, globally”
各国の接触者追跡アプリケーション分析から⾒る、
AfterコロナにおけるIT活⽤の⽅向性の検討
⽇本IBM Global Business Servicesビジネスコンサルタント
髙橋 紗桜
※当内容は私⾃⾝の⾒解であり、必ずしもIBMの⽴場、戦略、意⾒を代表するものではありません。
世界は、
私たちは、
まだ混沌の中にいる。
新型コロナウイルスそのものに、
それがもたらした新たな⽇常に。
そのまだ⾒えぬ敵に、
そのまだ⾒えぬ⽇常に。
テクノロジーはどう⽴ち向かえるのか?
何が課題となってくるのか?
©Sao
Re-think globally, re-think personally.
コロナウイルスによって⼀変した私達の⽇常と、テクノロジーの役割についてもう
⼀度考える。
2020
January
April
2. 新型コロナウイルスによる新たな⽇常へのシフト
社会の課題
「コロナ⾃体をどう収束させるか」
「新たな⽇常へどう適応していくか」
1. 新型コロナウイルスそのものの収束
それら全てを並⾏して対処していくべき
⽇常の構築
July
Now
Agenda
1. 追跡アプリケーションの現状と課題
2. 各国の感染状況との⽐較
3. 各国事例の検討
4. With/Afterコロナ時代のIT利⽤の展望
https://blogs.idc.com/2020/05/11/idc-covid-19-tech-index-uneven-expectations-and-mismatched-regional-confidence/
Introduction
出所: https://www.siemens-healthineers.com/vn/news/mso-covid-19-testing-is-essential.html
© Sao
対コロナの世界各国の取り組みの「答え合わせ」をすることで、現状の概観を掴む。
Introduction:本資料の位置付け (1/2)
◯⽬的
§ 新型コロナウイルスという、世界がリアルタイムに直⾯している共通の「敵」に対して、テクノロジー利
⽤の分野において、各国どのように異なるアプローチで対応し、どんな結果が出ているのかの横軸⽐較を
することで、現状の概観を掴む。
§ その⼀例の題材として、最も多くの国が広く導⼊している、Contact Tracing App (接触者追跡アプリケー
ション)を扱う。
◯ゴール
§ 接触者追跡アプリケーション導⼊に対し、各国が直⾯している課題の概観が分かる
§ 成功事例から、今後ITコンサルティング企業の⽬指すべき⽅向性が分かる
◯想定聞き⼿
§ ITコンサルタント・エンジニア・データサイエンティスト他
© Sao
対コロナの世界各国の取り組みの「答え合わせ」をすることで、現状の概観を掴む。
Introduction:本パートの位置付け (2/2)
◯調査に使⽤した主なリソース
§ MIT Technology Review, ”Covid Tracing Tracker” プロジェクトレポート (世界46カ国・地域(7/28現在)の
接触者追跡アプリケーション状況をまとめた⽇次レポート)
§ 各国メディア ニュース記事(BBC, Economist, The Telegraph, New York Times 他)
§ その他技術系記事・各コンサルティングファームレポート
https://www.technologyreview.jp/s/204154/a-flood-of-coronavirus-apps-are-tracking-us-now-its-time-to-keep-track-of-them/
1. 接触者追跡アプリケー
ションの現状と課題
①概観
出所: https://www.siemens-healthineers.com/vn/news/mso-covid-19-testing-is-essential.html
© Sao
COCOA、⼊れてますか?
1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題
© Sao
感染拡⼤防⽌のために、WHO始め各国の専⾨家はTest, Tracing, Isolationを掲げ
ており、中でもTracingは最もテクノロジーを活⽤できる分野と推測できる
1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題 - Contact Tracingに注⽬する理由
●WHO始め、感染症学研究者が唱える定説
原則 ⽬的 必要なリソース ポイント
Test
検査
感染が疑われる⼈を、できるだ
け迅速に特定する
モノ:PCR検査キットの確保
場所:PCR検査の実施場所(病院・臨時施設)
⼈:PCR検査を実施する医療従事者
いかにPCR検査
をできるだけ多
く早く回す
Tracing
接触追跡
⼆次・三次感染の拡⼤を阻⽌す
る
モノ:追跡を⾏うシステム
場所:-
⼈:追跡作業をする⼈員
いかに広範囲か
つ精度⾼く、カ
バーするか
Isolation
隔離
感染が確認された⼈を、確実に
隔離する
モノ:-
場所:隔離する場所(病院・借上げホテル等)
⼈:-
いかに場所を確
保するか
Testing, Isolationに関してはロジスティカルな
対応が必要であることに対し、Tracingは情報
収集とその運⽤基盤が主体となる
▶Informationテクノロジーの利⽤が不可⽋
●Tracingに着⽬するその他の理由
・SARS、エボラ出⾎熱流⾏時の教訓
・新型コロナウイルスの潜伏期間の⻑さ
▶これから続く⻑い戦いにおいて、半永久的な策として不可⽋
▶かつ、世界規模かつ各国の対応が異なる
© Sao
接触者追跡アプリケーションには、抑制と分析の2つの⽬的があり、
分析をどこまで⾏うかどうかは各国の⽅針に依存する。
1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題 -⽬的と概要
⽬的
1. 【抑制】「かかったかもしれない⼈」を動き回らせないようにする
https://www.bbc.com/japanese/video-52130657 BBC NEWS Japan「家にいることで⼈の命を助けられる 新型コロナウイルスで外出制限」
接触を記録 陽性だった場合に登録 通知
2. 【分析】感染者や接触者のデータを分析して、クラスター発⽣箇所等を特定する
世界共通
各国の⽅針に
依存
⽒名
年齢
性別
職種
勤務地
…
✗
ねずみ算的拡⼤を阻⽌できる
⾏った場所
Hot
spot
感染
予測
!
