東洋大学公民連携講座でお話させていただいた内容です。 日野市民として財政白書づくりを通して考え方ことなどをまとめています。

1. 「市民が市民のためにわかりやすく
作った日野市財政白書」について
２００９．７．６
日野市健全財政を考える会
副代表 石塚辰郎
東洋大学公民連携演習 説明資料

2. 目 次
１． 健全財政を考える会の活動
２． 財政資料作りを通じて
３． 市政等への参画を通じて
４． 問題提起

3. １．健全財政を考える会とは
市民と市が協働で、日野市の財政の状況やあり方
を評価・検討し、財政健全化に向け行動する組織。
（市民：２０名、行政窓口：財政課←企画調整課）
会の活動目標は、
「次世代に極力、負の遺産（借金）を残さない」よう
に、今の生活や行政を見直して、活動をすること。
市民は、自分ができることは、自分でやる。
行政は、自分のやるべきことに見極めて、効率的にやる。
活動内容：健全財政に向けた、広報、提案、検証
市民一人ひとりが、家計と同じくらいに市の財政についても関心をも
つように、日野市の財政状況を広報すること
市の行財政を分析し、健全な財政に向けた提案をすること
市の行財政改革計画の推進を市民の立場から協力すること

4. 活 動 経 緯
第４次基本計画策定 市民委員１４５名＋職員３２名
で開始（５月）
市民ワーキングチーム６つ スリム分科会発足
– １９９９．２ 財政非常事態宣言

5. 活 動 経 緯
– ２００１．３ 基本構想・基本計画議決
「日野いいプラン２０１０」
市民本位の行政運営を進めよう
まちづくり１０の柱 参画・協働のまちづくりを進めよう
健全財政の推進
まちづくりの方向
施策の展開
基本的施策 市民一人ひと
りが財政に関
心を持ち参画
しよう
健全な市財政
を推進しよう

6. 活 動 経 緯
市民一人ひとりが財政に関心を
持ち参画しよう
個別施策・事業
基本的施策
■市民参画による健全財政の検討
１市民参加のもとに健全財政を考える会
の開催
２財政問題についての勉強会の開催
■行政と市民のパートナーシップの構築
１市民にわかりやすい財政資料の作成
２市民にわかりやすい財政の説明会の定
期的開催
８つの市民行動計画プロジェクトの一つとして２００１．９に発足

7. 活 動 経 緯
市民行動計画プロジェクトのミッション
「わかりやすい財政資料づくり」
２００２．５ ：日野市広報に財政報告を掲載
２００２．７ ：市長・助役への報告会
２００２．８ ：市民財政レポート発行
一応のミッションを果たす。
これからどうするか？
市政への参画
２００３・８ 市立病院調査
２００４．１ 部課長への説明
２００５．２～ 行財政改革プラン
２００４．５ 市長から財政白書作成依頼

8. ２００６．１０
財政白書
平成１８年度版
２００８．９
財政白書
平成２０年度版
２００９
各論編・動画計画
• ２００５．６ ：市民が市民のためにわかりやすく
作った「日野市財政白書」を完成
• ２００５．７ ：日野市長への完成報告会実施
（読売、日経、ガバナンス、日野ＣＡＴＶ等で公表）
２００８．２～
総合計画関係
市民委員
２００８．９
各課個別ヒヤリング
２００８．１２
副市長との集中検
討会
活 動 経 緯
白書作りの継続 市政への参画
２００５．１０
南多摩企画研究会
２００７．１０
総務省ｼﾝﾎﾟｼﾞｳﾑ
２００９
中央公民館講座
ブログ開始
環境首都表彰
対外説明広報

9. 財政白書と協働
正しい知識・見識・共通の情報
課
題
の
発
見
政
策
の
策
定
行政 市民
施
策
の
実
施
活
動
の
評
価
※何が問題でどう活動したか。
財政を考える会の活動領域
２．財政白書づくりを通じて

10. ねらい
１．財政に関心がない
→ 財政に関心を持ってもらう。
２．財政はわかりにくい
→ 財政を分かりやすく説明する。
３．じゃあ、どうしたらいいのさ
→ 健全財政のために市民ができることを
提案する。
施策の目標
・市民一人ひとりが財政に関心を持ち参画しよう

11. 財政に関心を持ってもらう
自分の生活に関係ない。（と思ってる）
なぜ関心がないのか？
財政が悪くても困らない。（と思ってる）

12. 財政に関心を持ってもらう（続）
財政白書より

13. 財政に関心を持ってもらう（続）
財政白書 概要版より
Ｑ
１
こ
の
ま
ま
借
金
が
多
く
な
り
つ
づ
け
た
ら
、
ど
う
な
る
の
で
す
か
？
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庭
で
も
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金
が
返
し
き
れ
な
い
ほ
ど
増
え
る
と
、
自
己
破
産
の
道
を
た
ど
り
ま
す
。
こ
れ
は
市
で
も
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じ
で
す
。
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金
が
こ
れ
以
上
増
え
る
と
、
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の
返
済
が
市
民
サ
ー
ビ
ス
の
た
め
に
使
え
る
お
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を
圧
迫
し
、
最
悪
の
場
合
、
市
の
倒
産
に
当
た
る
「
財
政
再
建
団
体
」
に
陥
っ
て
し
ま
い
ま
す
。
こ
の
財
政
再
建
団
体
に
な
る
と
市
民
サ
ー
ビ
ス
の
削
減
だ
け
で
な
く
、
公
共
料
金
の
大
幅
な
値
上
げ
や
、
将
来
に
向
け
て
の
投
資
の
凍
結
が
行
わ
れ
ま
す
。
こ
れ
で
は
、
私
達
市
民
も
こ
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ま
で
通
り
の
生
活
は
送
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な
く
な
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ま
す
。
さ
ら
に
私
た
ち
の
子
や
孫
に
ま
で
、
私
た
ち
の
作
っ
た
借
金
の
「
つ
け
」
を
ま
わ
す
こ
と
に
な
っ
て
し
ま
い
ま
す
。
日野市広報
2002/5/1号

