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関係フレーム理論における研究―IRAPを用いた研究と理論の発展―.pdf
- 2. 3 関係フレーム理論研究の全体像 Implicit Relational Assessment Procedure: IRAP IRAP研究からの理論の発展 今後の方向性 発表内容 目的：関係フレーム理論の研究から、 今後のルール支配行動研究の方向性を考える 内容と目的
- 3. (Hayes, Barnes-Holmes, & Roche, 2001) 2 恣意的に適用可能な関係反応 : Arbitrary Applicable Relational Responding(AARR） を般化オペラント行動として解釈 フレームの発見: 等価、反対、相違、比較、時間、空間、 指示的、階層など AARRの強さを測定するIRAP（PC課題） Barnes-Holmes et al. (2006; 2010) DAARRE model IRAPの用いた刺激の機能などを詳細に解釈する (Finn et al., 2018) 関係フレーム理論の基礎研究 恐怖反応の般化 Dougher et al. (2000; 2007) Relating Orienting Evoking: ROE 人間の心理的な動きを捉える広い分析ユニット (Barnes-Holmes et al. 2020) 自己や視点取得の説明 知能 Cassidy, Roche, & Hayeset al. (2011) ルール支配行動の解釈 O’Hora et al. (2004; 2014) HDML model 基礎と応用をつなげ、RFT研究を拡張させるため。 AARRを複数のレベルと次元で細かく分析する枠組み (Barnes-Holmes et al., 2020) 関係フレーム理論研究の全体像
- 4. 4 ・関係フレーム理論の領域から発展（Barnes-Holmes et al., 2010） ・刺激間の関係反応の強さ(AARR)を測定するPC課題 ・回答制限が2、3秒 ・回答に嘘がつけない ・臨床関連症状の予測力が高い （Vahey et al., 2015） （McKenna et al., 2007） Implicit Relational Assessment Procedure: IRAP
- 15. 15 昨夜、実際に試してみました
- 16. 16 昨夜、実際に試してみました
- 18. 18 変容のアジェンダIRAP (Inoue et al., 2020)
- 20. 2-2 アクセプタンスーネガティブ 1-2 変容のアジェンダーネガティブ 1-1 変容のアジェンダーポジティブ 2-1 アクセプタンスーポジティブ ※「良くなる」の他に「楽になる」「解決する」 ，「悪くなる」の他に「辛くなる」「苦しくなる」 変容のアジェンダIRAPの項目（一致試行）
- 21. 2-2 アクセプタンスーネガティブ 1-2 変容のアジェンダーネガティブ 1-1 変容のアジェンダーポジティブ 2-1 アクセプタンスーポジティブ ※「良くなる」の他に「楽になる」「解決する」 ，「悪くなる」の他に「辛くなる」「苦しくなる」 変容のアジェンダIRAPの項目（不一致試行）
- 22. 2-2 アクセプタンスーネガティブ 1-2 変容のアジェンダーネガティブ 1-1 変容のアジェンダーポジティブ 2-1 アクセプタンスーポジティブ ※「良くなる」の他に「楽になる」「解決する」 ，「悪くなる」の他に「辛くなる」「苦しくなる」 変容のアジェンダIRAPの項目（一致試行）
- 23. 2-2 アクセプタンスーネガティブ 1-2 変容のアジェンダーネガティブ 1-1 変容のアジェンダーポジティブ 2-1 アクセプタンスーポジティブ ※「良くなる」の他に「楽になる」「解決する」 ，「悪くなる」の他に「辛くなる」「苦しくなる」 変容のアジェンダIRAPの項目（不一致試行）
- 25. 25 ・ACT学習者19名 （男性10名，女性9名，平均年齢25.68±4.63） ・ACT非学習者34名 （男性10名，女性24名，平均年齢20.15±1.37） 解析に使用したデータ ✓ACT学習者の基準 ACTの学習を1年以上している者で， ACTの知識がどのくらいありますか？という項目に 1～10（全くない～とてもある）で5以上に回答した者 ✓ACT非学習者の基準 上記の項目で1に回答した者 変容のアジェンダIRAPの妥当性の検証
- 26. 26 -0.800 -0.600 -0.400 -0.200 0.000 0.200 0.400 0.600 CA-IRAP Mean D Scores ACT learner Non-ACT learner High change agenda / Low acceptance rule Low change agenda / High acceptance rule CA/Posi CA/Nega Accept/Posi Accept/Nega Overall ** *** * ** ** 仮説を支持 全ての試行タイプでACT非学習者はACT学習者に 比べて，変容のアジェンダIRAP得点が高いことが示された。 N = 19 N = 34 嫌 な 気 持 ち を な く そ う と す る と ー 良 く な る ー は い 嫌 な 気 持 ち を な く そ う と す る と ー 悪 く な る ー い い え 嫌 な 気 持 ち を 受 け 入 れ る と ー 良 く な る ー い い え 嫌 な 気 持 ち を 受 け 入 れ る と ー 悪 く な る ー は い 合 計 得 点 変容のアジェンダIRAPの妥当性の検証
- 27. 27 実際のアクセプタンス行動 仮説 Pre時点で変容のアジェンダが低い者は、アクセプタンスの介入に よって、アクセプタンスの行動が増えやすいだろう。 22名 26名 IRAP得点がどの程度、実際の行動を予測するか？ Inoue et al. (2020). ACBS Poster session
