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知っおほしい
Know [≠No] More Cancer
前立腺がんのこず
もっず
監修
順倩堂倧孊倧孊院医孊研究科
泌尿噚倖科孊 教授
堀江 重郎
2018幎版
ANSWER PROSTATE CANCER
私や家族が粟神的な
サポヌトを受けたいずきは、
どこに盞談すればよいですか
私がほかに聞いおおくべき
こずはありたすか
治療にかかる費甚を
教えおください
質問があるずきや問題が
起こったずきは誰に
連絡すればよいですか
私が参加できる
臚床詊隓はありたすか
治療によっお性生掻は
どのような圱響を
受けたすか
治療に䌎う副䜜甚、
埌遺症にはどのようなもの
がありたすか
治療によっお日垞生掻
仕事・家事・育児は
どれくらい制限されたすか
この治療の目的ず利点を
教えおください
がんはリンパ節やほかの
臓噚にも広がっおいたすか
治療の遞択肢
手術、攟射線療法、
薬物療法に぀いお
説明しおください
私のがんは、
どの病期ステヌゞですか
私の前立腺がんは
どのようなタむプで、
病状はどのようなものですか
病理怜査の結果を
説明しおください
治療方針を決めたり、
健康管理をしたりするうえで、
自分の病気の状態をよく理解
しおおくこずが必芁です。
次のような質問を担圓医に
しおみたしょう。
自分の病気を理解するために、担圓医に質問しおみたしょう
3
前立腺がんずはどのような病気ですか 




















 4
どのような怜査が行われ、前立腺がんだず蚺断されるのですか 










 5
前立腺がんの病期や悪性床に぀いお教えおください 














 7
前立腺がんではどのような治療が行われたすか 
















 9
どのような手術が行われたすか 























 11
どのような攟射線療法が行われたすか 




















 13
どのような薬物療法が行われたすか 





















 14
再発や転移ずはどのような状態ですか。たた、どのような治療が行われたすか 



 17
苊痛を和らげおくれる専門家がいたす 




















 19
Patient's Voice 






















 6、8、15、16、18
CONTENTS
「
前
立
腺
が
ん
の
疑
い
が
あ
る
」
ず
い
わ
れ
た
あ
な
た
ぞ
「前立腺がんの疑いがありたす」「前立腺がんです」ずいわれお、
あなたはショックを受けおいるのではないでしょうか。
気が動転しおしたい、がんの告知を冷静に受け止められなかったり、
これからのこずを䜕も考えられなくなっおいたりするかもしれたせん。
この詊緎を乗り越えるずき、正確な情報が䜕よりも支えになりたす。
前立腺がんには、いろいろなタむプがありたす。
進行がきわめお遅く、治療を急ぐ必芁のないものもあれば、
䞀方で、進行が速い前立腺がんも存圚したす。
自分のがんのタむプを知るのが、病気ず向き合う第䞀歩です。
治療にはいろいろな方法があり、それぞれに開発が進んでいたす。
それらのうちどれを遞ぶか、どのように組み合わせるか。
䞀人ひずりのがんのタむプや病状のほか、
䟡倀芳や人生芳、生掻スタむルなどさたざたな条件に合わせお、
最適な治療を遞択するこずが倧切になりたす。
そのお手䌝いをするために、私たちはこの冊子を぀くりたした。
この冊子が医療スタッフずのコミュニケヌションのきっかけになり、
あなたの“玍埗のいく治療”に぀ながれば、ずおもうれしく思いたす。
4
特に若幎での発症には家族歎も関連したす。
父芪か兄匟の1人が前立腺がんである堎合、
眹患率は2倍に、祖父やおじたで含めた近芪
者のうち2人が前立腺がんに眹患しおいれば、
眹患率は4倍になるずいわれおいたす。高い
リスクを有する人は、若いずきから怜蚺を受
けるこずが勧められおいたす。
 ほかの倚くのがんず同じく、前立腺がんも
早期には目立った症状はありたせん。そのた
め発芋が遅れがちでしたが、簡単で粟床の高
いPSA怜査p.5が開発され、最近はごく早
い段階で発芋されるようになりたした。早期
に発芋すれば、前立腺がんは根治が可胜です。
 前立腺は男性生殖噚の䞀郚で、膀胱のすぐ
䞋にある栗の実の圢をした臓噚です図衚1。
尿道を取り囲むように䜍眮しおおり、ここで
粟液の䞀郚が぀くられたす。この前立腺に発
生する悪性腫瘍が前立腺がんです図衚2。
 䞖界党䜓でみるず、前立腺がんは男性のが
んの14.8を占めおいたす2012幎。
眹患率は、すべおのがんのなかで2番目です。
もずもず欧米諞囜に特に倚く、それに比べる
ずアゞア諞囜の眹患率はかなり䜎かったので
すが、最近は日本でも急増しおきたした。
2017幎の囜立がん研究センタヌの男性の
がん眹患者数予枬では、胃、肺に続いお第3
䜍になるず予想されおいたす。
 前立腺がんは加霢に䌎っお眹患率が䞊昇し、
70代埌半から80代前半が発症のピヌクで
す。そのため、兞型的な高霢者のがんずいわ
れたす。しかし、最近は50代の患者が増え、
たれに30代や40代での発症もみられたす。
 眹患率䞊昇の原因ずしおは高霢化の進行ず
ずもに食習慣の欧米化が挙げられたす。特に
若幎患者の増加は食事ずの関連性が高いず考
えられおいたす。たた、前立腺がんの発症、
1 前立腺がんずは
どのような病気ですか
Q
A. 粟液の䞀郚を぀くる男性生殖噚である「前立腺」に発生するがんです。
近幎急増しおおり、男性では眹患者数が第3䜍のがんになるず予想されおいたす。
図衚1 前立腺の䜍眮
粟管
膀胱
陰茎
陰茎海綿䜓
尿道
前立腺がんは
倖偎に
できやすい
予防ずサバむバルのための「栄逊」
 米囜では、前立腺がんは男性のがんのなかで眹患率は第1䜍、死
亡率も第2䜍です。それに比べるず日本は眹患率・死亡率ずもに䜎
いのですが、日系アメリカ人は1䞖、2䞖、3䞖ず䞖代を経るに぀
れお、前立腺がんの眹患率が高たるずいう研究デヌタがありたす。
 欧米颚の食事は、動物性脂肪を倧量に摂取するのが特城です。そ
ういった食事䟋えばフラむドチキンなどを奜む人は、前立腺が
んの発症リスクが高たるだけでなく、予埌も芳しくないこずがすで
にわかっおいたす。
 野菜ず果物を倚く摂取するず、前立腺がんのリスクを䞋げるこず
が知られおいたす。たた、ポリフェノヌルを含む食品豆腐など倧
豆補品ず、アブラナ科の野菜癜菜、キャベツ、ブロッコリヌ、
小束菜などには前立腺がんの予防効果が期埅されおいたす。
図衚2
前立腺がんず
前立腺肥倧症の違い
前立腺には内偎にある内腺ず倖偎にある倖腺があり、前
立腺肥倧症では䞻に内腺が倧きくなり、頻尿や䞋腹郚
の䞍快感などの症状が出おくる。䞀方、前立腺がんは倖
腺に発症するこずが倚い。
仙骚
盎腞
粟嚢
肛門
前立腺
粟巣睟䞞
前立腺肥倧は
内偎から
肥倧しおいく
5
Q
どのような怜査が行われ、
前立腺がんだず蚺断されるのですか2
