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カリスマ経営者は、強い経営を行う「数字の極意」を知っている|経営を強くする 会計7つのルール|ダイヤモンド・オンライン
- 1. 2015/7/26 カ リスマ経営者は、強い経営を行う「数字の極意」を知っている|経営を強くする 会計7つのルール|ダイ ヤモンド・オンラ イ ン
http://diamond.jp/articles/print/75229 1/5
【第1回】 2015年7月23日 村井直志 [公認会計士村井直志事務所・代表]
カリスマ経営者は、
強い経営を行う「数字の極意」を知っている
スターバックスコーヒー、イケア、セブン&アイ・ホールディングス、楽天、星野リ
ゾート、俺のイタリアン、LINE……。売上や利益で2番手以下を大きくぶっちぎ
り、ダントツな経営ができている会社がある一方で、赤字決算が常態化し、そこから
脱却できない会社も無数に存在します。その両者を分けるものとは一体何なのか?
3000社の決算書を分析してきた会計士が、一流の経営者たちが大事にする「数字」
の極意を解き明かし、経営を強くする秘訣を提示します。
経営を強くする「数字の極意」とは
世の中には、売上や利益で2番手以下を大きくぶっちぎり、ダントツな経営ができ
ている会社があります。イケア、スターバックスコーヒー、セブン&アイ・ホールデ
ィングスなどがその代表格といえるでしょう。
一方、赤字決算が常態化し、経営難に陥っている組織も、無数に存在します。これ
ら両者を分ける要因とは、一体何なのでしょうか?
本連載では、その理由を会計的な視点から分析し、その秘密を明らかにし、あなた
のビジネスに役立てていただけるヒントを提供でれきればと思います。
経営の基礎言語である「会計」の本質を理解いただけるよう、わかりやすく解説し
ていきます。この機会に、経営管理(マネジメント)に必要な「数字」の理解を、ぜ
ひ深めてください。
筆者は20年以上、経営支援や不正調査、株式公開や事業再生、監査や税務等の「数
字」を使った業務を通じ、延べ3000社ほどの決算書を分析してきました。
そこでわかったことは、経営を強くするための「数字の極意」があるという事実で
す。一流の経営者と言われる人たちほど、自社にかかわる数字を、日ごろからよく観
ています。
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- 2. 2015/7/26 カ リスマ経営者は、強い経営を行う「数字の極意」を知っている|経営を強くする 会計7つのルール|ダイ ヤモンド・オンラ イ ン
http://diamond.jp/articles/print/75229 2/5
同業他社をぶっちぎる彼らは、自社にとって大切な数字は何かを肌身で知っていま
す。日々の売上や利益などの財務データや、その裏に隠された非財務データなどを駆
使し、数字を自社の経営指標としてフルに活用し、日々挑戦しています。
彼らは、数字を観て、何か異常を感じたら、すぐに対策を考え、手を打ちます。だ
から、強い経営、ダントツな経営ができるのです。
数字を経営に活かす7つのルール
そのポイントは、「数字」を経営に活かす以下の7つのルールにあります。
この7つのルールは、筆者の長年の実務経験に加え、一流の経営者たちの著作から
読み取った経営のエッセンスを筆者なりに分析・体系化したものです。
ルール1 客単価をつり上げる
ルール2 顧客数を増やす
ルール3 優良顧客を見極める
ルール4 ビジネスを高回転させる
ルール5 好調品に集中特化する
ルール6 ダラリを排除する
ルール7 プロセスを複眼で観る
この7つのルールは、経営を強くする経営管理(マネジメント)の定石と言えま
す。
以下の図は、「売上ー経費=利益」という儲けのグランドセオリーと7つのルール
との関係を表しています。
- 3. 2015/7/26 カ リスマ経営者は、強い経営を行う「数字の極意」を知っている|経営を強くする 会計7つのルール|ダイ ヤモンド・オンラ イ ン
http://diamond.jp/articles/print/75229 3/5
儲けのグランドセオリーと7つのルールの関係
強いと呼ばれる経営を行うカリスマ経営者たちは「売上のような数字を見るだけで
は、強い経営はできない」ということを熟知しています。
経営を強くするために不可欠な「数字」をコミュニケーションツールにして、ドン
ドン強い経営を行っています。
彼らの「数字の極意」を学んで活かせば、あなたのビジネスもきっと変わります。
強い経営を行っているカリスマ経営者たちの思考パターンを学び、あなたの経営(ビ
ジネス)に「数字」をコミュニケーションツールとして大いに活用し、挑戦してみて
ください。
1つの数字の裏に隠された事実をえぐる
「ダントツ経営」と聞いて、あなたは、どんな会社を思い浮かべますか?
