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Syokugyouron2016 13

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情報職業論 2016年 第13回

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Syokugyouron2016 13

  1. 1. 情報職業論 ⑬ 情報財とコモンズ
  2. 2. 劇的! ダフ行為撃退法 •販売者が各シートに“価格”を付け ていることが諸悪の根源(“お布施の 原理”を無視している) •全シートを匿名での入札制にし, 最高値を提示した人に販売される •定員から溢れた入札者は,入札額 順に“補欠組”とする •無料招待枠,定額抽選販売枠など の仕組みを併用すべき
  3. 3. 『森のくまさん』 •パーマ大佐のCDに作詞者(とされ る)馬場祥(よし)弘氏が通知書。
  4. 4. 法的問題 •同一性保持権の侵害は確実 •馬場氏の歌詞を使用してい る限り,印税の分与協議も必要 嘉門達夫は『替え唄メドレー』 で『森のくまさん』を用いてい たが,原詞を使っていないので, 許諾も得ず,報酬支払いもない としている
  5. 5. 作者性の問題 •原曲はアメリカ民謡。『Sipping Cider Thru a Straw』。ガールスカ ウト・ソングとして民間伝承されて きた(詞・曲の現存確認は1919年)
  6. 6. 作者としての認定 •1972年,NHKは採譜して『みんな のうた』で放送(日本語詞不詳) •馬場祥弘が権利を申立て,一旦は 「詞・曲:馬場祥弘」に。 •アメリカで原曲の楽譜が見つかり 「詞:馬場祥弘」に •民間伝承曲だから,作詞者でないと の証明は難しい(悪魔の証明の一種) 1971年にスカウト交流大会,世界ジャンボリー大会(日本開催)の中で, 『森のくまさん』が生まれた可能性はある
  7. 7. ピコ太郎を有名にしたビルボード ピコ太郎は2016年10月 29日付の「ビルボード総 合チャート」で77位に入 り,「ビルボード100位 内で最も短い曲としてギ ネス世界記録に認定された。その時点でピコ太 郎はYouTube上だけで楽 曲を発表し,パッケージ はリリースしていなかっ た。なのに,なぜ?
  8. 8. ビルボードは複合チャート •設立当初からレコード売上,ラジ オのオンエア回数,ジュークボッ クスの再生回数を係数化して総合 したチャート。実売チャートでは なく“接触”チャート •日本のオリコンは,精度が高いレ コード売上推定統計にこだわり続 けている かつて私が携わった「日経エンタテインメント」誌は「ビルボード」誌と提 携し,接触チャートを週刊で掲載したが,「オリコン」の牙城を崩せなかっ た。「オリコン」創業者の小池聰行氏は大学ゼミの先輩という因縁
  9. 9. 現在のビルボード •電子商取引(EC)サイト(パッケージ) •iTunesでのダウンロード数(デジタル) •(Spotify/Apple Musicなどストリーミング サービスでの再生回数:エアプレイ) •Twitterでのアーティスト名・曲名のツイー ト数 •ルックアップ(PCによるCDの読み込み) •YouTube(2015)とGYAO!(2016)のミュー ジックビデオ再生回数
  10. 10. 売れるとヒットは違う •オリコンは“所有”のチャート(パッ ケージの先に所有したいものも含め) •ビルボードは“接触と所有”を混合し たチャート(両者は連動するが,ピコ 太郎のアルバム売上は予想を下回る) •所有が“売れる”,接触する機会が多 く流行っているとの印象が残るのが “ヒット”
  11. 11. 『えんとつ町のプペル』 •にしのあきひろ(西野亮廣)が制作 した絵本(発売:幻冬舎,2016/10/ 21,公称23万部)をwebサイトで全頁無料公開 制作スタッフにはすでに“給料” を支払っているので,損をする のは自分と出版社だけと西野は 主張した http://spotlight-media.jp/article/370505056378315909 これから,無料化できるところから無料化していって, 『お金』なんて,そもそも存在しなかった時代や,地域で, 行われていた『恩で回す』ということをやってみます。
