1. 国家オンブズマン制度
国家オンブズマン制度
石川 純

2. 0.1 発表の目標
国家オンブズマン制度
「オンブズマン」
という単語を超える
2 月 24 日の授業
「行政統制」に触れる

3. 0.2 アウトライン
1
オンブズマンとは
2
日本のオンブズマン史
3
オンブズマン可能性
国家オンブズマン制度

4. 国家オンブズマン制度
1. オンブズマンとは

5. 1.1 ギルバートの統制手段の累計化
国家オンブズマン制度
制度的
- 内閣による統制、
- 裁判所による統制、
- 議会型オンブズマンの勧告
- 大臣による統括、
- 上司による指揮監督、
- 行政型オンブズマンの勧告
内
在
的
外
在
的
- 公務員組合による批判、
- 同僚公務員による批判
- 部外専門家による批判、
- 利益集団による陳情、
- マスメディアによる報道
非制度的

6. 1.2 オンブズマンの成り立ち
国家オンブズマン制度
スウェーデンにて誕生 ...
行政監視の機能
各国にて、苦情相談として発展し ..
行政改善・行政革命
の機能

7. 1.3 三つの要素
渡邊榮文 著 『初期オンブズマン』 ( ふくろう出版 , 2006)
1
批判機関
非権力的性質として、行政機関に改善を勧告する権限。
2
議会附属機関
権力的機関である議会に附属し、実効性を補完。
3
単独制機関
パーソナルタッチ制、少数スタッフ制、直接接近制。
国家オンブズマン制度

8. 1.4 日本のオンブズマンを話す前に。
オンブズマンは、
強大化する行政権に対して、
弱い立場にある市民の人権を
擁護するために生まれた。
佐藤竺 「人権の守護神としてのオンブズマン」
篠原一・林家礼二 編『公的オンブズマン』
( 信山社 ,1999) 頁 36 。
国家オンブズマン制度

9. 国家オンブズマン制度
2. 日本のオンブズマン史

10. 2.1 日本の行政統制史
国家オンブズマン制度
戦前は、「天皇の官吏」、戦後は ...
「全体の奉仕者」
1980 年代以降、臨調改革などで ...
政にる官の統制

11. 2.2 日本オンブズマンの頓挫
国家オンブズマン制度
1980 年、現総務省が「オンブズマン制度研究会」を発
足。 86 年の報告は、
行政型オンブズマン
にとどめる
1994 年、海外の注目をあびる
日本独自のオンブズマン制度として位置づけ
国際オンブズマン
シンポジウム

12. 3.2 日本にオンブズマンが存在しない理由
1
既存機関
非権力的性質として、行政機関に改善を勧告する権限。
2
不利益を公表しない日本人の傾向
林屋礼二 著 『オンブズマン制度』 ( 岩波新書 , 2002)
3
行政職員の意識
権力的機関である議会に附属し、実効性を補完。
国家オンブズマン制度

13. 3.3 フランスのメディアトゥールのモットー
「法典を閉じて、心を開け」
国家オンブズマン制度

14. 国家オンブズマン制度
3. オンブズマンの可能性

15. 2.3 議会オンブズマンの必要性
1
国家オンブズマン制度
政治が政策デザインを官僚に委ねている
新藤宗幸『概説 日本の公共政策』 ( 東京大学出版会 , 2004)
2
内在制度的統制では活性化しない
既存機関では国民から省庁のナレアイとみなされ、
国民に活用されず活性化しない。松下圭一 『政治・行政の考え方』 ( 岩波新書 , 1998)
3
国民から直接指示される外在制度的統制
パーソナルタッチ制、少数スタッフ制、直接接近制。渡邊榮文 著
『初期オンブズマン』 ( ふくろう出版 , 2006)

16. 3.1 NPM との関連 ( 松下圭一 『政策型思考と政治』 )
都市型社会化が一層加速する現代では、
市民・団体・企業活動が増加
行政の比重は減少 するが、政策の量が増加するため
行政の政策責任が増大
国家オンブズマン制度

17. 2.4 オンブズマンの可能性について話す前に。
国家オンブズマン制度
国家オンブズマンの設置は、
個別の行政苦情から出発しますが、
その意義は、国会・内閣改革、省庁改革を
ともなう、国レベルの政策・制度転換、
さらに明治国家の再編による
分権化・国際化という日本の戦略設定に、
今日では繋がっています。
松下圭一 「政治・行政の考え方」
( 岩波新書 , 1998) 頁 139

18. 3.4 まとめ
1
国家オンブズマン制度
行政監視、苦情処理、行政改善・改革
外在制度的統制、行政機関に改善を勧告する権限。
2
憲法を主な理由として不在
権力的機関である議会に附属し、実効性を補完。
3
オンブズマンが行政、国会革新をし得る
パソナルタッチ制、少数スタッフ制、直接接近制。

19. 4.0 参考文献リスト
国家オンブズマン制度
佐藤竺「人権の守護神としてのオンブズマン」篠原一・林家礼二 編『公的
オンブズマン』 ( 信山社 , 1999) 頁 36 。
新藤宗幸『概説 日本の公共政策』 ( 東京大学出版会 , 2004)
西尾隆 『現代行政学』 ( 放送大学 , 2012)
林屋礼二 著 『オンブズマン制度』 ( 岩波新書 , 2002)
松下圭一 『政策型思考と政治』 ( 東京大学出版会 , 1991)
松下圭一 『政治・行政の考え方』 ( 岩波新書 , 1998)
渡邊榮文 著 『初期オンブズマン』 ( ふくろう出版 , 2006)
http://www.ombudsman.org.uk/care-andcompassion/foreword