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福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

目次
旧避難準備区域は田畑賠償対象外 ............................................................................................................... 2
竹炭、放射性物質を強く吸着…中京大チーム確認...................................................................................... 2
放射性物質の動き予測 日本の支援で始動 .................................................................................................. 2
論説 【外部被ばく管理】丁寧な説明が必要だ(11月27日) ............................................................ 3
東電の返済、年500億円上限 賠償支援機構の貸付金........................................................................... 4
原発事故賠償手続き田畑も開始へ ............................................................................................................... 4
社説:秘密保護法案衆院通過

民主主義の土台壊すな ................................................................................. 5

経産省、原子力広報を強化へ エネルギー基本計画で復活 ....................................................................... 6
【栃木】
「何が起きたか分からず」 被爆者講演会 原爆の情報統制証言 ............................................... 6
国際廃炉研究開発機構、福島原発の廃炉向け技術公募-溶けた燃料取り出しなど .................................. 7
海側井戸で91万ベクレル=過去最高、護岸から40メートル—福島第1 ............................................... 7
首相「菅政権が対応誤った」 民主議員の原発事故情報非公表に反論 ..................................................... 7
制御盤に小動物侵入か=隙間に穴、警報誤作動-福島第1 ....................................................................... 8
秘密保護法案:福島バカにするな 公聴会翌日に強行可決.......................................................................... 8
ネズミの尿、誤警報の原因に…福島第一原発 ............................................................................................. 9
海側井戸から91万ベクレル 第1原発、過去最高値 .............................................................................. 9
静寂の中、核燃料つり上げ=使用済み6体容器に-福島第1 ................................................................. 10
福島第1、使用済み燃料の取り出し着手 4号機.................................................................................... 10
楢葉町 専門家が除染効果検証................................................................................................................... 11
福島再生加速化交付金を創設へ ................................................................................................................. 11
使用済み核燃料を移動 福島第一原発で初めて ....................................................................................... 12
使用済み燃料取り出し開始

4号機、事故後初 ....................................................................................... 12

野菜通販会社と東電和解 原発事故風評被害 売上減の損害賠償で 千葉地裁 .................................... 13
【秘密保護法案】 「アリバイづくりだ」と批判も

福島で地方公聴会 ............................................... 13

原発情報開示「不透明」 秘密保護法 福島で公聴会 全員が反対、慎重意見 .................................... 15
■採決方針に批判の声............................................................................................................................ 15
福島第1原発:汚染水問題 東電支店長に抗議書、対策の見直し求め−−県市長会など県内8団体 /茨城
.................................................................................................................................................................... 16

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福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

旧避難準備区域は田畑賠償対象外
福島民報 2013/11/27 09:22

東京電力福島第一原発事故に伴う賠償に関する国、県、関係市町村による事務レベル協議は26日、
福島市の杉妻会館で開かれた。田畑賠償について、宅地同様、旧緊急時避難準備区域を対象外とするこ
とで、おおむね合意した。
協議は非公開で行われた。県の担当者によると、田畑賠償の基準単価は各市町村の「大字」や「字」
などの一定地域ごとに算定し、各市町村に示しているという。避難指示の期間に応じて賠償額を算定す
る。
協議では、経済産業省資源エネルギー庁の担当者が、山林の立木も賠償対象とする考えを示した。算
定方法などは今後、協議していく。宅地や田畑以外の土地の賠償は、ゴルフ場や牧場などの「事業地」
、
駐車場などの「雑種地」「山林」
、
「原野」の四つの区分で検討する方針を示した。

竹炭、放射性物質を強く吸着…中京大チーム確認
2013 年 11 月 27 日 09 時 21 分 読売新聞

竹炭に放射性セシウムや放射性ヨウ素を強く吸着する性質があることを、中京大学(名古屋市)の研
究プロジェクトチームが確認した。
東京電力福島第一原発事故の除染に役立つことが期待されるという。
発表によると、竹炭の吸着性能を検証する実験を行った結果、200ミリ・リットルのヨウ素水溶液
に0・5グラムの竹炭を入れた場合、一般的な吸着材の鉱物ゼオライトと比較して、30分経過時点で
5倍以上を吸着するなど、短時間で濃度を下げることが分かった。また、10ミリ・リットルのセシウ
ム水溶液を竹炭10グラムに通過させて濃度を測定すると、ゼオライトの74%の吸着率が認められた
という。

放射性物質の動き予測 日本の支援で始動
NHK 11 月 27 日 9 時 9 分

国際的な核実験の監視網であるCTBTOは、日本からの支援を受けてより高い精度で大気中の放射
性物質の動きを予測することができる新たなシステムの運用を始め、原発事故などの際にも、より早く
正確な情報の提供に活用されることが期待されています。
CTBTOは、世界各地で核実験に伴う揺れや放射性物質などを観測している国際機関で、北朝鮮の
核実験や東京電力福島第一原子力発電所の事故の際にも分析を行いました。
CTBTOは、今月から大気中の放射性物質の動きをより高い精度で予測することができる新たなコ
ンピューターのシステムの運用を本格的に始めました。
2
福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

このシステムの導入にあたって、日本政府はおよそ6000万円を拠出していて、26日、オースト
リアのウィーンにあるCTBTOの本部で、日本政府の関係者などが出席して式典が行われました。
新しいシステムでは、世界中にある観測施設で放射性物質を検出し、気象データなどと照らし合わせ
て放射性物質の動きを予測する作業を、これまでよりも高い精度で、また最大で20倍の速さで行うこ
とができます。
これによって核実験が行われたときだけでなく、原発事故の際にもより早く正確な情報を各国に提供
することができるようになり、住民の避難などにも活用されることが期待されています。

論説

【外部被ばく管理】丁寧な説明が必要だ(11月27日)
福島民報 2013/11/27 09:03

原子力規制委員会は、東京電力福島第一原発事故による避難住民が帰還した後の被ばく線量の評価方
法を、空間線量を基にした推定値から個人線量計による実測値に転換する提言案を了承した。実測値は
推定値を下回る傾向にあり、
「評価基準の引き下げ」との見方もある。提言を受け、政府は年内に具体的
な防護対策をまとめる。さらなる混乱を招かぬよう方針転換について丁寧に説明すべきだ。
推定値はモニタリングポストなどで測定した空間放射線量を基に、一日のうち8時間を屋外、16時
間を木造家屋内で過ごしたと一律に仮定して算出する。毎日8時間も屋外にいる人は少ないし、放射線
の遮蔽[しゃへい]効果が高いコンクリート製の建物で過ごす時間もある。日常生活とは懸け離れた設
定であり、緊急時の安全確保の観点に立った過大な見積もりといえる。
21日に公表された伊達市の外部被ばく線量年間実測値の分析結果によると、大字別の実測値は推定
値の20~60%台の範囲に収まっていた。政府の長期目標である年間追加被ばく線量が1ミリシーベ
ルトとなる空間線量は、推定だと毎時0・23マイクロシーベルトだ。しかし、この空間線量地域の実
際の年間被ばく線量は0・521~0・572ミリシーベルトと推定値の半分程度にとどまっていた。
提言は、帰還の選択をする住民の被ばく線量の低減や不安解消には住民自身が被ばく線量を把握し、
自らの行動との関係を理解して対策を講じることが重要-としている。さらに、健康管理面でも個人の
被ばく線量を継続的に測定し、記録することが必要-と指摘した。伊達市の分析からは推定値と実測値
の違いをはじめ、住民の被ばく線量の地区別、男女別、年齢別の推移や傾向なども分かり、提言内容に
沿った対策を講じることが可能になる。
そうした意味では、
事故直後から国なり、県なりが全県民にバッジ式積算線量計などを配布し、
随時、
実測値を把握・公表する必要があった。自分が実際、どれだけ被ばくしているか分からないことが放射
線の健康影響をめぐる混乱に拍車を掛けたといえる。
提言は避難指示解除の必須の条件として、空間線量から推定した年間積算線量が20ミリシーベルト
を下回ることを挙げた。なぜ、こちらは推定値なのか。なぜ、解除条件は長期目標である1ミリシーベ
ルトではないのか。除染目標に用いるのは推定値か、実測値か…。県民からは、さまざまな疑問の声が
出ている。一つ一つに平易な言葉で説明し、理解を求める努力が大切だ。
(早川 正也)

3
福島第一原発事故関連

東電の返済、年500億円上限

AMR 2013/11/27

賠償支援機構の貸付金
朝日新聞 2013 年 11 月 27 日 05 時 39 分

福島第一原発事故の賠償費用として、政府の原子力損害賠償支援機構が東京電力に5兆円を限度に貸
し付けている資金について、東電が、年間500億円を上限に返済していく方針を決めたことがわかっ
た。返済額に上限を設けることで、財務体質の改善を早める狙いだが、返済期間が延びれば税金で負担
する利払いがかさむ恐れもある。
東電と機構が26日、3メガバンクや日本政策投資銀行に、今後10年間の収支計画とともに説明し
た。年内に見直す総合特別事業計画(再建計画)に盛り込む。
東電が受け取る賠償資金は5兆円に達するのが確実な情勢。
東電を含む電力業界が
「一般負担金」
を、
東電はこれに加えて「特別負担金」を機構に対して毎年返済していく。ただ、利息分の返済は業界や東
電に求められておらず、税金で国が負担するため、返済が延びれば国民負担が増える。

原発事故賠償手続き田畑も開始へ
NHK 11 月 27 日 4 時 34 分

東京電力福島第一原発事故に伴う賠償
の手続きは住宅などではすでに始まって
いますが、懸案となっていた田畑につい
ても避難指示が出ている区域に限ったう
えで、東京電力と福島県などとの間で賠
償額の基準がほぼ合意に達し、まもなく
手続きが始まる見通しになりました。
原発事故に伴う賠償の手続きは住宅の
土地や建物などではすでに始まっていま
すが、田畑については東京電力が市町村
との間で賠償の対象や金額の算出方法がまとまらず、手続きの開始が遅れています。
こうしたなか、東京電力と資源エネルギー庁、それに、福島県や市町村が26日行った協議で、田畑
の賠償の対象について、▽避難指示が出ている11の市町村に限ったうえで、▽賠償額の基準がほぼ合
意に達したことが分かりました。
基準となる金額は字や大字といった地籍ごとに1平方メートル当たり数百円から千数百円程度とする
内容で決まったということです。
これによって、これまで進んでいなかった田畑の賠償の手続きがこの基準に基づいて、まもなく始ま
る見通しになりました。