  12. 12. “フリーミアム”の典型に •amazon書籍ランキングで1位 に上昇。Webと絵とでは体験 として質が異なるメディア 無料(フリー)で誘導して,有料 領域で利益を稼ぐ(「部分的に 無料化した方がクリエイター が救われる場合があります」) クラウドファンディングで集 めたのは4200万円の支援額
  13. 13. amazon「1円中古本」の構造 マーケットプレイス出店者には,送 料として1冊257円が支払われる。 ただし,成約料として1冊60円(小口 は100円)と販売価格の15%を手数料 としてamazonが控除する。 1円で売って1冊あたり約98円~198 円が出店者に支払われる。ゆうメー ルの料金(150g未満)は180円,特別 (1)は98~113円,(2)は67~82円。 収入を送料と仕入れ価格が上回れば, 辛うじて利益が見込める。 “場”を貸しているだけのamazonだけ が確実に利益が見込める。
  14. 14. 「1冊0円」の青空文庫 •没後50年が経過するなど著作 権切れ(PD)のテキスト(書籍)を0円でネット 公開する。入力・構成・校正はすべてボラン ティア。1月にPD化した山中峯太郎(戦時期 少年向け冒険・戦記小説家)はまだ1作のみ。
  15. 15. コピーレフトはライトとの 対比で用いる俗語であり, 学術的な用語ではない
  16. 16. 伽藍とバザール* •伽藍:体系的/組織的な開発 ビッグビジネス バザール:創発的開発/物々交 換的 伽藍はブラックボックスが多く秘密 主義。バザールは自由で開放的 両者は共存共栄で,どちらが欠けて も社会はうまく回らない *エリック・レイモンドが著したオープンソースに関する著作名
  17. 17. ハッカー文化 •80年代以降,コンピュータとネッ トワーク利用に関する対抗文化と してのハッカー* 文化が,プログラ ムの領域を超え,著作物全般,さ らには社会の編制原理にまで及び 始めた • ハッカー: コンピュータを自由自在に HACK し(切り刻み), 新たなハードウェアやソフトウェアを開発できるような高度な 技術能力を備えたユーザー
  18. 18. 古典的ハッカー倫理 •コンピュータへのアクセスは無制限 かつ全面的でなければならない •権威を信用するな •ハッカーは年齢・地位などのまやか しの基準ではなく,ハッキングに よって判断されなければならない •芸術や美をコンピュータで作り出す ことは可能である •コンピュータは人生を良い方向に変 える
  19. 19. フリーウェア •ハッカー文化の中で,互いに権利 を放棄し合い,無償でソフトウェ アを共有するフリーウェアの考え 方が生まれた •インターネットの設計は,もとも と学術・公共的領域だったので, 無償・公開・共有を大前提とせざ るをえなかった
  20. 20. フリーソフトウェア基金 •1985年:FSF(Free Software Foun- dation)の設立 •コンピュータ利用技術の発展のためには, ソースコードの入手は自由であるべき •GNU:一般公有使用許諾書(GPL:GNU general public license) によるライセンシング の開始
  21. 21. GNUプロジェクト •©は必ず入れる。GPL付きで配布。 自由に使っても,誰かにコピーをあ げても,ソースコードを改良しても, それを配布してもいい。 •ただし,再配布に際しては,コピー した人に同じ自由を認めなければな らない。どこかでソースコードが非 公開・コピー禁止になる事態を回避
  22. 22. オープンソースへ •1997年,E.S.レイモンドらがオー プンソースの呼称を提唱。Open Source Initiativeを組織し,その 要件などを整備。情報産業にとっ てGNUが知的財産を食い物にする 脅威ではなく,最先端の技術を自 社の財産に取り込むチャンスだと 訴えた ※その時点で,Free Softwareという呼称には, 狂信的・反商業的なイメージがつきまとっていた