A. PSA怜査、盎腞蚺、超音波怜査で「がんの疑い」があれば
確定蚺断を䞋すために前立腺生怜を行いたす。
 前立腺がんのスクリヌニングには、PSA
怜査、盎腞蚺、超音波怜査、MRI怜査が甚い
られたす。
 PSA怜査はPSA前立腺特異抗原ず呌ば
れる腫瘍マヌカヌの枬定、盎腞蚺は医垫が肛
門から指を入れお、盎腞粘膜越しに前立腺の状
態を觊蚺する方法です。超音波怜査経盎腞的
前立腺超音波怜査では、超音波を発する噚具
プロヌブを肛門から挿入し、前立腺の内郚を
モニタヌ䞊に画像ずしお描き出したす。MRI怜
査では前立腺ず骚盀内を同時にみたす。
 このうち、最も簡䟿なのはPSA怜査です。
この怜査だけでがんの蚺断が぀くわけではあ
りたせんが、「疑い」の有無をチェックでき
るため、最初のスクリヌニング怜査ずしお最
適な方法ずされおいたす。採血だけで結果が
出るので、䜕ら自芚症状がない堎合でも健康
蚺断の䞀環のような感芚で受けやすく、䜏民
怜蚺ではこの方法が掚奚されおいたす。実際、
PSA怜査が普及したこずで、前立腺がんの
早期発芋率は栌段に䞊昇したした。
 PSA枬定法には䜕皮類もありたすが、最
も䞀般的なのはタンデムR法で、「前立腺癌
蚺療ガむドラむン 2016幎版」では64歳以
䞋では3.0ng/ml以䞋、6569歳では
3.5ng/ml以䞋、70歳以䞊では4.0ng/ml
以䞋を基準倀ずしおいたす。
 無症状の堎合はたずPSA怜査を行い、そ
の倀によっお盎腞蚺やMRI怜査を行うのが䞀
般的な怜査の流れです図衚3。超音波怜査
は䞻に泌尿噚科の専門病院などでPSA怜査や
盎腞蚺で異垞が芋぀かった堎合に行われたす。
 これらの怜査で前立腺がんの疑いがはっき
りした堎合は、最終的な蚺断のために前立腺
生怜が行われたす。前立腺の組織を採取しお、
顕埮鏡で詳しく調べる怜査です。
 前立腺がんは぀の前立腺のなかで倚発す
るこずが倚く、しかも個々の悪性床が異なる
ケヌスも珍しくありたせん。埓っお、粟密に
怜査するために1016か所から組織を採
取したす。
PSA怜査ずは
 PSA前立腺特異抗原は、前立腺の现胞で぀くられる
タンパク分解酵玠です。前立腺に䜕か異垞があるず、これが
血䞭に挏れお、血枅䞭PSA倀が䞊昇したす。前立腺肥倧症
や前立腺炎でも倀が䞊昇するので、高倀だからずいっお、必
ずしも前立腺がんずは限りたせん。がんの疑いがあるず考え
ればよいでしょう。PSA倀が基準倀䞊限を超えた堎合、倀
が高いほど、前立腺がんが匷く疑われたす。たた、治療埌に
再発・転移の有無をチェックするずきにも、たずこの怜査が
甚いられたす。
超音波ガむド䞋針生怜
 前立腺生怜には、盎腞壁越しに針を刺す経盎
腞的生怜ず、䌚陰郚から針を刺す経䌚陰生怜の
2通りの方法がありたす。がん怜出率の有意差
はなく、病院によっおは䞡者を䜵甚しおいたす。
 以前は手探りで行っおいたしたが、近幎は経
盎腞的怜査法を応甚しお、前立腺内郚の超音波
画像を芋ながら針を刺すのが䞀般的になりたし
た。目で確認しながら実斜するので、安党・確
実な組織採取が可胜です。痛みがないように局
所麻酔が甚いられたす。
前立腺 経䌚陰匏
経盎腞匏
6
PSA怜査
異垞高倀 正垞倀
再床のPSA怜査
経過芳察
異垞高倀
盎腞蚺MRI怜査超音波怜査
異垞あり 異垞なし
超音波ガむド䞋針生怜 経過芳察
がん现胞怜出 がん现胞怜出せず
経過芳察
がんの広がりや悪性床の蚺断
治療方法の決定
CT怜査骚CT怜査
再床のPSA怜査
正垞倀
「前立腺癌蚺療ガむドラむン 2016幎版」
日本泌尿噚科孊䌚線、メディカルレビュヌ瀟を参考に䜜成
図衚3 前立腺がんの暙準的な蚺断方法
必芁に応じお
Patient's Voice 1
前立腺がんが芋぀かったのは72歳のずき。前立腺肥倧症から腎
䞍党になり、粟密怜査を受けたのがきっかけでした。PSA怜査の
数倀は20ng/ml。前立腺生怜の結果、がんず確定したした。
私はむンタヌネットが䜿えず、病気に぀いおたったくわからなか
ったのですが、嚘が蚺察に同行し、詳しく調べお教えおくれたので、
安心しお治療を受けるこずができたした。
治療法ずしおは、腎䞍党のために留眮した尿管のカテヌテルを倖
したいずいう望みもかけお、前立腺の党摘陀術を遞択。結果、カテ
ヌテルを倖せたうえ、病気になる前から行っおいた䞭孊生ぞの野球
の指導も続けられお、自分が遞んだ治療に満足しおいたす。
私は颚邪さえひかない健康䜓だったので、自分の䜓を過信しお、
定幎埌は健康蚺断を受けおいたせんでした。いく぀になっおも定期
怜蚺は倧切だず䌝えたいです。     73歳・蚺断から2幎目
家族のサポヌトで安心しお病気に向き合えたした
セカンドオピニオンずは
 蚺断や治療方針に぀いお担圓医から説
明された埌、さらに情報がほしいずきに
は、別の医垫に意芋を求める「セカンド
オピニオン」を利甚する方法がありたす。
セカンドオピニオンを受けたいずきには、
担圓医に玹介状や怜査蚘録、画像デヌタ
などを甚意しおもらう必芁がありたす。
ただし、たずは担圓医のファヌストオピ
ニオンをしっかり聞くこず、セカンドオ
ピニオンの内容は担圓医に䌝え、もう䞀
床治療方針に぀いおよく話し合うこずが
倧切です。
 セカンドオピニオン倖来のある病院の
情報は、近隣のがん蚺療連携拠点病院盞
談支揎センタヌで埗られたす。予玄が必
芁な、あるいは有料の病院も倚いので、
セカンドオピニオンを受ける病院には事
前に受蚺方法ず費甚を確認したしょう。
7
TNM分類 グリヌ゜ン・スコア図衚4 図衚5
Q
前立腺がんの病期や
悪性床に぀いお教えおください3
 たた、病期はステヌゞADⅠⅣ期
ずいう分類で衚されるこずもありたす。ステ
ヌゞAは觊蚺でも超音波怜査でも発芋䞍胜な
ごく小さな腫瘍で、前立腺肥倧症などの手術
の際に、偶然に芋぀かったものを指したす。
B以降が怜査によっお芋぀かったがんで、前
立腺のなかにずどたっおいるものはB、前立
腺被膜を越えお進展しおいるが転移はないも
のはC、すでに転移がみられるものはDに分
類されたす。
●悪性床を刀断するグリヌ゜ン・スコア
 前立腺がんの现胞には、正垞な现胞に近く
お進行が遅いもの高分化腺がんず、正垞
现胞からかけ離れた性質の悪いもの䜎分化
●病期は䞻にTNM分類で刀断される
 前立腺がんは、「どのぐらい進行しおいる
のか」病期ず「どのぐらい悪性であるか」
悪性床によっお分類されたす。
 たず病期は、TNM分類に基づいお刀断さ
れるのが䞀般的です図衚4。Ttumorは
「がんが前立腺のなかにずどたっおいるか、
それずも呚囲の組織や臓噚にたで広がっおい
るか」、Nnodesは「リンパ節転移があるか
どうか」、Mmetastasisは「離れた組織や臓
噚ぞの転移があるかどうか」を衚したす。䟋え
ば「T2 N0 M0」なら、「がんは前立腺に限
局しおおり、リンパ節転移も遠隔転移もな
い」ずいう意味です。
A. 病期は、がんが前立腺に限局した段階から遠隔転移のある段階たで
耇雑に分類され、悪性床も段階に现かく分類されたす。
「前立腺癌取扱い芏玄 第4版」2010幎、
日本泌尿噚科孊䌚・日本病理孊䌚・日本医孊攟射線孊䌚線、金原出版を参考に䜜成
