2018年グライダー世界選手権参加支援事業報告会 第9回グライダーアクロ世界選手権大会参加報告 日本グライダークラブ

1. ２０１８WGAC / WAGAC
ジャッジ参加報告
公益社団法人日本グライダークラブ
FAIインターナショナルジャッジ
鐘尾みや子

2. スカイスポーツを統轄する組織
国際組織 国際航空連盟 ＦＡＩ
国内組織 一般財団法人日本航空協会
JAA

3. 国際航空連盟
スカイスポーツを統括する国際機関であり、１９０５年
にＩＯＣ総会の決議により設立された、「空の国際オ
リンピック委員会」

4. ＦＡＩ Air Sport Commissions
Aeromodelling
Amateure Built and Experimental
Ballooning
Drones
General Aviation
Gliding
Hang Gliding
Microlight and Paramotors
Parachuting
Paragliding
Power and Glider Aerobatics
Rotorcraft
Space

5. （財）日本航空協会
１９１３年発足した帝国飛行協会を前身とし、１９５
２年の航空再開とともに再発足した日本国内にお
けるスカイスポーツを支援する機関であり、ＦＡＩに
は１９１９年に加盟し、以来日本のＮＡＣ（National
Airsports Control）として活動

6. ＪＡＡの統括するスポーツ団体
• （一社）日本気球連盟
• エクスペリメンタル航空機連盟
• （公社）日本航空機操縦士協会
• 日本模型航空連盟
• （公社）日本滑空協会
• パラシューティング（認定統括団体なし）
• （公社）日本ハング・パラグライディング連盟
• ＮＰＯ法人 日本マイクロライト航空連盟
• 日本パラモーター協会

7. スポーツとしてのグライダー
記録飛行（高度、速度、距離）
レース(スピード競技)
エアロバティック

8. グライダーエアロバティック競技
限られた空間の中で、ループ、ロール、背
面飛行などの曲技飛行を行い、技の正確さ、
調和などが採点される、いわば体操競技や
フィギュアスケートのようなもの

9. 競技の概要

10. Ａｒｅｓｔｙ Ｓｙｍｂｏｌ

12. Ａｅｒｏｂａｔｉｃ Ｃａｔａｌｏｇｕｅ

13. Ａｅｒｏｂａｔｉｃ Ｃａｔａｌｏｇｕｅ

14. ジャッジへの道のり
最初は・・・・・
世界選手権への参加
１９９５年 ９．１１～２５
フランス・フェヤンス

15. 大会プログラム

22. FAI ジャッジになるために
FAIジャッジリストへの登録
→少なくとも国内選手権でのジャッジ経歴を添付して
CIVA Judging Committeeに申請、年次総会で
承認
FAI世界選手権ジャッジの選定
→成績のいいジャッジ上位3人は自動的に選ばれる
それ以外の枠については、過去2年までの国内・
国際大会において、フェアプレイシステムを用いて
算出されたRI（ランキングインデックス）を含むデー
タを添付してJudging Committeeに申請、その年
の3月までには決定

23. FAIジャッジになるために
• グライダーに関しては、2004年ごろからポーランド
ナショナルにてOJT、ジャッジ業務
• パワーに関しては、2010年ごろから、IACコンテスト
（USA）でアシスタントジャッジ経験、2012年にリー
ジョナルジャッジ資格取得
• 2011年、ポーランドナショナルでフェアプレイシステ
ムによるRIデータ取得、2012年に初めてWGAC/
WAGACジャッジに選ばれ、その後2015年まで毎年
ジャッジとして参加
• 2015年には、パワーのポーランドナショナルでRIデ
ータ取得、2016年に初めてWAACジャッジに選ば
れる

24. 2017-2018 FAIジャッジリスト （抜粋）

25. 2018WGAC／WAGAC ジャッジパネル
Chief Judge : Philippe Kuchler
Judges
Steff Hau (GER)
Tamara Dovgalenko(UKR)
Maciej Bialek(POL)
Bernard Courtois(FRA)
Zuzana Danihelova(CZE)
Bela Guraly(HUN)
Miyako Kanao(JPN)
Alain Dugas(FRA)
Assistants
Georg Dorder
Galyna Suprunenko
Jerzy Wisniewski
Remy Louvel
Juraj Danihel
Istvan Fazekas
Olga Romashova
Florence Chabonie

