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Project Magicc
 -Micro-Analysis on Green Innovation and Corporate
                  Competitiveness-


エネルギーの安定供給、温室効果ガスの削減、
  産業競争力の確立をいかに両立させるか



                                              2012.3.12
                一橋大学イノベーション研究センター
                                               青島矢一
日本が抱える3つ課題

• 温室効果ガスの削減
 – 1990年比で2020年までに25%の削減を公言
• エネルギーの安定供給
 – 原発の喪失(福島第一&第二で9.1GW)
• 経済成長の実現
 – 長引く経済の低迷
温室効果ガスの削減

• 90年比で25%削減するには・・・
 – 9基の原子力発電所の新設。稼働率は81%に
   向上(1.05億t)。
 – 太陽光発電を20倍(1,600万t)
 – 新世代自動車の普及(2,100万t)
 – その他の省エネ対策(8,400万t)
 – これでやっと90年比8%減
 – 残りは排出権の購入 (金子, 2010)
• しかも、もはや原子力発電に頼ることは
  できない。
長期エネルギー見通し
        (2009年時点)




資料:資源エネルギー庁「長期エネルギー見通し(再計算)」2009年8月において
最大導入ケースとして想定されている目標数値
火力発電による原発の代替

• 2010年11月に230億kwhであった原発に
  より電力量は、2011年11月には70億kwh
  へと減尐。
• 一方火力発電は、363億kwhから493億
  kwhへと増大し、総発電量の68%を占め
  ている。
• しかしこのままCO2を排出し続けるわけ
  にはいかない。
好景気で急落する付加価値率
    24                               5.5
%                                          %

                          付加価値率      5
    23


                                     4.5
    22

                                     4
    21

                                     3.5
    20
                                     3

    19
                                     2.5

                          売上高営業利益率
    18
                                     2


    17                               1.5


    16                               1



         全ての製造企業を含む
         出所:法人企業統計より筆者作
         成
経済への影響

• 火力発電の増大によって2011年度だけで1.7
  兆円の追加燃料費が必要という試算(火力発
  電10.2円/kwhに対して、原発は7.2円
  /kwh)。電気料金の値上げ。
• 温室効果ガスの削減義務が課されれば、排出
  権の購入によって多大な富が海外に流出す
  る。
• ただでさえ円高で厳しい日本企業に対するダ
  メージは大きい。活動の拠点を日本から移さ
  ざるをえなくなる。
矛盾を含む複雑な方程式

                経済発展




             矛盾を解決する新たな
             産業の発展可能性の探
                 索

             新産業において日本企
             業の競争力を確保する
              ための方策の探索
 温室効果ガス
                          原発に依存しない
    の削減
                           エネルギー供給
:90年比25%削減
矛盾を解決する方法

• 新しいグリーン産業の促進
• 新エネルギー、省エネルギーに関連する巨大
  な産業が生まれれば、「環境」、「エネル
  ギー」、「経済発展」の3つは一気に解決で
  きそうに見える。
• グリーンイノベーション、グリーン産業の拡
  大を狙った、様々な政策。大量の税金の投
  入。
• 本当にこれで矛盾は解決できるのか。
経営学者の心配ごとと役割

• 大量の税金を使って、温室効果ガスを削減
  し、エネルギー問題を解決したとして、新た
  なグリーン産業の拡大は、本当に長期的な日
  本経済の発展につながるのか。
• 短期的な市場拡大による恩恵はわかる。
• しかし新たな産業において日本企業(産業)
  が国際競争力をもち、長期的に日本経済を牽
  引できなければならない。
• 「ミクロの視点の必要性」:ここに経営学者
  の役割がある。
グリーン政策の罠:「グリーン家
電普及促進事業」の事例
 6,900億円の予算。2011年8月31日時点で
  6,390億円分のポイント発行済み。その
  内、82%にあたる5,217億円が省エネテレ
  ビ向けに発行された。
 そもそもは温室効果ガス削減目標を達成
  するために、環境省を中心に進められて
  きた事業であったが、実質的には薄型テ
  レビの購入促進事業。
エコポイント導入の省エネ効果
(TV一台あたり年間消費電力:kwh)
300



                250
250




200




150                                   筆者推計
      130.1
                                125   当初の計画(朝日新聞2011年2月より)
                      109.3
100




