1. 2012.2.25
第23回 DTPの勉強部屋
「写植の時代展」
参加レポート
松浦 正典

2. 「写植の時代展」とは
「大阪DTPの勉強部屋」主催で、
2012年 2月17日(金) ∼ 21日(火)に開催されました。
「写植の技術や歴史を、DTP世代の人たちにも伝えたい」
というコンセプトのもと、稼働する写植機(！)を展示し、
その技術や歴史を解説。

3. 言うまでもなく、
今回のメイン企画は…

4. 写植機の展示。
しかも、写植が打てる。
（有料 / 800円）

5. …ということで、打ってきました。

6. 今回、展示・稼働された写植機です。

7. モリサワさんの「MC-6」

8. ガラスの文字盤。
ここから文字を拾います。(文字を拾うのも一苦労)
この突起がレンズの先で、この下に、
印字したい文字を動かします。

9. この白いボタンがシャッター。押すと印字されます。

10. シャッターを切ると、 連動して歯車が
(あらかじめ指定した送りの分だけ) 回って、
印画紙を移動させます。

11. ちなみに、組版で使われる
「歯」という単位は、
この歯車の一目盛りのことです。
（「1歯＝1H＝0.25mm」）

12. 手順（おおまかに）
① 書体を決定
② 級数・送りを決定
③ 文字を探す(採字)
④ シャッターを切る
⑤ 必要に応じて、
字・行送り

13. で、完成した写植が、これ。
なんの工夫もない…。
（これでも、10分ぐらいかかっているんですよ）

14. 感想です。

15. やっぱり、組版には、
InDesignCS5.5 を使いましょう。
デジタルの力を使って、効率的に、便利に
制作するべきだと思います。

16. では、
写植からDTPへ伝えるべきことって
何なのでしょう？
（自分なりに考えてみた）

17. 「組版の原点」

18. 写植機において「１歯送る」とは、
「歯車の一目盛り分、印字する部分を動かす」
ということでした。
InDesignにある「歯 （H）」も、
同じ意味です。

19. 「歯」ってなに？
「級」ってなに？
デジタルで表現されてしまうと、
いまいち概念がつかめない部分は、
アナログを理解することで、
その原理が理解できるのではないか、
と思います。

20. 「組版（職人さん）のスキル」

21. 写植機では原則、
現像するまで、仕上がりがわかりません。
そのため、当時の職人さんは、
字形や級数、送りの関係などを頭に叩き込み、
知識と経験から仕上がりをイメージし、
素晴らしい組版をされていたと聞きます。

22. 「指定から、仕上がりがイメージできる」
自分はどこまで出来てるだろう…と思います。

23. 会場では、この他にも、
写植の歴史年表
文字盤の展示・販売
ビデオによる解説

24. 今日は、
・「写植の時代展」パンフレット
・私が打った写植（印画紙）
・弊社に残存している「版下」
・写研の「文字盤」
を持ってきましたので、ご興味のある方は、
交流会のときに声をかけてやってください。

25. 大阪でお世話になった皆さん、
ありがとうございました！