- 28. 28 Measures N =22 1 2 3 4 5 6 7 8 1. CAQ-b in pre 2. 変容のアジェンダ-Positive in pre 0.42** 3. 変容のアジェンダ-Negative in pre -0.03 0.44* 4. アクセプタンス-Positive in pre 0.24 0.39† 0.10 5. アクセプタンス-Negative in pre 0.09 0.21 0.11 0.29 6. IRAP合計得点 in pre 0.23 0.82** 0.67** 0.63** 0.43* 7. アイコンタクト時間の 変化(Post / pre) -0.20 -0.04 0.22 -0.04 0.19 0.10 8. スピーチ中の不安の変化量 (Post–Pre) 0.15 0.22 0.05 0.22 0.34 0.28 -0.22 9. スピーチ後の反芻の変化量 (Post–Pre) 0.19 0.20 0.19 0.50* 0.25 0.36† -0.03 0.43* アクセプタンス群22名において 仮説に反し、アイコンタクト 時間の変化と各IRAP項目に 関連は示されなかった Preでアクセプタンスーポジティブの関係反応が強い者は，アクセプタンス 介入によってスピーチ後の反芻の量がPreよりもPostで減少した。 結果
- 30. 25 色：赤、緑、青 形：四角、円、三角 2秒以内の回答が要求 Color-Shape IRAP (Finn et al., 2018)
- 31. Differential Arbitrarily Applicable Relational (DAARRE) model ・IRAPで用いる刺激の機能や関係性を整理し，得点の解釈を行う （Finn et al., 2018） Orienting function（定位機能）Cfuncプロパティ 刺激に注意を向いたり，気づくこと 色は形よりも日常の中で 高頻度で接触すると考え られ，注意が向けられや すいためプラス 刺激と刺激の関係性 一貫しているか？ 自然言語の中でTrueは 肯定的な反応なのでプラス
- 32. 28 第一試行のみ、得点が顕著に出る理由を説明した。 Color-Shape IRAP (Finn et al., 2018)
- 34. クモ or ネコの画像 ターゲット刺激 つかむことができる or 逃げる ・Leech et al. (2016; 2017)の結果をDAARREmodelから解釈 Orientingだけではなく、Evokingを加えて解釈 嫌悪的 Evoking function（喚起機能） 刺激や出来事が好ましい（appetitive）か嫌悪的（aversive） か中性（neutral）か 好ましい Evoking 機能（Barnes-Holmes et al., 2020） ラベル刺激
- 35. 34 Relating, Orienting, Evoking: ROE ROEing Relating（関係づけ） 刺激や出来事の言語的な関係づけられる方法 Orienting（定位）刺激や出来事に気づいたり，注意を向ける，関与すること Evoking（喚起）気づいた刺激や出来事が希求的，嫌悪的，中性的か ヴァーチャルな全ての心理的活動の分析ユニット 3つは個別ではなく，常に連動している。 基礎的～複雑なAARRまでを捉える（HDMLの枠組みの中で）。 実験や臨床事例の分析にも使用される。 （Y. Barnes-Holmes, McEnteggart,& D. Barnes-Holmes et al., 2020）
- 37. 37 -0.800 -0.600 -0.400 -0.200 0.000 0.200 0.400 0.600 CA-IRAP Mean D Scores ACT learner Non-ACT learner High change agenda / Low acceptance rule Low change agenda / High acceptance rule CA/Posi CA/Nega Accept/Posi Accept/Nega Overall ** *** * ** ** 「嫌な気持ちをなくそうとする」への、 Orienting（注意も向く）もEvoking （なくすことにも希求的）も強いためプラス 一貫した 関係 一貫して いない ACT非学習者の観点から
- 38. 38 -0.800 -0.600 -0.400 -0.200 0.000 0.200 0.400 0.600 CA-IRAP Mean D Scores ACT learner Non-ACT learner High change agenda / Low acceptance rule Low change agenda / High acceptance rule CA/Posi CA/Nega Accept/Posi Accept/Nega Overall ** *** * ** ** 「嫌な気持ちを受け入れる」の方が、 高頻度で接しており、Orientingはプラス、 実際の体験からもEvokingはプラス 一貫して いる 一貫して いない 「嫌な気持ちをなくそ うとする」へEvoking はマイナス ACT学習者の観点から
- 41. まとめ RFTのルール支配行動研究の方向性案 ・ROEやHDMLの理論に沿った実験研究の実施 ・IRAPなどを用いて、異なる２つの集団を対象に特定のルールに 関する分析を行う方向性 ・介入によって仮説通りにIRAPの得点を操作できるか？ ・IRAP得点の変化が実際の行動指標を予測できるか？ ・IRAPの離脱率や信頼性の問題→新たな課題の開発の必要性もあり Barnes-Holmes et al. （2020） • IRAP課題では、提示された刺激の関係づけと刺激が持つ機能の 動的な相互作用が存在する。 • 日常で発生する関係ネットワークをIRAPで検討できるのであれば、 IRAPの結果に関する機能分析は制御変数について、重要な示唆を もたらす。