© Sao
1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題 (1/2)
接触追跡・通知の
性能の担保
▶通信メソッドの選択
1.「いかに正確に動くものを作るか」
データの取扱い⽅法の
透明性の担保
接触者追跡アプリの導⼊効果を得るためは、⼤きく分けて、性能・データ取り扱い
⽅法の透明性・⼀定ダウンロード率の、3つの要素を担保する必要がある。
総国⺠当たりダウン
ロード率の担保
▶ダウンロードの任意性
3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」
2.「データはどこまで集め、どう処理するか」
公衆衛⽣の確保
▶取得データの処理⽅法
© Sao
1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題 (2/2)
接触追跡・通知の
性能の担保
▶通信メソッドの選択
データ中央化*
1.「いかに正確に動くものを作るか」
4.「いかにプライバシー保護を担保しつつ、導⼊効果
を最⼤化するか」
データの取扱い⽅法の
透明性の担保
それに加え、公衆衛⽣の⽬的のもとに享受する利と、プライバシー保護をどのよう
にバランスを取るかが、世界共通の⼤きな課題となる。
Radical Moderate
総国⺠当たりダウン
ロード率の担保
▶ダウンロードの任意
性
3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」
ダウンロードは強制
2.「データはどこまで集め、どう処理するか」
公衆衛⽣の確保
ユーザーのプライバシー保護の担保
▶取得データの処理⽅法
任意
Bluetooth位置情報
ソースコード⾮公開 ソースコード公開
データ⾮中央化*
オプトイン許可なし* オプトイン許可あり*
その他透明性の確保
Radical Moderate
Radical Moderate
© Sao
1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題 (2/2)
接触追跡・通知の
性能の担保
▶通信メソッドの選択
データ中央化*
1.「いかに正確に動くものを作るか」
4.「いかにプライバシー保護を担保しつつ、導⼊効果
を最⼤化するか」
データの取扱い⽅法の
透明性の担保
それに加え、公衆衛⽣の⽬的のもとに享受する利と、プライバシー保護をどのよう
にバランスを取るかが、世界共通の⼤きな課題となる。
Radical Moderate
総国⺠当たりダウン
ロード率の担保
▶ダウンロードの任意
性
3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」
ダウンロードは強制
2.「データはどこまで集め、どう処理するか」
公衆衛⽣の確保
ユーザーのプライバシー保護の担保
▶取得データの処理⽅法
任意
Bluetooth位置情報
ソースコード⾮公開 ソースコード公開
データ⾮中央化*
オプトイン許可なし* オプトイン許可あり*
その他透明性の確保
1.接触者追跡アプリケー
ションの現状と課題
②詳細
出所: https://www.siemens-healthineers.com/vn/news/mso-covid-19-testing-is-essential.html
© Sao
1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題 (2/2)
接触追跡・通知の
性能の担保
▶通信メソッドの選択
データ中央化*
1.「いかに正確に動くものを作るか」
4.「いかにプライバシー保護を担保しつつ、導⼊効果
を最⼤化するか」
データの取扱い⽅法の
透明性の担保
Radical Moderate
総国⺠当たりダウン
ロード率の担保
▶ダウンロードの任意
性
3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」
ダウンロードは強制
2.「データはどこまで集め、どう処理するか」
公衆衛⽣の確保
ユーザーのプライバシー保護の担保
▶取得データの処理⽅法
任意
Bluetooth位置情報
ソースコード⾮公開 ソースコード公開
データ⾮中央化*
オプトイン許可なし* オプトイン許可あり*
その他透明性の確保
Radical Moderate
Radical Moderate
© Sao
通信メソッドは⼤きく分けてBluetooth利⽤と位置情報利⽤の2つがあり、プライ
バシー保護の観点からはBluetoothが適切とされる。
課題1. 「いかに正確に動くものを作るか」ー 通信メソッドの選択 (1/3)
通信メソッド 通信メカニズム ポイント Pro Con
Pri
vac
y
個別開発
近くにあるデバイス同
⼠が、
暗号化されたトークン
を交換
いつ、
誰と、
どれくらい近く
に居たかの距離
を、
信号の強さでは
じき出す
・プライバシーを
保ったまま追跡がで
きる
・地下等電波の届か
ない場所での追跡も
可能
・上下空間でのも有
効
・遮蔽物がある平
⾯空間の追跡に誤
差*
・バックグラウン
ド稼働が困難
・デバイスのタイ
プによって通信が
不可
◯
Google/Ap
ple API
GPS
GPS受信機(デバイス)
とGPS衛星の位置関係
いつ、
どこで、誰と接
触したかを場所
ベースではじき
出す
クラスター発⽣箇所
を突き⽌めやすい
・上下空間の追跡
に誤差
・地下等GPS圏外
は追跡不可
☓
基地局
各基地局が携帯電話の
電波を受信し記録
アプリインストール
の必要がない
・ △
QRコードス
キャン
店舗や施設⼊り⼝に設
置されたQAコードを読
み取り、訪問地を記録
アプリインストール
の必要がない
△
Bluetooth
位置情報
© Sao
通信メソッドは⼤きく分けてBluetooth利⽤と位置情報利⽤の2つがあり、プライ
バシー保護の観点からはBluetoothが適切とされる。
課題1. 「いかに正確に動くものを作るか」ー 通信メソッドの選択 (1/3)
通信メソッド 通信メカニズム ポイント Pro Con
Pri
vac
y
個別開発
近くにあるデバイス同
⼠が、
暗号化されたトークン
を交換
いつ、
誰と、
どれくらい近く
に居たかの距離
を、
信号の強さでは
じき出す
・プライバシーを
保ったまま追跡がで
きる
・地下等電波の届か
ない場所での追跡も
可能
・上下空間でのも有
効
・遮蔽物がある平
⾯空間の追跡に誤
差*
・バックグラウン
ド稼働が困難
・デバイスのタイ
プによって通信が
不可
◯
Google/Ap
ple API
GPS
GPS受信機(デバイス)
とGPS衛星の位置関係
いつ、
どこで、誰と接
触したかを場所
ベースではじき
出す
クラスター発⽣箇所
を突き⽌めやすい
・上下空間の追跡
に誤差
・地下等GPS圏外
は追跡不可
☓
基地局
各基地局が携帯電話の
電波を受信し記録
アプリインストール
の必要がない
・ △
QRコードス
キャン
店舗や施設⼊り⼝に設
置されたQAコードを読
み取り、訪問地を記録
アプリインストール
の必要がない
△
Bluetooth
位置情報
© Sao
全体的には、欧州を中⼼としBluetoothアプローチを取る国が多い。
課題1. 「いかに正確に動くものを作るか」ー 通信メソッドの選択 (2/3)
位置情報(9カ国) Bluetooth(25カ国)
調査中/⾮公開
(6カ国)
N=MIT Technology Reviewが調査対象とする46カ国
Austria
Denmark
Mexico
North Macedonia
Tunisia
UAE
Northern Ireland
Canada
Estonia
Finland
Ireland
UK
Germany
Switzerland
France
Philippines
Singapore
Australia
Hungary
Italy
Japan
Czech
Malaysia
Poland
Belgium
Qatar
Turkey
Norway
Bahrain
New Zealand
India
併⽤
(6カ国)
China
Ghana
Kuwait
Iceland
Israel
Thailand
Iran
Bulgaria
Cyprus
Algeria Saudi Arabia Vietnam Fiji Indonesia Gibraltar
判明
(39カ国)
© Sao
Bluetoothは、デバイスが交換する信号を蓄積することで、接触者情報を記録する。
課題1. 「いかに正確に動くものを作るか」ー 通信メソッドの選択 (3/3) Bluetooth通信メカニズム
1. 接触者を記録
AとBが接触した際、
Bluetoothを介して暗号化
されたトークンを近くにい
る⼈の携帯電話と交換する。
2. 陽性者が申告
Aさんが陽性と判明した場
合、陽性である登録をする
*。
*QRコード等
**国によって登録義務有無
は異なる
3. 接触有無の照合
Aさんと、過去14⽇間に接
触があったアプリユーザー
が照合される*。
*照合のプロトコルについ
ては後述。
4. 接触者への通知
Aさんとの接触があった
ユーザーへ通知が⾏く。
! d9ifnesi
