出版原案 最終Ver
- 1. 1.本書内に於いて核となるテーマ
留学に行く人は、自分にとっての「最高の留学」を意識することが大切である。
私はドイツで Bergisch Universität Wuppertal の留学生として約 1 年間過ごしました。
現地では聞いたことのない習慣、見たことのない食べ物、かみ合わない常識とたくさん
の新鮮な驚きがありました。
同時にもう一つの驚きがありました。
「私の周りにいる人たちは本当にすごい人ばかりです。私なんて自分を変えたくて来た
のにやっていることが日本と変わらなくて。」
日本人留学生の女性が教えてくれました。日本と変わらない生活を送ることを嘆きます。
女子 1 人現地の男子学生ジャズユニットに混じりトランペットを雄弁に鳴らし、ドイツ
語での授業もこなす。さらには社会経験にレストランで働いている彼女がです。
生活環境や異なる言語環境、住む慣れない土地での生活で日本と同じだけ活発に過ごす。
彼女を平凡と揶揄できるのでしょうか?私にとっては彼女もすごい人だと感じるというの
に。
私が驚いたのは、「私の留学よりも誰々さんのほうがすごい。」といったセリフを口にす
る日本人留学生の多さです。 私たちは海外に来てまで、比べているのです。ほかの日
本人の留学と自分の留学を。
私もある友人から痛烈に批判された経験があります。私の留学姿勢は間違っていると。
口先では自分の留学を肯定します。ですが内心では日本の常識からしたら私の留学はお
かしいのかもしれないと気持ちが陰りました。
「自分のための留学って何だろう。」そこでこの考えとぶつかります。
留学して語学力を付けたい人はどのように学ぶのが最もよいでしょう?
文化や習慣に興味がある人は何を意識して生活するのがよいでしょうか。専門科目の素
養を付けたい人は具体的に何が必要なのでしょう。そもそも留学したら何か必ずしなけ
ればならないのでしょうか。留学に誰もが当てはまる完璧な正解はありません。
自分にしか出来ない留学とは何か?
- 2. イスラム教徒は全員テロリズムに好意的だ。
この文章がおかしいと感じませんか。もし感じたのなら、留学生はこうであるべきだ、
という常識は疑わなくていいものでしょうか。
私たちは 1 人 1 人違います。同じ日本人ですが、慎重な人もいれば大胆な人もいます。
もしあなたがこれから留学をするのならば、本書を通じて自分の留学についてもう一度
考えてみてください。
大きな目的があっても、もっと具体的に『自分の留学』について向き合ってみるべきで
す。もしあなたが留学に興味があるが、迷っているならここでいろいろな留学のカタチ
に触れてみてください。あなたを動かす言葉や体験が本書にはあると思います。
私だけが悩んでいるのかと不安になった時には、アンケートを読んでみてください。悩
んでいたのはあなただけではないと安心できるはずです。
私は留学の前にもっと真剣に『自分の留学』について向き合うべきだと反省しました。
そこには自分自身の好きな自分や、知らない自分を探すことも含まれています。せっか
くお金と時間を使って留学するのに「一般的な留学」で終わるのは非常にもったいない。
あなたにも堂々と留学は「自分のためになったのだ。」と思ってほしい。
そして「自分のための留学」が社会やほかの人たちにとっても意味のあるものだと伝え
ていってほしい。
本書はそんな留学をする、したい人たちの気づきとなれるように工夫をしました。
1 人の一般的な学生が「自分の留学」について本気で考えて生まれた本書です。
ページをめくるたびに感情が豊かになり、読み終わった時には何か感じてもらえるもの
であることを願います。
この度本書を手に取っていただけたこと大変光栄に思います。
それでは準備が出来ましたか?「自分のための留学」とは何かを探しにいきましょう!
深津功