This slid shows you the description of Laser speckle flowgraphy(LSFG).

1. LSFGの概要と原理の概説
ソフトケア有限会社
岡本 兼児
Rev.1.00

2. 当社紹介
当社は九州工業大学藤居研究室で研究されてきた血流画像化技術を基に、
新しい医療診断装置を開発し、製品化することを目的に、いわゆる大学発
スタートアップ企業として設立されました(１９９５年）。この血流画像化
技術は、生体によるレーザー散乱光の干渉模様（スペックル）の画像解析
をベースに構築され、世界に類を見ない新しい血流画像としてリアルタイ
ムに測定を行う事ができます。これまで皮膚用と眼科用の血流画像化シス
テム（レーザースペックルフローグラフィー、以下LSFG）を製品化し、国
内外の医療・研究機関で利用いただいています。 LSFG-NAVI は、2016年
に米国で医療機器としてFDAクラス２（５１０K)承認を取得しました。

3. ソフトケア 有限会社
福岡県福津市
2003/11 <皮膚用>レーザ血流計 LFG-1 承認取得
（日本国内）
2003/12 医療機器製造業許可取得
（日本国内）
2007/08 ISO13485:2003 認証取得
2008/01 眼撮影装置 LSFG-NAVI 認証取得（日本国内）
2015/11 Ophthalmoscope LSFG-NAVI 510(k)
申請開始(米国 FDA)
2016/05 Ophthalmoscope LSFG-NAVI 510(k)
米国 FDA承認取得
2018/3 中小企業庁はばたく中小企業項規模事業者
需要獲得分部門・選定を受ける

4. ・眼撮影装置ＬＳＦＧ－ＮＡＶＩの概要
眼底血流の経時変化測定例
眼科用ＬＳＦＧ－ＮＡＶＩの外観
ＬＳＦＧ－ＮＡＶＩはLSFGを眼科分野に適用したもので、眼底の血流動態をリアルタイムに観察する
製品です。国内外の多数の眼科ドクターの協力や公的機関の支援を頂きながら当社が製品化しま
した。日本、米国ではソフトケアが製造販売を行い、ヨーロッパなどはニデック社がLSFG-RetFlow
として製造販売し、LSFG製品を展開中です。
【血流画像化装置 LSFG-NAVI】
非侵襲的に血流の様子を２次元マップで観察でき、
誰でも血流動態をわかりやすく確認
これまで不可能であった血流を安定に測定でき、数値比較
【アピールポイント】
世界に向け多くの良質な論文が公開され、専門領域には知
れ渡る装置に成長
目の血流から目以外の全身循環状態を把握できる報告も
あり、眼科以外にも応用されつつある

5. ・顕微鏡タイプＬＳＦＧ－Microの概要
測定例
ＬＳＦＧ－Microの外観
ＬＳＦＧ-Microは、LSFGを顕微鏡タイプにコンパクトにまとめた血流計です。
微細な血流動態を観察することができます。
【アピールポイント】
げっ歯類など、動物実験で使用される動物の血流動態の観察が可能。
心拍数が５００bpmでも血流の拍動成分の解析が可能＊。
マウス腸間膜の血流分布
提供：京都大学医学部附属病院 臓器移植医療部
平常時 虚血時
白ラット視神経乳頭部血流マップ
＊国際特許公開番号: WO/2018/003139

6. ・ＬＳＦＧ－PFIの概要
測定例
LSFG-PFIの外観
ＬＳＦＧ－PFIはLSFGを抹消循環系の血行動態の測定を行うための血流計です。
適用例としては、足病へのEVTの効果など。LSFG-PFIは日本の医療機器として承認済で、
臨床医療に使用できます。
Takeshiko Ohura et al,,
下肢救済・足病学会(Japanese Society of Limb Salvage and Podiatric Medicine)
7(3), 173-184, 2015.
Pre-EVT Post-EVT
Photo
Blood Flow Map
High
Low
壊疽
医療機器保険適用
特定診療報酬算定医療機器の区分 ：
D207 体液量等測定 １００点

7. ARVO出展の様子
今年の参加者数は、約11,000名（アメリカ人：65％、海外：45％）展
示企業数：185 （血流を専門に事業展開しているのは２社のみ）

8. 定量的な血流解析
測定したデータは解析ソフトウェアで画像処理を行い、領域を指定して血
流状態の経時変化を定量的に観察でき、再現性も良好
【視神経乳頭部 COV 3.8±2.0% : Naoko Aizawa, et al. Clinical Ophthalmology, 2011:5, 1171-1176】
8

9. 血管閉塞、狭窄症例を判定
Hiroaki Isono, et al. Arch Ophthalmol, 121, no.2, 225-231, 2003.
網膜血管血流あり 網膜血管血流なし
血流がない血管は描出されない
移動する散乱体のみに反応し
ます。
水（血漿）は散乱体ではない
ので、血漿には反応しません。

