1. 体液③

2. 脱水症について
不足
高Ｎ
ａ血
症
血
清 145
Ｎ
ａ
濃
度
（
浸
透 135
圧
）
低Ｎ
ａ血
症
Ｎａ量 ｏｒ Ｅ
ＣＦ
高張性脱水++
（Na量も水も欠乏）
等張性脱水
低張性脱水
（純粋Na量欠乏）
高張性脱水+
（Na量正常だが水欠
乏）
過剰
不足
Ｎａ過剰
（Ｎａ過剰水欠乏も含
む）
Na量
に対
して
の自
由水
の
割合
正常
ＳＩＡＤＨ
心不全
肝硬変
ネフローゼ症候群
過剰
脱水症
浮腫性疾患

3. 正常体液分布イメージ
細胞
ＩＣＦ
４０%
ＥＣＦ
２０%
細胞
細胞
細胞
細胞
リンパ管
間質
１５%
間質
膠質浸透圧
血漿
５%
細胞
動脈側
静水圧
静脈側

4. 血漿浸透圧と張度①
血漿１ℓ中に存在する浸透圧物質の数。
つまり血管内に水を引っ張る力をもった
物質が１ℓあたりどのくらい存在するか。
mg/dl×10

＝mOsmol/Lで表す。
分子量
血漿浸透圧＝２Na+BUN/2.8+BS/18

5. 血漿浸透圧と張度②
張度とは有効な血漿浸透圧のこと
 NaとKは細胞膜を自由に通過できないため
有効な血漿浸透圧を形成できる
 尿素は細胞膜を自由に通過できるため細
胞の内と外で濃度は変わらず浸透圧は無
K
Na
視可
ＩＣＦ
ＥＣＦ
血糖↑：浸透圧↑&高張
尿素
尿素
尿素↑：浸透圧↑&等張
尿素は水の引っぱり合い
の綱引きには参加せず

6. 脱水症の考え方①
摂取量＝排泄量という恒常性の破綻
 Naと水の摂取量と喪失量のバランスパターンは
等張液or低張液
‥ バランスの破綻
摂
取
• Intake不足
• 偏食
ECF
正常
Na
等張
喪
失
Na欠乏
水
Na
•
•
•
•
•
水の欠乏
Naと水欠乏
水
低張
Na
水
等張
Na
唾液
胃液、胆汁、
膵液
十二指腸液
小腸液
下痢便、正常
便
Na
水
高張
水
高張

7. 脱水症の考え方②
 喪失−摂取でNaと水の割合が決まり張度とな
る
※高血糖や浸透圧利尿などはNa量低下しても高張度にな
る
 張度から体液のどのコンパートメントにど
の体液成分が喪失しているかを推測できる
 体液成分の喪失したコンパートメントにより
脱水をVolume depletionと Dehydrationに分類
することで問題となる病態をイメージする

8. 脱水症の考え方③
血漿量減少
間質減少
細胞内液減少
頻脈、血圧低下、起立性低血圧、尿量減
少CRTの延長（４秒以上）、頸静脈虚脱
皮膚：ツルゴール低下、腋窩乾燥
粘膜：口腔内乾燥、舌乾燥、眼球乾燥
頭痛、嘔吐、痙攣、意識障害

9. Volume depletionのモデル
等張液の喪失
ＥＸ：出血
ＩＣＦ
ＥＣＦ
ＩＣＦ
ＥＣＦ
 Volume depletionで問題になるのは循環血漿量の低下。
 喪失−摂取により等張液の喪失となりＥＣＦの濃度は変わ
らず
 容量調節系でＮａを再吸収することで代償。

10. Dehydrationのモデル
低張液の喪失
ＥＸ 発汗
ＩＣＦ
ＥＣＦ
ＩＣＦ
ＥＣＦ
 Dehydrationで問題になるのは濃度（浸透圧）。
 高Ｎａ血症によりＥＣＦよりＩＣＦの減少が主体。
 低張液の喪失はＮａ量の減少よりも水の減少が強く浸透圧
調節系で水を再吸収することで代償。
 実際の臨床では強烈な口渇感で水を摂取するためそう簡単
には起きない。実際はどちらかというと低張性を示すこと

11. 治療戦略はDO NOT DO HARM
 容量調節系と浸透圧調節系の代償機構に逆らわ
ず生理的に手助けをするイメージで治療
しかし臨床では完全に循環血漿量低下と高Na血
症を分けることはできない
 循環血漿量低下と高Na血症でより問題な方を明
確にし容量調節系か浸透圧調節系のどちらを主
に助ける治療を行えばいいかを考えて適切に補
液する