https://www.slideshare.net/keikotweetie/civil-society-internet-week-2023pdf の投影資料です。

1. インターネットと
“civil society” のハナシ
～カルチャー・市民メディアの視点から
keiko tanaka | CC-BY-NC 4.0 |InternetWeek 2023｜
スナックまさこ版

2. 質問
Internet Governance Forum 2023 京都に
✊行ったよ？という方✊

3. About Me はじめまして
現職：京都情報大学院大学 助教
🆕サイバー京都研究所 研究員
前職：GlobalVoices.org
Civil societyの声を届けるメディア
インターネットと表現の自由に特化
■ ヘイトスピーチ
■ ディスインフォメーション
■ 法規制や改正に対する市民の
反応など

4. 自己紹介：IGF開催に併せた活動
● 若者をフィーチャーしたプレイベン
トを10月7日に開催
● 英字パンフレットを制作し、国内の
CSOを紹介
● 国内外の関係者の知見の共有・交流
を目的としたサイドイベントを開催
し通訳・司会

5. ✊なぜ？
インターネットガバナンスのあり方を巡って
市民社会の役割が期待されるのか

6. IGFとは

7. IGFのことを考える前に…
国際政治のプレーヤー
● 国民国家：国民に主権。投票による代議制
● 多国籍企業↗🆙
● NGO/NPO ：🆕 これがcivil society organization≒市民社会

8. Civil Society Orgnization（CSO） 市民社会って？
● 国家、企業に対するNGO、NPOなど集団行動（Collective action）の主体
● 何らかのコミュニティをレぺゼン・代弁する（例：先住民、女性、青少年、LGBTQ
など）
● 団体の利益ではなく、コミュニティの利益のために働く
● 法人格は問わない （○○ネット、○○の会のような市民団体も）
● アカウンタビリティを追及する特徴がある（多国間交渉においてはウォッチドッグ
としての機能を果たすことが期待される）
● エンパワーメントプロジェクトである

9. IGF以外の多国間交渉のモデルと市民社会
例：G8、WTO、COP20など
クローズドアのハイレベルミーティング
WTO: ナイキ vs HRW (c.f. Via Campesina）
COP20：ネスレ vs FoE、360.org
入れない、意見は聞き入れられない⇒反対運動 ←→”be civil!”

10. インターネット以前のマスコミ中心の情報空間

11. インターネット以前のマスコミ中心の情報空間
● マスコミ（メディアコングロマリット）と市民メディア（パブリックアクセ
ス）
○ FOX,CNN vs DemocracyNow!
○ Clear Channel vs Pacifica, KQED
● 集中排除原則とかFCC、フェアネスドクトリン
● マスコミの問題
○ 戦争報道
○ 消費文化
● 「ゲートキーパーだ！」（c.f. 欧州DMA）

12. インターネットガバナンス領域のメジャーなCSO
● AccessNow (RightsConの主催）
● Association of Progressive Communication
● Amnesty International
※ここに挙げているのはAから始まる人権系に偏っていますが、気候変動や女
性、青少年保護などいろんな国際NGOがIGFには来ます
財政基盤
慈善団体がバックにいる（Open Society Foundation, ゲイツ財団など）
企業もスポンサーになる
人材
国際関係＋人道支援＋IT＋法＋多言語

13. IGFにおけるCSO
参加目的
● ナレッジ・キャパシティビルディング
● アドボカシー、意識啓蒙、社会課題の解決
● エンドユーザを代表するために
🧐 日本からの参加者の目的はどうだったでしょうか？
地理的な偏り：
アメリカ、ベルギー（EU関連）、イギリス、ドイツ、オランダ、ブラジル、インド
ロビー活動：アウトサイドロビーと呼ばれるメディア戦略（世論に働きかける活動）情報活動、署
名等への動員、不買運動やストライキ、デモなどの抗議

14. CSO例：AccessNow
RightsConというユーザ/主権者の権利にフィーチャしたカンファレンスを開催し
ている。次は2025年にソウル
テクノロジー企業から政府代表者、人権擁護活動家に至るまで、すべての利害関
係者が権利を尊重したデジタルの未来を構築するために結集できる、市民社会主
導のスペース

15. 日本にもこんなのが欲しい The MarkUp
● Markup は、テクノロジーが社会に与える変化について調査する非営利のニュース
ルームであり、意味のあるデータドリブンな調査報道を行う
● コンテンツはクリエイティブコモンズライセンス(NC-ND 4.0)

16. 日本は平和だから？
世界から見た今の日本・・・
● 2023年の国際社会における日本
○ ジェンダーギャップ 世界125位/146
○ 報道の自由ランキング 世界68位/180
○ ネットの自由スコア 77点/100点
■ うち ユーザ権利の侵害 26点/40点
■ 2013年は22点/100

17. 日本のシビルソサエティにとってのインターネット
インターネットで差別やハラスメントの被害を経験
国連人種差別撤廃委員会からの勧告
メディアやインターネットにおけるヘイトスピーチならびに政治家・公務員による人種差別
を許容・先導する発言について度々非難され、勧告を受けているが・・・

18. ポストデジタル時代の権利擁護は
誰が担うか？

19. Nadia Tjahja, Trisha Meyer, Jamal Shahin,
What is civil society and who represents civil society at the
IGF? An analysis of civil society typologies in internet
governance,
Telecommunications Policy,
Volume 45, Issue 6,

20. 欧米で進むAI倫理の展開と教育
欧州
● IT専門職業人材向けIT専門職業人
材向けの欧州共通規格e-CFに新た
に柱となる職業倫理の策定に目下
取り組んでいる
● e-CFを教育機関が活用するための
カリキュラムガイドラインも開発中

21. 欧米で進むAI倫理の展開と教育
アメリカ
● Association for Computing Machinery
（ACM） では2018年6月に，26年ぶりに
倫理綱領（Code of Ethics and
Professional Conduct）を改定
● 新たに最先端技術，差別，プライバシー
に対応する事柄を盛り込む．
● 推奨カリキュラムにおいて学習項目とし
て参照され，社会が恩恵を受けるため
に技術者が果たすべき責任について明
記

22. なぜポストデジタルで権利擁護を考えなければならないか
あいまいなアカウンタビリティの所在「メニーハンズ」
「サイバー委譲 」”Cyberdelegation” が起きる：政府および公共機関が、技術的専門知
識不足のため、ガバナンスを目的としたデータの収集または分析のタスクを民間のテク
ノロジー組織に外部委託するプロセス。例えば 福祉の割り当て、医療サービス、犯罪の
検出と予測、国家安全保障、防衛、教育など
前代未聞であることが常態化する "normalized unprecedentedness" (Atwater, 2021)
わからない→無力化

23. 来年のIGFに向けて
2024年IGFの開催国は？
インターネット遮断 （参考）

24. Equity not Equality