10. 原理
スペックル画像は干渉模様の集合であり、
血球そのものが見えているわけではありません。

11. Image Plane
Objective Lens
Speckles
Eye Ball
Diode Laser
Image Sensor
PC
Interface
Board
Lens
Blood Cells
Image Plane
Objective Lens
Speckles
Eye Ball
Diode Laser
Image Sensor
PC
Interface
Board
Lens
Blood Cells
スペックルは、反射光の光路差によって干渉パターンの位相が変化し、光量ムラのある
干渉パターンとなります。
血球の動きにあわせて、結像面（Image Plane)のスペックルは刻々と変化します。
LSFGの原理
光路差により干渉縞が生じる原理
によりスペックルが生じます

12. レーザー光（照明）
スペックル発生の原理
散乱体（血球等）
レーザー光を移動する散乱体（主に血球）に照明すると
戻ってきた光の光路差がレーザーの波長の整数倍であれば、光強度は高くなります。
½倍であれば、光強度は弱まります。
波長の整数倍に
なっている場所
波長の1/2倍に
なっている場所
撮像素子
散乱体によって散乱されたいくつもの散乱光が、
光路差の異なる情報をもって撮像素子に戻ってきます。
散乱光

13. 血球が速く移動する場合
散乱体の移動に伴うスペックル変化の様子
血球がゆっくり移動する場合
撮像素子のシャッター時間内に入っ
てくるスペックルの数
（＝散乱粒子の数）が少なくなります。
→
スペックルの数が少ないので、撮像
素子から得られる光強度の変動が
大きくなります。
光強度
時間
光強度
時間
撮像素子のシャッター時間内に
入ってくるスペックルの数が多く
なります。
→
スペックルの数が多いので、得ら
れる光強度の変動が小さくなりま
す。

14. Mean Blur Rate (MBR) = 1/contrast2
撮像素子の各画素ごとにMBRを計算し、血流マップとして表示しています。
キャプチャーしたスペックルの実例（眼底）
Vessel
スペックル画像は
血球そのものが見えているわけではありません。
この画像は同一時間に撮像された画像であり、スキャンした画像ではありません。
血流が速い領域。
スペックル画像はコントラストが低下しています。

15. MBRは、ソリッドな回転盤の移動速度に対して比例関係があります。回転盤内部は、細か
い気泡が多数存在する構造を持ち、光が多重散乱し、良質なスペックルを発生させること
ができます。
Properties of MBR (1)

16. Properties of MBR (2)
LSFGは、直接血球のイメージをトレースして速度を計測し
ているわけではありません。測定対象領域周辺から得られ
る散乱光による干渉パターンの時間的な変化を数値化して
マップにしています。
1. 絶対血流速度への換算は難しい。
2. MBRは、血球の流れ方、血管構造や背景組織の光学
的な特性の違い（光の吸収や散乱特性の違い等）によ
り影響される。
MBRの重要事項

17. MBRの数値を直接比較してもよいと考えられる事例
（色素、構造などの大きな変化が無い場合）
1. 同一部位について、処置前後のMBR値での比較
（薬を点眼前後等）
2. 瞭眼の比較、反対側との比較など
3. 色素が似ている部位間の比較。
（日本人の視神経乳頭部での血流比較等）
Properties of MBR (3)

18. 参考） Ｃａｕｃａｓｉａｎでの測定例
色素が薄いことにより、散乱が進みます。
コントラストが低下するとMBRが上昇しま
すので、Caucasianの血流マップは日本
人に比べ高い数値になります。
色素が大きく異なるとこんなに変わるんです。
アジア人での測定例

19. Highly correlated with other methods for tissue region(1)
Hydrogen gas clearance method
In rabbit ONH
Hiroaki Takahashi et al, Experimental Eye
Research, 2012
http://dx.doi.org/10.1016/j.exer.2012.12.003
Naoko Aizawa et al, IOVS-14, 2014. doi:
10.1167/iovs.14-1537
でも色素が似ていると絶対値血流量とよく相関します

20. MBRを基に網膜血流量を評価できる
Retinal vessel using RFV(1)
Yukihiro Shiga et al,
Relative flow volume, a novel blood flow index in the human retina derived from laser speckle flowgraphy
Investigative Ophthalmology & Visual Science, IOVS-14, 2014. doi: 10.1167/iovs.14-14116
RFV1=RFV2+RFV3が成り立ち、
RFVは網膜血管の血流量として考えられます。

21. RFVを使った比較についての注意点！
背景の色素が同一なので
比較できます。Comparable
RB1 and RB2は同一血管ですが、背景の色素
が異なるので直接数値の比較ができません。

22. 皮膚用のLSFGを用いた絶対血流量との相関について
MBRは、絶対的な血流量が測定できるストレンゲージ法から得られた血流量の結果と
良好な正相関が得られました。
Yoshinao Nagashima, Yuko Ohsugi, Yoshifumi Niki, Kouji Maeda and Takashi Okamoto
Assessment of laser speckle flowgraphy: Development of novel cutaneous blood flow measurement technique
Proc. SPIE 9792, Biophotonics Japan 2015, 979218 (December 9, 2015); doi:10.1117/12.2203712.

23. 小括
• 血流を測定するLSFGの紹介をご紹介しました。
• LSFGで種々の血流数値を計算する基になっているMBR
（血流計算の材料）の概念的な説明を行いました。
• MBRは直接、絶対量とする血流速度への換算は難しい
ですが、処置前後の比較や、対象の色素が類似してい
る場合には、比較が可能です。