公益社団法人 江戸川区薬剤師会 スポーツファーマシスト委員会の第47回日本薬剤師会学術大会発表資料。

1. 公益社団法人江戸川区薬剤師会
スポーツファーマシスト委員会
１
佐藤昌義
１
、遠藤敦
１
、高柳匡徳
１
野渡靖弘１
、池野栄佑１
、篠原昭典１

2. 配布用リーフレット（B6サイズ）
昨年、スポーツ祭東京２０１３ において
江戸川区では
冬季 スピードスケートショートトラック （2日間）
本大会（夏季）ボート競技 （5日間）、
ラグビーフットボール （4日間）、
ローラースポーツ(オープン競技） （1日）
が行われました （合計12日間）。
当会では前年度のリハーサル大会（関東ブロック大会 ボート競
技2日間、ラグビーフットボール2日間 開催）の前から
ワーキンググループ（のちに委員会に）を発足し、
アンチドーピング活動を目的として
競技開催日すべてにブースを構えました。
SP参加人数 のべ 80人
薬学生の見学・参加 区内１３人 区外６人

3. 平成２４年７月２１日および２２日
リハーサル大会（関東ブロック大会）ボート競技
 準備備品：専用ブース用垂れ幕（新規作成）
のぼり（新規作成）
配布用リーフレット（新規作成）
（ＳＰ相談専用のメールアドレスを併記）
ＪＡＤＡフラッパー
 内容：出場選手や関係者にリーフレット類を配布
し、スポーツファーマシストの存在をアピール。
またお薬相談を併設し相談事案に対応

4. 平成２４年８月２４日および２６日
リハーサル大会（関東ブロック大会）ラグビーフットボール競技
◆準備備品：前回の準備品に加え、
iPad（アンケートの獲得および集計）
◆内容：出場選手や保護者および関係者に対して
SPを知って貰いたい事から、積極的にアプローチする為
ドーピングやSPに関わるアンケートを実施。
iPadの画面に直接触れてもらいながら
回答することで結果を収集。
リーフレットの配布併せてお薬相談にも対応
→専属トレーナーからドーピングに関する
具体的な相談事案があった。

5. Q1. 普段飲んでいる薬はありますか？
Q2. Q1で有るとお答えの方に質問です。その薬を飲む際、ドーピング検査に関わる薬か確認していますか？
Q3. 自宅にある薬について、あるものについてチェックしてください
Q4. うっかりドーピングという言葉を知っていますか？
Q5. ドーピング検査違反となる可能性があると思うものはどれですか？
Q6. 筋肉を増やすドーピングの副作用はどれだと思いますか？筋肉を増やすドーピングの副作用はどれだと
思いますか？
Q7. 最近の国内でのドーピング陽性事例について、知っているものを教えて下さい
Q8. ドーピング検査について相談できる薬剤師がいることを知っていますか？
Q9. 知っているとお答えの方、どこで存在を知りましたか？
Q10. ドーピング相談が出来る薬剤師が身近に欲しいと思いますか？
Q11. ドーピング防止の専門薬剤師にしてほしいことは何ですか？
アンケート項目
平成２４年８月２４日および２６日
リハーサル大会（関東ブロック大会）ラグビーフットボール競技
会場で行ったアンケート

6. 平成２４年８月２４日および２６日
リハーサル大会（関東ブロック大会）ラグビーフットボール競技
アンケート結果 （ｎ＝１００ ）

7. アンケート結果から・・・
① 「スポーツファーマシスト」に対する認知度・・・ 1６％
② スポーツ選手自身や保護者が薬の服用や使用への関心
・・・ １４％
③ 実際のドーピング事例に関心 ・・・ ４２％
アンケートを通じ事例を知ることで、
ドーピングの相談窓口を希望する方は
全体の７割を超えていること 等が判明し、
その他の結果からも、
「スポーツファーマシスト」の必要性・活躍の可能性を
強く示唆する ものとなりました。

8. 国体に向けたドーピング防止活動
区内の薬局の全薬剤師
ドラッグストアの薬剤師・登録販売者など、
区内外で医薬品販売に関わる全ての人たち
（本会会員・非会員問わず）
向けに、研修会を実施しました（参加者数 ３８名）
 内容
・ 講師をお招きして、「ドーピングについて」
・「安心カード」の作成 （当会作成）
⇒ 「うっかりドーピング」の防止
・ JADA（日本アンチドーピング機構）
【禁止表国際基準】
日本薬剤師会
【薬剤師のためのドーピング防止ガイドブック】
の、見方・使い方について説明。
平成２４年１２月１９日（木）
江戸川区文化センターにて

9. ２０１３年 国民体育大会（冬季）
1月27日（日）および1月28日（月）の２日間に渡り、
江戸川区スポーツランドにおいて国体のスケート・ショート
トラック競技が開催されました。
スケート・ショートトラックの競技会場の
会場入口間近にスペースを設けて、
東京都薬剤師会の方にもご協力いただき、
総勢２０名を超える体制にて、
「うっかりドーピング」防止の為の活動や
お薬の相談会、
i-Padを使ったドーピング意識調査
（競技選手および親族・監督等関係者対象に１００例）

10. 平成２５年１月２７日および２８日
国体（冬季）のスケート・ショート トラック競技
アンケート結果 （ｎ＝１００ ）

11. アンケート結果から・・・
① 普段服用している医薬品に関して
ドーピングチェックを受けていない・・・ ６０％
② 競技会場に持参した薬に関して、
ドーピングチェックを受けていない・・・ ４４％
③ ドーピングに関する問合せホットラインの認識度
・・・ ５１％
ドーピングに関する知識や意識は向上しつつあるものの、
選手が実際に服用する薬を習慣的にドーピングチェック
するまでに至っておらず、
「うっかりドーピング」のリスクは相変わらず高い、ことが判明しました。

