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鉄道騒音と良好な生活環境(番号付き)
- 2. 周波数重み付け特性
特性名 解 説
A 特性 騒音レベルの測定に使われている特性で、等ラウドネ
ス曲線の 40phon の逆特性となっており、一般的につか
われている。
C 特性 比較的レベルの高い騒音の測定に使われていた特性で
、平坦特性の代わり用いられる場合が多い。
Z 特性 新しい平坦特性で、 FLAT 特性に比べて広い範囲にお
いて応答が 0dB であることが求められている。
FLAT 特
性
メーカーの作成する平坦特性で、応答が 0dB の範囲が
31.5 ~ 8kHz に広がってなければならない。
G特性 ISO 7196 に定められた超低周波音( 1 ~ 20Hz )のた
めの感覚補正特性のことであり、超低周波音の測定に
用いられる。
2
- 10. 感覚環境の街作り
平成 18 年 12 月に環境省水・大気局から環境
の街作り検討会の報告が公表されている。ここ
では、①都市更新の時代、②都市更新の機会を
捉えた「環境ニーズ」の実現、③街作りに感覚
環境のデザインセンスを入れ込む、④問題対応
型ではなく環境設計型の対応、⑤環境主導・住
民主導の街作り、の 5 点を挙げて環境面から今
後の都市更新への対応を求めている。
環境対策においては、現実的に何らかの都市
更新の機会を捉えて環境に関しての街づりが重
要という考え方である。鉄道、道路、飛行場な
どの交通インフラについては、いつでも工事が
可能であるかと言えば現実的にはきわめて困難
な状況にある。そこで、都市更新の機会を捉え
た「環境ニーズ」の実現が求められるものであ
り、機会を逃してはならない。
10
- 11. 環境影響評価法の改正と複数案の検討
平成 23 年 4 月、「環境影響評価法の改正」が行われ
た。京王線については、時期的にこの新しい環境影響評
価法の対象とならないが、この改正法の趣旨については
十分に反映させる必要がある。
この改正環境影響評価法では、計画段階の配慮書手続
と環境保全措置等の報告・公表等の手続が追加されてお
り、不十分ながら欧米の戦略アセスメントに一歩近づい
ている。
特に、配慮書手続は、事業の位置や規模等に関する複
数案(ゼロオプシンを含む。)について環境影響の比較
検討を行うとされいる。在来鉄道の立体交差事業などは
、高架化と地下化と対立する複数案がつねに存在してお
り、最も典型的な事例と考えられ、旧法のままの手続で
は、不十分の感を免れない。 11
- 12. 大阪市営 2 号線工事損害賠償訴訟
大阪市営 2 号線の建設工事は、昭和 45 年のガス爆発事
故などを経ながら昭和 49 年に開通したが、騒音振動等
により精神的損害を被ったとして大阪市都島区の近隣住
民が損害賠償を求めた訴訟である。大阪地裁は、平成元
年 8 月に大阪市と建設会社の責任を認め、共同不法行為
が構成されるとした。ここにおいて、騒音限度は、特定
建設作業にかかる基準以内であったが、特定工場にかか
る基準を上回っていたとして請求を容認した。
ここで、この建設作業騒音は、一時的とは言いがたく
被害の交換性もないことから工場騒音と同視できると判
示したもので、独自性のある判決として評価された。建
設作業騒音については、一時的なものとして個別作業単
位に規制されているが、現実から遊離しているとの批判
も多いなかでの判決であり、注目された。
12
- 13. 小田急線事業認可取消訴訟
小田急線の高架化(梅ケ丘~喜多見)に反対する沿線
住民が、国土交通省の高架化事業認可の処分取消を求
めた裁判である。これに対して、平成 13 年 10 月に東
京地裁は「高架化と地下化でどちらが優れているか、
十分な検討を経ないで高架化を採用した判断は著しい
誤りがある。」として、事業認可を取り消す判決を出
した。実際に工事が進んでいる公共工事について、認
可取消の判断が出されたのは始めてであるが、都市計
画法には、事業認可が取り消された後の現状回復義務
や工事中止の規定がないため、実際の工事は継続され
た。
その後、東京高裁において審理が進められたが、「行
政に裁量権の瑕疵や乱用は認められない。」として、
平成 15 年 12 月に東京地裁の判断を取り消して、住民
側敗訴の判断が出されている。ただし、判決のなかで
は、地下式の検討など騒音問題の解決に積極的に取り
組むべきであったとして、行政の対応に疑問を投げか
けている。 13