SlideShare a Scribd company logo
1 of 57
課題研究本発表
~量子コンピュータ~
量子班
中村風稀 大石健太 田野拓実
窪田陸也 木村宇恭
https://japan.cnet.com/article/35142834/
提供:Stephen Shankland/CNET
目次 量子コンピュータとは
基礎の説明
研究内容
研究の動機、問題設定
研究内容の説明
本実験
本実験を踏まえた追加実験
追加実験1
追加実験2
まとめ、今後の展望
量子コンピュータ
• 量子とは粒子と波の性質をあわせ持ったとても小さな単位
例…光、電子、中性子
• 理論上は一部の問題に対し、現在のコンピュータと比べて
圧倒的に速い
• エラーが多く、理論上の性能を完全に発揮できる技術は
いまだ確立されていない
1
0
古典コンピュータ 量子コンピュータ
以降、古典コンピュータと呼ぶ
応用分野の例:化学,金融,創薬など
二進法
コンピュータでは全ての事象を二進法で表現する
この時の0と1の並びをビット列と呼ぶ
対応させたい事象の数に合わせてビット列の数を変化させる
ビット数
古典と量子の相違
例:25の1と25以外の約数を求める
古典コンピュータ 量子コンピュータ
候補
1
2
3
5
4
古典
計算
古典
計算
古典
計算
古典
計算
古典
計算
結果 候補
1
2
3
5
4
量子
計算
結果
80%
5%
5%
5%
5%
古典と量子の相違
例:25の1と25以外の約数を求める
量子コンピュータ
候補
1
2
3
5
4
量子
計算
結果
60%
10%
10%
10%
10%
1 2 3 4 5
60
50
40
30
20
10
観
測
確
率
[
%
]
候補
量子コンピュータの回路ではこのような
ヒストグラムを用いて結果を判定する
量子コンピュータの回路の全体像
量子コンピュータの回路を
理解するには以下の3点が
重要である。
1.量子状態
2.量子ゲート
3.測定
2 1
0
+
+ +
+ +
X
X
X
|0>
|0>
|0>
|0>
|0>
|0>
量子状態 量子ゲート 測定
量子コンピュータの回路
• 量子状態…量子ビットと呼ばれる線上における量子の状態
• 量子ゲート…量子状態を変化させるためのもの
• 測定…量子状態を各状態(00,01…)の観測確率として表す
Xゲート
Ⅹゲートを通過した量子ビットを以下のように変化させる
Xゲート
Xゲート
|0>
|0>
|1>
|1>
CXゲート
CXゲートの通過時に、「・」 が「1」の時のみ⊕の部分を
Xゲートの作用をする
|1>
|1>
|1>
|0>
|0>
|0>
|0>
|0> +
+
目次 量子コンピュータとは
基礎の説明
研究内容
研究の動機、問題設定
研究内容の説明
本実験
本実験を踏まえた追加実験
追加実験1
追加実験2
まとめ、今後の展望
QuantumChallenge2020
3×3の格子状のマス目があり、これらすべてを消灯させたい
ただし、マス目を押すと、連動して隣接したマス目も切り替わる
実際に回路にすると
① ② ③
④ ⑤ ⑥
⑦ ⑧ ⑨
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨
[1,1,0,0,1,0,1,0,1]
押す…1 押さない…0
1 1 0
1 0
1
0
0 1
[1,1,0,0,1,0,1,0,1]
ANSWER
不正解の値がこれほど多く観測されている
正解率が低い→どのようにすれば正確に
値を得られるのか(問題提起)
目次 量子コンピュータとは
基礎の説明
研究内容
研究の動機、問題設定
研究内容の説明
本実験
本実験を踏まえた追加実験
追加実験1
追加実験2
まとめ、今後の展望
繰り返し数の影響
説明の都合上2×2のライツアウトの回路を使用しています
正解を増幅する回路
このライツアウトの初期状態
繰り返し数の影響
■の部分
1回
正解を増幅する回路
[0,0,1,0]を
正解の値とする
観
測
確
率
■の部分
1回
繰り返し数の影響
正解を増幅する回路 正解を増幅する回路
■の部分
2回
観
測
確
率
■の部分
1回
繰り返し数の影響
ライツアウトの正解の値の観測確率のみをとり、
繰り返し回数との関係をグラフにして表すと
[0,0,1,0]
■の部分
1回
■の部分
2回
観
測
確
率
正
解
率
繰り返し回数
×𝟎回
正解を増幅する回路
観
測
確
率
繰り返し数の影響
正解値の[0,0,1,0]
の観測確率
正
解
率
繰り返し回数
×𝟏回
正解を増幅する回路
観
測
確
率
繰り返し数の影響
正解値の[0,0,1,0]
の観測確率
正
解
率
繰り返し回数
×𝟐回
正解を増幅する回路
観
測
確
率
繰り返し数の影響
正解値の[0,0,1,0]
の観測確率
正
解
率
繰り返し回数
×𝟑回
正解を増幅する回路
観
測
確
率
繰り返し数の影響
正解値の[0,0,1,0]
の観測確率
正
解
率
繰り返し回数