トヨタ自動車やユニクロで知られるファーストリテイリング、ソフトバンク、外国
企業ならアップルやイケア、スターバックスコーヒーなどを思い浮かべるでしょう
か。
販売力や商品開発力に優れ、消費者からブランドとして認められ、同業他社よりも
売上や利益をたくさん稼ぎ、業績が右肩上がりの会社――。概ねそんなところでしょ
う。
こうした会社が、間違いなく実践していることがあります。
- 4. 2015/7/26 カ リスマ経営者は、強い経営を行う「数字の極意」を知っている|経営を強くする 会計7つのルール|ダイ ヤモンド・オンラ イ ン
http://diamond.jp/articles/print/75229 4/5
それは「数字」を経営に活かし、ビジネスを革新している、という事実です。
売上増加にしろ経費削減にしろ、儲けを生み出すネタは日常にゴロゴロしていま
す。これを「数字」で自社・自分に引きつけて考えられる会社が、筆者の考える強い
会社です。
強い経営には、稼ぐ力があります。この稼ぐ力、つまり「売上高」は、そもそも何
を意味するのでしょうか? それは、商品やサービスを提供し、お客様から代金を頂
戴することに他なりません。
では、この一連のプロセスには、どんな「数字」が隠されているのでしょうか。こ
の点を深くえぐることが、強い経営をするポイントです。
そもそも売上高は、以下の式で表すことができます。
売上高=客単価(Price)×顧客数(Quantity)
客単価が高く、顧客数が多ければ、当然、売上高は大きくなります。
単純に「前期は売上が多かった」「今期は予算の9割しか売り上げなかった」と、
ありきたりな見方をしていてはダメなのです。
強い経営は「数字を分解」し、その裏に隠された事実を解明するというアクション
を必ず実行しています。
端的に言えば「P×Q」に分けて数字を観る。
これが強い経営の1つ目のキーワードです。
数字に対する理解を深めれば、経営を強くすることができる
・売上高のような数字を、その構成要素である「P×Q」に分解する
・それらが増えたり、減ったりした根本原因は何かを考える
・どうすれば「P×Q」を高めることができるのかを考える
強い経営には、こうした「数字」に対する理解や取り組みが不可欠なのです。
「イノベーションとは商品を見直すことではなく、関係について考え直すこと」とい
うスターバックス創業者のハワード・シュルツ氏の言葉があります。これは、数字に
対する理解についても同じことが言えます。
「売上高のような数字を、P×Qの関係について考え直す」
- 5. 2015/7/26 カ リスマ経営者は、強い経営を行う「数字の極意」を知っている|経営を強くする 会計7つのルール|ダイ ヤモンド・オンラ イ ン
http://diamond.jp/articles/print/75229 5/5
これこそが、強い経営へとイノベーションする第一歩なのです。
P×Qの存在がわかれば、経営に必要な「数字」の半分を理解したようなもので
す。あとは、
・PやQにどんな要素があるのか?
・PやQをどのように経営に活かせばよいのか?
・PやQを高めるには、どのような策があるのか?
こうした「数字」に対する理解を深めていければ、経営を強くすることができま
す。次回は、さらにもう一歩踏み込んで、PやQの構成要素は何かを、考えてみまし
ょう。
※次回は、7月28日(火)に掲載します。
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