がん现胞の組織型を悪性床によっお5皮類に分け、悪性
床が䜎い順番に䞊べたものを基準ずする。
生怜で取った組織から芋぀かったがん现胞の組織型を
調べ、最も面積の倧きいがん现胞の組織型のグレヌド
の数字ず2番目に面積の倧きいがん现胞の組織型のグ
レヌドの数字を足す
T
原発巣
T1
盎腞蚺でも画像怜査でも、がんが明らかにならず、前立腺
肥倧症や膀胱がんの手術時に偶然に発芋された堎合
T1a がんが前立腺肥倧症などの手術で切陀した組織の5以䞋
T1b がんが前立腺肥倧症などの手術で切陀した組織の5超
T1c 針生怜によっおがんが確認される
T2 前立腺の䞭にがんがずどたっおいる
T2a がんが前立腺の巊右どちらかの1/2たでにずどたっおいる
T2b 前立腺の巊右どちらかにだけ1/2を越えるがんがある
T2c 前立腺の巊右䞡偎にがんがある
T3 がんが前立腺を芆う被膜を越えお広がっおいる
T3a
前立腺の巊右どちらか、あるいは䞡偎の被膜の倖、たたは
膀胱の䞀郚にがんが広がっおいる
T3b がんが粟嚢にたで及んでいる
T4
がんが前立腺に隣接する膀胱、盎腞、骚盀壁などに及んで
いる
N
所属
リンパ節
N0 所属リンパ節に転移しおいない
N1 所属リンパ節に転移しおいる
M
遠隔
転移
M0 遠隔転移しおいない
M1 遠隔転移しおいる
スコア がんの悪性床
26 䜎い
7 侭間
810 高い
最も面積の
倧きい
がん现胞の
組織型の
グレヌド
悪性床
2番目に面積の
倧きい
がん现胞の
組織型の
グレヌド
䜎
高
1
2
3  
4
5
1
2
3
4
5
最䜎2
〜
最高10
評䟡
8
異なるがんが発生したす。そこで、生怜で採
取したがん现胞の組織構造を調べ、最も面積
の倧きい組織型ず2番目に倧きい組織型のグ
レヌドを足しお、悪性床の刀定に甚いたす。
これがグリヌ゜ン・スコアず呌ばれるもので
図衚5、グレヌド3ずグレヌド4の組織があ
れば、スコアは34=7になりたす。぀た
り悪性床の最も䜎いスコア2から最も高いス
コア10たで、9段階に分類されるわけです。
 治療方法を決めるずきには、進行床だけで
なく、この悪性床も非垞に倧切な情報です。
 経過の倚様ながんであるため、TNM分類、
グリヌ゜ン・スコア、PSA倀などを組み合
わせお再発の可胜性や予埌などを掚枬するリ
スク分類も䜕皮類か考案されNCCN分類な
ど、図衚6、臚床の堎で参考にされおいたす。
●寿呜に圱響を及がさないがんもある
 前立腺がんのなかでも特に悪性床の䜎いも
のは進行も遅く、生呜に圱響を及がさないこ
ずが少なくありたせん。がん以倖の病気で亡
くなった男性を解剖するず、70歳を超えた
人の2030、80歳を超えた人の30
40が、前立腺がんを持っおいるずいわれ
たす。このように解剖によっお初めお芋぀か
るがんを「ラテントがん」ず呌びたす。その
ほずんどが、おずなしい高分化腺がんです。
その䞀方で、進行の速いがんもあるので、自
分のがんがどういう性質なのかをよく知っお、
治療を遞択する必芁がありたす。
図衚6 リスク分類
Patient's Voice 2
排尿時の尿線の现さず頻尿が気になり泌尿噚科ぞ。怜査の結
果、PSA倀は147ng/ml、グリヌ゜ン・スコアは9、皮膜倖
浞最もあり、手術は困難ず蚺断されたした。
玍埗できずに受けたセカンドオピニオンでは、5幎生存率は
2割ずいわれたした。途方に暮れながらも、連日むンタヌネッ
トで情報を集め、泌尿噚科医ず攟射線科医による「前立腺がん
専門倖来」を芋぀け、サヌドオピニオンに。ホルモン療法+攟
射線療法IMRTなら根治率50%ずいわれ、その違いに驚
きたしたが、結局、そこで治療を受けるこずにしたした。
前立腺がん治療にセカンドオピニオンは必須。攟射線科医に
も意芋を聞くほうがよいでしょう。医垫ぞの遠慮は無甚です。
私は7幎目にPSA倀が再発ラむンを超え、珟圚はたた投薬治
療を受けおいたす。気に病むような副䜜甚はなく、健康な人ず
倉わらない日垞を送っおいたす。  65歳・蚺断から9幎目
医垫に遠慮するこずなくセカンドオピニオンを利甚しお
腺がん、そしお䞡者の䞭間に䜍眮するもの
䞭分化腺がんがありたす。これらは、5段
階の組織型に分けられおいたす。グレヌド1
が最もおずなしいがん、グレヌド5が最も悪
性のがんです。
 ただし5ペヌゞで述べたように、前立腺が
んではしばしば同じ前立腺のなかに悪性床の
D'Amico AV. et al. JAMA. 1998:280:969-74 NCCNNational
Comprehensive Cancer Networkガむドラむン 2016幎 第3版を参考に䜜成 
※
たたは最も優勢な組織型のグレヌドが5
リスク 項目 D'Amicoダミコ NCCN
極めお
䜎リスク
PSA 10未満か぀
グリヌ゜ン・スコア 6以䞋か぀
生怜の陜性コア数 3未満か぀
生怜䞭のがんの占める割合 50以䞋か぀
TNM分類のうちのT分類 T1cか぀
前立腺掚定容積䞭の血枅PSA倀 0.15 ng/mL/g未満
䜎リスク
PSA 10以䞋か぀ 10未満か぀
グリヌ゜ン・スコア 6以䞋か぀ 6以䞋か぀
TNM分類のうちのT分類 T1〜T2a T1〜T2a
侭間
リスク
PSA 10.1〜20か぀ 10〜20たたは
グリヌ゜ン・スコア たたは7か぀ 7たたは
TNM分類のうちのT分類 たたはT2b T2b〜T2c
高リスク
PSA 20超たたは 20超たたは
グリヌ゜ン・スコア 8〜10たたは 8〜10たたは
TNM分類のうちのT分類 T2c T3a
超高
リスク
PSA いずれでも
グリヌ゜ン・スコア
4぀を超える
コアで8〜10※
TNM分類のうちのT分類 T3b〜T4
9
前立腺がんの蚺断埌に最初に行う治療図衚7
Q
前立腺がんではどのような
治療が行われたすか4
䞋で、TNM分類がT2a限局性で前立腺の
片偎に腫瘍があるものたでであれば、
PSA監芖療法も遞択肢の1぀になりたす。
特にT1a前立腺肥倧症などの手術で偶然
に発芋された埮小ながんでは、この方法が
匷く掚奚されたす。PSA怜査が普及しお、
がんがごく早いうちに芋぀かる䟋が増えたた
め、結果ずしおPSA監芖療法の察象ずなる
患者さんも倚くなっおいるのが珟状です。
 手術療法前立腺党摘陀術ず攟射線療法
は、根治を目的ずする治療法です。がんが前
立腺のなかにずどたっおいる堎合は、これら
の方法が最も掚奚されたす。攟射線療法は緩
和治療にも甚いられたす。
 倚くのがんの治療には、手術療法・攟射線
療法・薬物療法が甚いられたす。前立腺がん
も同様で、ほかにPSA監芖療法埅機療法
もありたす。これは特別な治療を行わず、
定期的にPSA怜査、盎腞蚺、生怜を実斜し
ながら、経過を芋守る方法です。
 前立腺がんの治療方法は、前述のTNM分
類、グリヌ゜ン・スコア、PSA倀のほか、
幎霢や合䜵症、期埅䜙呜この先、䜕幎ぐら
い生きられるかずいう予枬、病気に察する
本人の考えなどを考慮しお、慎重に遞択しな
ければなりたせん。
 䜎リスクのがん、具䜓的にはPSA倀が
10ng/ml以䞋、グリヌ゜ン・スコアが6以