27. HOW TO
JUDGE ?
入門編 CIVA International Judge
for primary & sportsman Miyako Kanao
イラスト出展：BAeA Judging Tutorial 2008

28. ボックスとジャッジライン

29. 基本はLINE
• Centre of Gravity Track (CGT)
→飛行機の重心の航跡を表す仮想の線
• Zero Lift Axis (ZLA)
→飛行機の重心を通る中心線で翼弦線
と平行（AOA=０）となる線

30. Centre of Gravity Track (CGT)

31. Zero Lift Axis (ZLA)

32. CGTとZLAの使い分け
• 水平ライン、曲線、回転、ロール→CGT
• 垂直ライン、４５°ライン→ZLA
• ロールをともなう垂直ライン、４５°ライン
→CGT

33. CGTとZLAの使い分け

34. ZLAによるライン判定

35. 採点方法
• 原則は課目ごとに１０点満点からの減点法
• ＣＧＴ、ZLAのラインにおいて５°ずれるごと
に－１点（２．５°では－０．５点）
• バンク角についても±５°ごとに－１点
（±２．５°では－０．５点）
• ４５°以上の変位は０点
• その他、課目ごとの減点基準あり

36. 採点方法の例
• ピッチ方向５°、ヨー方向
０°、バンク５～１０°
• ピッチ方向０°、ヨー方向
５°、ロール軸ずれ１０°
• ピッチ方向０～５°、ヨー
方向５°、バンク０°
↓
１０－１－０－１．５－０－１
－２－０．５－１－０＝３
※さらにロール位置によっ
て１～４点の減点あり

37. Turns
• 直線部の方向一定
• ６０°バンクまでロール、
一定のロールレート
• ６０°バンク角一定、一
定の旋回率
• ウィングレベルまでロー
ル、一定のロールレート
• 直線部の方向一定、方
向変位は９０°
• レベル（高度）一定

38. Rolls
• CGTと水平線のなす角
度５°につき－１点
• ５～１０°であれば－１．
５点
• ５°以下であれば－０．
５点
• ロールレートは変化する
毎に－１点
• ロールアウト時のバンク
角残り（４５°以下）は
５°毎に－１点

39. Hesitation Rolls
• CGTと水平線は一致
• 正しいバンク角の保持
（２ポイントロール→１８
０°、４ポイントロール
→９０°）
• 一定のロールレート
• 一定のリズム

40. Spins
• エントリーでは明らかに
失速していること
• ＣＧＴが上方に動くことな
く自転にはいること
• 回転が停止したとき正し
い方向に向かっているこ
と（エルロン操作不可）
• 垂直ラインが出ているこ
と
• ｆorced entry または
forced exit は減点

41. Loops
• 見た目が真円であること
＝風に対する修正必要
• 開始点と終了点が一致
• 四分円の半径と中心が
すべて等しいこと
• 最高点が開始点の真上
にあること
• 最初の四分円の半径が
基準となる

42. Loops
• 弧線半径
微小変化→－１点
はっきりした変化→－２点
大きな変形→－３～４点
• 頂点のズレ→５°毎に－１点
• 高度差
微小差→－１点
はっきりした差→－２点
大きな変形→－３～４点

43. Hammerheads
• 垂直上昇、ターン、垂直
降下が同一平面内
• 上昇・降下において翼端
が全て平行
• ターン中にロールしない
• ターンの中心は片翼幅
片翼幅の２倍→－１点
片翼幅の３倍→－２点

44. 3種類のゼロ
・Hard Zero（HZ）・・・多数決により確定
間違ったフィギュア、フィギュアの欠落、間違った方向、
90度以上の変針、90度以上の角度変化 etc.
・Perception Zero（PZ）・・・そのまま０点として確定
オートローテーション無しのスピンあるいはフリックロール、
スライドしないテールスライド、ループ中のストール、
ローリングターン中のフリックロール etc。
・Soft Zero（0.0）・・・そのまま０点として確定
減点の結果、０からマイナスの点数になったとき

45. Score Sheet

60. お・し・ま・い