2016年第8ヵ委口頭弁論弁護士プレゼン

1. 弁護団 海渡 雄一
花垣 存彦
海渡 双葉

2. 熊本地震における高架橋の損傷

3.  八幡山高架橋は、全ての柱において必要な耐震補強工事を
既に完了しており、平成２４年に出された国土交通省の通達
によっても新たに耐震補強を実施する必要のないものとされ、
今後も利活用することが可能な施設である。
 本件連続立地交差事業において，我が国における過去の大
地震を踏まえて策定された耐震基準に基づき，想定される最
大級の地震動に対しても十分な安全性が確保され，倒壊の
おそれがないものと評価できる鉄道構造物が構築されること
になる。

4.  ２０１６年４月１４日以降、熊本県及び大分県で連続して地震
が発生。
 熊本県熊本地方を震源とし、マグニチュード６．５（暫定値）、
最大震度７を観測した。

5.  全線開業５年を迎えた九州新幹線で、
車両の脱線、防音壁の破壊のほか、
少なくとも、防音壁の落下が５０か所、
高架橋の亀裂が２５か所、
ホームを支えるコンクリート柱の破損が約２０か所、
しかも、国交省担当者は「点検が終了する時期も不明」として
いた（４月１７日付け朝日新聞）。
 九州新幹線・熊本駅から新水俣駅間の７５キロを中心にして、
約１５０か所で、駅のホームを支える柱や高架橋のひび割れ
などが見つかった（４月２６日付け読売新聞）。
 土木学会西部支部も、緊急調査団報告書を公表。

12.  参加人の指摘する通達や耐震基準を満たしているはずの九
州新幹線も、先の熊本地震で損壊を免れなかった。
 「平成２４年に出された通達や耐震基準に基づいて補強した
高架線は、想定される最大級の地震動に対しても十分な安
全性が確保されている」旨の主張が、いかに事実に基づかな
い空虚なものか。

13. アンダーピニング施工案と事前施工案の
事業費の差異に関し，
具体的な費用の開示を求める

14. 準書書面（５）
 「事前施工案でも，現在線を仮
受するための仮設工事が必要
になるのであって，これに要す
る費用と，アンダーピニング施
工案での高架橋の基礎杭の受
替費用及び高架橋の既存基礎
杭を切削するためのシールドマ
シンの特殊ビット（シールド先端
に装着するカッターを擁する部
品）の費用等を比較すると，ほ
ぼ同等の費用となる」
準備書面（７）
 「両案の全体の事業費の差は，
つまるところ，事前施工案にお
いて線閉施行により現在線を仮
受するために要する費用と，ア
ンダーピニング施工案において
最終的には不要となる基礎杭を
構築し，これを受け替えた上で
切削するために要する費用との
差に，概ね集約され得るので
あって（丙３４，丙３５参照），両
案の事業費の合計額に大きな
差異が生じるものではない。」

15.  参加人は，アンダーピニング施工案と事前施工案は
「ほぼ同等の費用となる」と強弁するばかり。
 今回の準備書面（７）においても，費用比較の詳細を
明らかにしなかった。

16. 次の具体的な費用を根拠を持って明らかにされたい。
1. 事前施工案における現在線を仮受けするための架設工事の費用
2. アンダーピニング施工案での最終的には不要となる基礎杭の構築の
費用
3. アンダーピニング施工案での高架橋の基礎杭の受替費用（具体的な
作業手順ごとに）
4. アンダーピニング施工案での高架橋の基礎杭を切削するためのシー
ルドマシンの特殊ビットの費用
5. アンダーピニング施工案での関連側道の覆工板の設置及び撤去費用