繰り返し数の影響
× 𝒙回
正解を増幅する回路
正解値の[0,0,1,0]
の観測確率
先行研究
先行研究から観測確率と繰り返し回数はエラーを
考慮しなければ𝒔𝒊𝒏𝟐関数で表すことができる
正
解
率
繰り返し回数
エラーとは
0 1
X
0 X
0
何かしらのアクシデントにより、
回路中のゲートが正常に作用しなくなる現象のこと
エラーによる影響
量子コンピュータの回路上では値を観測確率によって求めている
エラーによりゲートが作用しなくなると、観測確率が変化する
正確に値を得ることができない
00
01
11
10
パターン
観
測
確
率
00
01
11
10
パターン
エラーなし
観
測
確
率
エラーあり
エラーによる影響
作った回路の計測結果はエラーが
発生していないことを前提としている
しかし、実際にはエラーが発生し
結果に影響を及ぼすことがある。
00
01
11
10
パターン
観
測
確
率
00
01
11
10
パターン
観
測
確
率
課題
■の部分を増やすとより正確な値を得ることができるようになる
ゲートの数を増やすとよりエラーが起きやすくなる
では■の部分を何度繰り返すと最も正確な値が得られるのか?
正解を増幅する回路
今回は説明の都合上2×2のライツアウトの回路を使用しています
目次 量子コンピュータとは
基礎の説明
研究内容
研究の動機、問題設定
研究内容の説明
本実験
本実験を踏まえた追加実験
追加実験1
追加実験2
まとめ、今後の展望
今回はXゲートとCXゲートが主な回路
Xゲートのエラー率<<CXゲートのエラー率
実験方法 エラーの割合を定義する
実機の量子コンピュータではCXゲートが主なエラーの原因で
そのエラー率によって量子コンピュータの性能が決まる
X
0.0002
+
0.0270
実機のエラー率の平均
実験方法 エラーの割合を定義する
XゲートはCXゲートに比べのエラーの影響が小さく回路に
ほとんど影響を及ぼさないため、Xゲートのエラー率は固定
Xゲートのエラー率<<CXゲートのエラー率
X
0.0002
+
0.0270
実機のエラー率の平均
実験方法
CXゲートのエラー率をシミュレーションで0.001ずつ変化させる
繰り返し数とCXゲートのエラー率をそれぞれ変化させ、
回路を実行しデータを集める
エラーの割合を定義する
0
0.001
1 16 0
0.002
1 16 0
0.005
1 16
繰り返し数
エラー率
仮説 先行研究から観測確率と繰り返し回数はエラーを
考慮しなければsin𝟐関数で表すことができる
観
測
確
率
繰り返し回数
エラーの発生する割合が大きくなればなるほど
sin2関数の振幅は小さくなる
観
測
確
率
繰り返し回数
ー…エラー無
ー…エラー小
ー…エラー大
0.00
0.25
0.50
0.75
1.00
0.005 0.004 0.003 0.002 0.001 エラー無し
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
正
解
率
CXエラー率:
繰り返し数
実験結果
エラーの増加によって関数の振幅(正解率)が小さくなり、
最大値をとる繰り返し数が小さくなる
は17回中のピーク時
エラー無しの時は𝒔𝒊𝒏𝟐関数で表すことができる
エラーを含む関数は𝑠𝑖𝑛2関数から少しずれが生じた
誤差の大きさも別の周期関数で表せるのではないか
結果の解釈
500
400
300
200
100
0 13.6
エラーあり
0 5 10 15
17.2
エラー無し
0 5 10 15 20 25
1000
800
600
400
200
0
正
解
率
繰り返し数 繰り返し数
正
解
率
誤差の大きさ
『fitting』と呼ばれる技術で、
𝒔𝒊𝒏𝟐関数に近似
Fittingした関数の最大値をとる繰り返し回数をそれぞれの
エラー率で調べるとエラー率が高い程、値が小さくなっている
結果の解釈
16
14
12
10
8
6
4
2
0
0.001 0.002 0.003 0.004 0.005
エラー率
最
大
値
を
と
る
繰
り
返
し
数
結果
エラーの発生する割合が大きくなればなるほど
sin𝟐
関数の周期は短くなる
観
測
確
率
繰り返し回数
観
測
確
率
繰り返し回数
ー…エラー無 ー…エラー小 ー…エラー大
観
測
確
率
繰り返し回数
ー…エラー無 ー…エラー小 ー…エラー大
予
想
結
果
目次 量子コンピュータとは
基礎の説明
研究内容
研究の動機、問題設定
研究内容の説明
本実験
本実験を踏まえた追加実験
追加実験1
追加実験2
まとめ、今後の展望
課題及び追加実験1
観
測
確
率
繰り返し回数
ー…エラー小 ー…エラー大
繰り返し回数を増やす毎に計算時間が増えてしまう
ピーク以降の挙動を調べたいのでより簡易な回路である
2×2のライツアウトの場合を用いて変化の様子を追っていく
ー…エラー無 ー…エラー小 ー…エラー大
3×3 2×2
ビット数 19 9
ゲート数 CX: 約65
