「放射能について学ぼう」(改)
- 2. Q,放射能とは?
A,大雑把に言うと・・・
強いエネルギーを持ったビーム。
・放射線 たくさん浴びると身体に良くない。
・放射性 放射線を出す物質のこと。
非常に不安定なので、放っておくと
物質 どんどん無くなっていく。
放射性物質が放射線を出す
・放射能 能力のこと。
- 3. ● 放射性物質が崩壊して放射線を出すイメージ
①放射性物質 ②放射性物質の崩壊 ③安定した物質へ・・・
特徴:不安定。破裂'崩壊(しそう 放射性物質が破裂して、放射線を1発出す。 特徴:放射線を出してスッキリしたので
もうこれ以上放射線は出さない。
放射線
・基本的に、1 個の放射性物質は 1発放射線を出したら安定し、もう放射線は出さない!
'※物によっては二段階破裂してβ線、γ線のように2発放射線を出すようなものもある。(
・放射性物質は、種類によって色々な確率でランダムに破裂'崩壊(する。
破裂しやすい物質や、なかなか破裂しない物質など、種類によってかなりの差がある。
・破裂'崩壊(した時に出る放射線の種類も、放射性物質の種類によって異なる。
- 4. Q,今回の事故で出てきた放射性物質は何?
A,主に以下の3種類
・ヨウ素'I-131( 今回の事故で一番多く発生。水に溶けるので
野菜や水道水を汚染してるのはこれ。
ただし、8日間放っておくと半分に減るので
2ヶ月くらいでほぼ完全に無くなる。現段階で
郡山では気にしなくていい程度に減少。
・セシウム'Cs-137( パワーは弱いが寿命が長い。30年経たないと
半分に減らない。しかし、水にほとんど溶け
ない'というか、ほとんど土にくっつく(ので、
フィルターではじかれて水道水には混じらない
し、万が一飲み込んでもほとんどは尿と一緒
に排出される。
・セシウム'Cs-134( 性質的にはCs-137とほぼ同じ。ただし、半減期
は2年と短く、数年経てばかなり減少すると考
えられる。
- 5. ● 放射性物質の半減期のイメージ
・例えば、半減期8日の放射性ヨウ素の場合・・・
8日後
10個の放射性ヨウ素があると・・・ 8日間で5個の放射性ヨウ素が崩壊して安定。
'※その際に5発の放射線を出すイメージ。(
・それでは、半減期30年のセシウム137の場合は・・・
30年後
10個のセシウム137があると・・・ 30年かかって、ようやく5個のセシウム137が
崩壊して安定するということ。
'※つまりヨウ素より崩壊しにくい→放射線を出しにくい!(
- 6. ・では、半減期24000年と超長いプルトニウム239の場合は・・・?
24000年後
10個のPu239があると・・・ 24000年かかって、やっと5個のPu239が
崩壊して安定する!
'※つまり全然崩壊しない→放射線も滅多に出さない!(
・試しに、半減期24000年のプルトニウム239を1年間放置してみると・・・?
1年後
10個のPu239があると・・・ 確率的に24000年に半分しか崩壊しないの
で、1年経っても、ほぼ間違い無く1個も
崩壊していない!
'※崩壊していない→放射線も出していない!(
☆総量が少ない場合、半減期が長い方が放射線を出す量は少ないのでリスクは小さい!!
- 7. Q, シーベルト'Sv( や ベクレル'Bq( って何?
A, 次の通り。
放射線を浴びた量を表す単位。
・シーベルト'Sv( 1Svは1000mSvで、1mSvは1000μSv。
2.0μSv/h'毎時(なら、1時間に2.0μSvだけ
放射線を浴びちゃいますよ、という意味。
100mSv'100000μSv(までは浴びても
ダメージは無いと考えられている。
・ベクレル'Bq( 放射性物質が放射線を出す量。
食べ物の汚染度合いを表す時などに
よく使われる。200Bq/kg'毎キログラム(
なら、これを1kg食べたら200Bq分の
放射性物質を食べることになりますよ、
という意味。セシウム'Cs-137(の場合、
1Bq = 0.013μSvと計算してOK。
- 9. ☆オマケ:ちなみに・・・ 自然の中に存在する放射性物質は?