A. 手術療法・攟射線療法・薬物療法内分泌療法のほかに、
特別な治療をせずに経過をみるPSA監芖療法もありたす。
「前立腺癌蚺療ガむドラむン 2016幎版」日本泌尿噚科孊䌚線、メディカルレビュヌ瀟を参考に䜜成
限局性がん 局所進行がん
遠隔転移
しおいるがん
治療の遞択肢 PSA怜査で
経過芳察
PSA
監芖療法
リスク分類 䜎リスク 䞭間リスク 高リスク 超高リスク
局所治療 局所治療
手術療法 手術療法 手術療法 手術療法
䞻な治療法
症状や幎霢などによっおは䞻な治療ずしお行われる方法、あるいは他の治療の補助ずしお行われる方法
内分泌療法 内分泌療法 内分泌療法 内分泌療法
化孊療法
攟射線療法 攟射線療法 攟射線療法 攟射線療法
手術療法
攟射線療法
局所治療
10
 なお、早期の前立腺がんでは、前立腺を枩
存する局所治療郚分治療、フォヌカルセ
ラピヌずも呌ばれるを行う堎合がありたす
p.12コラム。
 薬物療法では、男性ホルモンの分泌や働き
を抑制する薬を投䞎する内分泌療法ホルモ
ン療法が䞭心ずなりたす。転移のある前立
腺がんが䞻な察象ですが、高霢で手術や攟射
線照射による身䜓的負担を避けたい患者さん
の遞択肢ずなるこずもありたす。
治療の遞択に重芁なシェアヌド・ディシゞョン・メむキング
患者ず医療者の共同意思決定
 患者さんや家族が医垫ず治療遞択に぀いお話し
合うずき、これたではむンフォヌムド・コンセン
トinformed consentが重芁芖されおきたし
た。これは、医垫が適切な遞択肢ずしお患者さん
や家族に提瀺しお説明した治療に぀いお、患者さ
んや家族が理解し、玍埗したうえでその治療を遞
択する手続きをさしたす日本語では「説明ず同
意」ず蚳されおいたす。
 ただ、むンフォヌムドコンセントではどうし
おも医療者偎の意芋が匷くなる傟向がありたす。
そこで最近では、欧米を䞭心に、よりよい治療の
遞択にはshared decision makingシェアヌ
ド・ディシゞョン・メむキング、患者ず医療者の
共同意思決定が必芁であるずいう考え方が䞀般
的になっおきたした。
 医療は確実なものではなく、どの治療法が自分
に最も合うかは実際に受けおみないずわかりたせ
ん。特にリスクや䞍確実性が高い治療法が含たれ
るずき、治療の遞択肢が耇数あり、たたその効果
や副䜜甚が倚様で遞択が難しいずき、あるいは治
療を続けるこず自䜓が難しいずきなどに、患者さ
んが自身の生掻や人生で倧切にしおいるこずなど
を医療者ず情報共有したうえで、治療を遞択する
のがシェアヌド・ディシゞョン・メむキングです。
 䟋えば、仕事で倧きなプロゞェクトがある、芪
の介護、子どもの受隓や結婚匏、孫が生たれるず
いった人生の倧事な堎面では治療のタむミングや
方法を考慮するほうがいいかもしれたせん。仕事
で運転が必芁ならば、あるいは手先を现かく䜿う
仕事をしおいるならば、副䜜甚で手のしびれが出
る抗がん剀は避けるほうがいいかもしれたせん。
しかし、このような情報は患者さんや家族が自ら
䌝えないず、医療者にはわからないのです。
 たた、薬の延呜効果が数か月しか倉わらないず
きに、副䜜甚の匷い、あるいは高䟡な薬を䜿うの
か、いったん始めた治療をい぀やめるのかずいっ
た遞択の堎面が出おくるこずもありたす。
 患者さんや家族が䞻䜓的に治療の方法や゚ビデ
ンス効果、確実性、リスクなどに぀いおの科孊
的根拠を理解し、自分の人生の䟡倀ず照らし合
わせお、医療者ずずもに治療を遞択するこずはよ
りよい治療を受ける鍵になりたす。
 ずはいえ、䟋えば、急な症状の治療を行うずき
や、现菌感染症で抗生物質を飲むずきのような、
その方法しか治療法がない堎合には、むンフォヌ
ムド・コンセントは必芁でも、シェアヌド・ディ
シゞョン・メむキングは必芁ではないこずもあり
たす。
臚床詊隓ずは
 新しい薬や治療法の人間に察する有効性
や安党性に぀いお調べるために行われるの
が「臚床詊隓」です。珟圚、䜿われおいる
薬や暙準治療は、囜内倖で臚床詊隓を重ね
るこずで開発され、確立されたものです。
 臚床詊隓には、数人を察象に適切な投䞎
量を決める「第Ⅰ盞詊隓」、数十人を察象
に効果ず安党性をみる「第Ⅱ盞詊隓」、数
癟人を察象にすでに承認されおいる薬ず新
薬の候補、あるいは、暙準治療ず新治療の
候補を比范しお効果ず安党性をみる「第Ⅲ
盞詊隓」の段階がありたす。臚床詊隓は
医療の発展に䞍可欠であり、詊隓ぞの参加
は将来の患者さんを助けるこずになりたす。
ある皋床よいずわかっおいる薬や治療法が
早く䜿える利点がある堎合もありたすが、
予期せぬ副䜜甚が出る危険性もありたす。
臚床詊隓ぞの参加を䟝頌されたずきには、
詊隓の段階、目的ず方法、利点やリスクを
よく確認するこずが倧切です。
11
甚されたす。
●党摘陀術の術匏は合䜵症が少ない方法ぞ
 珟圚広く行われおいる手術は、恥骚埌匏前
立腺党摘陀術です。この恥骚埌匏前立腺党摘
術の方法ずしおは、開腹手術、腹腔鏡手術、
手術支揎ロボットda Vinci®
ダノィン
チを甚いる腹腔鏡手術がありたす図衚9。
 開腹手術ではおぞその䞋の皮膚を切開しお
お腹偎から前立腺に到達したす。腹腔鏡手術、
手術支揎ロボットを甚いる腹腔鏡手術では、
腹郚に56か所の穎を開け、内芖鏡や鉗子
を挿入しお手術を行いたす。
 開腹手術では芖野が広くおリンパ節郭枅も
容易ですが、前立腺が深い䜍眮にあるため切
開創が倧きくなり、患者は出血や術埌の痛み
に悩たされるこずがありたす。しかし、腹腔
鏡手術は画像を通しお広い芖野が埗られ、傷
が小さく出血も少ない䜎䟵襲治療法であり、
珟圚、䞻流ずなっおいたす。
●手術支揎ロボットの普及
 なかでも最近䞖界的に普及しおいるのが手
術支揎ロボットを甚いる腹腔鏡手術です。近
幎、米囜の前立腺がん手術の95以䞊が手
●合䜵症のない限局性がんに最適
 手術は前立腺がんの治療法ずしおよく行わ
れおいたすが、ほかの倚くのがんず違っお郚
分切陀ずいう遞択肢はなく、基本的にすべお
前立腺党摘陀術になりたす。最も倧きな理由
は前立腺がんは臓噚内に倚発する性質があり、
党摘しなければ埮小ながん现胞を取り残す可
胜性が高いこずです。ほかに、小さな臓噚で
郚分切陀は困難であるこずや、党摘が生呜に
関わらないこずも、理由ずしお挙げられるで
しょう。前立腺を粟
せいのう
嚢や粟管などの呚囲ごず
そっくり摘出するほか、䞀般にリンパ節郭枅
も行いたす。前立腺摘出埌に、排尿路を確保
するために膀胱ず尿道を぀なぎ盎したす図
è¡š8。
 根治を目的ずするため、がんが前立腺のな
かにずどたっおいる限局性前立腺がん、たた
は局所進行性のT1cT3TNM分類の前
立腺がんが䞻な察象ずなりたす。
 被膜を越えお呚囲に浞最しおいる堎合も、
リンパ節転移や遠隔転移がなければ手術を行
うこずがありたす。その堎合は病期や患者さ
んの意思により、攟射線療法や薬物療法が䜵
前立腺を党郚切陀した埌、
膀胱ず尿道を぀なぎ盎しお、排尿路を確保する。
前立腺党摘陀術図衚8
前立腺
尿道
膀胱
Q
どのような手術が
行われたすか5
A. 前立腺を呚囲の臓噚ごず、すべお摘出するのが基本です。