X : 約40
CX: 約25
X : 約20
×繰り返し数 ×繰り返し数
エラーを入れたときの一周期目以降の変化を、
エラー無、エラー小、エラー大のときを比較し調べる
結果
赤→エラー無
緑→エラー小
青→エラー大
エラーが大きくなるほど、後の周期になるにつれて
正解率は減衰していき、さらに周期が短くなる
各周期のピーク
実機でこのアルゴリズムから安定して結果を
得るためには正解率が50%を超えることが必要
正解率が50%を超えることができる
エラー率の上限値について調べる
追加実験 2
結果
エラー率 繰り返し回数
13 14 15 16 17
0.00088 48.7 49.2 48.7 50.9 49.2
0.00089 47.3 49.3 51.0 47.0 47.4
0.00090 48.0 47.9 46.9 46.6 47.8
0.00091 50.0 46.9 49.7 47.8 45.9
0.00092 44.5 45.5 47.0 45.9 44.3
:
0.00094 45.5 45.5 47.0 45.9 44.3
:
0.00096 47.8 45.0 43.9 47.0 44.4
:
0.00098 43.8 45.7 43.5 45.9 42.2
エラー率が 0.00088 , 0.00089 ,
0.00091 のとき正解の確率が50%を超えた
小数点以下第二位を四捨五入しています
・CXエラー率が 0.00091 付近以下の時、正解率が50%を上回る
追加実験2の解釈
X
+
0.0002
0.0270
実機の
エラー率の平均
X
+
0.0002
0.00091
今回の結果に
よるエラー率
大きな
開きが
存在
目次 量子コンピュータとは
基礎の説明
研究内容
研究の動機、問題設定
研究内容の説明
本実験
本実験を踏まえた追加実験
追加実験1
追加実験2
まとめ、今後の展望
・エラーが大きくなるほど、周期が短く、正解率が小さくなり、
後の周期になるにつれて正解率は減衰していく
・エラーがあるときのfittingしたグラフはsin2関数から誤差が
生じていた。誤差の大きさにも法則性がみられる
・CXエラー率が 0.00091 付近以下の時、正解率が50%を上回る
まとめ
減衰するsin関数の図を作る
正
解
率
繰り返し数
ー…エラー無 ー…エラー小 ー…エラー大
誤差の大きさ
CXエラー率 0.001の時
今後の展望
fitting誤差の関数化
1.どんなsin関数を組み合わせているのか
2.実際の量子コンピュータエラー率を許容範囲まで下げること
誤差の大きさ
ゲート操作以外の原因で起きるエラーも調査する
課題研究協力
日本IBM 中村悠馬さん
IBM QuantumExperience
https://quantum-computing.ibm.com/
Gfycat
https://gfycat.com/discover/quantum-
computer-gifs
Quiskit textbook
https://qiskit.org/
研究の成果物
メンバー5人で計240枚分のスライドをオンライン上に公開しました
https://www.slideshare.net/OishiKenta/presentations
https://www.slideshare.net/takumitano/presentations
https://www.slideshare.net/RikuyaKubota/presentations
https://www.slideshare.net/UkyoKimura/presentations
https://www.slideshare.net/FukiNakamura/presentations
ご清聴ありがとうございました
実際に回路にすると…(⓪~②)
+
+
+
H
H
H
H
H
H
H
H
H
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
X
X
X
X
X
X
②ボタンを押したとき隣り合う
マス目を反転させる
⓪マス目の状態を示す
①9つのマス目を
重ね合わせ状態にする
実際に回路にすると…(③~⑤)
④巻き戻しをさせる
⑤平均値周りの反転を行い
求める値を増幅する
③求める値の係数の
正負のみを反転させる
Hゲート
Hゲートを通過した量子ビットを以下のように変化させる
Hゲート
Hゲート
|0> |0>+|1>
|1> |0>-|1>
グローバーのアルゴリズムとは
• グローバーのアルゴリズムは、ロブ・グローバーが開発した、
未整序のデータベース探索を行うアルゴリズムの中で最速の
量子アルゴリズムである
𝑁個の箱の中から、求める値𝑊を見つけるとき
古典コンピュータ→𝑵/𝟐回(平均) 量子コンピュータ→ 𝑵回
𝑊 𝑁 = 2𝑛
振幅増幅
求める値の係数を反転させ、全てを平均値回りに反転し、
求める値を増幅させる
0 N
W
振幅増幅
平均値周りに反転する
0 N
W

