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アラビア半島乾燥地オアシスの
水環境に関する環境考古学的研究、
その後
近 藤 康 久
近藤康久:自己紹介
• 総合地球環境学研究所
研究基盤国際センター
情報基盤部門・准教授
(クリタ助成期間中に着任)
• 専門分野:考古学・地理情報学
• GIS・リモートセンシング担当
• オープンサイエンス推進担当
• http://res...
• 文部科学省所管の研究機関。京都市北区上賀茂に所在。
• 地球環境問題を「人と自然の相互作用環」の視点から研究。
• 文理融合型の共同研究プロジェクトを時限付きで推進。
• 社会の多様な課題当事者との協働研究が持ち味。
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平成25年度クリタ水・環境科学振興財団国内研究助成(人文・社会)
利水と治水:アラビア半島乾燥地オアシス集落の
水環境に関する地考古学的研究
オマーン内陸部に所在するユネスコ世
界遺産バート遺跡群を対象として、ア
ラビア半島の乾燥地帯における人...
世界遺産バート遺跡群
5千年前のオアシス町と墓域
オマーン湾
ホルムズ海峡
ルブアルハリ砂漠
遺構の大部分は墓
ウンム・アン=ナール式円形墓
(2750-2000 BC)
ワディ・スーク式配石墓
(2000-1300 BC)
ハフィート式ケルン墓 (3200-
2750 BC)
鉄器時代地下式墓 (1300-300 BC)
その他、石列...
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利水施設:円形基壇(タワー)
カスル・アル=ロジョーム
Hexacopter photography at Bat
Kasr al-Rojoom Photo by R. Besenval, Y. Ubelmann & P. Barthélemy
Hexacopter photography at Bat
Kasr al-Rojoom Photo by R. Besenval, Y. Ubelmann & P. Barthélemy
遺構の分布
世界遺産地区内で
635基の遺構を確認
• ケルン墓290基
• 円形墓169基
• 円形基壇7基
• 石列多数
遺構の分布(北西部)
遺構の分布(中央部)
ハファジ
ロジョーム
1156
遺構の分布(南東部)
マタリヤ
ハファジ
アル=カア
スレメ
ロジョーム
1156
治水施設
治水施設
Legend
周壁
ダム 墓域
土壌粒径分析
一辺30cm・深さ8cm
の試掘ピットから土
壌サンプルを採取
電磁式ふるい振とう機
と標準ふるいを用いて
粒径ごとに分別
3つのサンプル: Hafit, UaN, wadi
Bat-wadi
Bat-Hafit
Bat-UaN
Bat-Hafit: 沙漠舗装(デフレーション)
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< 0.063 mm 0.063 to 0.125
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0.125 to 0.25 mm 0.25 to 0.5 mm 0.5...
Bat-UaN: 沙漠舗装(デフレーション)
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< 0.063 mm 0.063 to 0.125
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0.125 to 0.25 mm 0.25 to 0.5 mm 0.5 t...
Bat-wadi: 洪水と水たまり?
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< 0.063 mm 0.063 to 0.125
mm
0.125 to 0.25 mm 0.25 to 0.5 mm 0.5 to 1 ...
土器片は主にウンム・アン=ナール式墓から
拡大すると
土器片の多くは青銅器時代の所産
Bronze Age,
538, 89%
Iron Age,
45, 8%
Islamic, 17,
3%
Modern, 2,
0%
(n=602)
三木ほか(2014)「アラビア半島青銅器時代土器群の研究」第...
ウンム・アン=ナール期の土器構成
砂質鈍黄色土器 精製赤色土器
灰色黒彩土器 灰色沈線文土器 ハラッパー
雲母含有土器
三木ほか(2014)「アラビア半島青銅器時代土器群の研究」第19回日本西アジア考古学会大会
墓域の通時的変遷
5. ワディ・スーク期
3. UaN前半期
4. UaN後半期
1. ハフィート期
1. ハフィート期
6. 鉄器時代
6. 鉄器時代
その後の展開:史跡整備計画への反映
Bat Heritage Management
This map shows location of monuments and buffer zones at Bat, Al-Khutum, and Al-...