 50




  0
          導入前             導入後
エコポイントの経済効果
• 経済産業省は、予算額の7倍におよぶ5兆円の経
  済効果をもたらし、のべ32万人の雇用を創出し
  たと発表(2011年6月)
 – 産業連関表を使った計算のマジック
• 確かに国内市場は拡大した(エコポイント期間に
  4,000万台の販売)。消費者余剰は確かに増え
  た。
• 雇用も増えたかもしれない。しかし合理的な企業
  が、エコポイント終了後の影響を考えたとき、固
  定的な人材を雇うだろうか。
• しかし、TV産業における日本企業の競争力に貢
  献したとはいえない。長期的な効果には疑問符。
テレビ国内出荷台数に占める輸入
120.00%
               台数の割合

100.00%




 80.00%




 60.00%




 40.00%
                                             エコポイント終了


 20.00%



                            エコポイント開始
  0.00%




          注:国内出荷台数はJEITAの自主統計から、輸入台数は貿易統計のデータを使用しており、後者
          の方がカバーする範囲が広いため、実際の割合よりも高い値がでていると思われる。
そして、日本企業のTV事業の現
状
 政府は5千億円以上の税金を投入したのに・・・
 日立:国内生産撤退
 パナソニック: 全社で7,000億円の連結損失予
  測。TV事業で1000人のリストラ。半導体事業で
  希望退職。
 ソニー: TV事業の縮小。TV事業で1650億円の赤字
  の予測。
 シャープ:全社で2900億円の赤字
 東芝:TV事業で450億円の赤字
 結局実現されたのはアナログ停波の影響を極小化
  したこと。しかしこれとて、エコポイントを必要
  としたのか?
なぜなら・・・
薄型テレビにおける事業モデル(2009)
                                 TPV
                                Amtran
         LCD             台湾     Compal
汎用部材     パネル           ODM企業    Wistron
                                Proview
          Samsung         世界シェア20%強
  分業型    LG Display
            AUO
            CMO
            CPT
           Sharp

                                         専用TV-IC
 TV-IC   標準TV-                         (ASIC),内製
                       ブランド企業
 製造      IC設計                         LCDパネルなど内
                                      部開発・内製部材
          MediaTek
 TSMC等
           Trident
 半導体
 ファンダリ
            MStar         統合型
         ST(Genesis)
            Zoran                専用部材
同床異夢の罠

 省エネルギー/CO2削減:環境省
 経済活性化:経済産業省
 地デジへ化への対応:総務省
 一石三鳥?それとも、同床異夢がもたら
  す罠
環境、エネルギーという
マジックワード
• 「エコ」という言葉をまとうことによって、
  正当化された、経済省と総務省の事業。
• 環境対策、エネルギー対策に対して正面切っ
  て反対できる人は多くない。この状況は震災
  後、特に強くなっている。
• 長期的な経済発展に向けたシナリオの検討が
  おろそかになる危険性。特にミクロの知見を
  もとにしたシナリオ形成が軽視される危険
  性。
期待される太陽光発電
• 2009年11月から住宅用余剰電力買い取り制度:
  当初は48円/kwh、2011年度は42円/kwhで買い取
  り。
• 2012年度には全量固定価格買い取り制度のス
  タート。事業用設備に対して適用される可能性が
  高い。
• ドイツ、スペインの例からして、十分に事業採算
  が成り立つレベルに買い取り価格が設定されれ
  ば、普及は加速化する。→エネルギー・環境対策
  としては良いこと。
• 太陽光の普及によってGDPが減尐しないという
  試算も(ただし全量日本で生産するという前提)
長期的な経済性向上の可能性
• 手厚い補助は太陽光がまだ技術的に未成熟である(コ
  ストが高い)という前提。普及にともなう量産効果で
  急速にコスト低下が起きるという前提
 – 2020年に14円/kwh、2030年に7円/kwh(NEDO)。現状で
   も金利費用を除けば30円/kwh程度。
• パネルとしての量産効果はでにくい。結晶シリコン型
  の場合、70%以上が材料にかかる変動費(その多く
  がシリコン材料)。現状の技術を前提にすると大幅な
  コストダウンは難しい。
• 結晶シリコン型のエネルギー変換効率の理論値は
  29%程度。すでに研究室レベルでは25%まで達成。
 – 未成熟なのか?枯れた技術なのか?
• しかし固定価格買い取りが進めば当面は現状で最も経
  済性の高い技術の普及が急速に進むだろう。
日本企業は競争力をもちえるか
• 主流の結晶シリコン型ではセル、モジュール
  生産の過半は中国企業が支配。
• 製造装置も欧米のTKS企業が支配
• カバーガラス、バックシート、封止材で日本
  企業が強いが、そもそも中間部材が尐ない製
  品。
• 現状の結晶シリコン型を普及させることは日
  本企業の国際競争力の低下を助長するように
  みえる。
• 技術革新の余地の高い、a-Si薄膜、化合物型
  (CISなど)、有機薄膜、色素増感などの新技
  術の開発の足かせにはならないか?
PV cell production share (2010)