開腹手術のほかに腹腔鏡手術があり、手術ロボットを利甚する
ロボット支揎腹腔鏡手術も保険適甚になりたした。
切陀範囲
12
術支揎ロボットを䜿甚しおおり、日本でも
2012幎に前立腺党摘陀術に保険が適甚さ
れお以降、党囜で玄250台のロボットが導
入され、手術に䜿われおいたす。
 手術支揎ロボットを甚いる腹腔鏡手術では、
腹郚に開けた56か所の穎からカメラのほ
かに鉗子を取り付けたロボット・アヌムを挿
入し、操䜜ボックスに入った医垫がロボッ
ト・アヌムを操䜜したす。内芖鏡画面は䞉次
元で、埓来の腹腔鏡画面二次元よりもリ
アルに粟密に患郚を芳察できたす。たた、医
垫が盎接長い鉗子を操䜜するよりも、手術噚
具の動きがスムヌズです。その結果、より安
党で粟床の高い手術が可胜になりたした。
 前立腺党摘陀術は尿倱犁、勃起䞍党などの
合䜵症を䌎う可胜性がありたすが、手術支揎
ロボットの利甚で、これらの合䜵症を䜎枛で
きるようになっおいたす粟液を぀くる臓噚
を摘出し、粟管も切断するので射粟は䞍可胜
ですが、勃起神経の枩存により、射粟感は残
るこずがありたす。
前立腺党摘陀術の手術法の特城図衚9
手術法 開腹手術 腹腔鏡手術
手術支揎ロボットを甚いる
腹腔鏡手術
手術時間の目安 35時間 36時間 24時間
入院日数の目安 14日間 7日間 7日間
出血する量 倚い 少ない 極めお少ない
合䜵症 倚い 䞭皋床 少ない
技術の難しさ
腹腔鏡手術よりは
難しくない
難しい
腹腔鏡手術よりは
難しくない
今埌が期埅される局所治療
 がんが前立腺に限局しおいお、さらに再発のリ
スクが䜎いケヌスでは、局所治療郚分治療、フ
ォヌカルセラピヌが行われるこずがありたす。
 これはできる限り正垞な組織を枩存しお、がん
を治療するこずを目暙ずしおおり、経過を芋守る
監芖療法ず前立腺党摘陀術や攟射線療法のような
根治を目指す治療ずの䞭間的な治療です。
 この局所治療には、高密床焊点超音波療法
HIFU、凍結療法、攟射線の組織内照射密封
小線源治療、p.13などが含たれたす。
 高密床焊点超音波療法は、䜓内で焊点を定めお
高密床に超音波を照射するこずで、がん现胞を熱
ず衝撃で砎壊する方法です。
 凍結療法では、がんの郚分に特殊な針を刺し、
アルゎンガスを泚入しおがん现胞を凍結させたす。
その凍結が解けたずきにたた凍結を行い、がん现
胞をだんだん壊死させたす。
 いずれも臚床詊隓や自由蚺療で実斜されおおり、
健康保険の適甚にはなっおいたせん。攟射線の組
織内照射は保険適甚されたす。
 珟圚のずころ、高密床焊点超音波療法や凍結療
法は症䟋数が少なく、その効果や副䜜甚に関しお
のデヌタがただ蓄積されおおらず、局所治療を適
応するTNM分類やグリヌ゜ン・スコア、PSA倀
に぀いおはただ定たっおいたせん。そのため、が
ん自䜓は䜎リスクではあるものの、医孊的な理由
で前立腺党摘陀術や攟射線の倖照射ができない堎
合、患者さんが排尿機胜や性機胜などを損ないた
くないず匷く垌望しおいお前立腺党摘陀術や攟射
線の倖照射を行いたくないず考えおいる堎合など
の限られたケヌスが察象です。
 局所治療の遞択にあたっおは、患者さんや家族
が医垫ずよく話し合っお、共同意思決定シェア
ヌドディシゞョン・メむキング、p.10コラム
するこずが重芁です。
13
甚ずしお、ずきどき頻尿、排尿痛、排尿困難、
䞋痢、盎腞・肛門の炎症、盎腞出血、性機胜
の䜎䞋などがみられたすが、埓来の攟射線療
法に比べるず軜床です。
 倖照射法には、ほかに重粒子線、陜子線な
ど、特殊な粒子線を䜿う治療法もありたす。
●組織内照射は副䜜甚が軜床
 前立腺に線源を埋め蟌み、内郚から攟射線
を圓おるのが組織内照射密封小線源治療、
図衚10右です。前立腺の䜓積が倧きい堎
合は超音波プロヌブによる画像を芋ながら䌚
陰郚から長い針を刺し、その針を通しお小さ
な容噚を前立腺に埋め蟌みたす。容噚には、
䜎線量の攟射線を攟出する物質が密封されお
いたす。副䜜甚は倖照射法ず共通ですが、ほ
ずんどの堎合、倖照射よりも軜く、短期間で
治たりたす。小線源は氞久的に留眮したすが、
線量は埐々に枛り、幎埌にはほがれロにな
るので、長期的圱響の心配はありたせん。
 再発・転移リスクの䜎い堎合は単独で、高
リスクの堎合は倖照射ずの䜵甚が䞀般的です。
●倖照射法ず組織内照射法の2皮類がある
 限局性前立腺がんの堎合、攟射線療法も根
治が期埅できる治療法です。治療効果は手術
ず甲乙぀けがたく、患者さんの考え方やラむフ
スタむルなどに合わせお治療法を遞択したす。
 攟射線療法は、倖照射法ず組織内照射法に
倧別されたす。前者は文字通り、䜓の倖から
患郚に攟射線を照射する方法です。リスクな
どを考え合わせお、攟射線療法埌に内分泌療
法が䜵甚されるこずもありたす。
 前立腺がんでは攟射線の線量が高いほど効
果も䞊がるのですが、線量を䞊げればどうし
おも呚囲の組織に悪圱響が出おきたす。その
問題を解決するために開発されたのがIMRT
匷床倉調攟射線治療ずいう方法で、最近は
これが䞻流になりたした。IMRTではコンピ
ュヌタ制埡によっお攟射線に匷匱を぀け、さ
らに倚方向からの攟射線を組み合わせお、必
芁な箇所に匷い攟射線を圓おたす。䞀方、呚
蟺組織ぞの線量はセヌブできるので、䞍必芁
な被ばくを避けられたす図衚10巊。副䜜
Q
どのような攟射線療法が
行われたすか6
A. 倖から攟射線を照射する方法ず、線源を前立腺に埋め蟌む方法があり、
どちらも転移のないがんの根治目的で実斜したす。
倖照射IMRTず組織内照射のむメヌゞ図図衚10
前立腺 尿道
小線源を入れる
カヌトリッゞ
膀胱
超音波プロヌブ
組織内照射攟射線が出る小線源を前立腺内に留眮倖照射IMRT
順倩堂倧孊倧孊院医孊研究科泌尿噚倖科提䟛資料などを参考に䜜成
埓来の攟射線の照
射方法では、前立
腺以倖の郚䜍にも
攟射線が䜙分に照
射されおしたう。
IMRT匷床倉調攟
射線治療では攟射
線に匷匱を぀け、倚
方面から照射する
こずにより、前立腺
に照射される攟射
線量を䞊げるこず
が可胜で、呚囲のダ
メヌゞを枛らせる。
14
郚䜍の腫れやかゆみなどが出るこずもありた
す。長期的には高血圧、糖尿病の悪化、骚密
床や筋力の䜎䞋がみられたす。
 たた、GnRHアンタゎニストは同じく泚
射薬で、2012幎に薬事承認されたした。
これは芖床䞋郚から分泌される性腺刺激ホル
モンゎナドトロピン攟出ホルモンが、い
ずれも性腺刺激ホルモンゎナドトロピン
である黄䜓圢成ホルモンLHず卵胞刺激
ホルモンFSHを産生するのを阻害する
薬です。黄䜓圢成ホルモンは粟巣からのアン
ドロゲンの分泌を促すため、その䜜甚を止め
るこずでアンドロゲンの分泌を抑えるのです。
特城ずしお、LHRHアゎニストよりも効果
が速く出るこずが挙げられたす。
 副䜜甚は、LHRHアゎニストず同様です。
 いずれも1か月から6か月に䞀床の間隔で
泚射を続けたす。
●分泌されたアンドロゲンが
现胞に取り蟌たれないようにする薬も䜵甚
 アンドロゲンは粟巣だけでなく、少量なが
ら副腎でも぀くられたす。アンドロゲンの分
泌を抑える䞊蚘の薬だけでは効果が䞍十分ず
刀断された堎合には、抗アンドロゲン剀の内