More Related Content

Similar to 課題研究

2014/5/29 東大相澤山崎研勉強会:パターン認識とニューラルネットワーク,Deep Learningまで
2014/5/29 東大相澤山崎研勉強会:パターン認識とニューラルネットワーク,Deep Learningまで2014/5/29 東大相澤山崎研勉強会:パターン認識とニューラルネットワーク,Deep Learningまで
2014/5/29 東大相澤山崎研勉強会:パターン認識とニューラルネットワーク,Deep LearningまでHokuto Kagaya
 
心理学研究におけるQualtricsの活用
心理学研究におけるQualtricsの活用心理学研究におけるQualtricsの活用
心理学研究におけるQualtricsの活用igarashilab
 
量子コンピュータの時代へ:現在の量子コンピュータで何ができるか
量子コンピュータの時代へ:現在の量子コンピュータで何ができるか量子コンピュータの時代へ:現在の量子コンピュータで何ができるか
量子コンピュータの時代へ:現在の量子コンピュータで何ができるかAhmad Zufri
 
全脳関西編(松尾)
全脳関西編(松尾)全脳関西編(松尾)
全脳関西編(松尾)Yutaka Matsuo
 
Convolutional Neural Network @ CV勉強会関東
Convolutional Neural Network @ CV勉強会関東Convolutional Neural Network @ CV勉強会関東
Convolutional Neural Network @ CV勉強会関東Hokuto Kagaya
 
M5Stackを使ったIoTプログラミング
M5Stackを使ったIoTプログラミングM5Stackを使ったIoTプログラミング
M5Stackを使ったIoTプログラミングJunichi Akita
 

Similar to 課題研究 (7)

2014/5/29 東大相澤山崎研勉強会:パターン認識とニューラルネットワーク,Deep Learningまで
2014/5/29 東大相澤山崎研勉強会:パターン認識とニューラルネットワーク,Deep Learningまで2014/5/29 東大相澤山崎研勉強会:パターン認識とニューラルネットワーク,Deep Learningまで
2014/5/29 東大相澤山崎研勉強会:パターン認識とニューラルネットワーク,Deep Learningまで
 
心理学研究におけるQualtricsの活用
心理学研究におけるQualtricsの活用心理学研究におけるQualtricsの活用
心理学研究におけるQualtricsの活用
 