                                          JA Solar (China)
                             Suntech           6.1%
                             (China)               First Solar (US)
                              6.6%                       5.9%


                                                      Yingli (China)
                                                          4.7%


                                                               Trina Solar
                    Others                              Q-cells (China)
                    56.0%                             (Germany) 4.7%
                                                         3.9%

                                                              Gintech
                                               Sharp (Japan) (Tainwan)
                                                   3.1%         3.3%
                                 Kyocera (Japan)       Motech (Taiwan)
                                      2.7%                 3.0%
Source: Wikipedia
Top 10 PV production equipment
manufacturer

                  Company                         Sales (M$)

           Applied Materials US                      455

          Roth and Rau   Germany                     275

          Centrotherm Germany                        270

        OC Oerlikon Balzers     Swiss                250

                Ulvac(Japan)                         240

        Manz Automation Germany                      140

Schmid Gruppe Technology Systems        Germany      125

   Von Ardenne Anlagentechnik Germany                120

     RENA Sondermaschinen Germany                    85

       3S Swiss Solar Systems    Swiss               70
例えば、地熱発電の可能性
• 高い潜在性
 – >2,347万KWe 以上の地熱資源(世界第3位)
 – まだ一部しか開発されていない(53.5万KW).
 – カーボンフリーの技術
• 高い経済性の可能性
 – 基本的に燃料費はいらない
 – 九州電力の2010年有価証券報告書データで6.74円/kwh
• まだ標準化された技術ではない
 – 発電所の重要技術を日本企業が握っている
 – ドライスチームで70%以上, フラッシュで80%以上のシェ
   ア
• 関連インフラ産業の誘発
• にも関わらず、長い間軽視されてきた
• 2003年には補助金の打ち切り、10年以上新設なし、
  新エネルギーからの除外・・・。
発電単価の比較
       (2006-2010年平均)
12


           10.2
10
                                     8.9


 8
                        7.2


 6



 4



 2



 0
           火力           原子力          地熱等


     単位:円/kwh
     出所:日本エネルギー経済研究所(2011)をもとに筆者作成
地熱発電タービンのシェア
            (2010年、単位MW)

          1,100
          10.3%   550
                  5.1%
                          2,630
                          24.6%           三菱重工
1,138                                     東芝
10.7%                                     富士電機
                                          Ansaldo / Tosi
                                          ORMAT
                                  2,525   GE / NP
                  2,146           23.6%   Alstom
                  20.1%                   AEI
                                          Kaluga
                                          BTH
                                          Other (13)




        出所:レイキャビクエナジー資料
障害はあるけど

• 国立公園問題
• 初期ファイナンスの問題:ハイリスクローリター
  ン
• 温泉街との共存
 でも克服できない問題ではない。
 温水と組み合わせれば経済性はさらに向上
アイスランドの例

• オイルショックを契機に地熱開発を加速化
  (原発に向かった日本と対照的)
• 年間4,600Gwhの電力を創出。総電力量の
  25%程度をまかなう(残りは水力)。
• コストはおそらく2-3円/kwh程度と思われ
  る。
• ただしタービンは一部の小型・旧型を除いて
  全て日本製。
• 経済性を確立する上での鍵は「合わせ技」
 – 暖房用途にインフラを確立して、その上に、発電
   所を重ねる。
地熱発電普及の鍵は・・・

• 恩恵のバランス
 – 環境、コミュニティ、エネルギー、安全、経
   済
• 範囲の経済
 – 直接利用と間接利用
 – コジェネレーション
• 事業モデル
 – 市場拡大を企業の付加価値増大につなげる
   (Ormatの例)
他にも得意分野はあるはず

