Bayesian statistics chapter11

1. ウェブリオ・エンジニア向け勉強会
「入門ベイズ統計」第 6 回
第 11 章
イメージ・プロセシングとベイズ推定
2015/01/29
Weblio 研究開発 G
米林裕一郎

2. アウトライン
● 画像処理
● 画像のくずれ、復元
● ベイズ的逐次近似法
● ギブス分布、マルコフ確率場
● ジーマン - ジーマンによる画像処理モデル

3. 研究分野としての画像処理
● 素粒子の観測、宇宙観測
● ( 医学的応用として ) 画像診断
●
画像検索
●
類似度、検索用インデックス
● 画像の復元
●
ピンぼけ写真、手ぶれ写真の補正
●
カラー化
● Inpainting
– 画像の欠損箇所を、周囲の画像から補完

4. 画像データ
● 最小単位はピクセル
● 縦 m 個、横 n 個なら、 mn 個の点
● 各点は、白黒の濃淡が段階的 ( 有限個 )
●
画像のくずれ
● (x, y) で起こった現象が、 (x', y') で観測される
– 点拡がり関数
● 濃淡の度合いが変わってしまう
– ホワイト・ノイズ ( 正規分布に従う誤差項 e)

5. 点拡がり関数 (point spread function)
● (0, 0) にあった点が拡がって観測される状況
をモデル化したもの
http://zeiss-campus.magnet.fsu.edu/articles/basics/psf.html

6. 画像のくずれと復元
● 観測画像 は、 と の畳み込み
(convolution) で表されると仮定
●
元画像
● 点拡がり関数
●
が既知なら、 から をシミュレートできる
●
画像の復元は逆に、 から を求めること
( 逆問題 )

7. 復元画像を求める
●
= * から を数学的に解く
● , , ： , , のフーリエ変換
● は と から計算可能
● をフーリエ逆変換し、 に戻す
●
フーリエ変換
● 関数を周波数成分 t に分解
● フーリエ変換すると、周波数 t の関数になる

8. ベイズ的な観点
● を原因、 を結果とし、因果論的に考える
● : 点の拡がりではなく、確率密度関数
● 点 k での観測が、点 i で起こっていた確率
( 事後確率 )
● 点 i で起こった現象は、必ずどこかで観測さ
れる

9. ベイズ的逐次近似法
● 前ページの 2 つの式から：
● 元画像 を逐次近似法で解く
● 右辺の を 、左辺の を
● のとき、 と仮定
● 逐次的に を求める
● ( 直観的には、ニュートン法と同じ原理 )

10. マルコフ確率場としての画像
● ( 事前知識 ) 画像は、直観的には：
● 近くの点は、似た色をしている
●
近い箇所では、相関がある
● 遠い箇所では、影響がない
●
画像をマルコフ確率場として考える
無向グラフィカルモデル
(Undirected Graphical Model)
X1, 1
X3, 4

11. ジーマン - ジーマンによる
画像処理モデル
● 画像生成モデル
● y = x + e
● 元の画像 x はギブス分布に従う ( 事前分布 )
● 観測画像 y から、事後確率 p(x|y) を最大化する
元画像 x を求める (MAP 推定 )
●
ギブス・サンプリングによる画像推定
● p(x|y) の複雑な積分計算を、 MCMC 法で近似
● マルコフ連鎖 (MC) によるモンテカルロ法 (MC)

12. 補足：ギブス分布
●
元々は、統計力学の基礎知識
● N 個の粒子 x1
, …, xn
からなるシステム
● 全体のエネルギーは M = Σ E(xk
)
● ギブス分布 : 粒子のエネルギー E(xk
) の分布
● マルコフ確率場とギブス分布は等価
● 1 対 1 対応
● 画像の事前分布 = マルコフ確率場 = ギブス分布
●
数式計算を、画像処理へテクニカルに応用可能