服薬を䜵甚しお、アンドロゲンの现胞での取
り蟌みも阻害したす。
 抗アンドロゲン薬の副䜜甚には吐き気や食
欲䞍振、乳房痛、性欲の䜎䞋などがありたす。
●転移がんの治療に効果的な抗がん剀
 内分泌療法は効果の高い治療法ですが、続
けおいるうちに次第に効果が薄れおきたす。
抑え蟌たれおいたがん现胞が、男性ホルモン
がなくおも増殖する性質去勢抵抗性を獲埗
しお、再び掻動を始めるからです再燃。
 去勢抵抗性前立腺がんに察しおは、埓来か
ら女性ホルモン、副腎皮質ホルモンステロ
7 どのような薬物療法が
行われたすか
Q
A. 男性ホルモンの分泌や取り蟌みを阻害する内分泌療法が䞭心で、
抗がん剀も䜿いたす。
 薬物療法では、前立腺がんを進行させる男
性ホルモンアンドロゲンの分泌やアンド
ロゲンが现胞に取り蟌たれるのを抑える内分
泌療法が䞻䜓ずなりたす。アンドロゲンの分
泌は手術で粟巣を陀去するこずでも抑えられ
たすが、䞀般には薬物でアンドロゲンを抑制
したす。
 内分泌療法は根治を目指す治療ではなく、
すでに再発や転移をしおいる堎合が䞻な察象
です。ただし、攟射線療法で根治を目指す堎
合には内分泌療法を組み合わせるこずが䞀般
的ですし、倧きながんや前立腺の倖にがんが
浞最しおいる堎合には、手術の前に䞀定期間
内分泌療法を行うこずがありたす。たた、持
病などのために手術や攟射線療法が困難な患
者さんには、転移がなくおも内分泌療法を行
う䟋もありたす。
●脳に働き、アンドロゲンの分泌自䜓を
抑える薬が䜿われる
 内分泌療法に䜿われる薬の皮類は、倧きく
分けお粟巣からのアンドロゲンを抑制する薬
ず、粟巣から分泌されたアンドロゲンが前立
腺や前立腺がんの现胞に働くのを阻害する抗
アンドロゲン剀がありたす。
 前者には、LHRH黄䜓圢成ホルモン攟
出ホルモンアゎニストずGnRHゎナド
トロピン攟出ホルモンアンタゎニストがあ
りたす。
 これたで長く䜿われおきた泚射薬のLHRH
アゎニストは脳の䞋垂䜓に働きかけお、粟巣
からのアンドロゲンの分泌を抑える薬です。
 副䜜甚ずしおは、急な発汗やホットフラッ
シュのがせ、頭痛、う぀症状、食欲䜎䞋、
関節の痛みなど女性の曎幎期障害に䌌た症状
が頻出するほか、䜓重増加、乳房痛などもみ
られたす。性機胜も障害されたす。泚射した
15
くる堎合がありたす。そのため病院や医垫に
よっお薬の䜿い方が異なるこずを知っおおき
たしょう。
むドなどが䜿われおきたしたが、その効果
に限界がありたした。
 しかし、タキサン系抗がん剀が2008幎
に承認され、去勢抵抗性前立腺がんの治療は
倧きく進歩したした。最近の研究では、転移
しおいるがんにおいお、治療の最初から内分
泌療法ずタキサン系抗がん剀を䜵甚するこず
で、予埌が倧幅に延長するこずが明らかにな
り、わが囜でも暙準治療ずなり぀぀ありたす。
 続いお、2014幎に抗アンドロゲン薬の
䞀皮であるアンドロゲン受容䜓AR暙的薬が
2皮類承認されたした。この2぀のAR暙的
薬はこれたでの内分泌療法などに比べお予埌
を改善するこずが明らかになっおいたす。
 このAR暙的薬の副䜜甚ずしおは、高血圧、
疲劎感、䟿秘、吐き気、食欲䞍振、代謝異垞
などがありたす。
 さらに、去勢抵抗性前立腺がんの治療薬ず
しお、同じ2014幎に別のタキサン系抗が
ん剀が承認されたした。この薬は先に承認さ
れたタキサン系抗がん剀の効果がなくなった
埌に䜿っおも効果を発揮し、か぀副䜜甚が少
なめで患者さんの負担が少なく、生掻の質
QOLを保ちやすいこずが報告されおいた
す。
 この新たに承認されたタキサン系抗がん剀
の䞻な副䜜甚には、癜血球の枛少、むくみ、
䞋痢などがありたす。癜血球の枛少は、持続
的なG-CSF剀の䜵甚により抑えるこずがで
きるようになりたした。
 なお、AR暙的薬ずタキサン系抗がん剀の
皮類の遞択や䜿う順序はただ定たっおいない
郚分もあり、たたこれらの薬にも耐性が出お
3
人間ドックがきっかけで、41歳のずきに前立腺がんが芋
぀かりたした。この若さでず驚きたしたが、父も前立腺がん
で、ある皋床知識があり、少しは冷静に察応できたした。
小孊生の嚘には詳しく話したせんでしたが、劻には前立
腺がんの本を枡しお読んでもらいたした。病気に぀いお共
通理解を図ったので、劻が䞍安を抱えたたた䞀人取り残さ
れずにすんだのではないかず思っおいたす。
幎霢や再発時の治療を考慮しお、党摘陀術勃起神経枩
存を遞択。手術の埌遺症で尿倱犁や性機胜障害があるず
の担圓医からの説明を劻ず䞀緒に受けたした。
職堎には術埌1か月ほどで埩垰したした。しばらくは尿
もれパッドを付けおいたしたが、サポヌトタむプの䞋着で
パッドがずれず、膚らたないように工倫したので、心配す
るこずなくスヌツを着お仕事ができたした。䞍安だった尿
もれは1か月半ほどで改善。性機胜障害は半幎から1幎ほ
どで埐々に回埩に向かいたした。43歳・蚺断から2幎目
尿もれは1か月半、性機胜障害は半幎から1幎で回埩ぞ向かうPatient's Voice
 肺がんや乳がんをはじめずする固圢がんでは、
がんの組織や现胞を手術や生怜で採取し、次䞖
代シヌケンサヌで遺䌝子の異垞などを調べる研
究が進んでいたす。これによっお、患者さんの
がんのタむプの蚺断や盞性のいい薬の遞択、た
た予埌の予枬などが少しず぀できるようになっ
おきたした。
 前立腺がんでも遺䌝子の異垞があるこずが䞀
郚の研究で明らかになっおいたす。䟋えば、欧
米の前立腺がんの患者さんの半数に2぀の遺䌝
子が融合する異垞があるこずが報告されおいた
す。たた、この遺䌝子に限らず、病状の進行ず
遺䌝子の倉化に関連があるこずも明らかになっ
おきたした。
 欧米では進行性の前立腺がんのうちの玄2割
の患者さんにBRCA1遺䌝子たたはBRCA2遺
䌝子の倉異があるこずがわかっおいたす。この
遺䌝子倉異は乳がんや胃がんなどでもみられ、
この遺䌝子倉異がある堎合には分子暙的薬の
PARP阻害薬や癜金プラチナ系抗がん剀に
よる治療が効果がありたす。日本でも、前立腺
の転移がんの堎合に、血液䞭に出おいるがん现
胞の遺䌝子解析を行うこずにより、効果がある
ず予枬される薬剀を遞択する治療を行っおいる
病院も出おきおいたす。
 今埌、がんの組織に察する遺䌝子解析の研究
が進んで、解析費甚が安くなれば、前立腺がん
でも遺䌝子の異垞やそれに䌎う異垞なタンパク
質の産生に぀いお調べお、その結果を蚺断、治
療の遞択、予埌の予枬に䜿えるようになる可胜
性がありたす。
前立腺がんの個別化治療
16
4倧きな䞍安の䞭、医垫の䞁寧な察応ず説明に救われたしたPatient's Voice
close-up
高霢者の健康状態のアセスメントツヌル
「G8 スクリヌニング」
囜際老幎腫瘍孊䌚のG8 geriatric screening toolG8 スクリヌニング図衚11
項目 スコア
①食欲䞍振、消化問題、噛むこず、
たたは嚥䞋困難により、過去3か月
で食欲は萜ちたしたか
0 著しい䜎䞋 1 䞭等床の䜎䞋 2 正垞
②この3か月間の䜓重枛少 0
3kg 以䞊の
枛少
1 わからない 2 1〜3 kgの枛少 3 枛少なし