• たとえば、地中熱利用
 – 地中熱ヒートポンプは世界的には急速に成長して
   いるのに日本ではほとんど普及していない。
 – 四季のある日本に効果的な技術
 – ヒートポンプ技術の強み
 – 国内インフラ産業の発展
• 電力創出だけではなく、電力としての利用を
  減らすという、トータルな考えかたをもち、
  しかも日本企業が新たな産業で優位にたてる
  可能性を考慮することの必要性。
環境、エネルギー政策の危うさ
• 同床異夢の罠
 – 同床異夢は両刃の刃。強い目標意識が欠けると単
   なるもたれ合いになる。
• 「エネルギー」「環境」というマジックワー
  ドの力
 – 同床異夢の戦略にマジックワードの力が加わる
   と、企業競争力の向上を通じた長期的な経済発展
   のシナリオがおざなりになる危険性
• 「普及=経済発展」という幻想
 – グローバリゼーション、技術の汎用化が進む世界
   では、国内市場の拡大政策は必ずしも長期的な富
   をもたらさない。
経営学者の出番

• ミクロの基盤の重要性
• Project “Magicc”
  – Micro-Analysis on Green Innovation and
    Corporate Competitiveness
懸念事項(1)

• 環境・エネルギー問題に経営学者が足を
  突っ込むのは危険?
 – 環境・エネルギーの専門家は数多く存在す
   る。
 – この領域は客観的真実の追求だけでなく、価
   値・イデオロギー対立が大きい。論争に巻き
   こまれても対抗できる専門知識をもたない。
• われわれの「立ち位置」をはっきりさせ
  る必要がある。
われわれの立ち位置

• 日本企業の競争力、日本経済の発展
 – 環境問題・エネルギー問題の解決を目指して振興
   されるグリーン産業における日本の競争力(日本
   企業の競争力とそれを基盤とした日本経済の長期
   的な発展・成長)に焦点をあてる。
 – 現場調査にもとづくミクロの視点から競争力につ
   ながるメカニズムを明らかにする。
• グリーンイノベーションの長期的促進
 – ただしイノベーションとは「経済価値」をもたら
   す革新のこと。単なる技術革新のみを扱うのでは
   ない。
われわれが(勉強はするけど)やらな
いこと
• 環境問題そのものの解決方法
 – 本当にCO2削減が必要なのか?人為的問題なのか自然現象なの
   か?
 – グリーン産業の発展は本当に環境問題を解決するのか?(GDPを
   減らした方がいい?)
• エネルギー政策そのもの
 – エネルギー自給率をどうすべきか?国家戦略として石油依存をど
   うすべきか?
• 上記に関連してライフスタイルの変革など、生活のあり方
  に関する議論
 – 結果としては扱うが、独立変数としては扱わない。
• マクロ的な分析
 – マクロデータを用いたエネルギー・環境投資と経済成長との関係
 – リスクの見積もり(原発のリスクの大きさなど)
懸念事項(2)

• 提言(問題解決)を1つの目的として研
  究を進めることの危険性
 – 提言を求めることによって、分析プロセスの
   客観性や詳細性が犠牲にならないか
 – 学術論文になりにくいことが、特に若手の研
   究者にとって問題とならないか。
飽くまでも研究プロジェクト

• 提言はするけど、それは副産物であるとい
  う、従来の研究者としての姿勢を崩さない。
 – 飽くまでも現象を説明する詳細なメカニズムの解
   明とその一般化(理論化)が目的。
 – そのメカニズムを適用することによって提言をす
   るに過ぎない。
• 学術論文にする努力を継続する。
 – おそらく、なんでも書いたものをお互いに発表し
   て、そこから学術論文としての可能性を一緒に
   探っていくという作業が重要(年に3回くらい集ま
   るのはどうか)
Magiccの現状の構成
(要検討)
• 新産業の創出
 –   太陽光(延岡)
 –   水関連(三木、藤原、積田、松原)
 –   地熱(三木、木村)
 –   水素利用(松嶋)
 –   スマートグリッド(斉藤・高)
• 既存産業の発展
 – 火力発電(タービン)(鈴木)
 – 鉄鋼(鈴木)
 – 日本のものづくり(鋳造 etc)(藤原、積田)
• 制度設計と政策決定
 –   排出権取引(和久津)
 –   政府R&D投資(松嶋)
 –   環境・エネルギー政策、歴史的展開(清水)
 –   危機管理・ルール設計・組織設計(斉藤・谷口)
Magicc HPの基本思想