12. 冬季大会アイススケートショートトラック会場での相談の内容
・スポーツ選手からの相談：1件
・来場者からの相談：3件
相談内容：① １７歳男性
大会前に風邪をひいて、薬を服用していたことが発覚。
監督と選手本人が相談にいらっしゃいました。
服用薬：アストミン
⇒ドーピングに関係ない成分の為、服用問題なしとの回答
② ６０代男性
糖尿病薬を服用中。最近数値は安定しているが、イライラ
してしまう。
⇒ストレスをためずに生活を。
③ ７０代男性
前立腺肥大の薬を服用中。尿管カメラを行うことに不安。
⇒麻酔をかけて行うので大丈夫との回答
④ ４０代男性
歯の治療後、耳鳴りが出た。薬を飲んでも良くならない。
⇒効果判定までもう少し様子を見ましょうと回答。

13. Facebookを利用した啓蒙活動
ソーシャル・ネットワーキング・サービス（ＳＮＳ）の
Facebookを利用し、江戸川区薬剤師会のスポーツ
ファーマシストが活動している様子を発信しています。
https://www.facebook.com/edoyaku.sp

14. スポーツファーマシスト
・うっかりドーピング防止スキルアップセミナー 開催
スポーツファーマシストとして
実際の相談を受けた時、
「どのように考え」
「どのように調べ」
「どのように答えを導きだすか」
例題をあげて少人数のグループディスカッション形式で行いました。
（スポーツファーマシスト資格取得者・取得予定者対象 参加者 13名）
平成 25 年 7 月 21 日(日)

15. 国体用ポスター （A1サイズ）
国体夏季本大会に向け、
ドーピング防止啓蒙ポスター（300枚）を区内中学校・高校、
区スポーツ施設、スポーツクラブ等に配布・掲示。
国体会場（ボート）の最寄駅であるJR平井駅
に公式練習等で訪れるときに見られるよう
大会期間前より改札付近に掲示。
ポスターからの相談は１件。
・年齢不詳（チーム関係者）より
会場近くでの風邪薬の購入場所についての質問。
国体に絞った表記のポスターになっていた為、目に
はするものの、他の大会を目指す選手等の実際の相
談はつながらなかったと思われる。

16. 冬季国体を振り返り、
アンチドーピングの話では選手、スタッフ等あまり興味がなく
（56％）、薬剤師会のブースに寄る機会が少ないことが判りました。
立ち寄る人を増やす為、
肺機能測定をブース内で実施することにしました。
また、入口前にドーピングに関するクイズ（4種）の
看板を出しました。
肺機能測定
 ％肺活量（年齢・身長・性別などにより規定されている肺活量がありこれを考慮
した正常値に対する比率）
％肺活量の低下（８０％以下）→閉塞性障害（気道が狭くなっている）
 一秒率（最大吸気状態から努力呼出したときの肺活量＝最初の１秒間で排出され
た肺活量。一秒率＝最初の１秒間で排出された肺活量÷肺活量×100）
一秒率の低下（７０％以下） →拘束性障害（肺が縮んでいる）

17. 国体での様子
平成25年9月11日から10月6日まで

19. 肺機能検査は選手、関係者だけでなく、
国体会場を観戦に訪れた多くの方々にも実施しました。
（国体会場にて計10日間 800例実施）
肺機能検査を実際に行った結果をみて、
「普段は何をすればいい？」
「普段気にして歩くようにしている」など
多くの選手、観戦に訪れた方々から質問が寄せられました。
スポーツファーマシストがアンチドーピング活動以外にも
選手のパフォーマンス向上や選手以外の方にも日頃の健康
維持増進の為の運動指導で関わることが出来るのではない
か？と考えました。

20. 新たな活動目標
スポーツファーマシスト ＝ ドーピング相談
ということだけではなく、
運動の場で
スポーツファーマシストをはじめとする薬剤師が関われること
例えば
・ スポーツをする際に体に何を入れるのがいいのだろうか？
・ 疲れにくい体づくりのためには何を取るべきか？ など考えました。
➔ 身近に行われているウォーキングについて
小冊子を作成・配布し、区民の方々に運動の場に薬剤師が関われることを
伝えていく。

21. ウォーキングフェスタえどがわ２０１３
主催：江戸川区ウオーキング協会 後援：江戸川区
（H２５．１１／２３）
江戸川区が後援する区内のイベントのひとつ
で、毎年1,000人以上が参加するウォーキングイベント。
作成した小冊子（500冊）はすべて配布しました。
配布した小冊子 ↓

22. 参加した薬剤師が正しい歩き方を覚え、
薬局での服薬指導に活かす為に開催した
『ウォーキング指導研修会』開催
（平成26年.6月30日開催 タワーホール船堀にて）
区内及び近隣地区勤務薬剤師対象に開催 参加者35名

23. 今年度、ウォーキングフェスタ（１１／２３）に向け、
委員会にて担当を決め、作成中

24. スポーツファーマシストとしての
これからの活動目標
スポーツファーマシスト ＝ ドーピング相談
（ドーピング防止薬剤師）ということだけではなく、
スポーツファーマシスト
＝ 運動の利点、運動の仕方、運動と栄養、運動と薬など
「健康の為の運動」に関わること全般に知識を持ち、
指導・相談にのれる薬剤師（運動指導薬剤師）
を委員会の目標として進めていきます。