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20200516 web tochiji_keiourenritu_tyuusiyousei
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2020年5月12日
東京都知事 小池 百合子 様
東京都議会議長 石 川 良 一 様
コロナ禍の歴史的危機の中、
不要不急の京王線立体交差事業は直ちに凍結・中止を
京王線連続立体交差事業認可取消訴訟 原告団
同 弁護団
【要請事項】
新型コロナ感染症という未曾有の歴史的危機に相応しく、国民のいのち・くら
し・営業支援を強化するために、不要不急の道路事業・立体交差事業は直ちに凍
結・中止して、困窮が続く国民生活への支援を抜本的に強めることを要請します。
具体的には、事業実施・工事中の京王線鉄道高架事業建設は直ちに全面的に凍結
することを要請します。
【要請理由】
1 見直し求められる立体交差事業
私たちは、京王線の立体交差事業について、工事の差し止めを求めてきました。
京王線連続立体交差高架化事業では現在深夜工事が土日を除き連日行われて
きました。
私たちは、鉄道騒音、振動をなくし、21 世紀にふさわしい環境に優れた地下
化による早期踏切解消と、暴風雨や酷暑化の頻発など近年の激甚化する気象災
害、切迫する巨大地震や大規模な火山噴火への対応や防災に優れた地下化を求
めてきました。更に本事業は線増連続立体交差事業でありながら、京王電鉄は輸
送人員減など線増線の採算性が見込めず、未だ線増線建設の経営決定を行って
いません。
このように現在とは社会環境の全く異なる数十年前の高度成長時代に決めた
高架化による都市計画を踏襲する事業は、時代遅れであり、全面的な見直しを求
められていたことは明らかです。
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2 コロナ危機における公共事業の見直しは必至
新型コロナ感染症という未曾有の歴史的危機による経済の落ち込みは、世界
でも日本でも 2008 年のリーマン・ショックを上回るとされており、従来型の発
想では景気の回復さえ出来ないのではないかと言われています。更に緊急事態
宣言による国民生活への影響と経済活動の混乱は、2011 年の東日本大震災後を
超える困難であることは容易に想定されます。
政府や東京都は、コロナ対策として補正予算を組み替えるなどを行っていま
すが、現時点や今後に到来する未曾有の危機への適切な対応とはなっていませ
ん。
4月末に組み替えられた国の補正予算では、医療や検査への支援拡充は全く
図られず、最も差し迫って求められるPCR検査体制の強化や医療現場への財
政支援の予算は、わずか 1500 億円程度のままです。医療機関への支援と検査の
拡大、マスクの緊急供給など、医療体制強化に更なる財政支出が不可欠です。従
ってこれらへの手当ては数兆円規模に増額し、医療崩壊を食い止めるあらゆる
手だてを尽くすべきです。
更に、追加の補正予算などで、外出自粛や休業要請で直接・間接に損失を受け
ている人の生活と営業が持ちこたえられるよう、十分な補償をすることも急務
です。
また、117兆円という「緊急経済対策」には、「国土強靭化、教育・科学技
術投資、サプライチェーンの再構築、特定国依存型のインバウンドの見直しなど、
内需主導型の経済成長を促す政策を検討すること」として、公共事業関係費も数
多く計上されていますが、旧来から、公共事業での景気浮揚効果には限界が指摘
されています。
3 都も都市計画の全面見直しを
令和 2 年 4 月 7 日に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が出され、外出
自粛など接触機会の低減が国民一丸となって企業にも求められています。当該
事業の工事区間は令和 2 年 5 月 8 日現在、東京都で感染者が 424 名と一番多い
世田谷区と 221 名と 4 番目に多い杉並区です。
それにもかかわらず京王線連続立体交差事業の工事は緊急事態宣言を無視し
地域の感染者数の実情も無視して現在も行われています。