• オープンなコミュニティに発展させたい。
 – しかし中身の核ができるまではクローズな場とす
   る。内容は公開するが、外部の人が参加できない
   ようにする。
• 当面の核は、一橋大学イノベーション研究セ
  ンターが担うが、それにこだわらない。
 – 様々な機関との連携をしていく。
• 様々な人々が参加するポータルとして、将来
  的にはプロジェクト自体をオープンなものに
  していきたい。
Magicc HP
• ポータルにブログがぶら下がった構造。
• 書き込みはブログに行う。キーワードでの分類を行
  う。
 –   Googleアカウントが必要
 –   段落間は2行空けるのがいい。
 –   写真は基本的には真ん中に配置するがよさそう。
 –   スライドはSlideshare をつかって埋め込む
 –   長い文章(論文、講演録など)は別途保存されている場所
     にリンクを貼る。→現状はIIRのHPに置くので連絡して欲
     しい(いずれ別の方法を考える)。
• 管理者は一週間に1回のペースで書き込んで欲しい。
• ピックアップ記事と注目記事は当面青島が選択する。

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  • 1. Project Magicc -Micro-Analysis on Green Innovation and Corporate Competitiveness- エネルギーの安定供給、温室効果ガスの削減、 産業競争力の確立をいかに両立させるか 2012.3.12 一橋大学イノベーション研究センター 青島矢一
  • 2. 日本が抱える3つ課題 • 温室効果ガスの削減 – 1990年比で2020年までに25%の削減を公言 • エネルギーの安定供給 – 原発の喪失(福島第一&第二で9.1GW) • 経済成長の実現 – 長引く経済の低迷
  • 3. 温室効果ガスの削減 • 90年比で25%削減するには・・・ – 9基の原子力発電所の新設。稼働率は81%に 向上(1.05億t)。 – 太陽光発電を20倍(1,600万t) – 新世代自動車の普及(2,100万t) – その他の省エネ対策(8,400万t) – これでやっと90年比8%減 – 残りは排出権の購入 (金子, 2010) • しかも、もはや原子力発電に頼ることは できない。
  • 4. 長期エネルギー見通し (2009年時点) 資料:資源エネルギー庁「長期エネルギー見通し(再計算)」2009年8月において 最大導入ケースとして想定されている目標数値
  • 5. 火力発電による原発の代替 • 2010年11月に230億kwhであった原発に より電力量は、2011年11月には70億kwh へと減尐。 • 一方火力発電は、363億kwhから493億 kwhへと増大し、総発電量の68%を占め ている。 • しかしこのままCO2を排出し続けるわけ にはいかない。
  • 6. 好景気で急落する付加価値率 24 5.5 % % 付加価値率 5 23 4.5 22 4 21 3.5 20 3 19 2.5 売上高営業利益率 18 2 17 1.5 16 1 全ての製造企業を含む 出所:法人企業統計より筆者作 成
  • 7. 経済への影響 • 火力発電の増大によって2011年度だけで1.7 兆円の追加燃料費が必要という試算(火力発 電10.2円/kwhに対して、原発は7.2円 /kwh)。電気料金の値上げ。 • 温室効果ガスの削減義務が課されれば、排出 権の購入によって多大な富が海外に流出す る。 • ただでさえ円高で厳しい日本企業に対するダ メージは大きい。活動の拠点を日本から移さ ざるをえなくなる。
  • 8. 矛盾を含む複雑な方程式 経済発展 矛盾を解決する新たな 産業の発展可能性の探 索 新産業において日本企 業の競争力を確保する ための方策の探索 温室効果ガス 原発に依存しない の削減 エネルギー供給 :90年比25%削減
  • 9. 矛盾を解決する方法 • 新しいグリーン産業の促進 • 新エネルギー、省エネルギーに関連する巨大 な産業が生まれれば、「環境」、「エネル ギー」、「経済発展」の3つは一気に解決で きそうに見える。 • グリーンイノベーション、グリーン産業の拡 大を狙った、様々な政策。大量の税金の投 入。 • 本当にこれで矛盾は解決できるのか。
  • 10. 経営学者の心配ごとと役割 • 大量の税金を使って、温室効果ガスを削減 し、エネルギー問題を解決したとして、新た なグリーン産業の拡大は、本当に長期的な日 本経済の発展につながるのか。 • 短期的な市場拡大による恩恵はわかる。 • しかし新たな産業において日本企業(産業) が国際競争力をもち、長期的に日本経済を牽 引できなければならない。 • 「ミクロの視点の必要性」:ここに経営学者 の役割がある。