4
福島第一原発事故関連

社説:秘密保護法案衆院通過

AMR 2013/11/27

民主主義の土台壊すな
毎日新聞 2013 年 11 月 27 日 02 時 30 分

あぜんとする強行劇だった。
衆院国家安全保障特別委員会で特定秘密保護法案が採決された場に安倍晋三首相の姿はなかった。首
相がいる場で強行する姿を国民に見せてはまずいと、退席後のタイミングを与党が選んだという。
与党すら胸を張れない衆院通過だったのではないか。採決前日、福島市で行った地方公聴会は、廃案
や慎重審議を求める声ばかりだった。だが、福島第1原発事故の被災地の切実な声は届かなかった。
審議入りからわずか20日目。秘密の範囲があいまいなままで、国会や司法のチェックも及ばない。
情報公開のルールは後回しだ。
国民が国政について自由に情報を得ることは、民主主義社会の基本だ。法案が成立すれば萎縮によっ
て情報が流れなくなる恐れが強い。審議が尽くされたどころか、むしろ法案の欠陥が明らかになりつつ
ある。
この法案について首相はさきの参院選で国民に十分説明せず、今国会の所信表明演説でも触れなかっ
た。ところが今、成立ありきの強硬路線をひた走っている。衆参のねじれ状態が解消して4カ月での与
党のおごりである。
一部野党が安易な合意に走ったことも消せぬ汚点だ。日本維新の会、みんなの党両党との修正合意は
法案の根幹を何ら変えていない。維新の会と「検討する」と合意した秘密指定の妥当性を判断する第三
者機関の設置も確約されたとは言えない。
秘密指定の最長期間が60年となるなど、改悪となりかねない部分すらある。これではまるで与党の
補完勢力ではないか。
衆院は通過したが、法案の必要性を改めて吟味する必要がある。
国の安全が脅かされるような情報を国が一定期間、秘密にするのは理解できる。
情報漏えいを禁じる法律は、国家公務員法、自衛隊法、日米相互防衛援助協定(MDA)秘密保護法
があり、懲役の最高刑はそれぞれ1年、5年、10年だ。一方、政府は、過去15年で公務員による主
要な情報漏えい事件が5件あったとの認識を示した。この三つの法律の枠内で、起訴猶予になったり、
最高刑を大幅に下回る刑の言い渡しを受けたりしている。
現行法の枠内で、情報が漏えいしないような情報管理のシステムを各行政機関内で構築して規律を守
ることが先決だ。
法案では、防衛・外交情報のほか、テロ活動防止などの名目の公安情報も特定秘密の対象となる。監
視活動が中心の公安捜査は、国民の人権を制約する。
情報を知ろうとする国民が処罰されるような強い副作用を覚悟の上で、新たな法律を今作る必要が本
当にあるのか。
「知る権利」に対する十分な保障がなく、秘密をチェックする仕組みが確立されていないなど問題点
や疑問はふくらむばかりだ。

5
福島第一原発事故関連

経産省、原子力広報を強化へ

AMR 2013/11/27

エネルギー基本計画で復活
2013/11/27 02:00

【共同通信】

経済産業省は26日、年末にもまとめるエネルギー基本計画で、原子力政策に関する広報活動の強化
を明記する方針を固めた。東京電力福島第1原発事故後、控えていたが、新たな計画策定を機に再開す
る。
「安全神話」を生み出したこれまでの原発広報の在り方を反省し、科学的な情報の提供を重視する考
えだ。
ただ事故後、政府や電力会社発の情報は信頼性が揺らいでおり、内容の質が問われる。再生可能エネ
ルギーの導入拡大などで可能な限り原発依存度を引き下げていくとしている安倍政権の方針との整合性
が問題になる可能性もある。

【栃木】
「何が起きたか分からず」

被爆者講演会

原爆の情報統制証言
東京新聞 2013 年 11 月 27 日

特定秘密保護法案の衆院通過をめぐって与野党がぎりぎりの
攻防を繰り広げた二十六日、宇都宮市では、原爆被害の体験者
ら約百七十人でつくる「栃木県原爆被害者協議会」が、今年の
「平和語り部講演会」をスタートさせた。原爆投下後、国から
情報が明らかにされず被害が拡大していった体験を、中学生た
ちに語り伝えた。
協議会は二〇〇二年から、市内の中学校で講演会を開き、戦
争を知らない生徒たちに原爆や戦争の体験を話している。
この日は宇都宮市立上河内中で、高橋久子副会長(80)=
下野市在住=が、二年生七十三人を前に講演。十二歳のとき広
島で原爆に遭い、父親を亡くし、やけどを負って後遺症に苦し
んだ体験を、ありのままに伝えた。
橋さんは、
戦時下や、
米政府の情報管理下に置かれた戦後も、
広島の地図を指さしながら原爆の体験談を話

情報が住民に届かなかったと証言。
す高橋さん=宇都宮市で

「原爆が落ちてやけどをしているのに、何が起こったか分か
らなかったんです。焼夷(しょうい)弾が落ちたわけでもなく、手足がただれる。分かったのは十数年
後です」
。兄は原爆投下直後、不明の家族らを捜して爆心地付近を歩き回り、白血病に侵されたという。
東京電力福島第一原発事故にも言及。結婚や出産など、自らの人生でつきまとい続けた放射線への不
安と照らして「影響は何十年もたってみないと分からない」と話した。 (後藤慎一)

6
福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

国際廃炉研究開発機構、福島原発の廃炉向け技術公募-溶けた燃料取り出しなど
日刊工業新聞 2013 年 11 月 27 日

政府が設立した国際廃炉研究開発機構(IRID、山名元理事長=京都大学原子炉実験所教授)は、
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた技術公募を12月中旬にも始める。原子炉内に溶け落ち
た燃料(デブリ)の取り出しや移送、保管を中心とする関連技術が対象。IRIDは「関係者間で検討
協議を進めており、詳細は未定」としているが、2014年1月末をめどに締め切り、3月までに政府
の廃炉対策推進会議に報告する見通し。優れた技術は政府の廃炉計画に採用される可能性もある。
IRIDは10月に政府の窓口となり汚染水処理の技術公募を行っているが、廃炉そのものの技術公
募は初めて。
提案は国内外を問わずに幅広い知見を集める。汚染水処理の技術公募ではIRIDは整理・
分類をして政府の対策委員会に報告しただけだが、今回は提案された技術の評価も自ら行い、実現性や
効果、課題などを判断する。
汚染水処理の技術公募では国内外の企業や団体、研究機関、個人から779件の提案が寄せられた。
今回は
「廃炉作業で最優先となるデブリの取り出し」
(山名理事長)
などデブリ関連技術の公募となるが、
広く廃炉に関連した技術の提案も受け入れるという。

海側井戸で91万ベクレル=過去最高、護岸から40メートル—福島第1
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013 年 11 月 27 日 00:00 JST

東京電力は26日、福島第1原発1〜4号機の海側にある観測用井戸から、ストロンチウム90など
のベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり91万ベクレル検出されたと発表した。採取したのは
25日で、21日採取の75万ベクレルから上昇した。原発海側の井戸では、別の井戸で7月上旬に検
出された同90万ベクレルを超え、過去最高となった。
東電によると、今回採取したのは2号機の海側で、護岸から40メートルの地点。高濃度汚染水がた
まっており、汚染源の可能性を指摘されているトレンチ(ケーブルなどの地下管路)からも数十メート
ルの距離にある。
[時事通信社]

首相「菅政権が対応誤った」

民主議員の原発事故情報非公表に反論
産経新聞 2013.11.26 22:48

安倍晋三首相は26日の国家安全保障特別委員会で、政府が東京電力福島第1原発事故直後に緊急時
迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報を公表しなかったことについて「あ
のときは民主党政権だった。菅直人首相のときに出すべき情報を出さなかった。まさに政府が対応を誤
った」と切り捨てた。
首相に質問したのは事故当時の環境副大臣だった民主党の近藤昭一衆院議員で、
「福島ではいろいろな
7
福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

情報が隠ぺいされてきて、特定秘密保護法でさらに秘密が拡大されるとの懸念がある」と迫った。
だが、首相の反論に続き参院福島選挙区選出の森雅子少子化相も「福島県ではSPEEDIの情報が
出なかったことが心に重くのしかかっている。あれは秘密でもなんでもなかった」とバッサリ。近藤氏
は「反省とおわびを申し上げたい」と述べ、墓穴を掘った形となった。

制御盤に小動物侵入か=隙間に穴、警報誤作動-福島第1
時事通信 2013/11/26-22:19

東京電力は26日、福島第1原発で電源設備の異常を知らせる警報が誤作動したと発表した。警報の
制御盤に小動物が侵入した形跡があった。東電は他の制御盤についても調査する。
第1原発では3月、ネズミが仮設電源盤に侵入し、使用済み燃料プールの冷却などが一時停止するト
ラブルがあった。
東電は制御盤の隙間に金網を張ったり、
粘土を敷き詰めたりして侵入対策を施したが、
誤作動した制御盤は粘土に1センチ四方の穴が開いていた。内部に小動物の尿やふんがあったという。

秘密保護法案:福島バカにするな

公聴会翌日に強行可決

毎日新聞 2013 年 11 月 26 日 22 時 18 分(最終更新 11 月 26 日 23 時 41 分)