量子コンピュータの時代へ:現在の量子コンピュータで何ができるか
量子コンピュータの時代へ:現在の量子コンピュータで何ができるか量子コンピュータの時代へ:現在の量子コンピュータで何ができるか
量子コンピュータの時代へ:現在の量子コンピュータで何ができるか
 
全脳関西編(松尾)
全脳関西編(松尾)全脳関西編(松尾)
全脳関西編(松尾)
 
Convolutional Neural Network @ CV勉強会関東
Convolutional Neural Network @ CV勉強会関東Convolutional Neural Network @ CV勉強会関東
Convolutional Neural Network @ CV勉強会関東
 
Jsai2020
Jsai2020Jsai2020
Jsai2020
 
M5Stackを使ったIoTプログラミング
M5Stackを使ったIoTプログラミングM5Stackを使ったIoTプログラミング
M5Stackを使ったIoTプログラミング
 

Recently uploaded

クラウドネイティブなサーバー仮想化基盤 - OpenShift Virtualization.pdf
クラウドネイティブなサーバー仮想化基盤 - OpenShift Virtualization.pdfクラウドネイティブなサーバー仮想化基盤 - OpenShift Virtualization.pdf
クラウドネイティブなサーバー仮想化基盤 - OpenShift Virtualization.pdfFumieNakayama
 
モーダル間の変換後の一致性とジャンル表を用いた解釈可能性の考察 ~Text-to-MusicとText-To-ImageかつImage-to-Music...
モーダル間の変換後の一致性とジャンル表を用いた解釈可能性の考察  ~Text-to-MusicとText-To-ImageかつImage-to-Music...モーダル間の変換後の一致性とジャンル表を用いた解釈可能性の考察  ~Text-to-MusicとText-To-ImageかつImage-to-Music...
モーダル間の変換後の一致性とジャンル表を用いた解釈可能性の考察 ~Text-to-MusicとText-To-ImageかつImage-to-Music...博三 太田
 
SOPを理解する 2024/04/19 の勉強会で発表されたものです
SOPを理解する       2024/04/19 の勉強会で発表されたものですSOPを理解する       2024/04/19 の勉強会で発表されたものです
SOPを理解する 2024/04/19 の勉強会で発表されたものですiPride Co., Ltd.
 
TataPixel: 畳の異方性を利用した切り替え可能なディスプレイの提案
TataPixel: 畳の異方性を利用した切り替え可能なディスプレイの提案TataPixel: 畳の異方性を利用した切り替え可能なディスプレイの提案
TataPixel: 畳の異方性を利用した切り替え可能なディスプレイの提案sugiuralab
 
デジタル・フォレンジックの最新動向(2024年4月27日情洛会総会特別講演スライド)
デジタル・フォレンジックの最新動向(2024年4月27日情洛会総会特別講演スライド)デジタル・フォレンジックの最新動向(2024年4月27日情洛会総会特別講演スライド)
デジタル・フォレンジックの最新動向(2024年4月27日情洛会総会特別講演スライド)UEHARA, Tetsutaro
 
【早稲田AI研究会 講義資料】3DスキャンとTextTo3Dのツールを知ろう!(Vol.1)
【早稲田AI研究会 講義資料】3DスキャンとTextTo3Dのツールを知ろう!(Vol.1)【早稲田AI研究会 講義資料】3DスキャンとTextTo3Dのツールを知ろう!(Vol.1)
【早稲田AI研究会 講義資料】3DスキャンとTextTo3Dのツールを知ろう!(Vol.1)Hiroki Ichikura
 
CTO, VPoE, テックリードなどリーダーポジションに登用したくなるのはどんな人材か?
CTO, VPoE, テックリードなどリーダーポジションに登用したくなるのはどんな人材か?CTO, VPoE, テックリードなどリーダーポジションに登用したくなるのはどんな人材か?
CTO, VPoE, テックリードなどリーダーポジションに登用したくなるのはどんな人材か?akihisamiyanaga1
 
AWS の OpenShift サービス (ROSA) を使った OpenShift Virtualizationの始め方.pdf
AWS の OpenShift サービス (ROSA) を使った OpenShift Virtualizationの始め方.pdfAWS の OpenShift サービス (ROSA) を使った OpenShift Virtualizationの始め方.pdf
AWS の OpenShift サービス (ROSA) を使った OpenShift Virtualizationの始め方.pdfFumieNakayama
 