●実は自然界の中には色々な放射性物質があります。いくつか例を挙げてみましょう。
日本では平均15Bq/m 3 の放射性ラドンを含む。
・空気中 つまり空気1m 3 中では常に1秒間に15個の
ラドンが破裂'崩壊(し、放射線を出している。
1本あたり10~15Bqの放射性カリウムを含む。
・バナナ つまりバナナ1本の中では常に1秒間に10~15
個の放射性カリウムが破裂'崩壊(し、放射線を
出している。
人間1人には6000~7000Bqの放射性カリウム
・人間 や放射性炭素を含む。つまり人間の中では常に
1秒間に6000~7000個の放射性物質が破裂
'崩壊(し、放射線を出している。
☆このように、放射性物質は意外と身の回りにもたくさんあります!!
- 10. ● 放射線の種類と性質
※今ある放射線源から出てるのは主にβ線、γ線の2種類のみ。
測定されているのは透過性の強いγ線のみ。
- 11. Q, 郡山は今、どのくらい危険なの?
A, 全然危険ではありません。'10月28日現在(
0.8μSv/h ・・・ 1時間で0.8μSv浴びる。
・放射線量 仮にこのまま数年間ずっと浴び続けても
ダメージはほぼ無い。
普段のブラジルのガラパリより低いくらい。
現時点で放射性ヨウ素はほぼ無くなっており
・水道水 気にする必要は無い。'実際検出されてない(
・空気中の 少なくとも、原発から新たに拡散された
放射線源は無い。空気中に舞っている放射性
放射線源 物質もほぼ無いと言って良い。
- 12. ● 放射性物質を体内へ取り込む事'内部被曝(への心配
・飲食物について 放射性ヨウ素'I-131(が主に心配の要因。
だが、3月15・16日以降、新たな放射性
物質の散布は見られない。既に20回以上
の半減期をむかえているので、現段階で
気にする必要の無いレベルに減少。
・空気中の放射性 半減期の長いセシウム'Cs-137(等は
物質について まだ残っているので、場所によっては埃と
一緒に空気中に舞い上がる可能性も。
しかし、肺に吸い込んでしまったとしても、
ほとんどは繊毛上皮の働きで痰として
排出され、わずかに肺胞に入ったものは
リンパ管に吸収され血中に入り、いずれ
排出される。結論から言うと、気にしない
で良いレベル。
- 13. Q,そもそも外部被曝と内部被曝の違いって何?
A,一番の違いは被曝量の『単位』!
「~Sv/h'時間(」や「~Sv/s'秒(」など、
・外部被曝 単位時間あたりにどれだけの放射線による
ダメージを受けるかで表すのが普通。
普通の場合「~Sv/50年」で考えられる。
・内部被曝 乳幼児の場合「~Sv/70年」。
放射性物質が体内から無くなるまでに合計
でどれだけダメージを受けるかを予想して
求められている。'ここが重要!!(
これを預託線量という。
体内に取り込んだ放射性物質の量'Bq(
に放射性物質毎の係数をかけて求める。
- 14. ☆例えば、色々な放射性物質を'Bq(→'Sv(換算してみると・・・
1Bqを体内に取り込んだ時に受ける影響は以下のとおり
預託線量
・ヨウ素131'I-131( 1Bq → 0.022μSv '注:←もうありません(
・セシウム137'Cs-137( 1Bq → 0.013μSv
・セシウム134'Cs-134( 1Bq → 0.019μSv
・ストロンチウム90
1Bq → 0.028μSv '注:←ない。(
'Sr-90(
・プルトニウム239
1Bq → 0.25μSv '注:←これもない。(
'Pu-239(
ここで注意してもらいたいのは、この預託線量は
「食べ物を食べたらすぐに被曝する」という訳ではないし、
「体内に取り込んで以降毎年ずっと被爆し続ける」というものでもないという事。
「今後50年間でほんのちょっとずつ、合計これだけ被曝する予定ですよ。」という
値である'物によるけど(。つまり、見た目より案外大した事ない場合もある。
- 16. ● 放射性セシウムに関する指標値の国際比較
'単位: Bq/kg(
肉・卵・魚
飲料水 牛乳・乳製品 野菜類 穀類
その他
日本 200 200 500 500 500
コーデックス 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000
米国 1,200 1,200 1,200 1,200 1,200
EU'欧州( 200 200 500 500 500
・希釈効果の係数'0.5(により、規制地は高めに設定されている。
なので、この半分以下の食物は完全に気にする必要無し。
・コーデックスとは世界的な食品の国際規格のこと。
国連食糧農業機関'FAO(と世界保険機関'WHO(によって設置され
ている。この基準と比較しても、日本の基準は決して高い訳ではない。
- 19. 放射性核種に関わる日本・各国及びコーデックスの指標値
'単位 Bq/kg(
放射性ヨウ素 I-132 放射性セシウム Cs-134, Cs-137
肉・卵・魚・その
飲料水 牛乳・乳製品 野菜等 その他 飲料水 牛乳・乳製品 野菜等 穀類
他
日本 300 300 2000 魚介類2000 200 200 500 500 500
Codex 100 100 100 100 1000 1000 1000 1000 1000
シンガポール 100 100 100 100 1000 1000 1000 1000 1000
タイ 100 100 100 100 500 500 500 500 500
韓国 300 150 300 300 370 370 370 370 370
食肉・水産470 食肉・魚・甲殻類
中国 - 33 160 穀類160 芋類80
- 330 210 210 800 芋類90
香港 100 100 100 100 1000 1000 1000 1000 1000
台湾 300 55 300 300 370 370 370 370 370
フィリピン 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000
ベトナム 100 100 100 100 1000 1000 1000 1000 1000
マレーシア 100 100 100 100 1000 1000 1000 1000 1000
米国 170 170 170 170 1200 1200 1200 1200 1200
EU 300 300 2000 2000 200 200 500 500 500
Q, 日本の野菜・魚介類のヨウ素2000Bq/kgとか、やっぱり高すぎるのでは!?