法案への反対が噴出した翌日に強行採決を図るとは−−。衆院本会議で26日、特定秘密保護法案を強
行可決した与党などに福島県民から怒りの声が上がった。原発事故などに関する情報が「秘密」に指定
されるのではないか。前日の25日に福島市で開かれた地方公聴会では、意見陳述した7人全員が反対
や懸念を表明。だが、その声は反映されなかった。
「どこまで福島をバカにするのか」
。拙速な結論に憤
りが渦巻いた。
【喜浦遊】
意見陳述した福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長は「昨日の今日とはびっくりした。非常に残念。
何のための公聴会だったのか、私は何のために出席したのか、こうなっては分からない」と突然の採決
にあきれた様子。さらに「拙速に過ぎる。議論に議論を重ねるべきだ」と語気を強めた。
同様に意見陳述した荒木貢弁護士(福島県弁護士会)も「県民の気持ちを踏みにじった」と憤りを隠
さない。
「言い訳に使われる可能性を感じながら、それでもみんな一生懸命に話したのに、その思いをな
いがしろにされた」
。だが、法案が成立したわけではない。荒木弁護士は「慎重に検討してほしい」と改
めて念を押した。
会場に駆けつけたが、傍聴できなかった三春町の無職、大河原さきさん(61)は「闇討ちのような
公聴会だった」と憤る。傍聴券は政党ごとに割り振られ、つてのない一般市民は公聴会の開催すら知ら
ない人も多かったという。
「福島は採決に向けたこまの一つだった。声を上げても伝わらない。政治家に
受け止める気持ちがないことが悲しい」と話す。
同様に傍聴できなかった郡山市の主婦、森園かずえさん(51)は「陳述者の率直な声がブレーキに
なるかと少し期待していたが、どこまで福島をバカにするのか」と声を荒らげ、
「国との信頼関係がここ
まで崩れると、法案だけでなく今後の復興作業の一つ一つに影響してしまう」と懸念した。
8
福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

東電福島第1原発事故の国会事故調査委員会委員を務め、大熊町から会津若松市に避難している蜂須
賀礼子さん(61)は「住民の命に関わる情報は秘密にしないと信じている。国も原発事故で学んだは
ず。国として守るべき秘密と命に関わる情報はきちんと区別して扱ってほしい」と注文をつけた。

ネズミの尿、誤警報の原因に…福島第一原発
2013 年 11 月 26 日 21 時 18 分 読売新聞

東京電力は26日、福島第一原子力発電所の外部電源を制御する装置などが設置された「開閉所補助
建屋」で、ネズミの尿が電気回路にかかったことが原因とみられる誤警報が発生したと発表した。
異常は警報を制御する装置のみで、電気の供給に問題はなかった。
同原発では今年3月、配電盤にネズミが侵入し、ショートして停電が起きたため、ケーブルが通る隙
間を埋めるなど対策済みだった。東電は今後、原発内の施設にネズミが侵入する隙間がないかを点検す
る。
東電によると、同日午前6時45分頃、免震重要棟で開閉所の異常を示す警報が6回にわたって作動
した。現場を確認したところ、機器の異常はなく、警報を制御する装置の近くでネズミのものとみられ
るフンと尿の跡が見つかった。装置の入った箱のケーブルの隙間はパテで埋められていたが、約1セン
チ四方の穴があったという。

海側井戸から91万ベクレル

第1原発、過去最高値
2013/11/26 21:05

【共同通信】

東京電力は26日、福島第1原発の海側にある観測用井戸の水から、ストロンチウムなどベータ線を
出す放射性物質が1リットル当たり91万ベクレルの高い濃度で検出されたと発表した。
ベータ線を出す放射性物質はこれまで、海側の別の井戸で7月に検出された90万ベクレルが最高だ
った。
今回の井戸は2号機の東側で海まで約40メートル。水は25日に採取した。
事故直後の2011年4月に極めて高濃度の汚染水の海洋流出が確認された作業用の穴から約40メ
ートルしか離れていない。

9
福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

静寂の中、核燃料つり上げ=使用済み6体容器に-福島第1
時事通信 2013/11/26-20:48

東京電力福島第1原発4号機の使用済み燃料プールで核燃料の取
り出しが始まったことを受け、福島県と周辺13市町村などでつくる
廃炉安全監視協議会が26日、作業を視察した。同日から強い放射線
と熱を出す使用済み燃料の取り出しが始まり、現場では慎重に作業が
進められていた。
視察には報道陣も同行し、プール内で燃料をつり上げる様子が初め
て公開された。

東京電力福島第1原発4号機原子炉

原子炉建屋5階の燃料プール。橋を渡すように設置された取り出し 建屋の5階部分。
使用済み燃料プール
機の上に作業班6人が陣取る。空間放射線量は最大で毎時200マイ 脇で作業を視察する廃炉安全監視協
クロシーベルト。取り出し機がプール上を移動する時の警告音以外、 議会の委員ら=26日午後、
福島県大
物音はほとんどない。

熊町(代表撮影)
(一部画像処理して

6人は双眼鏡や水中カメラで確認しながら、取り出し機が目指す燃 あります)
料の真上に来るよう何度も位置を微調整。釣りざおのように伸縮する
アームを水深11.5メートルのプール内に下ろし、長さ4.5メートル、重さ300キロの燃料集合
体の先端をつかむと、1秒に1センチの割合でゆっくりとラックから抜き出した。この日は午後2時半
から4時間かけ、計6体を輸送容器に収容した。
福島県の古市正二生活環境部次長は同原発の小野明所長と面談し、
「これから約1年繰り返し作業で、
慣れやマンネリ化によるミスが懸念される。慎重に作業していただきたい」と要請。小野所長は「経験
のある作業だが、慎重の上にも慎重を重ねたい」と答えた。

福島第1、使用済み燃料の取り出し着手

4号機
日本経済新聞 2013/11/26 20:25

東京電力は 26 日、
福島第1原子力発電所4号機の原子炉建屋内にある使用済み核燃料プールからの2
回目の燃料取り出し作業を始めたと発表した。18~22 日の1回目に取り出したのは未使用燃料で、使用
済み燃料の取り出しは初めて。
強い放射線を出す使用済み燃料は、熱を発しているためゆがんでいる可能性もあり、作業は未使用燃
料に比べて難しいとされる。
26 日の作業では、輸送容器をプールに沈め、専用のクレーンを使って燃料をつり上げ、6体を容器内
に収めた。東電によると「作業は順調に進んだ」という。
27 日以降の作業で計 22 体を容器に収納した後、トレーラーで約 100 メートル離れた共用プールに運
び、移し替える予定。
1回目の取り出しで未使用燃料 22 本を共用プールに移したことにより、
4号機のプールには使用済み
10
福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

燃料 1331 体と未使用燃料 180 体が残っている。
東電は来年末までにすべての燃料の移送作業を終える計
画だ。
東日本大震災に伴う事故で4号機の建屋は爆発した。使用済み核燃料プールも損傷している恐れがあ
り、安全な共用プールへの移送が急がれている。

楢葉町 専門家が除染効果検証
NHK 11 月 26 日 19 時 37 分

東京電力福島第一原発の事故で、国が直接行っている除染が来年3月に終わる見通しになっている福
島県楢葉町で除染の効果を独自に検証するための、専門家による委員会が設置され初会合が開かれまし
た。
この委員会は、町の大部分が避難区域になっている楢葉町で国が行っている除染が、来年3月末に終
わる見通しであることから、その効果を検証し、来年春に予定している住民の帰還時期を判断しようと
町が独自に設けました。
26日の初会合には、委員を務める放射線や生物学などの専門家のほか、環境省や県の関係者などお
よそ40人が出席し、松本幸英町長が「除染効果の検証は、町の復興や帰還の判断に大きな影響を与え
るので、専門的見地と町民の目線からさまざまな意見を出していただきたい」とあいさつしました。委
員会には町民も参加し、
「住宅や道路など生活圏だけの除染でいいのかを検証してほしい」といった意見
が出されていました。
委員会では、国のデータを基に除染の効果を検証するほか、効果的な除染方法や廃棄物の管理などを
協議することにしていて、来年3月までに報告書をまとめて帰還時期の判断材料にしたいとしています。
委員長を務める東京大学の児玉龍彦教授は「住民は除染後にも放射性物質がどの程度残っているのか
不安に思っている。住民の不安や要望をもとに効率的な除染ができているのか検証していきたい」と話
していました。

福島再生加速化交付金を創設へ
NHK 11/26 17:56

政府は福島第一原子力発電所の事故で避難している住民の帰還の後押しや、帰還が難しい住民向けの
支援を総合的に行うための新たな交付金として「福島再生加速化交付金」を創設する方針を固め、来月
中旬に取りまとめる今年度の補正予算案におよそ500億円を盛り込む方向で調整を進めています。

11
福島第一原発事故関連

使用済み核燃料を移動

AMR 2013/11/27

福島第一原発で初めて
朝日新聞 2013 年 11 月 26 日 17 時 24 分

【川田俊男】東京電力は26日、福島第一原発4号機にある燃料プールから核燃料を取り出す2回目
の作業を始めた。1回目は未使用の燃料だったが、今回は初めて使用済み燃料を別の建物の共用プール
に移す。
使用済み燃料は、原子炉で燃やした後に保管していたもので、強い放射線を出しており、危険性が高
い。燃料プール内には未使用の燃料が180体あるが、危険度を早く下げるため使用済みを優先して移
すことにした。この日は午後2時23分から取り出し作業を始め、燃料集合体6体を順次、輸送容器に
入れた。

使用済み燃料取り出し開始

4号機、事故後初
産経新聞 2013.11.26 16:35

東京電力は26日、福島第1原発4号機の燃料貯蔵プールから2回目
の燃料取り出し作業を開始した。今回搬出するのはすべて使用済み燃料
で、事故後に1~6号機プールから使用済み燃料が取り出されるのは初
めて。今回は、一時保管施設の共用プールへ移送を完了するまでに5日
から1週間ほどかかる見通し。
東電によると、同日午後2時23分に作業を開始。キャスクをプール
内に沈めた上で、クレーンで燃料をプール備え付けの燃料貯蔵ラックか
ら1体ずつ引き抜き、キャスクへ装填(そうてん)した。作業は午後6
時32分まで行い、6体の燃料を収容した。キャスクには22体の燃料
を収容できるため、27日も残り16体の装填を続ける予定。
4号機プールには、初回の取り出し作業終了時点で使用済み燃料13
福島第1原発の燃料貯蔵プールで

31体、未使用燃料180体の計1511体がある。
クレーンを使い輸送容器に装填さ

東電が取り出しを始めた使用済み燃料は、初回の作業で取り扱った未
れる使用済み燃料=26日午後
(東

使用燃料とは異なり、高い放射線と熱を出す。さらに、燃料の形状が自
京電力提供、
核物質防護のため一部

然変形している可能性もあり、初回以上に慎重な作業が求められる。
画像を加工しています)