③可動性 0
ベッドや怅子の
䞊での動䜜
1
ベッドや怅子から動
けるが、倖出䞍可胜
2 倖出可胜
④神経心理障害 0
重床の
認知症やう぀
1
䞭等床の
認知症やう぀
2 障害なし
â‘€BMI䜓重kg÷身長mの
2乗
0 19未満 1 19以䞊21未満 2 21以䞊23未満 3 23以䞊
⑥1日3剀以䞊服薬しおいるか 0 はい 1 いいえ
⑊同䞖代の人ず比范した健康状態 0 よくない 0.5 わからない 1.0 よい 2 よりよい
⑧幎霢 0 85歳を超える 1 80〜85æ­³ 2 80歳未満
「前立腺癌蚺療ガむドラむン 2016幎版」日本泌尿噚科孊䌚線、メディカルレビュヌ瀟を参考に䜜成)
49歳のずきに告知されたした。10幎前から排尿しにく
い感じがあり、定期的にPSA怜査を受けおいたした。数
倀は少し高いものの、「40代前半でがんの可胜性はほずん
どない」ず蚀われお安心しおいたので、告知されたずきは
倧きな衝撃でした。
医垫からは、その日のうちに手術か攟射線療法かの遞択
を迫られ、戞惑うばかり。母や効には心配をかけたくない
ので盞談できず、唯䞀話せたのは医垫でもある芪友だけで
した。圌に背䞭を抌されお受けたセカンドオピニオンで運
呜が倉わりたした。その医垫の詳现な説明ず䞁寧な察応に
心底ホッずし、再怜査の結果、PSA監芖療法を提案され
たした。ただ40代、できれば性機胜は残したかったので、
安心しお思わず涙がこがれたした。
それから玄4幎、3か月に1回の怜査で、PSA倀を芋な
がら経過芳察を続けおいたす。日々の生掻を芋盎し、食事
療法や代替療法も取り入れながら療逊䞭です。
54歳・蚺断から5幎目
 前立腺がんは高霢になっおから芋぀かったり、再発
したりする患者さんが倚く、手術や攟射線療法の実斜
や抗がん剀の䜿甚など治療法を決める際に、がんの状
態だけでなく、持病を含めた心身の状態、生掻環境な
どを慎重に考慮する必芁がありたす。高霢者では、も
ずもずの䜓力や気力、生掻環境に個人差が倧きく、そ
れががんの治療の効果や副䜜甚にも圱響したす。぀た
り、実幎霢だけでは治療の可吊が刀断できない面があ
るのです。
 そこで、前立腺がんでは、TNM分類、グリヌ゜ン・
スコア、PSA倀、幎霢、合䜵症の有無、期埅䜙呜こ
の先䜕幎くらい生きられるかずいう予枬のほかに、
身䜓胜力、認知の状況、瀟䌚的な掻動床、患者さん本
人の病気に察する考え方などを囜際老幎腫瘍孊䌚
SIOGが䜜成した8項目から成るアセスメントツヌ
ル「G8 スクリヌニング」で評䟡するこずがありたす
図衚11。これはたた前立腺がん怜蚺を受けるかど
うか、いったん終わった治療を再開するかどうかを決
めるずきにも参考にされたす。
 ①〜⑧の総蚈が15点以䞊であれば、健康状態は良
奜であるず評䟡されたす。14点以䞋であれば、副䜜
甚の匷い治療法は掚奚されたせん。
17
 手術埌に生化孊的再発や局所的に臚床的再
発がみられる堎合は、攟射線療法が行われた
す救枈攟射線療法。たた、救枈攟射線療法
の効果が期埅しにくい堎合や救枈攟射線療法
埌もPSA倀が䞋がらない堎合には、内分泌
療法、あるいは内分泌療法ずタキサン系の抗
がん剀ずの䜵甚が行われるこずもありたす。
 攟射線療法埌に同じく生化孊的再発あるい
は局所的に臚床的再発がみられる堎合は、内
分泌療法あるいは内分泌療法ずタキサン系の
抗がん剀ずの䜵甚療法、前立腺党摘陀術、凍
結療法p.12コラム、攟射線の組織内照射、
高密床焊点匏超音波療法HIFU、経過芳察
などの遞択肢がありたす。
 根治目的で手術しおも目に芋えない埮现な
がん现胞が残り、それが再び増殖し始めた状
態が「再発」です。攟射線療法で消滅させた
はずのがん现胞がしぶずく生き残り、増殖し
始めるのも「再発」です。がんが同じ臓噚
前立腺がんの堎合、摘出した郚䜍やその呚
蟺ではなく、離れた組織や臓噚に「転移」
した状態で芋぀かるこずもありたす。
●PSA倀の䞊昇で再発を芋぀ける
 初発時の治療のフォロヌアップずしお、た
た再発や転移を早期発芋するために、図衚
12のような怜査が必芁に応じお行われたす。
 なかでも重芁芖されるのがPSA倀です。
再発の兆候はたずPSA倀の䞊昇ずしお珟れ
るからですPSA再発=生化孊的再発。手
術埌から〜週間ごずにPSA倀を枬定し、
術埌1か月以䞊経っお0.2ng/mlを䞊回った
堎合、たたはその埌の枬定で2回連続しお
0.2ng/mlを䞊回った堎合には再発ずみなさ
れたす。攟射線療法で根治治療を行った堎合
は、照射埌にPSA倀が2ng/ml以䞊䞊がっ
た堎合に再発を疑いたす。ただし、攟射線療
法埌は䞀時的にPSA倀が䞊昇するこずが知
られおおり、䜕回かの枬定が行われたす。内
分泌療法埌の再発の目安は最䜎倀から2ng/
ml以䞊䞊昇した堎合です。
 盎腞蚺やMRI怜査、CT怜査で腫瘍が確認
された堎合臚床的再発には再発したがん
がかなり進行しおいるず考えられたす。
●再発時には䞻に薬物療法が行われる
 再発時の治療方法は、根治治療前のがんの
悪性床や病期、PSA倀の䞊昇速床などに応
じお怜蚎されたす。患者さんの幎霢や状態に
よっおは圓面、経過を芳察する堎合もありた
す。
Q
再発や転移ずはどのような状態ですか。
たた、どのような治療が行われたすか8
A. 治療埌に残った小さながん现胞が再び増殖し始めるのが再発、
がん现胞が他の組織に移動しお、そこで腫瘍を圢成するのが転移です。
再発や転移は䞻に薬物療法によっお治療したす。
PSA怜査
盎腞蚺
骚CT怜査
骚シンチグラフィヌ
PET/CT怜査
再発や転移に぀いお調べるために
行われる怜査
図衚12
MRI怜査
CT怜査
▌
局所再発を調べる画像怜査
▌
骚などぞの転移を調べる画像怜査
18
 内分泌療法で治療しおいお生化孊的再発や
臚床的再発がみられる堎合再燃、p.14
には、薬の倉曎、特にAR暙的薬ぞの倉曎、
たたはタキサン系の抗がん剀の単剀䜿甚、あ
るいはタキサン系抗がん剀ず内分泌療法薬ず
の䜵甚が行われたす。
●骚転移に薬物療法やラゞりム照射で察応
 がん现胞が発生した堎所から離れ、リンパ
管や血管を経お、リンパ節やほかの臓噚で増
殖しお腫瘀を圢成した転移の堎合、残念なが
ら根治は䞍可胜ず考えたほうがよいでしょう。
内分泌療法や化孊療法でできるだけがんの増
殖を抑え、生掻の質QOLを維持しながら
延呜を図るのが䞀般的な治療方法です。
 前立腺がんは骚盀、䞋郚腰怎、倧腿骚など
骚に転移しやすく、腰や脚の痛みのために受
蚺し、初めお前立腺がんだずわかるケヌスも
少なくありたせん。骚転移には、ビスホスホ
ネヌト系の泚射薬砎骚现胞の働きを抑制す
るや抗RANKLモノクロヌナル抗䜓薬砎
骚现胞の圢成を抑制するが䜿われたす。
 2016幎には塩化ラゞりム223223
Raが
骚転移のある去勢抵抗性前立腺がんに保険適
甚され、骚にのみ転移がみられるケヌスに䜿
われおいたす。ラゞりムには、がんの骚転移
がある郚䜍のように骚代謝が進んでいる郚分
に集積する性質があり、たた、高゚ネルギヌ
のα線を攟出するため、これを泚射で投䞎し
お骚転移しおいる郚分に集積させお、がん现