A, 例えば、日本の場合、魚介類を採り、検査し、市場に出回り各家庭の食卓に届くまでかなりの
時間が経ちますよね。ヨウ素の半減期は8日なので、その間にかなりの割合のヨウ素が無くなって
いきます。なので、日本の規制値はこの数値でも問題が無い訳です。規制値にはこのように各国
毎の事情が加味されています。セシウムの規制値も同様です。他国と比べてどうこう言うのは、
実はあまり意味がない事なんですよ。 『食品における放射性物質の暫定規制値の考え方』
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jrr/gimon/gakai1.pdf
- 21. ● 地面に付着したセシウムはどの程度空気中に舞っている?
・Cs-137'セシウム(の場合、再浮遊係数は1/1000000とされている。
'※米国放射線防護測定審議会『NCRP』により定められた係数(
・つまり、具体的にどういう事かと言うと・・・・
1m 2 に1000000Bqの放射性セシウムが その上部の1m 3 中に浮かび上がるセシウムは、
あるとすると・・・ 1Bqだけ。'要は、ほとんど浮かび上がらない(
1Bqの放射性セシウム
1000000Bqの放射性セシウム
- 22. ☆オマケ:ザベリオ学園の校庭のセシウムの量は?
●現時点'10月20日(での放射線量は地表50cm地点で約0.2μSv/hである。
この数値から校庭1m 2にある放射性セシウムのおよその量を計算すると、
2
約70000Bq/m となる。
'※参考資料:アメリカ国防省公開資料 http://www.fas.org//irp/agency/dod/dtra/doses.pdf(
これに、セシウムの再浮遊係数1/1000000,呼気による吸入係数0.039μSv/Bq,
1日の呼吸量を22.2m 3'成人男性の値なので少し多め(を用いて、仮に校庭で24時間
過ごしたとすると、1日の内部被曝量は・・・
70000(Bq/m 2)×1/1000000× 0.039(μSv/Bq) ×22.2(m 3)=約0.06(μSv)
●かなりザックリとした計算ですが、だいたいこの程度の値になります。
また、この計算では呼吸量は成人男性のもので計算していますが、小・中学生の呼吸量
はこの値よりかなり低くなります。また、実際には一日中校庭にいる事はありえないので、
預託線量の値はもっと低い値になります。この値でも、1日にバナナを1本食べるのよりも
低い程度の被曝量なので、実際には気にする必要は無い被曝量だと考えられますね。
- 25. ● 年間被曝量の基準について
・1年間に浴びる量が・・・'※環境放射線・医療放射線を除く(
細胞に1個傷が 細胞に20個傷がつく。 細胞に100個傷がつく。 細胞に500個傷がつく。
つくイメージ。 とは言え、このレベルでは癌の 癌の発生率が0.5%上昇する。 癌の発生率が2~3%上昇する。
全く気にしないで 発生率は上がらないので そろそろ無視してられないレベルだが、 白血球・リンパ球の数が減少。
良いレベル。 実質無視して良いレベル。 浴びたら即危険なわけではない。 さすがにかなり危ない。
どんなときも
非常事態収束後の 非常事態時の 浴びない方が良いと
年間被曝量の基準 年間被曝量の基準 されている放射線量
1mSv 20mSv 100mSv 500mSv
※3.8μSv/h は年間に換算すると大体ここら辺!