初回作業の被曝(ひばく)線量は毎時0・07ミリシーベルトで想定
の同0・2ミリシーベルトを下回った。今回は放射線対策として、被曝線量の監視を徹底。東電は「燃
料移動は全て水中で行うため、プールの水で放射線を十分に遮ることができる」と説明している。
発熱も懸念材料に上がっているが、原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員は「十分に冷やされ
ている」との見解を示している。4号機の使用済み燃料は冷却期間が最長のもので約30年、最短のも
のでも約3年冷やされており、冷却はできているとされるが注意が必要だ。
今回の作業で最も心配されるのは燃料の変形。使用済み燃料の形状は未使用燃料と同じで作業手順に
12
福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

変更はないが、使用後は棒状の形状が湾曲することがある。通常でもこうした自然変化は「若干はある」
(東電)ため、大きな変形があればクレーンでの取り出しが難しくなる。26日の作業では目立った異
常はなかったが、東電は水中カメラで燃料の状態を逐一確認しながら作業している。
初回の作業を教訓に、今回から水中の視界を鮮明にするため、砂粒状のがれきをフィルター付きポン
プで除去する作業も加わった。
(原子力取材班)

野菜通販会社と東電和解

原発事故風評被害

売上減の損害賠償で

千葉地裁

千葉日報 2013 年 11 月 26 日 11:08

東京電力福島第1原発事故の風評被害で売り上げが減少したとして、県東部の野菜通販会社が東電を
相手取り、約1億185万円の損害賠償を求めた訴訟で、千葉地裁(多見谷寿郎裁判長)で和解が成立
していたことが25日、分かった。原発事故をめぐり、業者が東電に損害賠償を求めた県内3例目の訴
訟で、和解は22日付。
原発被害救済千葉県弁護団によると、和解には東電が同社に対し、2011年9月~13年8月の間
の損害賠償金を支払う内容が盛り込まれたが、金額については双方とも明らかにしていない。

【秘密保護法案】

「アリバイづくりだ」と批判も

福島で地方公聴会
共同通信 2013/11/26 10:34

「情報公開を」
「命に関わることは知る権利があ
る」
。東京電力福島第1原発事故のため、今も約1
4万人が避難生活を続ける福島県で25日、特定
秘密保護法案に関する地方公聴会が開かれた。原
発事故後、国が情報を“ 隠蔽(いんぺい) ”し
たため「無用の被ばくをした」との批判は消えて
いない。
「衆院通過ありき」の与党側の姿勢に「単
なる国のアリバイづくりだ」との声も上がった。
「秘密ではなく、情報公開が一番大切だ」
。福島
県浪江町の馬場有(ばば・たもつ)町長は意見陳 特定秘密保護法案に関する地方公聴会で意見を述べる浪江町
述で、衆院国家安全保障特別委員会の委員に訴え の馬場有町長(左)=25日午後、福島市
掛けた。
2011年の原発事故では、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク
システム(SPEEDI)
」の試算結果を、国が初期段階で公表しなかった。
第1原発から放出された放射性物質は、風に乗り、原発から北西方向に流れたが、SPEEDIの情
報を知らされていなかった多くの住民は、放射線量がより高い地域に避難してしまった。
「国が隠したた
13
福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

め、無用の被ばくをさせられた」と話す人は多い。
馬場町長は
「政府がいち早く情報を公開して、
避難経路を明らかにしていれば、
被ばくを避けられた」
と指摘した。
与党議員からは「原発事故情報は秘密保護法の対象にならない。誤解がある」との発言も出た。だが
馬場町長は「切り口がテロ防止になれば(特定秘密の)対象になる」と不信感を示し、桜の聖母短大(福
島市)の二瓶由美子(にへい・ゆみこ)教授も「線引きがあいまい。危機感を持っている」と述べた。
別の陳述者からも「メルトダウンの事実は2カ月後に発表された」などの意見が相次いだ。事故収束
からほど遠い原発と日々向き合っている県民と、与党議員らとの距離を感じさせた。
「国民の口や耳をふさぐ法案。どうして安倍内
閣は早急に通そうとするのか」
「国のアリバイづ
くりだ」
。会場外では、公聴会の運営の在り方に
対し、市民団体などから批判が噴出した。与党は
26日の衆院通過を目指しており、その直前とい
うタイミング。
しかも、
広く意見を聴く
「公聴会」
を名乗りながら、開催は福島での1回だけだ。
50の傍聴席が用意されたが、事前に委員らに
特定秘密保護法案に関する地方公聴会の会場近くで、
廃案を求

割り当てられた傍聴券がないと会場に入れない

める市民団体のメンバーら=25日午前、福島市

ため、入場を求める人が事務局と押し問答する姿
も。一方では、傍聴席には空席が目立っていた。

「原発の安全性について話すことはタブー視されてきた。それが原子力の安全神話を生み、取り返し
のつかない事故につながった」 原発の保守管理を請け負う
。
「東北エンタープライズ」
会長の名嘉幸照
(な
か・ゆきてる)さん(72)は、こう意見陳述した。
福島の原発に長年関わってきた技術者。秘密保護法で、原発内部の状況が見えなくなってしまうので
はないかと懸念している。(現場の)告発者がいることは大事なことだ。命に関わる原発の安全性につ
「
いて、国民は知る権利がある」
この日意見を述べたのは、与党も含め各政党が推薦した7人。全員が法案に懸念や反対の考えを示し
たり、慎重審議を求めたりした。こうした意見陳述では異例だ。

14
福島第一原発事故関連

原発情報開示「不透明」

秘密保護法

AMR 2013/11/27

福島で公聴会

全員が反対、慎重意見
福島民報 2013/11/26 09:22

衆院国家安全保障特別委員会の特定秘密保護法案に
関する地方公聴会は25日、福島市のホテル辰巳屋で開
かれた。
県内の首長、
学者、
弁護士ら7人が意見陳述し、
特定秘密の範囲があいまいで東京電力福島第一原発の
情報開示が不透明になる恐れがあるなどとして全員が
法案成立に反対、または慎重な姿勢を示した。賛成意見
はなかったが、特別委は近日中に法案を採決する方針で、
特定秘密保護法案に関し、福島市で開かれた衆院国家

陳述者からは原発事故に苦しむ県民代表の声を軽視し
安全保障特別委員会の地方公聴会。右側が本県の意見

ているとの批判の声が上がった。
陳述者

■採決方針に批判の声

浪江町の馬場有町長は、原発事故直後、放射性物質の拡散分布を予測する「緊急時迅速放射能影響予
測ネットワークシステム(SPEEDI)
」の情報が公表されなかったことを踏まえ、
「政府が避難経路
を明らかにしていれば、無用な被ばくを避けることができた」と情報公開の大切さを訴えた。
さらに、4号機の核燃料プールからの燃料取り出しを例に挙げ、
「県民の安全のためには、逐次情報を
公開する方向に進むべきだ」と強調した。
桜の聖母短大の二瓶由美子教授は、テロ防止のための警備計画を除く原発関連情報は特定秘密の対象
外とする政府方針について、
「原発関連情報とテロ防止の警備計画の線引きがあいまいだ」と指摘。県弁
護士会の槙裕康副会長は「法律が成立すれば、解釈や運用で特定秘密は拡大の一途をたどる」と懸念を
示した。
しかし、出席した与党議員は、秘密の範囲について「国民の命と安全を守るためのもの」と明確さに
欠ける発言を繰り返した。
法律の制定で原発作業員による内部告発が制限される恐れや、原発関係の裁判で証拠が特定秘密のた
め開示されず、国民が不利益を被る可能性があるとの指摘もあった。
平成14年に発覚した東電のトラブル隠しでは、原子炉内の点検結果の改ざんを作業員が告発した。
国や県が把握できない原発内の偽装が明るみに出たことで、県民の安全・安心の確保のために安全監視
が強化された経緯がある。
公聴会終了後、委員会筆頭理事の中谷元・元防衛庁長官は「
(法案全体の意義について)理解を得られ
たのではないか」と述べ、議論は尽くされたとの認識を示した。
だが、法案の委員会採決が直前に迫る中での公聴会開催に、意見陳述した一人は「法案可決への通過
儀礼ではないのか」と冷ややかな見方を示し、
「県民の声を代弁した意見が法案に反映されなかったら、
本県の顔に泥を塗るようなものだ」と厳しい口調で話した。
地方公聴会は全国で福島市のみの開催。10月9日に県議会が原発事故の被災地として「慎重な対応
15
福島第一原発事故関連

AMR 2013/11/27

を求める」とする首相、衆参両院議長宛ての意見書を全会一致で可決したため、開催地に選ばれた。

福島第1原発:汚染水問題
団体 /茨城

東電支店長に抗議書、対策の見直し求め−−県市長会など県内8

毎日新聞 2013 年 11 月 26 日 地方版

東京電力福島第1原発の汚染水問題で、
県市長会や茨城沿海
地区漁連など県内8団体は25日、
水戸市笠原町の県市町村会
館で、東京電力茨城支店の関浩一支店長に対し、対策の抜本的
な見直しを求める抗議書を提出した。
抗議書は2団体のほか、
県町村会▽県市議会議長会▽県町村
議会議長会▽県漁港協会▽県JA中央会▽県観光物産協会の
計8団体の連名で提出。
汚染水問題について説明する東京電力の関浩

抗議書では「汚染水の流出やタンクの水漏れが相次ぎ、県内 一茨城支店長(右から2人目)=水戸市笠原町
での実害・風評被害を一層深刻にしている」と指摘。現在の対 の県市町村会館で
策については「その場しのぎの対応になっている」と批判し、
抜本的な見直しによる早期収束を求めている。茨城沿海地区漁連の小野勲会長は「汚染水問題が報道さ
れると、魚はすぐに安くなる。漁業者は厳しい状況に立たされており、早く汚染水を止めていただきた
い」と訴えた。
抗議書を受け取った関支店長は「
(抗議書を)しっかりと重く受け止め、広瀬(直己)社長にもしっか
りと伝えたい」と応えるとともに、今後の対策については「海側と陸側に遮水壁を設置するほか、地下
水のくみ上げを行っていく」などと説明した。
【岩嶋悟】