自分史上一番早い2024振り返り〜コロナ後、仕事は通常ペースに戻ったか〜 by IoT fullstack engineer
自分史上一番早い2024振り返り〜コロナ後、仕事は通常ペースに戻ったか〜 by IoT fullstack engineer自分史上一番早い2024振り返り〜コロナ後、仕事は通常ペースに戻ったか〜 by IoT fullstack engineer
自分史上一番早い2024振り返り〜コロナ後、仕事は通常ペースに戻ったか〜 by IoT fullstack engineerYuki Kikuchi
 

Recently uploaded (9)

クラウドネイティブなサーバー仮想化基盤 - OpenShift Virtualization.pdf
クラウドネイティブなサーバー仮想化基盤 - OpenShift Virtualization.pdfクラウドネイティブなサーバー仮想化基盤 - OpenShift Virtualization.pdf
クラウドネイティブなサーバー仮想化基盤 - OpenShift Virtualization.pdf
 
モーダル間の変換後の一致性とジャンル表を用いた解釈可能性の考察 ~Text-to-MusicとText-To-ImageかつImage-to-Music...
モーダル間の変換後の一致性とジャンル表を用いた解釈可能性の考察  ~Text-to-MusicとText-To-ImageかつImage-to-Music...モーダル間の変換後の一致性とジャンル表を用いた解釈可能性の考察  ~Text-to-MusicとText-To-ImageかつImage-to-Music...
モーダル間の変換後の一致性とジャンル表を用いた解釈可能性の考察 ~Text-to-MusicとText-To-ImageかつImage-to-Music...
 
SOPを理解する 2024/04/19 の勉強会で発表されたものです
SOPを理解する       2024/04/19 の勉強会で発表されたものですSOPを理解する       2024/04/19 の勉強会で発表されたものです
SOPを理解する 2024/04/19 の勉強会で発表されたものです
 
TataPixel: 畳の異方性を利用した切り替え可能なディスプレイの提案
TataPixel: 畳の異方性を利用した切り替え可能なディスプレイの提案TataPixel: 畳の異方性を利用した切り替え可能なディスプレイの提案
TataPixel: 畳の異方性を利用した切り替え可能なディスプレイの提案
 
デジタル・フォレンジックの最新動向(2024年4月27日情洛会総会特別講演スライド)
デジタル・フォレンジックの最新動向(2024年4月27日情洛会総会特別講演スライド)デジタル・フォレンジックの最新動向(2024年4月27日情洛会総会特別講演スライド)
デジタル・フォレンジックの最新動向(2024年4月27日情洛会総会特別講演スライド)
 
【早稲田AI研究会 講義資料】3DスキャンとTextTo3Dのツールを知ろう!(Vol.1)
【早稲田AI研究会 講義資料】3DスキャンとTextTo3Dのツールを知ろう!(Vol.1)【早稲田AI研究会 講義資料】3DスキャンとTextTo3Dのツールを知ろう!(Vol.1)
【早稲田AI研究会 講義資料】3DスキャンとTextTo3Dのツールを知ろう!(Vol.1)
 
CTO, VPoE, テックリードなどリーダーポジションに登用したくなるのはどんな人材か?
CTO, VPoE, テックリードなどリーダーポジションに登用したくなるのはどんな人材か?CTO, VPoE, テックリードなどリーダーポジションに登用したくなるのはどんな人材か?
CTO, VPoE, テックリードなどリーダーポジションに登用したくなるのはどんな人材か?
 