si9384g
ia9103n
Bluetooth(近接追跡proximity tracking)の仕組み概要
© Sao
接触有無の照合処理において、違いが発⽣する。
課題1. 「いかに正確に動くものを作るか」ー 通信メソッドの選択 (3/3) Bluetooth通信メカニズム
1. 接触者を記録
AとBが接触した際、
Bluetoothを介して暗号化
されたトークンを近くにい
る⼈の携帯電話と交換する。
2. 陽性者が申告
Aさんが陽性と判明した場
合、陽性である登録をする
*。
*QRコード等
**国によって登録義務有無
は異なる
3. 接触有無の照合
Aさんと、過去14⽇間に接
触があったアプリユーザー
が照合される*。
*照合のプロトコルについ
ては後述。
4. 接触者への通知
Aさんとの接触があった
ユーザーへ通知が⾏く。
! d9ifnesi
si9384g
ia9103n
Bluetooth(近接追跡proximity tracking)の仕組み概要
© Sao
1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題
接触追跡・通知の
性能の担保
▶通信メソッドの選択
データ中央化*
1.「いかに正確に動くものを作るか」
4.「いかにプライバシー保護を担保しつつ、導⼊効果
を最⼤化するか」
データの取扱い⽅法の
透明性の担保
Radical Moderate
総国⺠当たりダウン
ロード率の担保
▶ダウンロードの任意
性
3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」
ダウンロードは強制
2.「データはどこまで集め、どう処理するか」
公衆衛⽣の確保
ユーザーのプライバシー保護の担保
▶取得データの処理⽅法
任意
Bluetooth位置情報
ソースコード⾮公開 ソースコード公開
データ⾮中央化*
オプトイン許可なし* オプトイン許可あり*
その他透明性の確保
Radical Moderate
Radical Moderate
© Sao
Bluetooth利⽤の場合、接触者記録のデータの扱い⽅は2通りあり、プライバシー
保護がより担保されるのは、⾮中央化アプローチである。
課題2.「データはどこまで集め、どう処理するか」
中央化 (Centralized approach)
全てのデータはサーバーに上がる。
サーバー上で陽性ユーザー接触者とのマッチン
グ処理が⾏われる。
陽性ユーザーの番号のみが、通知される。
ローカルデバイスが陽性ユーザー接触者のリス
トを受け取り、接触があったかどうかの照合が
⾏われる。
Pro/Con
⾮中央化 (Decentralized approach)
ポイント
A
プロトコル
詳細
陽性のデバイ
スリスト)を
取得できる
d9ifnesi
si9384g
ia9103n
陽性者リスト
! d9ifnesi
si9384g
ia9103n
! d9ifnesi
2. 照合
サーバー上で、
陽性ユーザー
との接触が
あったかの
マッチング処
理が⾏われる
3. 通知
接触があっ
たユーザー
へ通知が⾏
われる。
1. アップロード
陽性・陰性関わら
ず、全接触履歴が
サーバー上にアッ
プロードされる。
2. 照合・通知
ローカルのロ
グと照らし合
わせ、陽性
ユーザーとの
接触があれば
通知が⾏われ
る
1. アップロード
陽性ユーザーか
ら陽性の登録が
される。位置情
報等は含まれな
い。
B
C
E
◯深い分析 △プライバシー保護 △深い分析 ◯プライバシー保護
© Sao
Bluetooth利⽤地域の内訳は、⾮中央化アプローチを取る国が⽐較的多い。
課題2.「データはどこまで集め、どう処理するか」
中央化 (Centralized approach)
(7カ国)
⾮中央化 (Decentralized approach)
(18カ国)
併⽤
(1カ国)
Iceland
Mexico
Qatar
Turkey
France
Norway
Australia
India
Austria
Denmark
North
Macedonia
UAE
Canada
Estonia
Finland
Ireland
UK
Germany
Switzerland
Philippines
Italy
Japan
Malaysia
Poland
Belgium
Tunisia Northern Ireland Bahrain New Zealand Hungary Czech
N=Bluetoothメソッドを使⽤また併⽤する32カ国
調査中/⾮公開
(6カ国)
判明
(26カ国)
© Sao
1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題
接触追跡・通知の
性能の担保
▶通信メソッドの選択
データ中央化*
1.「いかに正確に動くものを作るか」
4.「いかにプライバシー保護を担保しつつ、導⼊効果
を最⼤化するか」
データの取扱い⽅法の
透明性の担保
Radical Moderate
総国⺠当たりダウン
ロード率の担保
▶ダウンロードの任意
性
3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」
ダウンロードは強制
2.「データはどこまで集め、どう処理するか」
公衆衛⽣の確保
ユーザーのプライバシー保護の担保
▶取得データの処理⽅法
任意
Bluetooth位置情報
ソースコード⾮公開 ソースコード公開
データ⾮中央化*
オプトイン許可なし* オプトイン許可あり*
その他透明性の確保
Radical Moderate
Radical Moderate
© Sao
ダウンロード率の現状から、オックスフォード⼤が提唱する「6割普及」は⾼すぎる
壁と⾔える。
課題3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」
0%
国⺠当たりダウンロード率(%,ダウンロード数)
30 %
(2020年7⽉28⽇現在, MIT Technology Review調べ)
Oxford⼤学研究チームに
よる、アプリの効果を担
保するための必須浸透率
⽇本
(2%,270万DW)
ドイツ
(19.71%, 1640万
DW)
インド
(7.39%,1億DW)
オーストラリア
(25.8%,644万DW)
※ダウンロード率不明:22カ国
ノルウェー
(26.6%,142万DW)
15 %
シンガポール
(37.2%,210万DW)リリースから
1週間で15%
を達成
世界最⼤
ユーザー数
アイスランド
(38.5%,14万DW)
世界で最も早くアプリをリリース
60%
ダウンロード率を公開している24カ国のうち、特徴的な国を抜粋
© Sao
⼀定のダウンロード率の確保は必要ではあるが、政府が必須と定める国は少数派で
ある。
課題3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」
ダウンロードは必須
(5カ国)
ダウンロードは任意
(29カ国)
Austria
Denmark
Ghana
Mexico
North
Macedonia
Canada
Estonia
Finland
Iran
Algeria Kuwait Saudi Arabia Tunisia Vietnam Northern Ireland
Fiji Gibraltar Bahrain New Zealand Thailand Indonesia
調査中/⾮公開
(12カ国)
判明
(34カ国)
Ireland
UK
Italy
Japan
Czech
Bulgaria
Cyprus
Malaysia
Poland
Belgium
Germany
Switzerland
France
Philippines
Iceland
Singapore
Norway
Australia
Israel
Hungary
China
Qatar
Turkey
UAE
India
2. 各国の感染
状況との⽐較
出所: https://www.siemens-healthineers.com/vn/news/mso-covid-19-testing-is-essential.html
© Sao
各国の感染拡⼤状況と⽐較するため、傾向をパターン化。
2. 各国の感染状況との⽐較
https://www.nytimes.com/interactive/2020/world/coronavirus-maps.html The New York Times “Coronavirus Map: Tracking the Global Outbreak”(2020年7⽉28⽇現
在)
The New York Times “Coronavirus Map: Tracking the Global Outbreak”ダッシュボードより、各国のグラフの
形から、感染拡⼤状況を抽出・簡易的にパターン化。
【収束傾向】
中国・ドイツ・イギリス・イタリ
ア・トルコ・サウジアラビア 他
Under Control
Our of control
【拡⼤傾向】
インド・メキシコ・イスラエル・フィリピン他
【再拡⼤傾向】
⽇本・オーストラリア・フランス 他
© Sao
感染拡⼤状況とアプローチを⼤きく4象限に分類すると、シンガポール等東アジア
