More Related Content
More from Akao Koichi (20)
govakao2010test
- 1. 「ガバナンス論」2010年度試験(⾚尾担当分)
問1 下の⽂章を読み,()内に⼊る語句を解答⽤紙に記⼊しなさい。丸数字(①〜⑮)を明
記し,1問ごとに必ず改⾏すること。不明な項⽬は⼀⾏丸ごと空欄とすること。
(4点×15問=60点)
⺠主党政権は,公的サービスの官⺠の役割分担の組み替えを⽬指す「(①)円卓会議」
を開催している。①の担い手としては,NPOだけでなく,社会的課題を事業化により解
決を⽬指す(②)の台頭も期待されている。円卓会議の提⾔には,低年齢時から映画に親
しむことを⽬標とする「(③)映画無料化計画」も盛り込まれている。さらに,その受け
⽫として,官⺠分担で地域に常設映画館を運営する(④)運動も注⽬を浴びている。
①の基盤には,インターネットの基本原理と同様に,すべての市⺠が⾃らが持てる⼒
を最大限に発揮するように努める「ベスト・(⑤)」の考え方がある。ただし,インター
ネットもこれまでの⾃発的・無償の管理ではなく,国際電気通信連合(略称:⑥)など国連
の下部組織での機関的管理を求める声も出ている。
同時に,インターネット上の⾔論・表現の⾃由の制約を求める動きも活発だ。⾔論の
⾃由を制約する法理には「(⑦)の危機」しかない。⽇本では,特定電気通信役務提供者
の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開⽰に関する法律,通称:プロバイダ(⑧)法によ
り,知的財産権の侵害,名誉毀損・誹謗中傷⾏為,差別の扇動など「⑦の危機」に相当
するケースについては発信者情報の開示を請求することができる。
⺠主党政権では公共放送であるNHKの経営形態にはメスが⼊っておらず,NHKの最⾼
意思決定機関である(⑨)のメンバーの人選(国会同意人事)で新味を加えたにすぎない。N
HKは本来,視聴者の番組参加であるパブリック(⑩)に積極的であるべきだが,それが進
まないならば視聴者の運営参加などを通じて,①の担い手として再編するべきだろう。
また,受信料はNHKの専有物ではないはずで,送信出⼒1kwで狭いエリアをカバーする
放送局である(⑪)の運営などにも分配されるべきだとの考え方もある。
マスメディアを補完する新たなジャーナリズムも①の大きな構成要素だが,
「JanJan」
「Ohmynews」のような,市⺠記者が記事を投稿する「(⑫)・ジャーナリズム」が期待
されてきた。しかし,広告依存のビジネスモデルなどが原因で不振が続く。ただし,か
つて鶴⾒俊輔が「市⺠がなしうる(⑬)全体・⽇々の営み」の中にジャーナリズム再⽣の
根を⾒つけたように,組織的な活動ではなく,ブログやツイッターのような表現⾏為の
集積が新たなジャーナリズムになる可能性はある。もっとも,そうした手段によって,
取材者が主体性・継続性を持って証拠を集めていき真相を突き止めていこうとするタイ
プの(⑭)報道ができるかどうかは疑問も残る。⑭報道⼒を失っていけば,マスメディア
が担ってきた権⼒への(⑮)機能が弱っていくおそれもある。
問2 新たなジャーナリズムが,⑭報道能⼒を保有し,権⼒への⑮機能を有し,なおかつ
運営的にも成⽴し,①の担い⼿になりうるためには,具体的にどんな⽅策が必要だと考
えられるか。簡潔に述べなさい。解答は裏⾯から始めること。 (40点)