地域住民とのタウンミーティング
社会との協働による課題解決型研究
Transdisciplinary Research(超学際研究、超域研究とも)
地球環境問題などの社会課題を解決するための
政府・自治体・企業・NPO・地域住民など
社会の多様な当事者(ステークホルダー)との...
研究者
課題当事者
社会協働研究の類型(1)
Participatory Research
研究成果
例:質問紙調査、アイディアソンなど
主導
社会協働研究の類型(2)
Action Research
研究者
課題当事者
課題解決
例:自治体からの受託研究など
研究成果
主導
社会協働研究の類型(3)
(狭義の)Transdisciplinary Research
研究者
生活者
課題解決
のための
意思決定意思決定者
“Co-x”
Co-plan
Co-product
Co-dissemination
Co-lea...
Think Global, Act Local.
クリタ財団ならびに調査を共にしたすべての仲間に感謝します。
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アラビア半島乾燥地オアシスの水環境に関する環境考古学的研究、その後

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2016年8月26日クリタ水・環境科学研究優秀賞受賞記念講演

Published in: Science
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アラビア半島乾燥地オアシスの水環境に関する環境考古学的研究、その後

  1. 1. アラビア半島乾燥地オアシスの 水環境に関する環境考古学的研究、 その後 近 藤 康 久
  2. 2. 近藤康久:自己紹介 • 総合地球環境学研究所 研究基盤国際センター 情報基盤部門・准教授 (クリタ助成期間中に着任) • 専門分野:考古学・地理情報学 • GIS・リモートセンシング担当 • オープンサイエンス推進担当 • http://researchmap.jp/yasuhisa_kondo • 0000-0001-7670-4475 2
  3. 3. • 文部科学省所管の研究機関。京都市北区上賀茂に所在。 • 地球環境問題を「人と自然の相互作用環」の視点から研究。 • 文理融合型の共同研究プロジェクトを時限付きで推進。 • 社会の多様な課題当事者との協働研究が持ち味。 3
  4. 4. 平成25年度クリタ水・環境科学振興財団国内研究助成(人文・社会) 利水と治水:アラビア半島乾燥地オアシス集落の 水環境に関する地考古学的研究 オマーン内陸部に所在するユネスコ世 界遺産バート遺跡群を対象として、ア ラビア半島の乾燥地帯における人間 の居住と水環境の関係史を、環境考 古学の手法を用いて「利水」と「治水」 という観点から理解することを試みた。 共同研究者:三木健裕、野口 淳
  5. 5. 世界遺産バート遺跡群 5千年前のオアシス町と墓域 オマーン湾 ホルムズ海峡 ルブアルハリ砂漠
  6. 6. 遺構の大部分は墓 ウンム・アン=ナール式円形墓 (2750-2000 BC) ワディ・スーク式配石墓 (2000-1300 BC) ハフィート式ケルン墓 (3200- 2750 BC) 鉄器時代地下式墓 (1300-300 BC) その他、石列など
  7. 7. 7 利水施設:円形基壇(タワー) カスル・アル=ロジョーム
  8. 8. Hexacopter photography at Bat Kasr al-Rojoom Photo by R. Besenval, Y. Ubelmann & P. Barthélemy
  9. 9. Hexacopter photography at Bat Kasr al-Rojoom Photo by R. Besenval, Y. Ubelmann & P. Barthélemy
  10. 10. 遺構の分布 世界遺産地区内で 635基の遺構を確認 • ケルン墓290基 • 円形墓169基 • 円形基壇7基 • 石列多数
  11. 11. 遺構の分布(北西部)
  12. 12. 遺構の分布(中央部) ハファジ ロジョーム 1156
  13. 13. 遺構の分布(南東部) マタリヤ ハファジ アル=カア スレメ ロジョーム 1156
  14. 14. 治水施設
  15. 15. 治水施設 Legend 周壁 ダム 墓域
  16. 16. 土壌粒径分析 一辺30cm・深さ8cm の試掘ピットから土 壌サンプルを採取 電磁式ふるい振とう機 と標準ふるいを用いて 粒径ごとに分別
  17. 17. 3つのサンプル: Hafit, UaN, wadi Bat-wadi Bat-Hafit Bat-UaN
  18. 18. Bat-Hafit: 沙漠舗装(デフレーション) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 < 0.063 mm 0.063 to 0.125 mm 0.125 to 0.25 mm 0.25 to 0.5 mm 0.5 to 1 mm 1 to 2 mm 2 to 4 mm > 4 mm Cumulativerelativefrequency[%] Grain size class surface -1 to -3 cm -3 to -5 cm -5 to -8 cm深度 礫砂粒 表土に礫が集積