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福島第一関連(2013.11.27

  • 1. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 目次 旧避難準備区域は田畑賠償対象外 ............................................................................................................... 2 竹炭、放射性物質を強く吸着…中京大チーム確認...................................................................................... 2 放射性物質の動き予測 日本の支援で始動 .................................................................................................. 2 論説 【外部被ばく管理】丁寧な説明が必要だ(11月27日) ............................................................ 3 東電の返済、年500億円上限 賠償支援機構の貸付金........................................................................... 4 原発事故賠償手続き田畑も開始へ ............................................................................................................... 4 社説:秘密保護法案衆院通過 民主主義の土台壊すな ................................................................................. 5 経産省、原子力広報を強化へ エネルギー基本計画で復活 ....................................................................... 6 【栃木】 「何が起きたか分からず」 被爆者講演会 原爆の情報統制証言 ............................................... 6 国際廃炉研究開発機構、福島原発の廃炉向け技術公募-溶けた燃料取り出しなど .................................. 7 海側井戸で91万ベクレル=過去最高、護岸から40メートル—福島第1 ............................................... 7 首相「菅政権が対応誤った」 民主議員の原発事故情報非公表に反論 ..................................................... 7 制御盤に小動物侵入か=隙間に穴、警報誤作動-福島第1 ....................................................................... 8 秘密保護法案:福島バカにするな 公聴会翌日に強行可決.......................................................................... 8 ネズミの尿、誤警報の原因に…福島第一原発 ............................................................................................. 9 海側井戸から91万ベクレル 第1原発、過去最高値 .............................................................................. 9 静寂の中、核燃料つり上げ=使用済み6体容器に-福島第1 ................................................................. 10 福島第1、使用済み燃料の取り出し着手 4号機.................................................................................... 10 楢葉町 専門家が除染効果検証................................................................................................................... 11 福島再生加速化交付金を創設へ ................................................................................................................. 11 使用済み核燃料を移動 福島第一原発で初めて ....................................................................................... 12 使用済み燃料取り出し開始 4号機、事故後初 ....................................................................................... 12 野菜通販会社と東電和解 原発事故風評被害 売上減の損害賠償で 千葉地裁 .................................... 13 【秘密保護法案】 「アリバイづくりだ」と批判も 福島で地方公聴会 ............................................... 13 原発情報開示「不透明」 秘密保護法 福島で公聴会 全員が反対、慎重意見 .................................... 15 ■採決方針に批判の声............................................................................................................................ 15 福島第1原発:汚染水問題 東電支店長に抗議書、対策の見直し求め−−県市長会など県内8団体 /茨城 .................................................................................................................................................................... 16 1
  • 2. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 旧避難準備区域は田畑賠償対象外 福島民報 2013/11/27 09:22 東京電力福島第一原発事故に伴う賠償に関する国、県、関係市町村による事務レベル協議は26日、 福島市の杉妻会館で開かれた。田畑賠償について、宅地同様、旧緊急時避難準備区域を対象外とするこ とで、おおむね合意した。 協議は非公開で行われた。県の担当者によると、田畑賠償の基準単価は各市町村の「大字」や「字」 などの一定地域ごとに算定し、各市町村に示しているという。避難指示の期間に応じて賠償額を算定す る。 協議では、経済産業省資源エネルギー庁の担当者が、山林の立木も賠償対象とする考えを示した。算 定方法などは今後、協議していく。宅地や田畑以外の土地の賠償は、ゴルフ場や牧場などの「事業地」 、 駐車場などの「雑種地」「山林」 、 「原野」の四つの区分で検討する方針を示した。 竹炭、放射性物質を強く吸着…中京大チーム確認 2013 年 11 月 27 日 09 時 21 分 読売新聞 竹炭に放射性セシウムや放射性ヨウ素を強く吸着する性質があることを、中京大学(名古屋市)の研 究プロジェクトチームが確認した。 東京電力福島第一原発事故の除染に役立つことが期待されるという。 発表によると、竹炭の吸着性能を検証する実験を行った結果、200ミリ・リットルのヨウ素水溶液 に0・5グラムの竹炭を入れた場合、一般的な吸着材の鉱物ゼオライトと比較して、30分経過時点で 5倍以上を吸着するなど、短時間で濃度を下げることが分かった。また、10ミリ・リットルのセシウ ム水溶液を竹炭10グラムに通過させて濃度を測定すると、ゼオライトの74%の吸着率が認められた という。 放射性物質の動き予測 日本の支援で始動 NHK 11 月 27 日 9 時 9 分 国際的な核実験の監視網であるCTBTOは、日本からの支援を受けてより高い精度で大気中の放射 性物質の動きを予測することができる新たなシステムの運用を始め、原発事故などの際にも、より早く 正確な情報の提供に活用されることが期待されています。 CTBTOは、世界各地で核実験に伴う揺れや放射性物質などを観測している国際機関で、北朝鮮の 核実験や東京電力福島第一原子力発電所の事故の際にも分析を行いました。 CTBTOは、今月から大気中の放射性物質の動きをより高い精度で予測することができる新たなコ ンピューターのシステムの運用を本格的に始めました。 2
  • 3. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 このシステムの導入にあたって、日本政府はおよそ6000万円を拠出していて、26日、オースト リアのウィーンにあるCTBTOの本部で、日本政府の関係者などが出席して式典が行われました。 新しいシステムでは、世界中にある観測施設で放射性物質を検出し、気象データなどと照らし合わせ て放射性物質の動きを予測する作業を、これまでよりも高い精度で、また最大で20倍の速さで行うこ とができます。 これによって核実験が行われたときだけでなく、原発事故の際にもより早く正確な情報を各国に提供 することができるようになり、住民の避難などにも活用されることが期待されています。 論説 【外部被ばく管理】丁寧な説明が必要だ(11月27日) 福島民報 2013/11/27 09:03 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原発事故による避難住民が帰還した後の被ばく線量の評価方 法を、空間線量を基にした推定値から個人線量計による実測値に転換する提言案を了承した。実測値は 推定値を下回る傾向にあり、 「評価基準の引き下げ」との見方もある。提言を受け、政府は年内に具体的 な防護対策をまとめる。さらなる混乱を招かぬよう方針転換について丁寧に説明すべきだ。 推定値はモニタリングポストなどで測定した空間放射線量を基に、一日のうち8時間を屋外、16時 間を木造家屋内で過ごしたと一律に仮定して算出する。毎日8時間も屋外にいる人は少ないし、放射線 の遮蔽[しゃへい]効果が高いコンクリート製の建物で過ごす時間もある。日常生活とは懸け離れた設 定であり、緊急時の安全確保の観点に立った過大な見積もりといえる。 21日に公表された伊達市の外部被ばく線量年間実測値の分析結果によると、大字別の実測値は推定 値の20~60%台の範囲に収まっていた。政府の長期目標である年間追加被ばく線量が1ミリシーベ ルトとなる空間線量は、推定だと毎時0・23マイクロシーベルトだ。しかし、この空間線量地域の実 際の年間被ばく線量は0・521~0・572ミリシーベルトと推定値の半分程度にとどまっていた。 提言は、帰還の選択をする住民の被ばく線量の低減や不安解消には住民自身が被ばく線量を把握し、 自らの行動との関係を理解して対策を講じることが重要-としている。さらに、健康管理面でも個人の 被ばく線量を継続的に測定し、記録することが必要-と指摘した。伊達市の分析からは推定値と実測値 の違いをはじめ、住民の被ばく線量の地区別、男女別、年齢別の推移や傾向なども分かり、提言内容に 沿った対策を講じることが可能になる。 そうした意味では、 事故直後から国なり、県なりが全県民にバッジ式積算線量計などを配布し、 随時、 実測値を把握・公表する必要があった。自分が実際、どれだけ被ばくしているか分からないことが放射 線の健康影響をめぐる混乱に拍車を掛けたといえる。 提言は避難指示解除の必須の条件として、空間線量から推定した年間積算線量が20ミリシーベルト を下回ることを挙げた。なぜ、こちらは推定値なのか。なぜ、解除条件は長期目標である1ミリシーベ ルトではないのか。除染目標に用いるのは推定値か、実測値か…。県民からは、さまざまな疑問の声が 出ている。一つ一つに平易な言葉で説明し、理解を求める努力が大切だ。 (早川 正也) 3