14. 財政を分かりやすく説明する
誤解や先入観がある
理解を妨げているポイント
全体像がわからない
言葉や事項がわからない

15. 財政を分かりやすく説明する（続）～誤解
誤解その１ 日野市は豊かな自治体である。
財政白書より

16. 財政を分かりやすく説明する（続）～誤解
財政白書より

17. 財政を分かりやすく説明する（続）～誤解
誤解その２ 大企業があるから豊かである。
財政白書より

18. 財政を分かりやすく説明する（続）～誤解
誤解その３ バブル崩壊が悪い。
財政白書より

19. 財政を分かりやすく説明する（続）～全体像
○家計に例える ～ 特別会計を説明する
日野市広報
2002/5/1号

20. 財政を分かりやすく説明する（続）～全体像
○鍋に例える ～ 財政錯覚を説明する
財政白書より

21. 財政を分かりやすく説明する（続）～言葉・事項
○実感を持てるようにする比較
財政白書より

22. 市民行動の提案
財政白書より

23. 財政を考える会検討市民行動の提案（続）～買い物
財政白書より

24.
財政白書より
市民行動の提案（続）～ごみを減らそう

25. 財政白書づくりを通じて
○政策目的は達成されたか？
・市民の財政への意識は高まった。
～ 財政を考える会の活動によるものなのかは不明
Ex.２００６夕張の財政破綻などのトピック
○市民参画の意義
・市民にとってのわかりやすさ ← 市民目線が必要
（詳しくなるほど市民目線から離れていっていない
か）
○財政白書に関する今後の活動と課題
・財政白書づくり 各論編、動画編 を目標に。
市民にとって同じことを毎年やるのはモチベーションがあがらない。

26. ○財政白書に関する今後の活動と課題（続き）
・情報発信の多様化 ブログの開始
（「市民財政白書」でＧｏｏｇｌｅ３位 Ｙａｈｏｏ１位）
・対外的活動 他の会との交流
～個人的には市民の「財政リテラシー」を高めていきたい。
・なかなか仲間は増えない。
いろいろな能力を持っている人が必要。
・財政白書を使われ方～ 作ったことに満足してないか。
財政白書づくりを通じて

27. ３．市政等への参画を通じて
正しい知識・見識・共通の情報
課
題
の
発
見
政
策
の
策
定
行政 市民
施
策
の
実
施
活
動
の
評
価
財政を考える会の活動領域
（再掲）

28. 参画経緯と参画実績
第三次行政改革大綱
２００５．２～
ひのいいプラン２０１０
ステップアップ
２００８．２～０９．３
財政を考える会５名 財政を考える会５名
なぜ財政を考える会の役割
○単に意見を集めるとあれもこれもやろうという方向に
なりがち。
→ 限られた資源をどのように活用していくかという
観点を入れていく。

29. 課題の認識と対応 （子ども部会より）
○ 委員 市民６人。職員１２人（子ども関係部署）
↓
全て市が直接サービスを提供することはできない。
例）児童館 ～ ２．６億円の経費
年間利用人数 延べ１９．５万人（６５０人/日）
未就学児・小学生の人口 約２万人
一人一回当たりのコスト １，３３０円／回
↓
児童館でカバーできるのは年少人口の３％
行政自らの手で全てを同じようにカバーすることは
できない。
いろいろな力を利用しなければならない
※まとめの段階では、総花的な面も。

30. 市民参画・協働の課題
○応募する市民の減少。 ～ ボランティア疲れ
○市民に財政を知る前に、まず職員が財政を理解しよう
○数字で議論することへのハードル～市民側・行政側
○参加者の偏り ～ 年代など属性の偏り
～ 利害が深い人の意見が強調されがち
○政策策定段階でどう市民の意見を反映していくのか
つまり、多くの人の負担で一部の人が受益するもの
一部の人の負担で多くの人が受益するもの
参画してくる市民だけの意見では歪みが生じがち。

31. 市民参画・協働の場のポイント
○立ち上げ時に時間がかかることは覚悟しよう。
～ 最初から結論を急がない。
○少人数での議論など意見を出しやすい工夫を。
○数字やデータは行政から積極的に出すべし。
○市政批判に陥らないように注意が必要。
お互いの立場を認めた上で、是々非々で。
○市民参画による意見の限界を知る。
あくまで最後は行政が考える。

32. ４．課題の提示
○市民参画の中での議員のあり方とは？
○利害関係者以外の市民を含めた市民参画
と政策への反映
○市民参画の偏りへの対応（端的にいえば
サラリーマン・学生の参加の促進）
○達成感のある市民参画（政策策定段階）
とは？

33. ご清聴ありがとうございました。