  19. 19. Bat-UaN: 沙漠舗装(デフレーション) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 < 0.063 mm 0.063 to 0.125 mm 0.125 to 0.25 mm 0.25 to 0.5 mm 0.5 to 1 mm 1 to 2 mm 2 to 4 mm > 4 mm Cumulativerelativefrequency[%] Grain size class surface -1 to -3 cm -3 to -5 cm -5 to -8 cm深度 表土直下に細粒 礫砂粒
  20. 20. Bat-wadi: 洪水と水たまり? 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 < 0.063 mm 0.063 to 0.125 mm 0.125 to 0.25 mm 0.25 to 0.5 mm 0.5 to 1 mm 1 to 2 mm 2 to 4 mm > 4 mm Cumulativerelativefrequency[%] Grain size class surface -1 to -3 cm -3 to -5 cm -5 to -8 cm 粒径組成が深度 ごとにまちまち 深度 礫砂粒
  21. 21. 土器片は主にウンム・アン=ナール式墓から
  22. 22. 拡大すると
  23. 23. 土器片の多くは青銅器時代の所産 Bronze Age, 538, 89% Iron Age, 45, 8% Islamic, 17, 3% Modern, 2, 0% (n=602) 三木ほか(2014)「アラビア半島青銅器時代土器群の研究」第19回日本西アジア考古学会大会
  24. 24. ウンム・アン=ナール期の土器構成 砂質鈍黄色土器 精製赤色土器 灰色黒彩土器 灰色沈線文土器 ハラッパー 雲母含有土器 三木ほか(2014)「アラビア半島青銅器時代土器群の研究」第19回日本西アジア考古学会大会
  25. 25. 墓域の通時的変遷 5. ワディ・スーク期 3. UaN前半期 4. UaN後半期 1. ハフィート期 1. ハフィート期 6. 鉄器時代 6. 鉄器時代
  26. 26. その後の展開:史跡整備計画への反映 Bat Heritage Management This map shows location of monuments and buffer zones at Bat, Al-Khutum, and Al-Ayn. Online version is available at http://goo.gl/QvhR71 UNESCO zone (2000) All items Bat Digital Heritage Inventory cairn tomb stone alignment house unidentified mound tower stone accumulation cobble accumulation lithic scatter soil sampling well cairn or tomb ? tombcemetery built stone accumulation dam wall falaj platform stone enclosure Charlotte's survey All items Malakiya 2015 All items Malakiya 2015 (nodes) All items Malakiya 2015 buffer (200m wide) All items Kondo et al. (2016) Journal of Cultural Heritage Management and Sustainable Development 6/2
  27. 27. 地域住民とのタウンミーティング
  28. 28. 社会との協働による課題解決型研究 Transdisciplinary Research(超学際研究、超域研究とも) 地球環境問題などの社会課題を解決するための 政府・自治体・企業・NPO・地域住民など 社会の多様な当事者(ステークホルダー)との協働による • 研究の設計 (co-design) • 知識の生産 (co-production) • 成果の展開 (co-dissemination) (Mauser et al. 2013. doi:10.1016/j.cosust.2013.07.001) • 意思決定を支援する選択肢の提示 (co-leadership) が特に重要
  29. 29. 研究者 課題当事者 社会協働研究の類型(1) Participatory Research 研究成果 例:質問紙調査、アイディアソンなど 主導
  30. 30. 社会協働研究の類型(2) Action Research 研究者 課題当事者 課題解決 例:自治体からの受託研究など 研究成果 主導
  31. 31. 社会協働研究の類型(3) (狭義の)Transdisciplinary Research 研究者 生活者 課題解決 のための 意思決定意思決定者 “Co-x” Co-plan Co-product Co-dissemination Co-leadership 対話を通じた 相互理解 課題解決 研究成果 └ 課 題 当 事 者 ┘
  32. 32. Think Global, Act Local. クリタ財団ならびに調査を共にしたすべての仲間に感謝します。

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