  • 4. 福島第一原発事故関連 東電の返済、年500億円上限 AMR 2013/11/27 賠償支援機構の貸付金 朝日新聞 2013 年 11 月 27 日 05 時 39 分 福島第一原発事故の賠償費用として、政府の原子力損害賠償支援機構が東京電力に5兆円を限度に貸 し付けている資金について、東電が、年間500億円を上限に返済していく方針を決めたことがわかっ た。返済額に上限を設けることで、財務体質の改善を早める狙いだが、返済期間が延びれば税金で負担 する利払いがかさむ恐れもある。 東電と機構が26日、3メガバンクや日本政策投資銀行に、今後10年間の収支計画とともに説明し た。年内に見直す総合特別事業計画(再建計画)に盛り込む。 東電が受け取る賠償資金は5兆円に達するのが確実な情勢。 東電を含む電力業界が 「一般負担金」 を、 東電はこれに加えて「特別負担金」を機構に対して毎年返済していく。ただ、利息分の返済は業界や東 電に求められておらず、税金で国が負担するため、返済が延びれば国民負担が増える。 原発事故賠償手続き田畑も開始へ NHK 11 月 27 日 4 時 34 分 東京電力福島第一原発事故に伴う賠償 の手続きは住宅などではすでに始まって いますが、懸案となっていた田畑につい ても避難指示が出ている区域に限ったう えで、東京電力と福島県などとの間で賠 償額の基準がほぼ合意に達し、まもなく 手続きが始まる見通しになりました。 原発事故に伴う賠償の手続きは住宅の 土地や建物などではすでに始まっていま すが、田畑については東京電力が市町村 との間で賠償の対象や金額の算出方法がまとまらず、手続きの開始が遅れています。 こうしたなか、東京電力と資源エネルギー庁、それに、福島県や市町村が26日行った協議で、田畑 の賠償の対象について、▽避難指示が出ている11の市町村に限ったうえで、▽賠償額の基準がほぼ合 意に達したことが分かりました。 基準となる金額は字や大字といった地籍ごとに1平方メートル当たり数百円から千数百円程度とする 内容で決まったということです。 これによって、これまで進んでいなかった田畑の賠償の手続きがこの基準に基づいて、まもなく始ま る見通しになりました。 4
  • 5. 福島第一原発事故関連 社説:秘密保護法案衆院通過 AMR 2013/11/27 民主主義の土台壊すな 毎日新聞 2013 年 11 月 27 日 02 時 30 分 あぜんとする強行劇だった。 衆院国家安全保障特別委員会で特定秘密保護法案が採決された場に安倍晋三首相の姿はなかった。首 相がいる場で強行する姿を国民に見せてはまずいと、退席後のタイミングを与党が選んだという。 与党すら胸を張れない衆院通過だったのではないか。採決前日、福島市で行った地方公聴会は、廃案 や慎重審議を求める声ばかりだった。だが、福島第1原発事故の被災地の切実な声は届かなかった。 審議入りからわずか20日目。秘密の範囲があいまいなままで、国会や司法のチェックも及ばない。 情報公開のルールは後回しだ。 国民が国政について自由に情報を得ることは、民主主義社会の基本だ。法案が成立すれば萎縮によっ て情報が流れなくなる恐れが強い。審議が尽くされたどころか、むしろ法案の欠陥が明らかになりつつ ある。 この法案について首相はさきの参院選で国民に十分説明せず、今国会の所信表明演説でも触れなかっ た。ところが今、成立ありきの強硬路線をひた走っている。衆参のねじれ状態が解消して4カ月での与 党のおごりである。 一部野党が安易な合意に走ったことも消せぬ汚点だ。日本維新の会、みんなの党両党との修正合意は 法案の根幹を何ら変えていない。維新の会と「検討する」と合意した秘密指定の妥当性を判断する第三 者機関の設置も確約されたとは言えない。 秘密指定の最長期間が60年となるなど、改悪となりかねない部分すらある。これではまるで与党の 補完勢力ではないか。 衆院は通過したが、法案の必要性を改めて吟味する必要がある。 国の安全が脅かされるような情報を国が一定期間、秘密にするのは理解できる。 情報漏えいを禁じる法律は、国家公務員法、自衛隊法、日米相互防衛援助協定(MDA)秘密保護法 があり、懲役の最高刑はそれぞれ1年、5年、10年だ。一方、政府は、過去15年で公務員による主 要な情報漏えい事件が5件あったとの認識を示した。この三つの法律の枠内で、起訴猶予になったり、 最高刑を大幅に下回る刑の言い渡しを受けたりしている。 現行法の枠内で、情報が漏えいしないような情報管理のシステムを各行政機関内で構築して規律を守 ることが先決だ。 法案では、防衛・外交情報のほか、テロ活動防止などの名目の公安情報も特定秘密の対象となる。監 視活動が中心の公安捜査は、国民の人権を制約する。 情報を知ろうとする国民が処罰されるような強い副作用を覚悟の上で、新たな法律を今作る必要が本 当にあるのか。 「知る権利」に対する十分な保障がなく、秘密をチェックする仕組みが確立されていないなど問題点 や疑問はふくらむばかりだ。 5
  • 6. 福島第一原発事故関連 経産省、原子力広報を強化へ AMR 2013/11/27 エネルギー基本計画で復活 2013/11/27 02:00 【共同通信】 経済産業省は26日、年末にもまとめるエネルギー基本計画で、原子力政策に関する広報活動の強化 を明記する方針を固めた。東京電力福島第1原発事故後、控えていたが、新たな計画策定を機に再開す る。 「安全神話」を生み出したこれまでの原発広報の在り方を反省し、科学的な情報の提供を重視する考 えだ。 ただ事故後、政府や電力会社発の情報は信頼性が揺らいでおり、内容の質が問われる。再生可能エネ ルギーの導入拡大などで可能な限り原発依存度を引き下げていくとしている安倍政権の方針との整合性 が問題になる可能性もある。 【栃木】 「何が起きたか分からず」 被爆者講演会 原爆の情報統制証言 東京新聞 2013 年 11 月 27 日 特定秘密保護法案の衆院通過をめぐって与野党がぎりぎりの 攻防を繰り広げた二十六日、宇都宮市では、原爆被害の体験者 ら約百七十人でつくる「栃木県原爆被害者協議会」が、今年の 「平和語り部講演会」をスタートさせた。原爆投下後、国から 情報が明らかにされず被害が拡大していった体験を、中学生た ちに語り伝えた。 協議会は二〇〇二年から、市内の中学校で講演会を開き、戦 争を知らない生徒たちに原爆や戦争の体験を話している。 この日は宇都宮市立上河内中で、高橋久子副会長(80)= 下野市在住=が、二年生七十三人を前に講演。十二歳のとき広 島で原爆に遭い、父親を亡くし、やけどを負って後遺症に苦し んだ体験を、ありのままに伝えた。 橋さんは、 戦時下や、 米政府の情報管理下に置かれた戦後も、 広島の地図を指さしながら原爆の体験談を話 情報が住民に届かなかったと証言。 す高橋さん=宇都宮市で 「原爆が落ちてやけどをしているのに、何が起こったか分か らなかったんです。焼夷(しょうい)弾が落ちたわけでもなく、手足がただれる。分かったのは十数年 後です」 。兄は原爆投下直後、不明の家族らを捜して爆心地付近を歩き回り、白血病に侵されたという。 東京電力福島第一原発事故にも言及。結婚や出産など、自らの人生でつきまとい続けた放射線への不 安と照らして「影響は何十年もたってみないと分からない」と話した。 (後藤慎一) 6
  • 7. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 国際廃炉研究開発機構、福島原発の廃炉向け技術公募-溶けた燃料取り出しなど 日刊工業新聞 2013 年 11 月 27 日 政府が設立した国際廃炉研究開発機構(IRID、山名元理事長=京都大学原子炉実験所教授)は、 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた技術公募を12月中旬にも始める。原子炉内に溶け落ち た燃料(デブリ)の取り出しや移送、保管を中心とする関連技術が対象。IRIDは「関係者間で検討 協議を進めており、詳細は未定」としているが、2014年1月末をめどに締め切り、3月までに政府 の廃炉対策推進会議に報告する見通し。優れた技術は政府の廃炉計画に採用される可能性もある。 IRIDは10月に政府の窓口となり汚染水処理の技術公募を行っているが、廃炉そのものの技術公 募は初めて。 提案は国内外を問わずに幅広い知見を集める。汚染水処理の技術公募ではIRIDは整理・ 分類をして政府の対策委員会に報告しただけだが、今回は提案された技術の評価も自ら行い、実現性や 効果、課題などを判断する。 汚染水処理の技術公募では国内外の企業や団体、研究機関、個人から779件の提案が寄せられた。 今回は 「廃炉作業で最優先となるデブリの取り出し」 (山名理事長) などデブリ関連技術の公募となるが、 広く廃炉に関連した技術の提案も受け入れるという。 海側井戸で91万ベクレル=過去最高、護岸から40メートル—福島第1 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013 年 11 月 27 日 00:00 JST 東京電力は26日、福島第1原発1〜4号機の海側にある観測用井戸から、ストロンチウム90など のベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり91万ベクレル検出されたと発表した。採取したのは 25日で、21日採取の75万ベクレルから上昇した。原発海側の井戸では、別の井戸で7月上旬に検 出された同90万ベクレルを超え、過去最高となった。 東電によると、今回採取したのは2号機の海側で、護岸から40メートルの地点。高濃度汚染水がた まっており、汚染源の可能性を指摘されているトレンチ(ケーブルなどの地下管路)からも数十メート ルの距離にある。 [時事通信社] 首相「菅政権が対応誤った」 民主議員の原発事故情報非公表に反論 産経新聞 2013.11.26 22:48 安倍晋三首相は26日の国家安全保障特別委員会で、政府が東京電力福島第1原発事故直後に緊急時 迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報を公表しなかったことについて「あ のときは民主党政権だった。菅直人首相のときに出すべき情報を出さなかった。まさに政府が対応を誤 った」と切り捨てた。 首相に質問したのは事故当時の環境副大臣だった民主党の近藤昭一衆院議員で、 「福島ではいろいろな 7
