Framework for describing the object and qualitative characteristics of the mass media information. ニュースメディアの伝える情報について、その意味がわからないことー特に取材源の話（言明）とそれを利用するメディア自身の言明の関係が不明ーに問題意識をもっています。 メディアは取材源の言明を採取、選択、利用してそれ自身の言明を提示する、という前提のもと、メディア自らその情報の性格を整理・説明する枠組みを考案しました。 メディアは自身が伝える「事実」について何を保証できるのか。自身の言明について、その目的や取材源との関係性、編集上の質を明らかにして、情報の意味を明らかにします。

1. Assertion mapping
情報の質をオープンにする
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(C) Sho Nagao 2022

2. 問題意識
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3. 取材源の発言
メディア自身の
言明（記事）
メディア自身の
発言（記事）
取材源の発言がメディア自身の発言として
混同して理解される
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メディアが自身の発言に対して何を主張しているのか、意味が不明
・取材源の発言が正しい、とメ
ディアは評価、検証、判断して
いるから記事にしている？
⇐実際はそうではない
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4. 前提
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5. メディア情報の基本理解と前提
• メディアは取材源の言明を採取、選択、利用してそれ自
身の言明を提示する。
• 採用した取材源の言明が誤っていたとしても、メディア
自身の言明は遡って訂正されない（責任が分離）
• メディア自身の言明の意味を理解するには、情報の目
的や、それに伴う編集上の質（どのように取材源を選ぶ
のか。どのように取材源の言明を利用するのか）が情
報の利用者にわからなければならない。これらをメディ
アの主張と呼ぶことにする。 5
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6. ２つのKEY WORD
• Statement (言明）
⇒「真偽または確からしさを決することのできる主
語と述語からなる文」
• Assertion (主張）
⇒言明主体の主張。言明主体が言明の受け手に
保証する情報の質（要求事項）。言明主体の主張を
前提として、言明が含んでいる情報の意味が明ら
かになる。
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7. 言明と主張のイメージ
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• 大きな顔のメディアは、小さい顔の取材源の言明
を選び、編集して自らの言明を発信
• メディアの主張（言明を選択した理由、編集上の
質）が明らかになることによりメディア自身の言明
の意味が理解可能になる
メディア自身の言明
（利用者に届く情報）
※黒塗りは主張と合致せず、はじかれた言明
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8. 情報の意味を理解可能なものにする
• 情報の意味を明らかにする枠組みが必要
– メディアの言明の多層性を明らかにする
– メディアが自らアサーション（主張）を設定、開示、約束
し、情報の意味を明示、保証する
⇒Assertion mappingを考案
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9. Assertion mapping
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10. Assertion mappingの前提
• Assertion mappingは２つのKey Wordから
メディアが伝える情報の「意味」を明らかにします
言明(Statement)
主張(Assertion)
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11. 11
目的と質的特性
取材源③
取材源②
取材源①
取材源の信頼性
編集の信頼性④
編集の信頼性③
編集の信頼性②
編集の信頼性①
Step 1
（メディア自身の言明)
Step 2
（取材源の言明）
Step 3, 4
（メディア自身の言明と
取材源の言明の関係）
Assertion mapping 俯瞰図
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12. Assertion(情報の意味）を 4 stepで記述
Object Level
• 情報の目的
• 質的な特性
Source
Statement
Scoping
• 言明の範囲
Source
Statement
Level
• 言明の品質
Description
• Assertion を保
証する仕組み
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Step 1 Step 2 Step 3 Step 4
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13. Step1 Object Level
• メディアが提示する情報のObject（目的）と目的を
支える質的な特性を明記
• ⇒メディアはコンテンツを通じて何を提示するの
か、情報価値と品質の定義を明らかにする
• これらの前提がメディアから開示されて、はじめて
情報の中身が理解可能になる
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Step 1
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14. Assertion mapping of the object level
⇒メディア自身が記載（例）
事象の公共性、公平性 編集の信頼性
取材源 の信頼性、公平性 総合的、客観的な評価
社会の信頼の
程度を評価
ニュースメディアの目的を
定義
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Step 1
目的を支える要素
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上記はあくまで一例。あくまでメディア自身が記載、開示するもの。真ん中の目的は抽象的
にならざるを得ないため、それを支える要素やStep 2以降が情報の理解にはより重要