  • 11. グリーン政策の罠:「グリーン家 電普及促進事業」の事例  6,900億円の予算。2011年8月31日時点で 6,390億円分のポイント発行済み。その 内、82%にあたる5,217億円が省エネテレ ビ向けに発行された。  そもそもは温室効果ガス削減目標を達成 するために、環境省を中心に進められて きた事業であったが、実質的には薄型テ レビの購入促進事業。
  • 12. エコポイント導入の省エネ効果 (TV一台あたり年間消費電力:kwh) 300 250 250 200 150 筆者推計 130.1 125 当初の計画(朝日新聞2011年2月より) 109.3 100 50 0 導入前 導入後
  • 13. エコポイントの経済効果 • 経済産業省は、予算額の7倍におよぶ5兆円の経 済効果をもたらし、のべ32万人の雇用を創出し たと発表(2011年6月) – 産業連関表を使った計算のマジック • 確かに国内市場は拡大した(エコポイント期間に 4,000万台の販売)。消費者余剰は確かに増え た。 • 雇用も増えたかもしれない。しかし合理的な企業 が、エコポイント終了後の影響を考えたとき、固 定的な人材を雇うだろうか。 • しかし、TV産業における日本企業の競争力に貢 献したとはいえない。長期的な効果には疑問符。
  • 14. テレビ国内出荷台数に占める輸入 120.00% 台数の割合 100.00% 80.00% 60.00% 40.00% エコポイント終了 20.00% エコポイント開始 0.00% 注:国内出荷台数はJEITAの自主統計から、輸入台数は貿易統計のデータを使用しており、後者 の方がカバーする範囲が広いため、実際の割合よりも高い値がでていると思われる。
  • 15. そして、日本企業のTV事業の現 状  政府は5千億円以上の税金を投入したのに・・・  日立:国内生産撤退  パナソニック: 全社で7,000億円の連結損失予 測。TV事業で1000人のリストラ。半導体事業で 希望退職。  ソニー: TV事業の縮小。TV事業で1650億円の赤字 の予測。  シャープ:全社で2900億円の赤字  東芝:TV事業で450億円の赤字  結局実現されたのはアナログ停波の影響を極小化 したこと。しかしこれとて、エコポイントを必要 としたのか?
  • 16. なぜなら・・・ 薄型テレビにおける事業モデル(2009) TPV Amtran LCD 台湾 Compal 汎用部材 パネル ODM企業 Wistron Proview Samsung 世界シェア20%強 分業型 LG Display AUO CMO CPT Sharp 専用TV-IC TV-IC 標準TV- (ASIC),内製 ブランド企業 製造 IC設計 LCDパネルなど内 部開発・内製部材 MediaTek TSMC等 Trident 半導体 ファンダリ MStar 統合型 ST(Genesis) Zoran 専用部材
  • 17. 同床異夢の罠  省エネルギー/CO2削減:環境省  経済活性化:経済産業省  地デジへ化への対応:総務省  一石三鳥?それとも、同床異夢がもたら す罠
  • 18. 環境、エネルギーという マジックワード • 「エコ」という言葉をまとうことによって、 正当化された、経済省と総務省の事業。 • 環境対策、エネルギー対策に対して正面切っ て反対できる人は多くない。この状況は震災 後、特に強くなっている。 • 長期的な経済発展に向けたシナリオの検討が おろそかになる危険性。特にミクロの知見を もとにしたシナリオ形成が軽視される危険 性。
  • 19. 期待される太陽光発電 • 2009年11月から住宅用余剰電力買い取り制度: 当初は48円/kwh、2011年度は42円/kwhで買い取 り。 • 2012年度には全量固定価格買い取り制度のス タート。事業用設備に対して適用される可能性が 高い。 • ドイツ、スペインの例からして、十分に事業採算 が成り立つレベルに買い取り価格が設定されれ ば、普及は加速化する。→エネルギー・環境対策 としては良いこと。 • 太陽光の普及によってGDPが減尐しないという 試算も(ただし全量日本で生産するという前提)