の⼀部・ドイツ・アイスランド等EUの⼀部で取り組みが成功傾向にあると⾔える。
2. 各国の感染状況との⽐較
Radical Moderate
Under
Control
Our of
control
中国
スイス
サウジアラビア
オーストラリア
インド
メキシコ
イラン
イスラエル
トルコ
ノルウェー
ドイツ
アイスランド
シンガポール
イギリス
⽇本
(⾹港)
(韓国)
(台湾)
【2.プライバシー重視かつ成功】
【3.プライバシー重視も苦戦中】【4.封じ込め重視も苦戦中】
【1. 封じ込め重視で成功】
【4.封じ込め重視も苦戦中】
3. 各国事例の
検討
出所: https://www.siemens-healthineers.com/vn/news/mso-covid-19-testing-is-essential.html
© Sao
Radical Moderate
Under
Control
Our of
control
中国
スイス
サウジアラビア
オーストラリア
インド
メキシコ
イラン
イスラエル
トルコ
ノルウェー
ドイツ
アイスランド
シンガポール
イギリス
⽇本
(⾹港)
(韓国)
(台湾)
【2.プライバシー重視かつ成功】
【3.プライバシー重視も苦戦中】【4.封じ込め重視も苦戦中】
【1. 封じ込め重視で成功】
【4.封じ込め重視も苦戦中】
© Sao
Agileでの素早い開発・国⺠のIT利⽤意識・柔軟な対応により、⾼いDW率を達成。
3. 各国事例の検討 -1 成功ケース ①シンガポール ”Trace Together”
https://www.tech.gov.sg/media/technews/six-things-about-
opentrace?utm_medium=recommender_0&utm_source=aHR0cHM6Ly93d3cudGVjaC5nb3Yuc2cvbWVkaWEvdGVjaG5ld3MvdHJhY2V0b2dldGhlci1iZWhp
bmQtdGhlLXNjZW5lcy1sb29rLWF0LWl0cy1kZXZlbG9wbWVudC1wcm9jZXNz&utm_content=aHR0cHM6Ly93d3cudGVjaC5nb3Yuc2cvbWVkaWEvdGVjaG
5ld3Mvc2l4LXRoaW5ncy1hYm91dC1vcGVudHJhY2U=
2020/3/20
浸透率を⾼めるため、ウェアラ
ブルデバイスへの変更を政府が
表明
世界で最初にBluetoothアプリ
をリリース
アプリのオープン
ソース化
https://www.youtube.com/watch?v=TA1qx9fvWnY#action=share
アプリ名:Trace Together
開発者:シンガポール政府技術庁
(Government Technology Agency)
v0.1リリース⽇:2020年3⽉20⽇
ソースコード:公開
Success Factor#1
開発の素早さと国⺠の感度の⾼さ
Agile⽅式を取り、わずか8週間のスプリ
ントで開発。2週間後には100万DWを突
破(5⼈に1⼈が所持)。
Success Factor#3
フレキシビリティ
より確実な効果を得るために、既発
のものに拘らずに常にアップデート
する体制。
4⽉初旬 6/54/9
100万ダウン
ロード突破
Success Factor#2
オープンソース化による透明性確保
いち早くソースコードを公開し、国
⺠の信頼を得ると共に、各国が参考
にできるためのリソース展開
© Sao
EU域内共通のプラットフォームを策定し、国を超えても接触者追跡を⾏える仕組み
を提唱。
3. 各国事例の検討-2 (1/2) 成功(参考)ケース ② EU各国
eHealth Network Guidelines v0.1 2020/6/12 https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/ehealth/docs/mobileapps_interoperabilityspecs_en.pdf
“eHealth Network
Guidlines” ▶
承認済アプリケーション間の
越境移転チェーンのための相
互運⽤性仕様に関するEU加
盟国および欧州委員会向けe
ヘルスネットワーク・ガイド
ライン V1.0
(2020/6/12)
◀各国のバックエンドは独⽴
各国のバックエンドは独⽴させながら、Rest APIを⽤いた域内
共通のフェデレーションゲートウェイサービスを提唱
Key Factor #1
域内共通のプラットフォームの策定
制度の異なる国の間でもデータ利⽤がで
きる仕組みを策定し、透明性と有⽤性を
⾼める動き。
詳細
◀必要なデータのみ共有
◀Aさんが仮に⾃国外で陽性者と
接触した場合も、プライバシーが
保護された状態で通知が得られる
© Sao
デプロイ例として、クラウドベース・オープンソース利⽤を基軸としたアーキテク
チャを推進。
3. 各国事例の検討-2 (2/2) 成功(参考)ケース ② EU各国
eHealth Network Guidelines v0.1 2020/6/12 https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/ehealth/docs/mobileapps_interoperabilityspecs_en.pdf
Key Factor #2
API軸としたクラウドベースのアーキテクチャ
オープンソースベースのアプリケーションコンテナ・
メソッドの、数カ国間レベルの利⽤を既に構想化。
Kubernatesがコンテナプラッ
トフォームの⼀例に
詳細
デプロイ例 (P.44)
使⽤テクノロジー例(P.44)
4. With/Afterコロナ
時代のIT利⽤の展望
出所: https://www.siemens-healthineers.com/vn/news/mso-covid-19-testing-is-essential.html
© Sao
4 With/Afterコロナ時代のIT利⽤の展望
Success Factor
シンガポール
• 素早いシステム開発⼒
• IT利⽤に対する国⺠の
意識と、政府への信頼
性の⾼さ
• 開発側及びユーザー側
のフレキシビリティ
EU他
• 多国間におけるプラッ
トフォーム構想策定
• クラウドベースのイン
フラ構築
1. 社会システムにおける包括的なプ
ラットフォームの構築
2. 医療・公共福祉・公衆衛⽣分野に
おける、クラウドベースのインフ
ラ整備・構築リード
各国に合わせたIT利⽤カルチャー作りと、クラウドベースの公共システム構築の
リードを。
ITコンサルファームが推進すべき事項
1. Agile開発の促進
2. Openソース、Openデータの促進
3. 各国の「カルチャー」に合わせた、
IT利⽤の裾野を広げる活動
© Sao
Part 1 まとめ
●まとめ
接触者追跡は、今後半永続化する新型コロナウイルス及びその他の感染症拡⼤防⽌に、必要不可⽋のアク
ションである。
通信デバイスを⽤いた接触者追跡アプリケーションは最も有⼒な⽅法の⼀つではあるが、
プライバシー保護を確保しながら追跡・通知機能向上と使⽤率向上を⽬指す、各バランスが不可⽋である。
通信⼿段はBluetooth利⽤、⾮中央化アプローチが現在のところ最も利⽤されており、改良が進められて
いる。
各国体制に合わせた、コミュニティ全体のIT利⽤のカルチャーと、クラウドネイティブなプラットフォー
ム作りが、今後ITコンサルファームが特に牽引していくべき分野なのではないか。
●最後に忘れてはいけないこと (今回検討できなかったが重要な点)
・テクノロジーだけでは、コロナ禍は解決できない。
・デジタルディバイド : 対象化すらされない層が存在する。
End
出所: https://www.siemens-healthineers.com/vn/news/mso-covid-19-testing-is-essential.html
© Sao
References (1/2)
●データダッシュボード
Economist
https://www.economist.com/graphic-detail/2020/07/15/tracking-covid-19-excess-deaths-across-countries
New York Times
https://www.nytimes.com/interactive/2020/world/coronavirus-maps.html
●ニュース記事
Economist “Countries are using apps and data networks to keep tabs on the pandemic”
https://www.economist.com/briefing/2020/03/26/countries-are-using-apps-and-data-networks-to-keep-tabs-on-the-pandemic
The Telegraph “When will the UK 'track and trace' app be ready - and how will it work?”
