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   「おとぎ話」のようだ
スポーツ界最大のサプライズだ
優勝オッズ5000倍
  奇跡が起きた
優勝オッズ5000倍
ジャイアントキリング
なぜ優勝したのか
疑問
仮説 : レスターが正しい【戦術】を選択した
興味 : 【岡崎】がすごかったのか
方向性
「ふかぼりくん」を使用し、戦術クラスターを抽出
熊坂賢次研究会の伊藤貴一氏が作成したオリジナルツールである。このツールのコン
セプトは、データを見る手段を持ち、データの絞り込みを行うことで様々な試行錯誤を行
えることである。単純集計や各属性のクロス集計といった基本的な集計のほか、クラス
タリングを行うことも可能である。そしてクラスタリングの結果を新たな変数として追加す
ることが可能で、その結果を用いてさらに分析をふかぼることができる。
分析手法
・ポゼッション率
・パス総数
・アタッキングサードパス率
・ショートパス率
・ロングパス率
・クロス率
・タックル数
・クリア数
・インターセプト自陣中央数
・インターセプト自陣サイド数
・インターセプト敵陣中央数
・インターセプト敵陣サイド数
超リトリート守備/ロングカウンター
・ポゼッション最下位
・パス数最下位
・ATパス率1位
・クロス率1位
・ロングパス率1位
・ショートパス率最下位
・タックル数1位
・クリア数1位
・インターセプト自陣中央1位
・インターセプト自陣サイド2位
自陣に引いて守り、相手陣内に素早くロン
グボールを送ることによって攻撃をする戦
術ということが理解出来る
リトリート&プレス守備/ロングカウンター
・ポゼッション5位
・パス数5位
・ロングボール率2位
・クロス率2位
・ショートパス率5位
・クリア数2位
・インターセプト自陣中央2位
・インターセプト敵陣サイド1位
クラスター1に比べて、攻撃の変数が
上がり、守備の変数が下がっている。
このことから、1に比べてより攻撃的で
はあるが、守備がメインであること理解
出来る
プレス守備/バランス
・自陣サイド1位
・敵陣サイド2位
・敵陣中央2位
・タックル数2位
ボールを積極的に奪いに行く姿勢が示
されている。そして、攻撃の変数はほぼ
全てクラスター1,2を上回っているが、
突出しているものはなくバランス型だと
把握できる
バランス守備/バランス
・ポゼッション3位
・パス数3位
・ロングパス率4位
・タックル数3位
・インターセプト自陣中央4位
・インターセプト敵陣4位
ほぼ全ての戦術変数が3~4位を示して
おり、このことから攻守にわたりバランス
の取れた戦術だと言える
バランス守備/ポゼッション
・ポゼッション2位
・パス数2位
・ショートパス率2位
・インターセプト自陣サイド4位
・インターセプト敵陣中央3位
パスで攻撃するスタイルが確認出
来る。守備は全体的に平均的な数
字を示しており、バランス型の守備
体系を敷いていることが理解出来
る
プレス守備/超ポゼッション
・ポゼッション1位
・パス数1位
・ショートパス率1位
・ATパス率2位
・インターセプト自陣中央1位
ポゼッション率とパス数が他の戦術と比
べて圧倒的に高い数値を示している。ま
たロングボール率が最下位であることか
らも、細かいパスワークにより相手を崩し
ていく戦術であることがわかる。また敵陣
中央でのプレス守備からショートカウン
ターをかけることがわかる
   超リトリート/ロングカウンター
リトリート&プレス守備/ロングカウンター
     プレス守備/バランス
    バランス守備/バランス
   バランス守備/ポゼッション
   プレス守備/超ポゼッション
守
備
的
な
戦
術
攻
撃
的
な
戦
術
クラスタの発見
順位と戦術の相関
図1
順位と戦術の相関
図1
         2チームの詳細な比較
新たな疑問
4-4-2(36試合)      4-3-3(27試合)
4-4-2(36試合)      4-3-3(27試合)
2トップと3トップであり、
FWの守備貢献に差があるのではないか
サンダーランド
レスター
仮説 : レスターが正しい【戦術】を選択した
プレミアリーグにおいて上位チームほど攻撃的戦術を、下位チームほど    守備的戦
術を選択している。その点で、「レスターが正しい戦術を選択した」という仮説はノーであ
る。
しかし、レスターはFWが守備に大きく貢献。レスター型“リトリート&プレス守備/ロングカ
ウンター”が功を奏したという解釈ができる。
まとめ1
興味 : 【岡崎】はすごかったのか
岡崎より、絶対的エースのヴァーディの方が守備に貢献していることがわかった。さら
に、ベンチスタートのアルゼンチン人FWのウジョアの各スタッツが高いこともわかった。
レスター躍進の陰に、ヴァーディでもカンテでも、岡崎でもなく、実はウジョアの存在が
あったのではないかという新しい発見をすることができた。
まとめ2
シュミレーションゲーム(Okazaki Eleven)の作成
スタッツデータから抽出した戦術クラスターと、選手スタッツを用いて、実際にレスターの
優勝がかかった第36節マンチェスターユナイテッド戦(以下、マンU)を想定したゲームを
作成する。
ゲーム作成において、必要なデータは以下の通りである。
① 戦術クラスター(作成済み)
② Leicester-Ponit / ManU-Point(次スライドで説明)
ゲームの作成
Team-Score
各選手のスタッツデータを軸に作成。
戦術ごとに、重要な変数が異なるため、レスターとマンUでそれぞれウェイト付けをした
Player-Score(P1,P2)の数式が以下である。
レスター(P1)
totalshot+pass_per+keypass_per+save*4+tackle*2+take-ons_aerial+interception*2+block+clerance
マンU(P2)
totalshot*2+pass_per+keypass_per*5+save*4+tackle+take-ons_aerial+interception+block+clerance
P1*出場選手分/出場時間、P2*出場選手分/出場時間を
    それぞれのTeam-Score(T1,T2)と定義する
戦術相性特化係数
レスターの基本戦術の 1,2,3のみの
勝率データを使用。
それぞれ、0.5/0.5/1を特化係数とし
て定義する
36節の実際のマンU戦を想定してい
るため、マンUは戦術5。そしてレス
ターは戦術1,2,3と固定されているの
で、5vs1,2,3の勝率データを使用。特
化係数はそれぞれ、 0.5/0.57/0.75を
特化係数として定義
※5vs2のデータがないため、マン Uと
似た戦術パターンのリバプールとマン
チェスターシティの平均値を採用した
Leicester-Point,ManU-Pointの定義
Team-Score(T1,T2) * 戦術相性特化係数 = Strategy-Point(S1,S2)
S1,S2の合計値 / 各戦術の総得点= Leicester-Point / ManU-Pointと定義
これらの数式を用いて、
第36節のシュミレーションアプリを作成
URL : http://web.sfc.keio.ac.jp/~s13908ry/ORF2016_Soccer-1/mainView

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