集散的創造活動システム(XingBoard)
を用いた理科授業研究会の実践と評
価
:経験者と未経験者の意識調査の比較から
宇都宮大学カリキュラム開発研究室
佐々木功一、柿沼亜夢呂、野口真之、上
山登、久保田善彦、舟生日出男、鈴木栄
幸 1
ワークショップ型授業研究
• 授業研究(レッスンスタディ)
稲垣・佐藤,1996;千々布,2005;村川,2005;木原,2006;
松木,2008;秋田,2012,;的場,2013
• ワークショップ型授業研究
村川,2005;村川,2012;秋田,2012;中留,2005;
横浜市教育センター,2009;栃木県総合教育センター,2010
– 流れ
①参観者が研究授業を参観しながら付箋紙にメモを取る。
②事後検討会において小グループをつくり,視点に沿って,意見を
述べ合
いながら大きな模造紙に付箋を貼っていく。
③話し合いながら貼られた付箋を整理する。
④小グループで作成した模造紙を用いて,全体で発表する。
⑤参加者各自が自分自身で振り返る。
– 課題:保存性に乏しい,制作物での振り返りが難しい
2
研究の目的
• 小集団での議論促進とその後の個
人によるリフレクション支援を目
指したCSCLシステムを利用し,
ワークショップ型の授業研究を行
う.
• 授業研究における小集団の学びと個人の学びを,
教師の意識から比較検討する.
• 経験者と未経験者の意識についても比較する. 3
XingBoardによる持ち寄り型検討
4
XingBoardによる持ち帰り型検討
5
実践(授業研究)の流れ
• 理科授業DVDの視聴し,気づいたことをメ
モ
• メモをiPadに入力(個人で整理)
• 持ち寄り型検討(グループ作業)
(話し合いながらメモを整理)
→質問紙調査Ⅰ
• 持ち帰り型検討(個人作業)
(検討した内容をコピーし,再編
集する)
→質問紙調査Ⅱ
→インタビュー調査 6
対象者
• 実施時期
平成25年11月~12月
• グループの構成
7
被験者 性別 年代 職名
グループ1 経験者A 女 40代 小学校教諭
経験者B 男 30代 小学校教諭
未経験者a 女 20代 大学院生
未経験者b 男 20代 大学院生
グループ2 経験者C 男 50代 小学校長
経験者D 男 30代 小学校教諭
未経験者c 男 20代 大学院生
未経験者d 女 20代 大学院生
理科授業DVDの視聴
8
メモをiPadに入力
9
持ち寄り型検討:4象限を作りデータ移
動
10
成果
子ど
も
教師
課題
調査用紙Ⅰ
設問
とてもそ
う思う
どちら
かと言
えばそ
う思う
どちらで
もない
どちら
かという
とそう思
わない
まったく
そう思
わない
問 1
自分の実践に生かせるも
のが見つかった。 5 - 4 - 3 - 2 - 1
問 2
参観した授業について深く考え
ることができた。 5 - 4 - 3 - 2 - 1
問 3
他の人の意見が参考に
なった。 5 - 4 - 3 - 2 - 1
問 4
一人で考えるよりも得るも
のがあった。 5 - 4 - 3 - 2 - 1
問 5
付箋の分け方について納
得することができた。 5 - 4 - 3 - 2 - 1
11
持ち帰り型検討:分配コピー・再編
集
12
設問
とてもそ
う思う
どちら
かと言
えばそ
う思う
どちらで
もない
どちら
かという
とそう思
わない
まったく
そう思
わない
問 1
自分の実践に生かせるも
のが見つかった。 5 - 4 - 3 - 2 - 1
問 2
参観した授業について深く考え
ることができた。 5 - 4 - 3 - 2 - 1
問 3
他の人の意見が参考に
なった。 5 - 4 - 3 - 2 - 1
問 4
グループで考えるよりも得
るものがあった。 5 - 4 - 3 - 2 - 1
問 5
付箋の分け方について納
得することができた。 5 - 4 - 3 - 2 - 1
調査用紙Ⅱ
13
質問紙調査の結果
• 調査ⅠーⅡにかかわらず,すべての得
点が平均4.0以上であったことから,
効果があったと受け止めている。
• 未経験者(大学院生)と経験者(経
験年数10年以上のベテラン)の意
識を比較
– 二要因混合の分散分析の結果,有意な差が認
められたものを紹介 14
交互作用が認められたもの(1)
• 参観した授業について深く考えることがで
きた
未経験者は、経験者
と比較して、グルー
プの話し合いをする
ことで「参観した授
業について深く考
え」ている
15
*
交互作用が認められたもの(2)
• 他の意見が参考になった
未経験者は、個人よ
りグループの話し合
いによって「他人の
意見が参考になっ
た」と考えている。
経験者は、どちらも
参考になっていると
考えている。
16
*
交互作用はないが差(1)
• グループで考えることに得るものがあった
経験の有無に関わらず
「グループで考えるこ
とに得るものがあっ
た」と考えている。
17
*
交互作用はないが差(2)
• 付箋の分け方について納得することができ
た
グループや個人の活
動形態に関わらず、
未経験者が「付箋の
付き方に納得でき
た」と感じている。
18
*
考察
• 経験によって傾向の異なる設問があった.「2,授業分
析の深化」と「3,他者の影響」については,未経験者
は持ち寄り型検討を高く評価しているが,持ち帰り型
検討の得点が下がる.一方で,経験者はどちらの検討
も同程度に効果を認めている.
• 未経験者は,経験者と交流することで新たな理解を
得ることができるため,授業分析の視点を深めたと感
じていると推測できる.
一方で,経験教員は,ワークショップでの議論を
持ち帰り,その成果を再編集する場面に対しても,他
者の考えが再度吟味でき,授業分析を深化できると考
えている.
19
6.課
題
• 意識調査のみの結果であり,何をどのよ
うに生かせるのかの調査が必要。
• 他の経験者とは異なる特徴のある経験者
が見られたので、詳しく見ていく必要が
ある。
• 対象者を増やし実験データを積み重ねて
いく必要がある。
20

2014.04.06XB授業研究