https://www.telegraph.co.uk/technology/2020/07/15/track-trace-app-uk-google-apple-when-download/
BBC New Japan “家にいることで⼈の命を助けられる 新型コロナウイルスで外出制限”
https://www.bbc.com/japanese/video-52130657
BBC News “Coronavirus contact-tracing: World split between two types of app”
https://www.bbc.com/news/technology-52355028
WHO “WHO Director-General's opening remarks at the media briefing on COVID-19 - 16 March 2020”
https://www.who.int/dg/speeches/detail/who-director-general-s-opening-remarks-at-the-media-briefing-on-covid-19---16-march-2020
●技術記事
MIT Technology Review 「世界各国の取り組みを⽐較「接触者追跡アプリ」追跡プロジェクト始めます」
https://www.technologyreview.jp/s/204154/a-flood-of-coronavirus-apps-are-tracking-us-now-its-time-to-keep-track-of-them/
MIT Technology Review “Five things we need to do to make contact tracing really work”
https://www.seiyu.co.jp/pb/mo/search/?keyword=%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC
Wikipedia “Digital contact tracing”
https://en.wikipedia.org/wiki/Digital_contact_tracing
Monoist 「新型コロナで加速する欧⽶のクラウドネイティブな医療API連携、広がる⽇本との差 (1/4)」
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2007/17/news036.html#l_sp_200717global_medtech_trend61_02.jpg&_ga=2.253297420.406526933.1596015716-
1072094883.1595045924
WIRED “アップルとグーグルが⽬指す「濃厚接触の追跡」は、こうして新型コロナウイルスの感染拡⼤を⾒つけ出す”
https://wired.jp/2020/04/12/apple-google-bluetooth-contact-tracing-covid-19/
© Sao
References (2/2)
●Github
DP3T White Paper.pdf (Decentralizedアプローチのアーキテクチャ詳細)
https://github.com/DP-3T/documents/blob/master/DP3T%20White%20Paper.pdf
●各国アプリケーション詳細
シンガポール
https://www.tracetogether.gov.sg/
https://globe.asahi.com/article/13511604
ドイツ
https://www.connect.de/news/corona-warn-app-download-zahlen-3200860.html
⽇本
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01353/070600002/
EU
eHealth Network Guidelines
https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/ehealth/docs/mobileapps_interoperabilitydetailedelements_en.pdf
●画像・素材
表紙
https://www.facebook.com/2020iz/
扉写真
https://www.siemens-healthineers.com/vn/news/mso-covid-19-testing-is-essential.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/558a23db05c6cb4630f8a6588f6a7c97d57bbb0c/images/000
© 2020 森林会
End of file
※当内容は私⾃⾝の⾒解であり、必ずしもIBMの⽴場、戦略、意⾒を代表するものではありません。
作成:2020年8⽉8⽇

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各国の接触者追跡アプリケーション分析から見る、 AfterコロナにおけるIT活用の方向性の検討

  • 1. © 2020 森林会 ”Re-think New normal, globally” 各国の接触者追跡アプリケーション分析から⾒る、 AfterコロナにおけるIT活⽤の⽅向性の検討 ⽇本IBM Global Business Servicesビジネスコンサルタント 髙橋 紗桜 ※当内容は私⾃⾝の⾒解であり、必ずしもIBMの⽴場、戦略、意⾒を代表するものではありません。
  • 4. ©Sao Re-think globally, re-think personally. コロナウイルスによって⼀変した私達の⽇常と、テクノロジーの役割についてもう ⼀度考える。 2020 January April 2. 新型コロナウイルスによる新たな⽇常へのシフト 社会の課題 「コロナ⾃体をどう収束させるか」 「新たな⽇常へどう適応していくか」 1. 新型コロナウイルスそのものの収束 それら全てを並⾏して対処していくべき ⽇常の構築 July Now
  • 5. Agenda 1. 追跡アプリケーションの現状と課題 2. 各国の感染状況との⽐較 3. 各国事例の検討 4. With/Afterコロナ時代のIT利⽤の展望 https://blogs.idc.com/2020/05/11/idc-covid-19-tech-index-uneven-expectations-and-mismatched-regional-confidence/
  • 7. © Sao 対コロナの世界各国の取り組みの「答え合わせ」をすることで、現状の概観を掴む。 Introduction:本資料の位置付け (1/2) ◯⽬的 § 新型コロナウイルスという、世界がリアルタイムに直⾯している共通の「敵」に対して、テクノロジー利 ⽤の分野において、各国どのように異なるアプローチで対応し、どんな結果が出ているのかの横軸⽐較を することで、現状の概観を掴む。 § その⼀例の題材として、最も多くの国が広く導⼊している、Contact Tracing App (接触者追跡アプリケー ション)を扱う。 ◯ゴール § 接触者追跡アプリケーション導⼊に対し、各国が直⾯している課題の概観が分かる § 成功事例から、今後ITコンサルティング企業の⽬指すべき⽅向性が分かる ◯想定聞き⼿ § ITコンサルタント・エンジニア・データサイエンティスト他
  • 8. © Sao 対コロナの世界各国の取り組みの「答え合わせ」をすることで、現状の概観を掴む。 Introduction:本パートの位置付け (2/2) ◯調査に使⽤した主なリソース § MIT Technology Review, ”Covid Tracing Tracker” プロジェクトレポート (世界46カ国・地域(7/28現在)の 接触者追跡アプリケーション状況をまとめた⽇次レポート) § 各国メディア ニュース記事(BBC, Economist, The Telegraph, New York Times 他) § その他技術系記事・各コンサルティングファームレポート https://www.technologyreview.jp/s/204154/a-flood-of-coronavirus-apps-are-tracking-us-now-its-time-to-keep-track-of-them/
  • 11. © Sao 感染拡⼤防⽌のために、WHO始め各国の専⾨家はTest, Tracing, Isolationを掲げ ており、中でもTracingは最もテクノロジーを活⽤できる分野と推測できる 1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題 - Contact Tracingに注⽬する理由 ●WHO始め、感染症学研究者が唱える定説 原則 ⽬的 必要なリソース ポイント Test 検査 感染が疑われる⼈を、できるだ け迅速に特定する モノ:PCR検査キットの確保 場所:PCR検査の実施場所(病院・臨時施設) ⼈:PCR検査を実施する医療従事者 いかにPCR検査 をできるだけ多 く早く回す Tracing 接触追跡 ⼆次・三次感染の拡⼤を阻⽌す る モノ:追跡を⾏うシステム 場所:- ⼈:追跡作業をする⼈員 いかに広範囲か つ精度⾼く、カ バーするか Isolation 隔離 感染が確認された⼈を、確実に 隔離する モノ:- 場所:隔離する場所(病院・借上げホテル等) ⼈:- いかに場所を確 保するか Testing, Isolationに関してはロジスティカルな 対応が必要であることに対し、Tracingは情報 収集とその運⽤基盤が主体となる ▶Informationテクノロジーの利⽤が不可⽋ ●Tracingに着⽬するその他の理由 ・SARS、エボラ出⾎熱流⾏時の教訓 ・新型コロナウイルスの潜伏期間の⻑さ ▶これから続く⻑い戦いにおいて、半永久的な策として不可⽋ ▶かつ、世界規模かつ各国の対応が異なる
  • 12. © Sao 接触者追跡アプリケーションには、抑制と分析の2つの⽬的があり、 分析をどこまで⾏うかどうかは各国の⽅針に依存する。 1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題 -⽬的と概要 ⽬的 1. 【抑制】「かかったかもしれない⼈」を動き回らせないようにする https://www.bbc.com/japanese/video-52130657 BBC NEWS Japan「家にいることで⼈の命を助けられる 新型コロナウイルスで外出制限」 接触を記録 陽性だった場合に登録 通知 2. 【分析】感染者や接触者のデータを分析して、クラスター発⽣箇所等を特定する 世界共通 各国の⽅針に 依存 ⽒名 年齢 性別 職種 勤務地 … ✗ ねずみ算的拡⼤を阻⽌できる ⾏った場所 Hot spot 感染 予測 !