これ以上数値が上がる気配は今のところ無いのでご安心を。
・国の試算による郡山市の年間累積線量は、多めに見積もって10.1mSvです。
来年以降は、事故の状態が悪化しない限り、さらに数値が下がっていくと考えられます。
- 26. ● 非常事態時・その収束後について
・1年間に浴びる量が・・・'※環境放射線・医療放射線を除く(
細胞に1個傷が 細胞に20個傷がつく。 細胞に100個傷がつく。 細胞に500個傷がつく。
つくイメージ。 とは言え、このレベルでは癌の 癌の発生率が0.5%上昇する。 癌の発生率が2~3%上昇する。
全く気にしないで 発生率は上がらないので そろそろ無視してられないレベルだが、 白血球・リンパ球の数が減少。
良いレベル。 実質無視して良いレベル。 浴びたら即危険なわけではない。 さすがにかなり危ない。
どんなときも
非常事態収束後の 非常事態時の 浴びない方が良いと
年間被曝量の基準 年間被曝量の基準 されている放射線量
1mSv 20mSv 100mSv 500mSv
・事故が起きている最中は『非常事態時』とされ、避難することによるリスク'ストレス・経済的損失(に
比べて被曝によるリスクの方が小さい為、20~100mSvの被曝を許容している。ちなみに、この被曝量
で健康被害が出る事は考えにくい。
・事故が収束に向かうと『非常事態収束後』とされ、除染によって平常時の線料に近付ける努力が
成される。その為、許容される被曝量は1~20mSvと下がっていく。ただし、当然この被曝量では健康
被害は出ない。
※世界の環境放射線の平均は年2.4mSvです。日本は年1.4mSvくらい。
- 27. 3月16日 3月23日 3月30日 4月6日 4月13日 4月20日 4月27日 5月4日 5月11日 5月18日 5月25日 6月1日 6月8日
県北(福島市) 15.40 5.20 2.84 1.87 1.86 1.67 1.56 1.52 1.55 1.42 1.40 1.36 1.31
県中'郡山市( 2.88 1.61 2.38 2.03 1.81 1.70 1.57 1.53 1.37 1.37 1.33 1.25 1.21
県南'白河市( 3.30 1.40 0.80 0.70 0.66 0.68 0.61 0.61 0.56 0.58 0.54 0.56 0.53
相双'南相馬( 3.55 1.58 0.96 0.77 0.62 0.57 0.56 0.52 0.50 0.49 0.49 0.46 0.48
いわき'いわき市( 1.57 1.72 0.64 0.43 0.37 0.30 0.25 0.25 0.23 0.22 0.22 0.22 0.22
〔μSv〕
18.00
16.00
14.00
12.00
県北'福島市(
10.00
県中'郡山市(
県南'白河市(
8.00 相双'南相馬(
いわき'いわき市(
6.00
4.00
2.00
0.00
3日
6日
9日
3日
6日
9日
2日
5日
8日
2日
5日
8日
1日
4日
7日
3日
6日
9日
3日
6日
9日
16日
19日
22日
25日
28日
31日
12日
15日
18日
21日
24日
27日
30日
12日
15日
18日
21日
24日
27日
30日
11日
14日
17日
20日
23日
26日
29日
11日
14日
17日
20日
23日
26日
29日
10日
13日
16日
19日
22日
25日
28日
31日
12日
15日
18日
21日
24日
27日
30日
12日
15日
18日
21日
測定場所を変えた
※新たな放射線源の拡散は見られない。
為上昇した。
- 30. Q,本当は「しきい値」なんて無いという話を聞きましたが?
A,「しきい値」が無いのは瞬間被曝の場合です。
●瞬間被曝による人体への影響の場合
'%(
瞬間'数秒程度(に被曝
1.0 する場合、100mSv以下の
被曝量でも被曝量に正比例
して癌発生率は上昇する。
しかし、これを気にしなくて
癌 はならないのは原発作業員
発
生 の方々だけ。我々一般市民
率 は気にしないでOK。
上 0.5 これを長期被曝と混同して
昇 間違っている学者・専門家の
方が多くいるのが問題。
0.1
'mSv(
0 20 100 200
被曝量
- 32. Q,「福島県の汚染度合いはチェルノブイリの強制避難区域より酷い」というのは?