  • 8. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 情報が隠ぺいされてきて、特定秘密保護法でさらに秘密が拡大されるとの懸念がある」と迫った。 だが、首相の反論に続き参院福島選挙区選出の森雅子少子化相も「福島県ではSPEEDIの情報が 出なかったことが心に重くのしかかっている。あれは秘密でもなんでもなかった」とバッサリ。近藤氏 は「反省とおわびを申し上げたい」と述べ、墓穴を掘った形となった。 制御盤に小動物侵入か=隙間に穴、警報誤作動-福島第1 時事通信 2013/11/26-22:19 東京電力は26日、福島第1原発で電源設備の異常を知らせる警報が誤作動したと発表した。警報の 制御盤に小動物が侵入した形跡があった。東電は他の制御盤についても調査する。 第1原発では3月、ネズミが仮設電源盤に侵入し、使用済み燃料プールの冷却などが一時停止するト ラブルがあった。 東電は制御盤の隙間に金網を張ったり、 粘土を敷き詰めたりして侵入対策を施したが、 誤作動した制御盤は粘土に1センチ四方の穴が開いていた。内部に小動物の尿やふんがあったという。 秘密保護法案:福島バカにするな 公聴会翌日に強行可決 毎日新聞 2013 年 11 月 26 日 22 時 18 分(最終更新 11 月 26 日 23 時 41 分) 法案への反対が噴出した翌日に強行採決を図るとは−−。衆院本会議で26日、特定秘密保護法案を強 行可決した与党などに福島県民から怒りの声が上がった。原発事故などに関する情報が「秘密」に指定 されるのではないか。前日の25日に福島市で開かれた地方公聴会では、意見陳述した7人全員が反対 や懸念を表明。だが、その声は反映されなかった。 「どこまで福島をバカにするのか」 。拙速な結論に憤 りが渦巻いた。 【喜浦遊】 意見陳述した福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長は「昨日の今日とはびっくりした。非常に残念。 何のための公聴会だったのか、私は何のために出席したのか、こうなっては分からない」と突然の採決 にあきれた様子。さらに「拙速に過ぎる。議論に議論を重ねるべきだ」と語気を強めた。 同様に意見陳述した荒木貢弁護士(福島県弁護士会)も「県民の気持ちを踏みにじった」と憤りを隠 さない。 「言い訳に使われる可能性を感じながら、それでもみんな一生懸命に話したのに、その思いをな いがしろにされた」 。だが、法案が成立したわけではない。荒木弁護士は「慎重に検討してほしい」と改 めて念を押した。 会場に駆けつけたが、傍聴できなかった三春町の無職、大河原さきさん(61)は「闇討ちのような 公聴会だった」と憤る。傍聴券は政党ごとに割り振られ、つてのない一般市民は公聴会の開催すら知ら ない人も多かったという。 「福島は採決に向けたこまの一つだった。声を上げても伝わらない。政治家に 受け止める気持ちがないことが悲しい」と話す。 同様に傍聴できなかった郡山市の主婦、森園かずえさん(51)は「陳述者の率直な声がブレーキに なるかと少し期待していたが、どこまで福島をバカにするのか」と声を荒らげ、 「国との信頼関係がここ まで崩れると、法案だけでなく今後の復興作業の一つ一つに影響してしまう」と懸念した。 8
  • 9. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 東電福島第1原発事故の国会事故調査委員会委員を務め、大熊町から会津若松市に避難している蜂須 賀礼子さん(61)は「住民の命に関わる情報は秘密にしないと信じている。国も原発事故で学んだは ず。国として守るべき秘密と命に関わる情報はきちんと区別して扱ってほしい」と注文をつけた。 ネズミの尿、誤警報の原因に…福島第一原発 2013 年 11 月 26 日 21 時 18 分 読売新聞 東京電力は26日、福島第一原子力発電所の外部電源を制御する装置などが設置された「開閉所補助 建屋」で、ネズミの尿が電気回路にかかったことが原因とみられる誤警報が発生したと発表した。 異常は警報を制御する装置のみで、電気の供給に問題はなかった。 同原発では今年3月、配電盤にネズミが侵入し、ショートして停電が起きたため、ケーブルが通る隙 間を埋めるなど対策済みだった。東電は今後、原発内の施設にネズミが侵入する隙間がないかを点検す る。 東電によると、同日午前6時45分頃、免震重要棟で開閉所の異常を示す警報が6回にわたって作動 した。現場を確認したところ、機器の異常はなく、警報を制御する装置の近くでネズミのものとみられ るフンと尿の跡が見つかった。装置の入った箱のケーブルの隙間はパテで埋められていたが、約1セン チ四方の穴があったという。 海側井戸から91万ベクレル 第1原発、過去最高値 2013/11/26 21:05 【共同通信】 東京電力は26日、福島第1原発の海側にある観測用井戸の水から、ストロンチウムなどベータ線を 出す放射性物質が1リットル当たり91万ベクレルの高い濃度で検出されたと発表した。 ベータ線を出す放射性物質はこれまで、海側の別の井戸で7月に検出された90万ベクレルが最高だ った。 今回の井戸は2号機の東側で海まで約40メートル。水は25日に採取した。 事故直後の2011年4月に極めて高濃度の汚染水の海洋流出が確認された作業用の穴から約40メ ートルしか離れていない。 9
  • 10. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 静寂の中、核燃料つり上げ=使用済み6体容器に-福島第1 時事通信 2013/11/26-20:48 東京電力福島第1原発4号機の使用済み燃料プールで核燃料の取 り出しが始まったことを受け、福島県と周辺13市町村などでつくる 廃炉安全監視協議会が26日、作業を視察した。同日から強い放射線 と熱を出す使用済み燃料の取り出しが始まり、現場では慎重に作業が 進められていた。 視察には報道陣も同行し、プール内で燃料をつり上げる様子が初め て公開された。 東京電力福島第1原発4号機原子炉 原子炉建屋5階の燃料プール。橋を渡すように設置された取り出し 建屋の5階部分。 使用済み燃料プール 機の上に作業班6人が陣取る。空間放射線量は最大で毎時200マイ 脇で作業を視察する廃炉安全監視協 クロシーベルト。取り出し機がプール上を移動する時の警告音以外、 議会の委員ら=26日午後、 福島県大 物音はほとんどない。 熊町(代表撮影) (一部画像処理して 6人は双眼鏡や水中カメラで確認しながら、取り出し機が目指す燃 あります) 料の真上に来るよう何度も位置を微調整。釣りざおのように伸縮する アームを水深11.5メートルのプール内に下ろし、長さ4.5メートル、重さ300キロの燃料集合 体の先端をつかむと、1秒に1センチの割合でゆっくりとラックから抜き出した。この日は午後2時半 から4時間かけ、計6体を輸送容器に収容した。 福島県の古市正二生活環境部次長は同原発の小野明所長と面談し、 「これから約1年繰り返し作業で、 慣れやマンネリ化によるミスが懸念される。慎重に作業していただきたい」と要請。小野所長は「経験 のある作業だが、慎重の上にも慎重を重ねたい」と答えた。 福島第1、使用済み燃料の取り出し着手 4号機 日本経済新聞 2013/11/26 20:25 東京電力は 26 日、 福島第1原子力発電所4号機の原子炉建屋内にある使用済み核燃料プールからの2 回目の燃料取り出し作業を始めたと発表した。18~22 日の1回目に取り出したのは未使用燃料で、使用 済み燃料の取り出しは初めて。 強い放射線を出す使用済み燃料は、熱を発しているためゆがんでいる可能性もあり、作業は未使用燃 料に比べて難しいとされる。 26 日の作業では、輸送容器をプールに沈め、専用のクレーンを使って燃料をつり上げ、6体を容器内 に収めた。東電によると「作業は順調に進んだ」という。 27 日以降の作業で計 22 体を容器に収納した後、トレーラーで約 100 メートル離れた共用プールに運 び、移し替える予定。 1回目の取り出しで未使用燃料 22 本を共用プールに移したことにより、 4号機のプールには使用済み 10
  • 11. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 燃料 1331 体と未使用燃料 180 体が残っている。 東電は来年末までにすべての燃料の移送作業を終える計 画だ。 東日本大震災に伴う事故で4号機の建屋は爆発した。使用済み核燃料プールも損傷している恐れがあ り、安全な共用プールへの移送が急がれている。 楢葉町 専門家が除染効果検証 NHK 11 月 26 日 19 時 37 分 東京電力福島第一原発の事故で、国が直接行っている除染が来年3月に終わる見通しになっている福 島県楢葉町で除染の効果を独自に検証するための、専門家による委員会が設置され初会合が開かれまし た。 この委員会は、町の大部分が避難区域になっている楢葉町で国が行っている除染が、来年3月末に終 わる見通しであることから、その効果を検証し、来年春に予定している住民の帰還時期を判断しようと 町が独自に設けました。 26日の初会合には、委員を務める放射線や生物学などの専門家のほか、環境省や県の関係者などお よそ40人が出席し、松本幸英町長が「除染効果の検証は、町の復興や帰還の判断に大きな影響を与え るので、専門的見地と町民の目線からさまざまな意見を出していただきたい」とあいさつしました。委 員会には町民も参加し、 「住宅や道路など生活圏だけの除染でいいのかを検証してほしい」といった意見 が出されていました。 委員会では、国のデータを基に除染の効果を検証するほか、効果的な除染方法や廃棄物の管理などを 協議することにしていて、来年3月までに報告書をまとめて帰還時期の判断材料にしたいとしています。 委員長を務める東京大学の児玉龍彦教授は「住民は除染後にも放射性物質がどの程度残っているのか 不安に思っている。住民の不安や要望をもとに効率的な除染ができているのか検証していきたい」と話 していました。 福島再生加速化交付金を創設へ NHK 11/26 17:56 政府は福島第一原子力発電所の事故で避難している住民の帰還の後押しや、帰還が難しい住民向けの 支援を総合的に行うための新たな交付金として「福島再生加速化交付金」を創設する方針を固め、来月 中旬に取りまとめる今年度の補正予算案におよそ500億円を盛り込む方向で調整を進めています。 11