  23. 23. •1.自由な再頒布ができること •2.ソースコードを入手できること •3.派生物が存在でき,派生物に同じライ センスを適用できること •4.差分情報の配布を認める場合には,同 一性の保持を要求してもかまわない •5.個人やグループを差別しないこと •6.適用領域に基づいた差別をしないこと •7.再配布において追加ライセンスを必要 としないこと •8.特定製品に依存しないこと •9.同じ媒体で配布される他のソフトウェ アを制限しないこと •10.技術的な中立を保っていること
  24. 24. オープンソースの理念 •LINUXなどネットワーク上で興味 を持つ人たちが共同・協調で開発 •誰も経済的権利を主張しない →Netscapeの資産などを 元に作られたオープンソー スによるブラウザ“Mozilla FireFox”
  25. 25. オープンソースの倫理 •義務→自分の楽しみ・誰かの役に 立つかもしれない •情報専有→情報共有 •金銭的報酬→仲間からの賞賛・評 判・名声 •絶対保証→最善努力・自己責任(= ベスト・エフォート) •協調性→創造性
  26. 26. オープンソースのメリット •多くの人が関われるので,信頼性 が高いソフトが開発できる •開発速度が速い(場合が多い) •開発コストが安くて済む •ユーザーの利益が守られる •開発・販売会社の動向に左右され ない
  27. 27. クリエイティブ・コモンズ •“All rights reserved”と“No rights reserved”の中間形態の可能性 •“Some rights reserved” •クリエイティブ・コモンズ・ライセ ンス •文書・動画・音楽・写真など多様な 対象
  28. 28. コモンズの考え方 •著作権放棄でもPDでもない(著作 権は存在・保有しているが,ビジ ネスを意識していない) •自由に使っても構わないが,相手 にも同様の自由を保証しなければ ならない
  29. 29. コモンズ(共有地)の悲劇 •共有地に誰もがアクセス可能にな ることで,牧草が枯渇し,誰も牛 を飼えなくなってしまう •悲劇を回避するには,社会主義と 共有化の方法がある。商業主義(民 営化)では問題は解決しない ギャレット・ハーディン(1968)『コモンズの悲劇』
  30. 30. むすんでひらいて •“伽藍カンパニー”は賞品の勃興期 はオープンにし,市場形成・拡大 期はクローズドにする傾向がある •市場縮小期になれば,コモンズ的 な再オープンの発想も •再オープンにする際は,フリーミ アムやシェアリングも選択肢 •“バザール”はフリーやシェアが原 則
  31. 31. UNIX •AT&T Bell Lab.がFree BSD* の機 能を取り込み,システムV系UNIXを 開発→Unix System Lab.社に移管 して,ソースコード公開を制限 •相互運用性を確保するため,DEC, HP,IBMがオープン・ソフトウェ ア・ファウンデーション(OSF)を設 立 Berkeley Software Distribution
  32. 32. 異機種間通信方法 •OSI(open system interconnection) が1980年代末,専門家集団の協議を 経て,プロトコルがISO(国際標準化 機構)で勧告 •電子メールもX.400 MHS(Message handling system)として標準化。日 本ではJUST PC規格。 •緩やかで汎用性が高い規格として, TCP/IPやSMTPが事実上の標準に
  33. 33. TCP/IPの標準化 •RFC(request for comments: コ メントのお願い)で専門知識を有す る誰もが参加できる開かれた意志 決定。迅速で,技術進歩に即応で きる。知的所有権も共有 •比較:ISOの標準化→選出された限 られた専門家集団による閉ざされ た意志決定。所属企業/団体/国の 思惑が絡み,意志決定が遅延がち
  34. 34. 標準化戦略の転換 •国家主導・企業(コンソシアム)主導の 専門型合議型の標準化作業の終焉? •1社による猪突猛進型(Microsoftや Apple)→伽藍型 •オープンソース→バザール型 •何らかのランドマーク(伽藍)が存在し ない場所にバザール(市)は立たない •逆に,バザールが繁栄しないと,伽 藍の力も削がれる

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