胞をたたくのです。副䜜甚ずしおは、吐き気
や貧血、䞋痢、骚の痛み、疲劎などが挙げら
れたす。
 たた、痛みの緩和には鎮痛薬、ステロむド
などの薬物が甚いられるほか、攟射線の倖照
射が痛みの緩和や骚折の予防に有効です。
 ほかには、リンパ節、肺、肝臓などぞの転
移もありたす。
 リンパ節や肝臓ぞの転移には自芚症状がほ
ずんどありたせん。䞀方、肺ぞの転移は咳や
痰が出たり、息苊しさを感じたりするこずが
ありたす。これらの転移が芋぀かった堎合に
は、やはり䞻に内分泌療法を䞭心にしお、が
んそのものに察応するほか、咳や痰を抑える
薬、呌吞を楜にするための少量の麻薬などを
䜿いたす。肺に氎がたたった堎合には氎を抜
くこずもありたす。
 再発したがんや転移のあるがんでは、根治
しなくおも、がんず共存しおいくこずは可胜
です。担圓医や薬剀垫、看護垫などずよく話
し合っお、がんず付き合っおいきたしょう。
5
58歳のずきにステヌゞB2の前立腺がんが芋぀かり、
ホルモン療法で腫瘍を小さくした埌、党摘陀術を受けた
した。
術埌の経過は良奜でしたが、䞋がっおいたPSA倀が
埮増しおきお、玄1幎埌に再発。初発のずきは知識がな
く、がんずいう蚀葉の重さず恐怖に抌し぀ぶされそうで
したが、再発のずきは勉匷しお知識を埗おいたので、冷
静に察策を考えるこずができたした。病気ず向き合うう
えでは、偏りのない正しい情報を知るこずが倧切だず実
感しおいたす。
再発埌の治療ずしお内分泌療法を受けたしたが、次第
に効きにくくなり、3幎半ほどで終了。その埌は攟射線
療法を受け、無治療ずなっお8幎間再発しおいたせん。
私が蚺察のずきに心がけおいたのは、必ずメモを取る
こず。聞きたいこずは、短い時間で確実な答えをもらえ
るように質問の仕方をあらかじめ考えおおき、貎重な蚺
察時間を有効に䜿っおいたした。
71歳・蚺断から14幎目
蚺察のずきはメモを取り、貎重な蚺察時間を有効にPatient's Voice
腫瘍
組織のかたたり。良性ず悪性がある。
良性腫瘍
がんではない腫瘍のこず。無限に増
殖したり、ほかの臓噚に転移したり
するこずはない。
悪性腫瘍
がん化した腫瘍のこず。無限に増殖
し、ほかの臓噚に転移しお生呜に著
しい圱響を及がす。
限局性がん
がんが最初に発生した臓噚にずどた
っおいるもの。
転移
がん现胞がリンパ液や血液の流れ
に乗っおほかの臓噚に移動し、そこ
で広がるこず。
生怜バむオプシヌ
組織を採取しお、がん现胞があるか
どうかを顕埮鏡で調べる怜査。
腫瘍マヌカヌ
䜓内にがんができるず、そのがんに
特有なタンパク質が倧量に぀くら
れお血液䞭に出珟する。そのなか
で枬定可胜なものが、腫瘍マヌカ
ヌずしお怜査に䜿われる。前立腺が
んではPSAが調べられる。
ホルモン䟝存性がん
増殖がホルモンによっお制埡され
るがん。
内分泌療法ホルモン療法
ホルモン䟝存性がんに察しお、ホル
モン剀や、ホルモンを抑制する薬剀
を投䞎する治療法。
リンパ節
病原菌の感染や異物ず戊うための
小さな豆状の噚官で、免疫を担うリ
ンパ球が集たっおいる。䜓䞭にあり、
リンパ管で぀ながっおいる。
リンパ節郭枅
病巣ずずもに、転移しやすい呚囲の
リンパ節を切陀するこず。
予埌
病状たたはがんの状態がどのよ
うな経過をたどるのかずいう芋蟌み
や予枬。
経枈的に困ったずきの察策は
 治療費や生掻費、就劎の問題などで困
ったずきはかかっおいる病院の盞談宀、
たたは近くのがん蚺療連携拠点病院の盞
談支揎センタヌに盞談したしょう。盞談
支揎センタヌでは、地域のがん患者さん
や家族からの盞談も受け付けおいたす。
 公的医療保険には、高額な治療費がかかっ
たずきの自己負担を軜枛する高額療逊費制床
がありたす。公的医療保険の窓口に申請しお
「限床額適甚認定蚌」を受け取り、事前に病
院に提出すれば、倖来でも入院でも窓口の支
払いが自己負担限床額の範囲内で枈みたす。
前立腺がん
甚語集
知っおおきたい
䜓の痛みに察するケア
・緩和ケア倖来
 がんの痛みにはがんそのものが原因ずなる痛み、治療に䌎う痛み、床ずれなど療逊に関連し
た痛みなどがありたす。がん察策基本法では「初期からの痛みのケア」の重芁性が瀺されおお
り、痛みのケアはい぀でも必芁なずきに受けられたす。痛みがあったら我慢せずに、たずは担
圓医や看護垫に䌝えたしょう。圚宅療逊䞭も含め、痛みの治療を専門ずする医垫、看護垫、薬
剀垫、リハビリの専門家などが、心の専門家䞋欄ずも連携しお、WHOのがん疌痛治療指
針に沿っおがんに䌎う苊痛を軜枛するケアを行っおいたす。
 倖来治療䞭、たたはがんの治療が䞀段萜し
た患者さんず家族を察象に、がんや治療に䌎
う痛みのケアを行う倖来です。
・緩和ケア病棟ホスピス
 積極的治療が困難になり、入院しお痛みや
苊痛のケアを必芁ずする患者さんを察象にし
た病棟です。
心の぀らさに察するケア
 「がんの疑いがある」ずいわれた時点から患者さんずその家族は䞍安になったり怒りがこみ
䞊げおきたりず、さたざたな心の葛藀に襲われたす。家族や友人、医垫、看護垫、盞談支揎セ
ンタヌのスタッフに぀らい気持ちを打ち明けるこずで埐々に萜ち着くこずが倚いものの、2
3割の患者さんず家族は心の専門家䞋欄の治療が必芁だずいわれおいたす。眠れないなど
生掻に支障が出おいるようなら担圓医や看護垫に盞談し心の専門家を玹介しおもらいたしょう。
・臚床心理士
 臚床心理孊にもずづく知識
や技術を䜿っお心の問題にア
プロヌチする専門家のこずで
す。がん蚺療連携拠点病院を
䞭心に、臚床心理士は医垫や
看護垫ず連携しお心のケアを
行っおいたす。
・粟神腫瘍医
 がん患者さんずその家族の
粟神的症状の治療を専門ずす
る粟神科医たたは心療内科医
のこずです。厚生劎働省や日
本サむコオンコロゞヌ孊䌚を
䞭心に粟神腫瘍医の育成や研
修が行われおいたす。
・心をケアする専門看護垫
 がん看護専門看護垫や粟神
看護専門看護垫リ゚ゟンナ
ヌス、緩和ケア認定看護垫
が、患者さんず家族の心のケ
アずサポヌトも行いたす。䞍
安や心配ごずは我慢せずに䌝
えたしょう。
䜓の痛みや心の぀らさを我慢しないで
苊痛を和らげおくれる
専門家がいたす
・緩和ケアチヌム
 䞀般病棟の入院患者さんに察しお担圓医や
病棟看護垫ず協力し、倚職皮のチヌムで痛み
の治療やがんに䌎う苊痛の軜枛を行いたす。
・圚宅緩和ケア
 痛みのケアは自宅でも入院䞭ず同じように
圚宅医や地域の圚宅緩和ケアチヌムから受け
られたす。
19
●前立腺がんの治療や情報に぀いおさらに詳しく知りたい方は
http://cancernet.jp/zenritsusengan
制䜜NPO法人キャンサヌネットゞャパン
※本冊子の無断転茉・耇写は犁じられおいたす。
 内容を匕甚する際には出兞を明蚘しおください。
 2018幎6月䜜成
米囜をはじめずする海倖では、
前立腺がん啓発のシンボルずしおラむトブルヌリボンが䜿われおいたす。
ラむトブルヌリボンずは
●JUMP OVER CANCER
http://www.mbs.jp/joc/

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