セッション1 パネルディスカッションA 9:30~11:00(90分)
「機械翻訳の現在と未来:機械翻訳が新たに生み出すサービスは何か?」
【概要】
21世紀初頭はビックデータと機械学習を基盤とした人工知能によるイノベーションの時代と言って良い。10年前には不可能だと思われた音声認識や顔認識を代表とする画像認識が実用レベルに達した。コンピュータが人間に替わって自然言語を理解し、異なる言語に翻訳するという機械翻訳も今後10年で大きな性能向上が期待されている。本セッションでは多言語機械翻訳技術の現状と今後の進展を俯瞰した上で、機械翻訳が生み出す新たなサービスを議論する。新サービスは今ある人力の翻訳サービスの置き換えを狙うものだろうか? 答えは否。それは翻訳者向けの支援ツールに留まらず、特許、マニュアル、契約書等の社内文書を構造化し、多言語データベースとして管理するサービス、旅行者向け実時間翻訳サービス、さらにはグローバル企業がマーケティングに用いる多言語対応のインテリジェンスサービスを含むだろう。2020年のオリ・パラを契機に社会実装が急加速している機械翻訳のもたらす未来を参加者と共有したい。
パネルディスカッションのポイント:
オリ・パラを目指した機械翻訳のオールジャパンのプロジェクト
機械翻訳技術の現状と性能
機械翻訳技術の今後の進展
対訳コーパスを用いた機械翻訳チューニングの現場
機械翻訳導入のポイント
みらい翻訳の提供サービス
産業翻訳だけではない機械翻訳が新たに生み出すサービス
翻訳産業のとるべき道
<パネリスト>
JTF翻訳祭栄藤 稔(エトウ・ミノル)氏
株式会社みらい翻訳 代表取締役社長
【プロフィール】
3年毎にやることが変わる技術屋。学生時代は並列計算機を研究。パナソニックに就職と共にデジタルVCR試作。3年後ATRに出向しAIの研究。さらにATRから大学に行き、パターン認識研究。これで学位取得。パナソニックに戻りMPEG標準化のリーダー。2000年にドコモに転じ、モバイルマルチメディアを担当。そのときAppleと組んで定めたファイル形式がMP4。自称iPodの外祖父。2002年末に米国に異動となりMPEGのエミー賞受賞に貢献。2005年に日本に戻り、分散音声認識を商用化。2007年にデータマイニングを立ち上げる。これは「しゃべってコンシェル」で具現化。現在NTTドコモ執行役員とみらい翻訳社長を兼務し、機械翻訳の実用化に情熱を燃やす。
JTF翻訳祭隅田 英一郎(スミタ・エイイチロウ)氏
国立研究開発法人情報通信研究機構
ユニバーサルコミュニケーション研究所 副所長
【プロフィール】
30年以上、翻訳をやっている技術屋。IBM、ATR、NICTと三段跳びしながらも、一貫して機械翻訳を研究してきた。規則翻訳、用例翻訳、統計翻訳の全ての手法を熟知している。高精度の自動翻訳技術を創出し、74件の特許、230件の論文を公開した。ATR以降は音声翻訳にも注力し2010年に公開した音声翻訳のアプリVoiceTra、2014年に開始したカスタマイズできるテキスト翻訳のサイト「みんなの自動翻訳@TexTra」に貢献した。現在、音声翻訳の国プロ「グローバルコミュニケーション計画」を推進しながら、イノベーションの兆しが見えた機械翻訳にメラメ
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