  • 20. 長期的な経済性向上の可能性 • 手厚い補助は太陽光がまだ技術的に未成熟である(コ ストが高い)という前提。普及にともなう量産効果で 急速にコスト低下が起きるという前提 – 2020年に14円/kwh、2030年に7円/kwh(NEDO)。現状で も金利費用を除けば30円/kwh程度。 • パネルとしての量産効果はでにくい。結晶シリコン型 の場合、70%以上が材料にかかる変動費(その多く がシリコン材料)。現状の技術を前提にすると大幅な コストダウンは難しい。 • 結晶シリコン型のエネルギー変換効率の理論値は 29%程度。すでに研究室レベルでは25%まで達成。 – 未成熟なのか?枯れた技術なのか? • しかし固定価格買い取りが進めば当面は現状で最も経 済性の高い技術の普及が急速に進むだろう。
  • 21. 日本企業は競争力をもちえるか • 主流の結晶シリコン型ではセル、モジュール 生産の過半は中国企業が支配。 • 製造装置も欧米のTKS企業が支配 • カバーガラス、バックシート、封止材で日本 企業が強いが、そもそも中間部材が尐ない製 品。 • 現状の結晶シリコン型を普及させることは日 本企業の国際競争力の低下を助長するように みえる。 • 技術革新の余地の高い、a-Si薄膜、化合物型 (CISなど)、有機薄膜、色素増感などの新技 術の開発の足かせにはならないか?
  • 22. PV cell production share (2010) JA Solar (China) Suntech 6.1% (China) First Solar (US) 6.6% 5.9% Yingli (China) 4.7% Trina Solar Others Q-cells (China) 56.0% (Germany) 4.7% 3.9% Gintech Sharp (Japan) (Tainwan) 3.1% 3.3% Kyocera (Japan) Motech (Taiwan) 2.7% 3.0% Source: Wikipedia
  • 23. Top 10 PV production equipment manufacturer Company Sales (M$) Applied Materials US 455 Roth and Rau Germany 275 Centrotherm Germany 270 OC Oerlikon Balzers Swiss 250 Ulvac(Japan) 240 Manz Automation Germany 140 Schmid Gruppe Technology Systems Germany 125 Von Ardenne Anlagentechnik Germany 120 RENA Sondermaschinen Germany 85 3S Swiss Solar Systems Swiss 70
  • 24. 例えば、地熱発電の可能性 • 高い潜在性 – >2,347万KWe 以上の地熱資源(世界第3位) – まだ一部しか開発されていない(53.5万KW). – カーボンフリーの技術 • 高い経済性の可能性 – 基本的に燃料費はいらない – 九州電力の2010年有価証券報告書データで6.74円/kwh • まだ標準化された技術ではない – 発電所の重要技術を日本企業が握っている – ドライスチームで70%以上, フラッシュで80%以上のシェ ア • 関連インフラ産業の誘発 • にも関わらず、長い間軽視されてきた • 2003年には補助金の打ち切り、10年以上新設なし、 新エネルギーからの除外・・・。
  • 25. 発電単価の比較 (2006-2010年平均) 12 10.2 10 8.9 8 7.2 6 4 2 0 火力 原子力 地熱等 単位:円/kwh 出所:日本エネルギー経済研究所(2011)をもとに筆者作成
  • 26. 地熱発電タービンのシェア (2010年、単位MW) 1,100 10.3% 550 5.1% 2,630 24.6% 三菱重工 1,138 東芝 10.7% 富士電機 Ansaldo / Tosi ORMAT 2,525 GE / NP 2,146 23.6% Alstom 20.1% AEI Kaluga BTH Other (13) 出所:レイキャビクエナジー資料
  • 27.
  • 28. 障害はあるけど • 国立公園問題 • 初期ファイナンスの問題:ハイリスクローリター ン • 温泉街との共存  でも克服できない問題ではない。  温水と組み合わせれば経済性はさらに向上
  • 29. アイスランドの例 • オイルショックを契機に地熱開発を加速化 (原発に向かった日本と対照的) • 年間4,600Gwhの電力を創出。総電力量の 25%程度をまかなう(残りは水力)。 • コストはおそらく2-3円/kwh程度と思われ る。 • ただしタービンは一部の小型・旧型を除いて 全て日本製。 • 経済性を確立する上での鍵は「合わせ技」 – 暖房用途にインフラを確立して、その上に、発電 所を重ねる。
  • 30.
  • 31.
