1. ブロード・エーカー・シティ
に対する考察と分析
１１N1073 櫻井 啓

2. ブロード・エーカー・シティ
ブロード・エーカー・シティのモデル

3. 概要
 「ブロード・エーカー・シティはフランク・ロイド・ライトが＜現在の都市の拒否＞として設計したもの
である。」
（オルキヴァンナ・Ｌ・ライト著 遠藤楽訳 『ライトの生涯』 彰国社刊 1977 P164)

4.  成り行き


 フランク・ロイド・ライトは近代的な都市に対する利点はないと批判
 田舎の重要性を主張
 都市と田舎の融合
ブロード・エーカー・シティ

5. インテリア内観
 都庁舎(1934)
 ブロード・エーカー・シティの行政の中心であり、最も高い都庁舎である。
 （図は都庁舎の外観と内観）

6.  高層住宅（1952)
 1952年にPrice-Towerとして実際に建てられており、そのデータが使用されて
いる。（左が高層住宅の外観と内観、右がPrice-Tower）

7.  農業住宅（1932)
 農民の生活の向上を目指して計画された農業住宅。水平性の強調が意図
されている。内観図はリビングから開口部を見たものである。

8.  Small House Unit（1934)
 低コストで取得できることを目的とした小型住宅。

9.  Medium House Unit(1934)
 低コストで取得できることを目的とした中型住宅。

10. ブロード・エーカー・シティに対する見解
 この計画によって都会生活に疲れきった人々は直接田舎の生活に干渉することも
できる。更に都市と田舎の境界線を無くすことで、現代のように車や電車を使う交
通手段も省かれるのではないだろうか。そして省かれた無駄な時間を生活の改善
の為に使えれば、これほど効率的なものは無い。私は現代においてこの計画は必
要だと考えている。

11. ブロード・エーカー・シティのパース

12. レヴィット・タウンとブロード・エーカー・シティ

13. レヴィット・タウン

14. 概要
 レヴィット・タウンは、ニューヨークから郊外へ40km離れた場所にある。この都市
は、レヴィット＆サンズ建築事務所によって第二次世界大戦での退役軍人とそ
の新しい家族を返すために、戦後の時代に建てられた。レヴィット・タウンは最初
で最大の量産郊外の一つとして、急速に戦後の郊外の象徴となった。

15. 人口比率とコミュニティ（2009年の米国国勢調査による結果）
人種構成 比率 コミュニティ 比率
白人 94,9% 18歳未満 25,7%
アフリカ系アメリカ人 0,01% 18~24歳 7%
ネイティブアメリカ人 0,07% 25~44歳 31,4%
アジア 2,6% 45~64歳 23%
ヒスパニックorラテン 1,7% 65歳以上 12,9%

16. ケープ・コッド型の住宅
 レヴィット・タウンでのベーシックとなった形。
 1700年ごろに様式を確立したケープコッド型の住宅は厳しい自然の中で暮らす
ために太い樫木を土台とし、大西洋から吹き付ける激しい風や嵐を避けるために天
井高を7フィートと低くし、無用な突起や飾りは一切付けない小さな平屋住宅である。
それが1930年代に郊外住宅地の開発が始まり、白く塗られた下見板張りで緑の雨
戸のある一階半建ての小ぎれいな住宅に変形した。
（www.machinami.or.jp/contents/summary/pdf/inspection2008.pdf）

17. ブロード・エーカー・シティとの相違点
 私は、ブロード・エーカー・シティとレヴィット・タウンの最も決定的な違いを＜有機的で
あるか、否か＞と考えている。ブロード・エーカー・シティは個人のための個性を持った
住宅といえる。一方で建設当時のレヴィット・タウンは、建築が均質、軍隊的で、有機
的な都市ではない。

18. 共通点
 この二つの都市はともに成長の兆しがある。ブロード・エーカー・シティは、

 もし建物が現在よりもっと有機的になるとすれば，（以下略）
 （オルギヴァンナ・Ｌ・ライト著 遠藤楽訳 『ライトの生涯』 彰国社刊 1977 P166）
 とあるように、＜人間＞、＜建築＞、＜土地＞の3つが成長することができる。
 一方でレヴィット・タウンに関しては、Google Earthを見て感じたことだが本来同じだった
外観が少しずつ違いを生み個性を持ち、庭等も手入れされている家が多数見られる。
更に全体的に緑が増えている。この先時間をかけて、さらに落ち着きのある住みやすい
都市になるのではないだろうか。

19. 現在のレヴィット・タウン
 Google Earth参照

20. 参考文献
 オルギヴァンナ・Ｌ・ライト著 遠藤楽訳「ライトの生涯」 彰国社刊 1977
 http://search.yahoo.co.jp/search?p=Broadacre+City&ei=UTF-
8&fr=top_ga1_sa&x=wrt&meta=vc%3D
 http://www.wright50years.com/haifu-shiryou--mokuji/2-
burodoekashitimokei-no-kaisetsu
 http://ci.nii.ac.jp/naid/110003884607
 http://en.wikipedia.org/wiki/Levittown,_New_York
 www.machinami.or.jp/contents/summary/pdf/inspection2008.pdf
 Google Earth