  • 13. © Sao 1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題 (1/2) 接触追跡・通知の 性能の担保 ▶通信メソッドの選択 1.「いかに正確に動くものを作るか」 データの取扱い⽅法の 透明性の担保 接触者追跡アプリの導⼊効果を得るためは、⼤きく分けて、性能・データ取り扱い ⽅法の透明性・⼀定ダウンロード率の、3つの要素を担保する必要がある。 総国⺠当たりダウン ロード率の担保 ▶ダウンロードの任意性 3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」 2.「データはどこまで集め、どう処理するか」 公衆衛⽣の確保 ▶取得データの処理⽅法
  • 14. © Sao 1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題 (2/2) 接触追跡・通知の 性能の担保 ▶通信メソッドの選択 データ中央化* 1.「いかに正確に動くものを作るか」 4.「いかにプライバシー保護を担保しつつ、導⼊効果 を最⼤化するか」 データの取扱い⽅法の 透明性の担保 それに加え、公衆衛⽣の⽬的のもとに享受する利と、プライバシー保護をどのよう にバランスを取るかが、世界共通の⼤きな課題となる。 Radical Moderate 総国⺠当たりダウン ロード率の担保 ▶ダウンロードの任意 性 3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」 ダウンロードは強制 2.「データはどこまで集め、どう処理するか」 公衆衛⽣の確保 ユーザーのプライバシー保護の担保 ▶取得データの処理⽅法 任意 Bluetooth位置情報 ソースコード⾮公開 ソースコード公開 データ⾮中央化* オプトイン許可なし* オプトイン許可あり* その他透明性の確保 Radical Moderate Radical Moderate
  • 15. © Sao 1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題 (2/2) 接触追跡・通知の 性能の担保 ▶通信メソッドの選択 データ中央化* 1.「いかに正確に動くものを作るか」 4.「いかにプライバシー保護を担保しつつ、導⼊効果 を最⼤化するか」 データの取扱い⽅法の 透明性の担保 それに加え、公衆衛⽣の⽬的のもとに享受する利と、プライバシー保護をどのよう にバランスを取るかが、世界共通の⼤きな課題となる。 Radical Moderate 総国⺠当たりダウン ロード率の担保 ▶ダウンロードの任意 性 3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」 ダウンロードは強制 2.「データはどこまで集め、どう処理するか」 公衆衛⽣の確保 ユーザーのプライバシー保護の担保 ▶取得データの処理⽅法 任意 Bluetooth位置情報 ソースコード⾮公開 ソースコード公開 データ⾮中央化* オプトイン許可なし* オプトイン許可あり* その他透明性の確保
  • 17. © Sao 1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題 (2/2) 接触追跡・通知の 性能の担保 ▶通信メソッドの選択 データ中央化* 1.「いかに正確に動くものを作るか」 4.「いかにプライバシー保護を担保しつつ、導⼊効果 を最⼤化するか」 データの取扱い⽅法の 透明性の担保 Radical Moderate 総国⺠当たりダウン ロード率の担保 ▶ダウンロードの任意 性 3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」 ダウンロードは強制 2.「データはどこまで集め、どう処理するか」 公衆衛⽣の確保 ユーザーのプライバシー保護の担保 ▶取得データの処理⽅法 任意 Bluetooth位置情報 ソースコード⾮公開 ソースコード公開 データ⾮中央化* オプトイン許可なし* オプトイン許可あり* その他透明性の確保 Radical Moderate Radical Moderate
  • 18. © Sao 通信メソッドは⼤きく分けてBluetooth利⽤と位置情報利⽤の2つがあり、プライ バシー保護の観点からはBluetoothが適切とされる。 課題1. 「いかに正確に動くものを作るか」ー 通信メソッドの選択 (1/3) 通信メソッド 通信メカニズム ポイント Pro Con Pri vac y 個別開発 近くにあるデバイス同 ⼠が、 暗号化されたトークン を交換 いつ、 誰と、 どれくらい近く に居たかの距離 を、 信号の強さでは じき出す ・プライバシーを 保ったまま追跡がで きる ・地下等電波の届か ない場所での追跡も 可能 ・上下空間でのも有 効 ・遮蔽物がある平 ⾯空間の追跡に誤 差* ・バックグラウン ド稼働が困難 ・デバイスのタイ プによって通信が 不可 ◯ Google/Ap ple API GPS GPS受信機(デバイス) とGPS衛星の位置関係 いつ、 どこで、誰と接 触したかを場所 ベースではじき 出す クラスター発⽣箇所 を突き⽌めやすい ・上下空間の追跡 に誤差 ・地下等GPS圏外 は追跡不可 ☓ 基地局 各基地局が携帯電話の 電波を受信し記録 アプリインストール の必要がない ・ △ QRコードス キャン 店舗や施設⼊り⼝に設 置されたQAコードを読 み取り、訪問地を記録 アプリインストール の必要がない △ Bluetooth 位置情報
  • 19. © Sao 通信メソッドは⼤きく分けてBluetooth利⽤と位置情報利⽤の2つがあり、プライ バシー保護の観点からはBluetoothが適切とされる。 課題1. 「いかに正確に動くものを作るか」ー 通信メソッドの選択 (1/3) 通信メソッド 通信メカニズム ポイント Pro Con Pri vac y 個別開発 近くにあるデバイス同 ⼠が、 暗号化されたトークン を交換 いつ、 誰と、 どれくらい近く に居たかの距離 を、 信号の強さでは じき出す ・プライバシーを 保ったまま追跡がで きる ・地下等電波の届か ない場所での追跡も 可能 ・上下空間でのも有 効 ・遮蔽物がある平 ⾯空間の追跡に誤 差* ・バックグラウン ド稼働が困難 ・デバイスのタイ プによって通信が 不可 ◯ Google/Ap ple API GPS GPS受信機(デバイス) とGPS衛星の位置関係 いつ、 どこで、誰と接 触したかを場所 ベースではじき 出す クラスター発⽣箇所 を突き⽌めやすい ・上下空間の追跡 に誤差 ・地下等GPS圏外 は追跡不可 ☓ 基地局 各基地局が携帯電話の 電波を受信し記録 アプリインストール の必要がない ・ △ QRコードス キャン 店舗や施設⼊り⼝に設 置されたQAコードを読 み取り、訪問地を記録 アプリインストール の必要がない △ Bluetooth 位置情報
  • 20. © Sao 全体的には、欧州を中⼼としBluetoothアプローチを取る国が多い。 課題1. 「いかに正確に動くものを作るか」ー 通信メソッドの選択 (2/3) 位置情報(9カ国) Bluetooth(25カ国) 調査中/⾮公開 (6カ国) N=MIT Technology Reviewが調査対象とする46カ国 Austria Denmark Mexico North Macedonia Tunisia UAE Northern Ireland Canada Estonia Finland Ireland UK Germany Switzerland France Philippines Singapore Australia Hungary Italy Japan Czech Malaysia Poland Belgium Qatar Turkey Norway Bahrain New Zealand India 併⽤ (6カ国) China Ghana Kuwait Iceland Israel Thailand Iran Bulgaria Cyprus Algeria Saudi Arabia Vietnam Fiji Indonesia Gibraltar 判明 (39カ国)
  • 21. © Sao Bluetoothは、デバイスが交換する信号を蓄積することで、接触者情報を記録する。 課題1. 「いかに正確に動くものを作るか」ー 通信メソッドの選択 (3/3) Bluetooth通信メカニズム 1. 接触者を記録 AとBが接触した際、 Bluetoothを介して暗号化 されたトークンを近くにい る⼈の携帯電話と交換する。 2. 陽性者が申告 Aさんが陽性と判明した場 合、陽性である登録をする *。 *QRコード等 **国によって登録義務有無 は異なる 3. 接触有無の照合 Aさんと、過去14⽇間に接 触があったアプリユーザー が照合される*。 *照合のプロトコルについ ては後述。 4. 接触者への通知 Aさんとの接触があった ユーザーへ通知が⾏く。 ! d9ifnesi si9384g ia9103n Bluetooth(近接追跡proximity tracking)の仕組み概要
  • 22. © Sao 接触有無の照合処理において、違いが発⽣する。 課題1. 「いかに正確に動くものを作るか」ー 通信メソッドの選択 (3/3) Bluetooth通信メカニズム 1. 接触者を記録 AとBが接触した際、 Bluetoothを介して暗号化 されたトークンを近くにい る⼈の携帯電話と交換する。 2. 陽性者が申告 Aさんが陽性と判明した場 合、陽性である登録をする *。 *QRコード等 **国によって登録義務有無 は異なる 3. 接触有無の照合 Aさんと、過去14⽇間に接 触があったアプリユーザー が照合される*。 *照合のプロトコルについ ては後述。 4. 接触者への通知 Aさんとの接触があった ユーザーへ通知が⾏く。 ! d9ifnesi si9384g ia9103n Bluetooth(近接追跡proximity tracking)の仕組み概要