A, 比べられているのは事故後5年後のベラルーシであり、資料の見方も間違えてます。
●よく「55万ベクレル以上で、これはチェルノブイリの強制移住区域以上の汚染地域」という表現を目にします。
これは、 京大の今中助教授のチェルノブイリに関する研究を誰かが間違って解釈し、それが出回ったものだ
と考えられます。
'今中准助授の研究に関するページ: http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Mtk95-J.html (
●1991年'事故から5年後(にベラルーシ最高議会の採決が行われ、事故から5年も経ったにも関わらずある程度
放射性物質が残っている地域は『二次移住区域』という、「希望するなら国が移住をお手伝いしますよ。」という
地域に指定された、という事です。どこにも『強制避難区域』なんて言葉は使われていません。
このことから判るように、事故が起きて1年目の福島と事故が起きて5年目のベラルーシを比較し、
「福島はチェルノブイリ以上に汚染されている!」と騒ぎ立てるのは間違っています。5年後には、福島だって
今より遥かに線量が低くなっていますからね。'Cs-134の半減期は2年なので。(
●また、上記の今中助教授の資料中の区分分けに、
「移住'第2次移住(ゾーン:セシウム137,ストロンチウム90, プルトニウムによる土壌汚染密度が,
それぞれ 555~1480,74~111,1.85~3.7kBq/m2'15~40,2~3,0.05~0.1Ci/km2(の地域.
年間の被曝量は0.5レム '5ミリシーベルト(を越える可能性がある」
という文があるのですが、誰かがこれから適当に逆算をして
「・・・って事は、年5mSvの空間線量がある地域は地面に55万Bqあるんだ!福島やばい!」
という間違った計算をしてしまったのでしょう。実際には遮蔽効果も考えた上で計算された数値なので、
空間線量が5mSvを超える地域にもそこまで放射性物質はありません。
- 33. ☆福島・チェルノブイリの比較
●上の図は福島第一原発事故で飛散した放射性物質の
分布図と、チェルノブイリ原発事故で飛散した放射性物質
の分布図を、同じスケールにして比較したもの。
'下の図は日本のものだけの拡大図。(
●見て分かる通り、規模が全然違う。
『福島原発事故はチェルノブイリを超えた』という認識は
完全に間違い。超える訳ない。
●『いまも放射性物質が垂れ流しになってる』という誤解は
東京電力の出した報告書の内容を読み違えた事が原因。
'参考: http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/images/f12np-gaiyou_3.pdf (
この中にある『1~3号機の放出量は現段階で1時間
あたり2億ベクレルとなりました。』という一文を早とちり
したもの。
これは、『福島第一原発内で採取された放射性物質の
量から、多めに算出しても放出量はこの程度』という意味。
実際に、福島県内で測定された放射線量を見ると、上昇
した様子は見られないので、新たな放射性物質が飛んで
きているという事ではない。
- 35. Q,「原発の方角から風が吹くと放射能濃度が事故前の10万倍!」という
ニュースがありましたが、危ないんじゃないの?
A,元々が限りなく0に近いので、10万倍しても極めて小さな量です。
●「放射能濃度は風向きに依存し、原発の方角から風が吹くと事故前の10万倍の10ミリベクレル
程度と高い値を示す一方、それ以外の風向きの時でも、事故前の千倍の0.1ミリベクレル程度と
一定の濃度があった。 」
と報道され、一部では内部被曝に対する不安が高まっていますが、数値をよく見てみましょう。
3
事故前の10万倍とされる10ミリベクレル'毎m (とはどんな量なのでしょうか?
10mBq/m3 = 0.01Bq/m3
3
つまり、空気中1m に浮き上がっているセシウムはたったの0.01Bqだけという事です。
これは、再浮遊係数 1/1000000 から逆算すると、地面 1m 3 に 10000Bq のセシウムがある計算
になります。これを空間線量に換算すると、約0.036μSv/hとなります。
つまり、0.036μSv/hの空間線量のある地域では、この程度のセシウムが舞っているのは前から
分かっていたことで、特に驚くべき数値でも何でもありません。
そして、この程度の空気中の放射性セシウムによる内部被曝で健康被害が出ることは考え
られません。空気中には元々放射性ラドンが15Bq/m 3ありますからね。
● これらの事を踏まえて、今回の報道による数値も「放射性セシウムはほとんど舞ってない。」と
言える範囲内であると言えます。『10万倍!』という数値だけを見て慌てないようにしましょう!