3/22【医師国家試験ことはじめ】（木下くん）

1. 医師国家試験を
はじめからていねいに
2017年3⽉22⽇（⽔）
⽊下雄仁

2. ⽬次
1. ⾃⼰紹介
2. 医師国家試験とは？
3. 実際に受験してみて

3. ⽬次
1. ⾃⼰紹介
2. 医師国家試験とは？
3. 実際に受験してみて

4. 1. ⾃⼰紹介
1993年 徳島県徳島市⽣まれ
2017年 慶應義塾⼤学医学部卒業
2017年 聖路加国際病院で初期研修

5. ⽬次
1. ⾃⼰紹介
2. 医師国家試験とは？
3. 実際に受験してみて

6. 2. 医師国家試験とは？
医師免許を取得するための国家試験

7. 合格率（合格者数/受験者数）
平成29年（第111回） 8533⼈/9618⼈＝88.7%
他の国家試験と⽐較すると極めて⾼い
cf. 司法試験 1583⼈/6899⼈＝23.0%（平成28年）
cf. 公認会計⼠試験 1108⼈/10256⼈＝10.8%（平成28年）
注：公認会計⼠試験の合格率分⺟は願書提出者数

8. 過去10年間の合格率推移
回数 受験者数（⼈） 合格者数（⼈） 合格率（%）
102 8535 7733 90.6
103 8428 7668 91.0
104 8447 7535 89.2
105 8611 7686 89.3
106 8521 7688 90.2
107 8569 7696 89.8
108 8632 7820 90.6
109 9057 8258 91.2
110 9434 8630 91.5（過去最⾼）
111 9618 8533 88.7
102-111平均 8785 7925 90.2

9. 概要
2⽉上旬の⼟・⽇・⽉の3⽇間、計15時間20分かけて⾏われる
A〜Iの9ブロックに分かれており、1⽇3ブロックずつ消化する
すべてマークシート⽅式
⾃由記述なし
実技試験なし（試験導⼊段階。近い将来国試化される⾒込み）

10. 今年の時間割（第111回）
A 各論 9:30-11:30 120分 60問
B 総論 13:15-15:00 105 62
C 必修 16:00-17:00 60 31
D 各論 9:30-11:30 120 60
E 総論 13:00-15:00 120 69
F 必修 16:00-17:00 60 31
G 総論 9:30-11:30 120 69
H 必修 12:45-14:00 75 38
I 各論 14:40-17:00 140 80

11. 合格基準
合格基準：以下4つを全て満たすこと。
1. 必修以外の⼀般問題で⼀定割合を超える（相対評価）
2. 必修以外の臨床問題で⼀定割合を超える（相対評価）
3. 必修問題で8割以上の得点を取る（絶対評価）
4. 禁忌肢を4つ以上選択しない

12. 分類
各論
A, D, Iブロック
総論
B, E, Gブロック
必修
C, F, Hブロック
⼀般問題 80問 120問 50問
臨床問題 120問 80問 50問
合計 200問 200問 100問

13. ⼀般問題とは？
患者を登場させることなしに、純粋に医学的知識を問う問題

14. 臨床問題とは？
「〇〇歳の△性。□□を主訴に来院した。」
というように、患者を登場させて考えさせる問題

15. ⼀般、臨床に関して
⼀つのブロック内では必ず
⼀般 n問
➡
臨床 n’問
と並んでいる。
近年、臨床問題の⻑⽂化が著しい。
（特に2連問、3連問）

16. 各論とは？
臓器ごと、診療科ごとに縦切り知識を問う
地理でいう”地誌”

17. 総論とは？
解剖、⽣理、病態、症候、検査、治療といった横断的な知識を問う
地理でいう”系統地理”

18. 実際の問題を⾒てみましょう！

19. ⼀般×各論 111A2
正解：c

20. ⼀般×総論 111B35
正解：d, e

21. 臨床×各論 111D43
正解：c

22. 臨床×総論 111E53
正解：b

23. 必修 111F16
正解 b

24. ⼩児科or公衆衛⽣or？ 111B8
正解：e

25. ⾯⽩？やや物議を醸した問題 110A7
正解は……

26. ⾯⽩？やや物議を醸した問題 110A7
救急医学の原則「まず⾃分の⾝の安全を最優先せよ。」
正解：d

27. ⾮医療従事者にも知っておいてほしいBLS 102C10
正解：d

28. 医学英語 111C17
正解：d

29. 禁忌肢について
選んだ場合に患者を死に⾄らしめる危険性が⾼いもの
• ペースメーカー植え込み患者にMRI
• 塩化カリウムを急速静注
• 喘息患者にβ遮断薬
禁忌肢の怖いところ
▶どれが禁忌肢だったか、厚労省から⼀切公開されない
＊現在では禁忌肢単独で落ちる⼈はほぼ皆無とされている

30. ⽬次
1. ⾃⼰紹介
2. 医師国家試験とは？
3. 実際に受験してみて

31. 3. 実際に受験してみて
合格者（＝医師）は⾃⾝の経験をもとに語る。
「受かって当然。全体で下位10%に⼊らなければいいんでしょ。」
「何点でも受かりさえすれば⼀緒。」
「国試なんて余裕余裕！」
・・・・・・”喉元過ぎれば熱さ忘れる”の典型

32. 国試のインフレ
108回から4年連続で難化。
国試の総評はもはやボジョレーと化した。

33. 国試のインフレ
“国試予備校”と揶揄される⼤学の増加
プロの国試予備校の充実
➡
医学部⽣の全体的ブレイン化
内容⾯でも「医学」から「医療」へ

34. 合格と不合格を分けるものなんてあるのだろうか
⼀問に泣くのはまさに⼤学受験と同じ
今年は必修80%の絶対基準のみ満たさない不合格者が多数出た
センター試験に似ている⾯も
• 科⽬数が多く、オールラウンダーが強い
• 全体の平均的が75〜80%ほどに収まる

35. もし不合格になったら
国試浪⼈となり、来年また受験することに
予備校に通う⼈、宅浪する⼈、医学系出版社でバイトする⼈など様々
＊インドに旅に出て価値観がひっくり返り、医師にならなくなる⼈もいるとか・・・
マッチング（病院就職活動）をやり直さなければならない
何より、同期とともに医師になることができない

36. Take Home Message
医師国家試験は⼀つの通過点に過ぎませんが、
医師を⽬指すものすべてにとっての登⻯⾨である。

37. おまけ 〜医師国家試験を知るヒント〜
medu4穂澄
総統閣下シリーズ