  • 12. 福島第一原発事故関連 使用済み核燃料を移動 AMR 2013/11/27 福島第一原発で初めて 朝日新聞 2013 年 11 月 26 日 17 時 24 分 【川田俊男】東京電力は26日、福島第一原発4号機にある燃料プールから核燃料を取り出す2回目 の作業を始めた。1回目は未使用の燃料だったが、今回は初めて使用済み燃料を別の建物の共用プール に移す。 使用済み燃料は、原子炉で燃やした後に保管していたもので、強い放射線を出しており、危険性が高 い。燃料プール内には未使用の燃料が180体あるが、危険度を早く下げるため使用済みを優先して移 すことにした。この日は午後2時23分から取り出し作業を始め、燃料集合体6体を順次、輸送容器に 入れた。 使用済み燃料取り出し開始 4号機、事故後初 産経新聞 2013.11.26 16:35 東京電力は26日、福島第1原発4号機の燃料貯蔵プールから2回目 の燃料取り出し作業を開始した。今回搬出するのはすべて使用済み燃料 で、事故後に1~6号機プールから使用済み燃料が取り出されるのは初 めて。今回は、一時保管施設の共用プールへ移送を完了するまでに5日 から1週間ほどかかる見通し。 東電によると、同日午後2時23分に作業を開始。キャスクをプール 内に沈めた上で、クレーンで燃料をプール備え付けの燃料貯蔵ラックか ら1体ずつ引き抜き、キャスクへ装填(そうてん)した。作業は午後6 時32分まで行い、6体の燃料を収容した。キャスクには22体の燃料 を収容できるため、27日も残り16体の装填を続ける予定。 4号機プールには、初回の取り出し作業終了時点で使用済み燃料13 福島第1原発の燃料貯蔵プールで 31体、未使用燃料180体の計1511体がある。 クレーンを使い輸送容器に装填さ 東電が取り出しを始めた使用済み燃料は、初回の作業で取り扱った未 れる使用済み燃料=26日午後 (東 使用燃料とは異なり、高い放射線と熱を出す。さらに、燃料の形状が自 京電力提供、 核物質防護のため一部 然変形している可能性もあり、初回以上に慎重な作業が求められる。 画像を加工しています) 初回作業の被曝(ひばく)線量は毎時0・07ミリシーベルトで想定 の同0・2ミリシーベルトを下回った。今回は放射線対策として、被曝線量の監視を徹底。東電は「燃 料移動は全て水中で行うため、プールの水で放射線を十分に遮ることができる」と説明している。 発熱も懸念材料に上がっているが、原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員は「十分に冷やされ ている」との見解を示している。4号機の使用済み燃料は冷却期間が最長のもので約30年、最短のも のでも約3年冷やされており、冷却はできているとされるが注意が必要だ。 今回の作業で最も心配されるのは燃料の変形。使用済み燃料の形状は未使用燃料と同じで作業手順に 12
  • 13. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 変更はないが、使用後は棒状の形状が湾曲することがある。通常でもこうした自然変化は「若干はある」 (東電)ため、大きな変形があればクレーンでの取り出しが難しくなる。26日の作業では目立った異 常はなかったが、東電は水中カメラで燃料の状態を逐一確認しながら作業している。 初回の作業を教訓に、今回から水中の視界を鮮明にするため、砂粒状のがれきをフィルター付きポン プで除去する作業も加わった。 (原子力取材班) 野菜通販会社と東電和解 原発事故風評被害 売上減の損害賠償で 千葉地裁 千葉日報 2013 年 11 月 26 日 11:08 東京電力福島第1原発事故の風評被害で売り上げが減少したとして、県東部の野菜通販会社が東電を 相手取り、約1億185万円の損害賠償を求めた訴訟で、千葉地裁(多見谷寿郎裁判長)で和解が成立 していたことが25日、分かった。原発事故をめぐり、業者が東電に損害賠償を求めた県内3例目の訴 訟で、和解は22日付。 原発被害救済千葉県弁護団によると、和解には東電が同社に対し、2011年9月~13年8月の間 の損害賠償金を支払う内容が盛り込まれたが、金額については双方とも明らかにしていない。 【秘密保護法案】 「アリバイづくりだ」と批判も 福島で地方公聴会 共同通信 2013/11/26 10:34 「情報公開を」 「命に関わることは知る権利があ る」 。東京電力福島第1原発事故のため、今も約1 4万人が避難生活を続ける福島県で25日、特定 秘密保護法案に関する地方公聴会が開かれた。原 発事故後、国が情報を“ 隠蔽(いんぺい) ”し たため「無用の被ばくをした」との批判は消えて いない。 「衆院通過ありき」の与党側の姿勢に「単 なる国のアリバイづくりだ」との声も上がった。 「秘密ではなく、情報公開が一番大切だ」 。福島 県浪江町の馬場有(ばば・たもつ)町長は意見陳 特定秘密保護法案に関する地方公聴会で意見を述べる浪江町 述で、衆院国家安全保障特別委員会の委員に訴え の馬場有町長(左)=25日午後、福島市 掛けた。 2011年の原発事故では、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク システム(SPEEDI) 」の試算結果を、国が初期段階で公表しなかった。 第1原発から放出された放射性物質は、風に乗り、原発から北西方向に流れたが、SPEEDIの情 報を知らされていなかった多くの住民は、放射線量がより高い地域に避難してしまった。 「国が隠したた 13
  • 14. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 め、無用の被ばくをさせられた」と話す人は多い。 馬場町長は 「政府がいち早く情報を公開して、 避難経路を明らかにしていれば、 被ばくを避けられた」 と指摘した。 与党議員からは「原発事故情報は秘密保護法の対象にならない。誤解がある」との発言も出た。だが 馬場町長は「切り口がテロ防止になれば(特定秘密の)対象になる」と不信感を示し、桜の聖母短大(福 島市)の二瓶由美子(にへい・ゆみこ)教授も「線引きがあいまい。危機感を持っている」と述べた。 別の陳述者からも「メルトダウンの事実は2カ月後に発表された」などの意見が相次いだ。事故収束 からほど遠い原発と日々向き合っている県民と、与党議員らとの距離を感じさせた。 「国民の口や耳をふさぐ法案。どうして安倍内 閣は早急に通そうとするのか」 「国のアリバイづ くりだ」 。会場外では、公聴会の運営の在り方に 対し、市民団体などから批判が噴出した。与党は 26日の衆院通過を目指しており、その直前とい うタイミング。 しかも、 広く意見を聴く 「公聴会」 を名乗りながら、開催は福島での1回だけだ。 50の傍聴席が用意されたが、事前に委員らに 特定秘密保護法案に関する地方公聴会の会場近くで、 廃案を求 割り当てられた傍聴券がないと会場に入れない める市民団体のメンバーら=25日午前、福島市 ため、入場を求める人が事務局と押し問答する姿 も。一方では、傍聴席には空席が目立っていた。 「原発の安全性について話すことはタブー視されてきた。それが原子力の安全神話を生み、取り返し のつかない事故につながった」 原発の保守管理を請け負う 。 「東北エンタープライズ」 会長の名嘉幸照 (な か・ゆきてる)さん(72)は、こう意見陳述した。 福島の原発に長年関わってきた技術者。秘密保護法で、原発内部の状況が見えなくなってしまうので はないかと懸念している。(現場の)告発者がいることは大事なことだ。命に関わる原発の安全性につ 「 いて、国民は知る権利がある」 この日意見を述べたのは、与党も含め各政党が推薦した7人。全員が法案に懸念や反対の考えを示し たり、慎重審議を求めたりした。こうした意見陳述では異例だ。 14
  • 15. 福島第一原発事故関連 原発情報開示「不透明」 秘密保護法 AMR 2013/11/27 福島で公聴会 全員が反対、慎重意見 福島民報 2013/11/26 09:22 衆院国家安全保障特別委員会の特定秘密保護法案に 関する地方公聴会は25日、福島市のホテル辰巳屋で開 かれた。 県内の首長、 学者、 弁護士ら7人が意見陳述し、 特定秘密の範囲があいまいで東京電力福島第一原発の 情報開示が不透明になる恐れがあるなどとして全員が 法案成立に反対、または慎重な姿勢を示した。賛成意見 はなかったが、特別委は近日中に法案を採決する方針で、 特定秘密保護法案に関し、福島市で開かれた衆院国家 陳述者からは原発事故に苦しむ県民代表の声を軽視し 安全保障特別委員会の地方公聴会。右側が本県の意見 ているとの批判の声が上がった。 陳述者 ■採決方針に批判の声 浪江町の馬場有町長は、原発事故直後、放射性物質の拡散分布を予測する「緊急時迅速放射能影響予 測ネットワークシステム(SPEEDI) 」の情報が公表されなかったことを踏まえ、 「政府が避難経路 を明らかにしていれば、無用な被ばくを避けることができた」と情報公開の大切さを訴えた。 さらに、4号機の核燃料プールからの燃料取り出しを例に挙げ、 「県民の安全のためには、逐次情報を 公開する方向に進むべきだ」と強調した。 桜の聖母短大の二瓶由美子教授は、テロ防止のための警備計画を除く原発関連情報は特定秘密の対象 外とする政府方針について、 「原発関連情報とテロ防止の警備計画の線引きがあいまいだ」と指摘。県弁 護士会の槙裕康副会長は「法律が成立すれば、解釈や運用で特定秘密は拡大の一途をたどる」と懸念を 示した。 しかし、出席した与党議員は、秘密の範囲について「国民の命と安全を守るためのもの」と明確さに 欠ける発言を繰り返した。 法律の制定で原発作業員による内部告発が制限される恐れや、原発関係の裁判で証拠が特定秘密のた め開示されず、国民が不利益を被る可能性があるとの指摘もあった。 平成14年に発覚した東電のトラブル隠しでは、原子炉内の点検結果の改ざんを作業員が告発した。 国や県が把握できない原発内の偽装が明るみに出たことで、県民の安全・安心の確保のために安全監視 が強化された経緯がある。 公聴会終了後、委員会筆頭理事の中谷元・元防衛庁長官は「 (法案全体の意義について)理解を得られ たのではないか」と述べ、議論は尽くされたとの認識を示した。 だが、法案の委員会採決が直前に迫る中での公聴会開催に、意見陳述した一人は「法案可決への通過 儀礼ではないのか」と冷ややかな見方を示し、 「県民の声を代弁した意見が法案に反映されなかったら、 本県の顔に泥を塗るようなものだ」と厳しい口調で話した。 地方公聴会は全国で福島市のみの開催。10月9日に県議会が原発事故の被災地として「慎重な対応 15
  • 16. 福島第一原発事故関連 AMR 2013/11/27 を求める」とする首相、衆参両院議長宛ての意見書を全会一致で可決したため、開催地に選ばれた。 福島第1原発:汚染水問題 団体 /茨城 東電支店長に抗議書、対策の見直し求め−−県市長会など県内8 毎日新聞 2013 年 11 月 26 日 地方版 東京電力福島第1原発の汚染水問題で、 県市長会や茨城沿海 地区漁連など県内8団体は25日、 水戸市笠原町の県市町村会 館で、東京電力茨城支店の関浩一支店長に対し、対策の抜本的 な見直しを求める抗議書を提出した。 抗議書は2団体のほか、 県町村会▽県市議会議長会▽県町村 議会議長会▽県漁港協会▽県JA中央会▽県観光物産協会の 計8団体の連名で提出。 汚染水問題について説明する東京電力の関浩 抗議書では「汚染水の流出やタンクの水漏れが相次ぎ、県内 一茨城支店長(右から2人目)=水戸市笠原町 での実害・風評被害を一層深刻にしている」と指摘。現在の対 の県市町村会館で 策については「その場しのぎの対応になっている」と批判し、 抜本的な見直しによる早期収束を求めている。茨城沿海地区漁連の小野勲会長は「汚染水問題が報道さ れると、魚はすぐに安くなる。漁業者は厳しい状況に立たされており、早く汚染水を止めていただきた い」と訴えた。 抗議書を受け取った関支店長は「 (抗議書を)しっかりと重く受け止め、広瀬(直己)社長にもしっか りと伝えたい」と応えるとともに、今後の対策については「海側と陸側に遮水壁を設置するほか、地下 水のくみ上げを行っていく」などと説明した。 【岩嶋悟】 16