  • 32. 地熱発電普及の鍵は・・・ • 恩恵のバランス – 環境、コミュニティ、エネルギー、安全、経 済 • 範囲の経済 – 直接利用と間接利用 – コジェネレーション • 事業モデル – 市場拡大を企業の付加価値増大につなげる (Ormatの例)
  • 33. 他にも得意分野はあるはず • たとえば、地中熱利用 – 地中熱ヒートポンプは世界的には急速に成長して いるのに日本ではほとんど普及していない。 – 四季のある日本に効果的な技術 – ヒートポンプ技術の強み – 国内インフラ産業の発展 • 電力創出だけではなく、電力としての利用を 減らすという、トータルな考えかたをもち、 しかも日本企業が新たな産業で優位にたてる 可能性を考慮することの必要性。
  • 34. 環境、エネルギー政策の危うさ • 同床異夢の罠 – 同床異夢は両刃の刃。強い目標意識が欠けると単 なるもたれ合いになる。 • 「エネルギー」「環境」というマジックワー ドの力 – 同床異夢の戦略にマジックワードの力が加わる と、企業競争力の向上を通じた長期的な経済発展 のシナリオがおざなりになる危険性 • 「普及=経済発展」という幻想 – グローバリゼーション、技術の汎用化が進む世界 では、国内市場の拡大政策は必ずしも長期的な富 をもたらさない。
  • 35. 経営学者の出番 • ミクロの基盤の重要性 • Project “Magicc” – Micro-Analysis on Green Innovation and Corporate Competitiveness
  • 36. 懸念事項(1) • 環境・エネルギー問題に経営学者が足を 突っ込むのは危険? – 環境・エネルギーの専門家は数多く存在す る。 – この領域は客観的真実の追求だけでなく、価 値・イデオロギー対立が大きい。論争に巻き こまれても対抗できる専門知識をもたない。 • われわれの「立ち位置」をはっきりさせ る必要がある。
  • 37. われわれの立ち位置 • 日本企業の競争力、日本経済の発展 – 環境問題・エネルギー問題の解決を目指して振興 されるグリーン産業における日本の競争力(日本 企業の競争力とそれを基盤とした日本経済の長期 的な発展・成長)に焦点をあてる。 – 現場調査にもとづくミクロの視点から競争力につ ながるメカニズムを明らかにする。 • グリーンイノベーションの長期的促進 – ただしイノベーションとは「経済価値」をもたら す革新のこと。単なる技術革新のみを扱うのでは ない。
  • 38. われわれが(勉強はするけど)やらな いこと • 環境問題そのものの解決方法 – 本当にCO2削減が必要なのか?人為的問題なのか自然現象なの か? – グリーン産業の発展は本当に環境問題を解決するのか?(GDPを 減らした方がいい?) • エネルギー政策そのもの – エネルギー自給率をどうすべきか?国家戦略として石油依存をど うすべきか? • 上記に関連してライフスタイルの変革など、生活のあり方 に関する議論 – 結果としては扱うが、独立変数としては扱わない。 • マクロ的な分析 – マクロデータを用いたエネルギー・環境投資と経済成長との関係 – リスクの見積もり(原発のリスクの大きさなど)
  • 39. 懸念事項(2) • 提言(問題解決)を1つの目的として研 究を進めることの危険性 – 提言を求めることによって、分析プロセスの 客観性や詳細性が犠牲にならないか – 学術論文になりにくいことが、特に若手の研 究者にとって問題とならないか。
  • 40. 飽くまでも研究プロジェクト • 提言はするけど、それは副産物であるとい う、従来の研究者としての姿勢を崩さない。 – 飽くまでも現象を説明する詳細なメカニズムの解 明とその一般化(理論化)が目的。 – そのメカニズムを適用することによって提言をす るに過ぎない。 • 学術論文にする努力を継続する。 – おそらく、なんでも書いたものをお互いに発表し て、そこから学術論文としての可能性を一緒に 探っていくという作業が重要(年に3回くらい集ま るのはどうか)
  • 41. Magiccの現状の構成 (要検討) • 新産業の創出 – 太陽光(延岡) – 水関連(三木、藤原、積田、松原) – 地熱(三木、木村) – 水素利用(松嶋) – スマートグリッド(斉藤・高) • 既存産業の発展 – 火力発電(タービン)(鈴木) – 鉄鋼(鈴木) – 日本のものづくり(鋳造 etc)(藤原、積田) • 制度設計と政策決定 – 排出権取引(和久津) – 政府R&D投資(松嶋) – 環境・エネルギー政策、歴史的展開(清水) – 危機管理・ルール設計・組織設計(斉藤・谷口)
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