15. Step2 Source Statement Scoping
• メディア情報は取材源の言明の集合で成立
• どのような取材源を選択しているか
• どのように、どれくらい取材源と接触しているか
• ⇒メディアと取材源の関係性を理解。メディア自
身の言明の性格、偏向を理解。
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Step 2
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16. Source Statement scoping (例）
取材源 アクセス方法 アクセス対象 頻度
上場企業 東証記者クラブ 会見・投げ込み 日次複数回
単独取材 経営者・関係者 日次複数回
取材源 アクセス方法 アクセス対象 頻度
警察 警察記者クラブ 会見・投げ込み 日次複数回
単独取材 捜査関係者 月次
検察 検察記者クラブ 会見・投げ込み 日次複数回
単独取材 捜査関係者 月次
弁護士 弁護士会館 会見 随時
単独取材 被害者弁護士 随時
単独取材 被告弁護士 随時
経済ニュース
事件ニュース
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Step 2
取材源の範囲、接触度合を記載。なお、ここでの記載は適当です
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17. Step3 Assertion of Source Statement Level
• メディア情報は取材源の言明を選択、採用
• 目的を達成するには、取材源の信頼性と編集の
信頼性が不可欠（Step1 目的の特性）
• 取材源の信頼性、編集の信頼性を分解したのが
アサーション（＝品質であり、品質管理の対象）
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Step 3
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18. Object
ソースの信頼性
編集の信頼性
ソースの信頼性
編集の信頼性
目的と関連し、
信頼できるソースへのアクセス
ソースの信頼性
編集の信頼性
Object 取材源の言明
推測や加工の排除
抽出の適時性
抽出の網羅性
抽出の正確性
アサーション
Assertion of Source Statement Level（例）
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Step 3
「取材源の信頼性」と「編集の信頼性」の
観点から、情報の品質と意味を定義する
通常、取材源の言明
に対して
直接の検証はできない
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19. Step4 Description
• 主に内部用
• アサーション を保証する仕組みを記述する
– 校閲
– 編集、取材方針
• アサーション 達成のための要件を記述する
• 編集現場のチェック項目としても活用
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Step 4
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20. Description （例）
信頼できる取材源の利用
• 取材源の属性（所属組織、経歴等）や取材テーマ
との関連性から取材源としての適切性を確認
• 直接取材により本人であることを確認
• 公的機関のデータを引用
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Step 4
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21. Description （例）
抽出の正確性
• 正確に記録した取材ノート・録音・公的記録、
議事録からの忠実な引用
• 言明の意味・文脈を変えることなく再現
• （必要に応じて）補完的な言明元への発言内容、
意味の確認
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Step 4
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22. 22
目的と質的特性
取材源③
取材源②
取材源①
取材源の信頼性
編集の信頼性④
編集の信頼性③
編集の信頼性②
編集の信頼性①
Step 1
（メディア自身の言明)
Step 2
（取材源の言明）
Step 3, 4
（メディア自身の言明と
取材源の言明の関係）
（再掲）Assertion mapping 俯瞰図
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23. Assertion mapping が達成すること
• メディアが自ら情報の性質、保証の内容＝情報
の意味を明らかにする
• メディアの責任の範囲と限界を明らかにする
• 情報の意味が明らかになることにより、メディアの
伝え方が適切であったか検証可能になる
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※なお、本スライド中のAssertion mapping の記載はあくまで一例であり、アサー
ションはメディア自身が考え、開示、共有するもの
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