- 42. 引用文献 Barnes-Holmes, D., Barnes-Holmes, Y., Power, P., Hayden, E., Milne, R., & Stewart, I. (2006). Do you really know what you believe? developing the implicit relational assessment procedure (IRAP) as a direct measure of implicit beliefs. The Irish Psychologist, 7, 169-177. Barnes-Holmes, D., Barnes-Holmes, Y., Stewart, I., & Boles, S. (2010). A Sketch of the Implicit Relational Assessment Procedure (IRAP) and the Relational Elaboration and Coherence (REC) Model. The Psychological Record, 60, 527–542. Barnes-Holmes, D., Barnes-Holmes, Y., & McEnteggart, C. (2020). Updating RFT (More Field than Frame) and its Implications for Process- based Therapy. Psychological Record, 70, 605–624. Cassidy, S., Roche, B., & Hayes, S. C. (2011). A Relational Frame training intervention to raise intelligence Quotients: A Pilot study. The Psychological Record, 61, 173–198. Dougher, M. J., & Hackbert, L. (2000). Establishing Operations, Cognition, and Emotion. The Behavior Analyst, 23, 11–24. Dougher, M. J., Hamilton, D. A., Fink, B. C., & Harrington, J. (2007). Transformation of the discriminative and eliciting functions of generalized relational stimuli. Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 88, 179–197. Finn, M., Barnes-Holmes, D., & McEnteggart, C. (2018). Exploring the Single-Trial-Type-Dominance-Effect in the IRAP: Developing a Differential Arbitrarily Applicable Relational Responding Effects (DAARRE) Model. The Psychological Record, 68, 11–25. Hayes, S. C., Barnes-Holmes, D., & Roche, B. (Eds.). (2001). Relational frame theory: A post-Skinnerian account of human language and cognition. Kluwer Academic/Plenum Publishers. Inoue et al. (2020). Reliability and Validity of the Implicit Relational Assessment Procedure (IRAP) as a Measure of Change Agenda. The Psychological Record, 70, 499–513. McKnenna, I, Barnes-Holmes, Y., & Stewart, I. (2007). Testing the fake-ability of the Implicit Relational Assessment Procedure (IRAP): The first study. International Journal of Psychology and Psychological Therapy, 7, 253–268. O’Hora, D., Barnes-Holmes, D., & Roche, B. (2004). Derived Relational Networks and Control by Novel Instructions: A Possible Model of Generative Verbal Responding. The psychological Record, 54, 437–460. O’Hora, D., Barnes-Holmes, D., & Stewart, I. (2014). Antecedent and consequential control of derived instruction-following. Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 102, 66–85. Vahey, N. A., Nicholson, E., & Barnes-Holmes, D. (2015). A meta-analysis of criterion effects for the Implicit Relational Assessment Procedure (IRAP) in the clinical domain. Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry, 48, 59–65.