AWS の OpenShift サービス (ROSA) を使った OpenShift Virtualizationの始め方.pdf
AWS の OpenShift サービス (ROSA) を使った OpenShift Virtualizationの始め方.pdfAWS の OpenShift サービス (ROSA) を使った OpenShift Virtualizationの始め方.pdf
AWS の OpenShift サービス (ROSA) を使った OpenShift Virtualizationの始め方.pdf
 
自分史上一番早い2024振り返り〜コロナ後、仕事は通常ペースに戻ったか〜 by IoT fullstack engineer
自分史上一番早い2024振り返り〜コロナ後、仕事は通常ペースに戻ったか〜 by IoT fullstack engineer自分史上一番早い2024振り返り〜コロナ後、仕事は通常ペースに戻ったか〜 by IoT fullstack engineer
自分史上一番早い2024振り返り〜コロナ後、仕事は通常ペースに戻ったか〜 by IoT fullstack engineer
 

課題研究

Editor's Notes

  1. 今から物理班、量子コンピュータに関する研究の発表を始めます 私たちは近年注目されている量子コンピュータに興味を持ち、現在のコンピュータとの違いについて着目し身近な具体例を通して研究しました。
  2. まずは量子コンピュータについて説明します。 量子とは、粒子と波の性質を併せ持っているとても小さな単位で、例としては光、電子、中性子、陽子などです。 量子コンピュータは特定の問題に対して現在のコンピュータに比べ早く解くことができ、化学、金融、創薬の分野で応用され使われています。一方でエラーが多いためエラーを減らす研究が行われています。 以降現在のコンピュータを古典コンピュータと呼びます。
  3. コンピュータでは2進法を使い全て事象を0と1で表現し、ここではその並びをビット列と呼んでいます そしてこのビットの数を変化させることで多くのことに対応していくことができます。
  4. 続いて、量子コンピュータの回路の説明に移ります。量子コンピュータの回路には、3つの重要な要素があります。それは、量子状態、量子ゲート、測定です。
  5. まず、量子状態とは、量子ビットと呼ばれる線上における量子の状態です。また、量子ゲートは量子状態を変化させます。多くの種類があり、それぞれが固有の作用をします。そして、最後に観測確率として測定することができます。
  6. 僕たちの班はIBMの主催するQuantum Challenge2020というイベントに参加し、ライツアウトというゲームの答えを探す回路を作りました。ライツアウトとは、点灯しているマス目をすべて消灯させるゲームです。 あるマス目を押したときそのマス目と隣接しているマス目の状態が切り替わります。全てのライトが消えたらクリアとなります。
  7. これを求めるための回路はこのようになります。この回路によって正解の押し方は[1.1.0.0.1.0.1.0.1]であるとわかりました。
  8. 実際に押して確かめてみましょう。すべて消すことができました。
  9. 先程、正解の押し方が分かったといいましたが、実は回路が100%の確率で正解を出すわけではなく、不正解の値も出てきてしまいます。
  10. そこで、正解が出る確率をあげるためにグローバーのアルゴリズムというものを用います。 グローバーのアルゴリズムを繰り返すことで正解が出る確率が変化します。 今回の研究では、繰り返しの回数によって確率がどう変わるかを調べます。  なお研究では、2×2のライツアウトの回路を使用します
  11. グローバーのアルゴリズムを一回用いると0010という値を得ることができたので、この値を正解とし、以下この値の出る確率を高めていくためにグローバーのアルゴリズムを繰り返します
  12. グローバーのアルゴリズムを一回繰り返すと観測確率は右のグラフになります。正解の確率が高まったことが確認できました。
  13. ここから更に繰り返し回数を増やし、正解の確率と繰り返し回数の関係をグラフにします https://lab.quantum-computing.ibm.com/user/5f9ad42e944898001346bc9f/lab/tree/WEEK2a.ipynb グラフのリンク
  14. 繰り返し回数を増やしていくと、正解率は次のように変化していきます。
  15. この結果から、繰り返し回数を増やすと正解率がこのように周期的に変化していくのではないかと考えました
  16. 調べたところ、先行研究によって観測確率と繰り返し回数はsin^2関数で表せることを確認できました しかしこれはエラーを考慮していません
  17. エラー率引用先 https://quantum-computing.ibm.com/services?services=systems&system=ibmq_brooklyn
  18. 最終的に正解率はランダムになる
  19. 確率的コンピュータでは 1 3 よりもエラーの確率が低いことがエラーが許容される目安とされている
  20. 1,わかったこと
  21. 1,わかったこと
  22. 今回の研究は日本IBMの中村悠馬さんの協力の下、行われました。参考資料はこちらです。
  23. 今回の課題研究の成果物として、メンバー5人全員で210枚のスライドをオンライン上に公開しました
  24. ご清聴ありがとうございました