  • 23. © Sao 1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題 接触追跡・通知の 性能の担保 ▶通信メソッドの選択 データ中央化* 1.「いかに正確に動くものを作るか」 4.「いかにプライバシー保護を担保しつつ、導⼊効果 を最⼤化するか」 データの取扱い⽅法の 透明性の担保 Radical Moderate 総国⺠当たりダウン ロード率の担保 ▶ダウンロードの任意 性 3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」 ダウンロードは強制 2.「データはどこまで集め、どう処理するか」 公衆衛⽣の確保 ユーザーのプライバシー保護の担保 ▶取得データの処理⽅法 任意 Bluetooth位置情報 ソースコード⾮公開 ソースコード公開 データ⾮中央化* オプトイン許可なし* オプトイン許可あり* その他透明性の確保 Radical Moderate Radical Moderate
  • 24. © Sao Bluetooth利⽤の場合、接触者記録のデータの扱い⽅は2通りあり、プライバシー 保護がより担保されるのは、⾮中央化アプローチである。 課題2.「データはどこまで集め、どう処理するか」 中央化 (Centralized approach) 全てのデータはサーバーに上がる。 サーバー上で陽性ユーザー接触者とのマッチン グ処理が⾏われる。 陽性ユーザーの番号のみが、通知される。 ローカルデバイスが陽性ユーザー接触者のリス トを受け取り、接触があったかどうかの照合が ⾏われる。 Pro/Con ⾮中央化 (Decentralized approach) ポイント A プロトコル 詳細 陽性のデバイ スリスト)を 取得できる d9ifnesi si9384g ia9103n 陽性者リスト ! d9ifnesi si9384g ia9103n ! d9ifnesi 2. 照合 サーバー上で、 陽性ユーザー との接触が あったかの マッチング処 理が⾏われる 3. 通知 接触があっ たユーザー へ通知が⾏ われる。 1. アップロード 陽性・陰性関わら ず、全接触履歴が サーバー上にアッ プロードされる。 2. 照合・通知 ローカルのロ グと照らし合 わせ、陽性 ユーザーとの 接触があれば 通知が⾏われ る 1. アップロード 陽性ユーザーか ら陽性の登録が される。位置情 報等は含まれな い。 B C E ◯深い分析 △プライバシー保護 △深い分析 ◯プライバシー保護
  • 25. © Sao Bluetooth利⽤地域の内訳は、⾮中央化アプローチを取る国が⽐較的多い。 課題2.「データはどこまで集め、どう処理するか」 中央化 (Centralized approach) (7カ国) ⾮中央化 (Decentralized approach) (18カ国) 併⽤ (1カ国) Iceland Mexico Qatar Turkey France Norway Australia India Austria Denmark North Macedonia UAE Canada Estonia Finland Ireland UK Germany Switzerland Philippines Italy Japan Malaysia Poland Belgium Tunisia Northern Ireland Bahrain New Zealand Hungary Czech N=Bluetoothメソッドを使⽤また併⽤する32カ国 調査中/⾮公開 (6カ国) 判明 (26カ国)
  • 26. © Sao 1. 接触者追跡アプリケーションの現状と課題- 課題 接触追跡・通知の 性能の担保 ▶通信メソッドの選択 データ中央化* 1.「いかに正確に動くものを作るか」 4.「いかにプライバシー保護を担保しつつ、導⼊効果 を最⼤化するか」 データの取扱い⽅法の 透明性の担保 Radical Moderate 総国⺠当たりダウン ロード率の担保 ▶ダウンロードの任意 性 3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」 ダウンロードは強制 2.「データはどこまで集め、どう処理するか」 公衆衛⽣の確保 ユーザーのプライバシー保護の担保 ▶取得データの処理⽅法 任意 Bluetooth位置情報 ソースコード⾮公開 ソースコード公開 データ⾮中央化* オプトイン許可なし* オプトイン許可あり* その他透明性の確保 Radical Moderate Radical Moderate
  • 27. © Sao ダウンロード率の現状から、オックスフォード⼤が提唱する「6割普及」は⾼すぎる 壁と⾔える。 課題3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」 0% 国⺠当たりダウンロード率(%,ダウンロード数) 30 % (2020年7⽉28⽇現在, MIT Technology Review調べ) Oxford⼤学研究チームに よる、アプリの効果を担 保するための必須浸透率 ⽇本 (2%,270万DW) ドイツ (19.71%, 1640万 DW) インド (7.39%,1億DW) オーストラリア (25.8%,644万DW) ※ダウンロード率不明:22カ国 ノルウェー (26.6%,142万DW) 15 % シンガポール (37.2%,210万DW)リリースから 1週間で15% を達成 世界最⼤ ユーザー数 アイスランド (38.5%,14万DW) 世界で最も早くアプリをリリース 60% ダウンロード率を公開している24カ国のうち、特徴的な国を抜粋
  • 28. © Sao ⼀定のダウンロード率の確保は必要ではあるが、政府が必須と定める国は少数派で ある。 課題3.「いかに多くの⼈に持ってもらうか」 ダウンロードは必須 (5カ国) ダウンロードは任意 (29カ国) Austria Denmark Ghana Mexico North Macedonia Canada Estonia Finland Iran Algeria Kuwait Saudi Arabia Tunisia Vietnam Northern Ireland Fiji Gibraltar Bahrain New Zealand Thailand Indonesia 調査中/⾮公開 (12カ国) 判明 (34カ国) Ireland UK Italy Japan Czech Bulgaria Cyprus Malaysia Poland Belgium Germany Switzerland France Philippines Iceland Singapore Norway Australia Israel Hungary China Qatar Turkey UAE India
  • 30. © Sao 各国の感染拡⼤状況と⽐較するため、傾向をパターン化。 2. 各国の感染状況との⽐較 https://www.nytimes.com/interactive/2020/world/coronavirus-maps.html The New York Times “Coronavirus Map: Tracking the Global Outbreak”(2020年7⽉28⽇現 在) The New York Times “Coronavirus Map: Tracking the Global Outbreak”ダッシュボードより、各国のグラフの 形から、感染拡⼤状況を抽出・簡易的にパターン化。 【収束傾向】 中国・ドイツ・イギリス・イタリ ア・トルコ・サウジアラビア 他 Under Control Our of control 【拡⼤傾向】 インド・メキシコ・イスラエル・フィリピン他 【再拡⼤傾向】 ⽇本・オーストラリア・フランス 他
  • 31. © Sao 感染拡⼤状況とアプローチを⼤きく4象限に分類すると、シンガポール等東アジア の⼀部・ドイツ・アイスランド等EUの⼀部で取り組みが成功傾向にあると⾔える。 2. 各国の感染状況との⽐較 Radical Moderate Under Control Our of control 中国 スイス サウジアラビア オーストラリア インド メキシコ イラン イスラエル トルコ ノルウェー ドイツ アイスランド シンガポール イギリス ⽇本 (⾹港) (韓国) (台湾) 【2.プライバシー重視かつ成功】 【3.プライバシー重視も苦戦中】【4.封じ込め重視も苦戦中】 【1. 封じ込め重視で成功】 【4.封じ込め重視も苦戦中】
  • 33. © Sao Radical Moderate Under Control Our of control 中国 スイス サウジアラビア オーストラリア インド メキシコ イラン イスラエル トルコ ノルウェー ドイツ アイスランド シンガポール イギリス ⽇本 (⾹港) (韓国) (台湾) 【2.プライバシー重視かつ成功】 【3.プライバシー重視も苦戦中】【4.封じ込め重視も苦戦中】 【1. 封じ込め重視で成功】 【4.封じ込め重視も苦戦中】
  • 34. © Sao Agileでの素早い開発・国⺠のIT利⽤意識・柔軟な対応により、⾼いDW率を達成。 3. 各国事例の検討 -1 成功ケース ①シンガポール ”Trace Together” https://www.tech.gov.sg/media/technews/six-things-about- opentrace?utm_medium=recommender_0&utm_source=aHR0cHM6Ly93d3cudGVjaC5nb3Yuc2cvbWVkaWEvdGVjaG5ld3MvdHJhY2V0b2dldGhlci1iZWhp bmQtdGhlLXNjZW5lcy1sb29rLWF0LWl0cy1kZXZlbG9wbWVudC1wcm9jZXNz&utm_content=aHR0cHM6Ly93d3cudGVjaC5nb3Yuc2cvbWVkaWEvdGVjaG 5ld3Mvc2l4LXRoaW5ncy1hYm91dC1vcGVudHJhY2U= 2020/3/20 浸透率を⾼めるため、ウェアラ ブルデバイスへの変更を政府が 表明 世界で最初にBluetoothアプリ をリリース アプリのオープン ソース化 https://www.youtube.com/watch?v=TA1qx9fvWnY#action=share アプリ名:Trace Together 開発者:シンガポール政府技術庁 (Government Technology Agency) v0.1リリース⽇:2020年3⽉20⽇ ソースコード:公開 Success Factor#1 開発の素早さと国⺠の感度の⾼さ Agile⽅式を取り、わずか8週間のスプリ ントで開発。2週間後には100万DWを突 破(5⼈に1⼈が所持)。 Success Factor#3 フレキシビリティ より確実な効果を得るために、既発 のものに拘らずに常にアップデート する体制。 4⽉初旬 6/54/9 100万ダウン ロード突破 Success Factor#2 オープンソース化による透明性確保 いち早くソースコードを公開し、国 ⺠の信頼を得ると共に、各国が参考 にできるためのリソース展開
