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1
平成27年
刑事実務基礎
2
チーム
目次
1.全体総評
2.設問ごとの解説
3.合格答案になるポイント
3
(1) 事実認定の比率がぐっと下がり、刑事手続について問う割合が増えた。
難易度はH27全体としては平易。
(2) 公判前整理手続の条文問題、証拠物の関連性問題、犯人性の証拠
構造問題は、刑事実務基礎向けの勉強をしていないと書きにくい。もっとも、
難易度としては過去の問題に比べると低いものであった。H26が全体として
難易度が高かったので、その反動で易化したと思われる。(特に公判前整
理)
(3)保釈の可否については権利保釈と裁量保釈の要件を淡々と論じる問題
であり標準的。
(4)伝聞供述の問題は刑事訴訟法の基礎論点であり平易。
(5)弁護士倫理が刑事では初めて出題。今後も出題可能性あり。難易度は
標準的。
1.全体総評
2.設問ごとの解説 設問1
4
次の【事例】を読んで,後記〔設問〕に答えなさい。
【事例】
1 A(男性,24歳)は,平成27年3月14日,V(男性,19歳)を被害者とする傷害罪の被疑事実で
逮捕され,翌15日から勾留された後,同年4月3日にI地方裁判所に同罪で公判請求された。
上記公判請求に係る起訴状の公訴事実には「被告人は,平成27年2月1日午後11時頃,H県I市
J町1丁目1番3号所在のK駐車場において,V(当時19歳)に対し,拳骨でその左顔面を殴打し,持
っていた飛び出しナイフでその左腹部を突き刺し,よって,同人に加療約1か月間を要する左腹部刺
創の傷害を負わせた。」旨記載されている。
2 受訴裁判所は,平成27年4月10日,Aに対する傷害被告事件を公判前整理手続に付する決定
をした。検察官は,同月24日,証明予定事実記載書を同裁判所及びAの弁護人に提出・送付すると
ともに,同裁判所に証拠の取調べを請求し,Aの弁護人に当該証拠を開示した。検察官が請求した
証拠の概要は,次のとおりであった。
(1) 甲第1号証 診断書
「Vの診断結果は左腹部刺創であり,平成27年2月2日午前零時頃,Vが救急搬送され,直ちに
緊急手術をした。加療期間は約1か月間である。」

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