  • 35. © Sao EU域内共通のプラットフォームを策定し、国を超えても接触者追跡を⾏える仕組み を提唱。 3. 各国事例の検討-2 (1/2) 成功(参考)ケース ② EU各国 eHealth Network Guidelines v0.1 2020/6/12 https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/ehealth/docs/mobileapps_interoperabilityspecs_en.pdf “eHealth Network Guidlines” ▶ 承認済アプリケーション間の 越境移転チェーンのための相 互運⽤性仕様に関するEU加 盟国および欧州委員会向けe ヘルスネットワーク・ガイド ライン V1.0 (2020/6/12) ◀各国のバックエンドは独⽴ 各国のバックエンドは独⽴させながら、Rest APIを⽤いた域内 共通のフェデレーションゲートウェイサービスを提唱 Key Factor #1 域内共通のプラットフォームの策定 制度の異なる国の間でもデータ利⽤がで きる仕組みを策定し、透明性と有⽤性を ⾼める動き。 詳細 ◀必要なデータのみ共有 ◀Aさんが仮に⾃国外で陽性者と 接触した場合も、プライバシーが 保護された状態で通知が得られる
  • 36. © Sao デプロイ例として、クラウドベース・オープンソース利⽤を基軸としたアーキテク チャを推進。 3. 各国事例の検討-2 (2/2) 成功(参考)ケース ② EU各国 eHealth Network Guidelines v0.1 2020/6/12 https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/ehealth/docs/mobileapps_interoperabilityspecs_en.pdf Key Factor #2 API軸としたクラウドベースのアーキテクチャ オープンソースベースのアプリケーションコンテナ・ メソッドの、数カ国間レベルの利⽤を既に構想化。 Kubernatesがコンテナプラッ トフォームの⼀例に 詳細 デプロイ例 (P.44) 使⽤テクノロジー例(P.44)
  • 38. © Sao 4 With/Afterコロナ時代のIT利⽤の展望 Success Factor シンガポール • 素早いシステム開発⼒ • IT利⽤に対する国⺠の 意識と、政府への信頼 性の⾼さ • 開発側及びユーザー側 のフレキシビリティ EU他 • 多国間におけるプラッ トフォーム構想策定 • クラウドベースのイン フラ構築 1. 社会システムにおける包括的なプ ラットフォームの構築 2. 医療・公共福祉・公衆衛⽣分野に おける、クラウドベースのインフ ラ整備・構築リード 各国に合わせたIT利⽤カルチャー作りと、クラウドベースの公共システム構築の リードを。 ITコンサルファームが推進すべき事項 1. Agile開発の促進 2. Openソース、Openデータの促進 3. 各国の「カルチャー」に合わせた、 IT利⽤の裾野を広げる活動
  • 39. © Sao Part 1 まとめ ●まとめ 接触者追跡は、今後半永続化する新型コロナウイルス及びその他の感染症拡⼤防⽌に、必要不可⽋のアク ションである。 通信デバイスを⽤いた接触者追跡アプリケーションは最も有⼒な⽅法の⼀つではあるが、 プライバシー保護を確保しながら追跡・通知機能向上と使⽤率向上を⽬指す、各バランスが不可⽋である。 通信⼿段はBluetooth利⽤、⾮中央化アプローチが現在のところ最も利⽤されており、改良が進められて いる。 各国体制に合わせた、コミュニティ全体のIT利⽤のカルチャーと、クラウドネイティブなプラットフォー ム作りが、今後ITコンサルファームが特に牽引していくべき分野なのではないか。 ●最後に忘れてはいけないこと (今回検討できなかったが重要な点) ・テクノロジーだけでは、コロナ禍は解決できない。 ・デジタルディバイド : 対象化すらされない層が存在する。
  • 41. © Sao References (1/2) ●データダッシュボード Economist https://www.economist.com/graphic-detail/2020/07/15/tracking-covid-19-excess-deaths-across-countries New York Times https://www.nytimes.com/interactive/2020/world/coronavirus-maps.html ●ニュース記事 Economist “Countries are using apps and data networks to keep tabs on the pandemic” https://www.economist.com/briefing/2020/03/26/countries-are-using-apps-and-data-networks-to-keep-tabs-on-the-pandemic The Telegraph “When will the UK 'track and trace' app be ready - and how will it work?” https://www.telegraph.co.uk/technology/2020/07/15/track-trace-app-uk-google-apple-when-download/ BBC New Japan “家にいることで⼈の命を助けられる 新型コロナウイルスで外出制限” https://www.bbc.com/japanese/video-52130657 BBC News “Coronavirus contact-tracing: World split between two types of app” https://www.bbc.com/news/technology-52355028 WHO “WHO Director-General's opening remarks at the media briefing on COVID-19 - 16 March 2020” https://www.who.int/dg/speeches/detail/who-director-general-s-opening-remarks-at-the-media-briefing-on-covid-19---16-march-2020 ●技術記事 MIT Technology Review 「世界各国の取り組みを⽐較「接触者追跡アプリ」追跡プロジェクト始めます」 https://www.technologyreview.jp/s/204154/a-flood-of-coronavirus-apps-are-tracking-us-now-its-time-to-keep-track-of-them/ MIT Technology Review “Five things we need to do to make contact tracing really work” https://www.seiyu.co.jp/pb/mo/search/?keyword=%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC Wikipedia “Digital contact tracing” https://en.wikipedia.org/wiki/Digital_contact_tracing Monoist 「新型コロナで加速する欧⽶のクラウドネイティブな医療API連携、広がる⽇本との差 (1/4)」 https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2007/17/news036.html#l_sp_200717global_medtech_trend61_02.jpg&_ga=2.253297420.406526933.1596015716- 1072094883.1595045924 WIRED “アップルとグーグルが⽬指す「濃厚接触の追跡」は、こうして新型コロナウイルスの感染拡⼤を⾒つけ出す” https://wired.jp/2020/04/12/apple-google-bluetooth-contact-tracing-covid-19/
  • 42. © Sao References (2/2) ●Github DP3T White Paper.pdf (Decentralizedアプローチのアーキテクチャ詳細) https://github.com/DP-3T/documents/blob/master/DP3T%20White%20Paper.pdf ●各国アプリケーション詳細 シンガポール https://www.tracetogether.gov.sg/ https://globe.asahi.com/article/13511604 ドイツ https://www.connect.de/news/corona-warn-app-download-zahlen-3200860.html ⽇本 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01353/070600002/ EU eHealth Network Guidelines https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/ehealth/docs/mobileapps_interoperabilitydetailedelements_en.pdf ●画像・素材 表紙 https://www.facebook.com/2020iz/ 扉写真 https://www.siemens-healthineers.com/vn/news/mso-covid-19-testing-is-essential.html https://news.yahoo.co.jp/articles/558a23db05c6cb4630f8a6588f6a7c97d57bbb0c/images/000
  • 43. © 2020 森林会 End of file ※当内容は私⾃⾝の⾒解であり、必ずしもIBMの⽴場、戦略、意⾒を代表するものではありません。 作成:2020年8⽉8⽇