実親との面会交流.pptx

実親との面会交流
ー肯定的な効果と注意点ー
R5.9.19
実親との面会交流って何のために?
子どもが施設や里親に行った場合であっても、家族や子供には親と
面会交流する権利があります。
・・・とはいっても
虐待加害者が親だったとして、その親と面会をさせることの意義っ
てどこにあるんでしょうか?
加害者と、大事な子どもを会わせるの、なんか心配ですよね?
1. 子供の安全性: 最優先の懸念は、子供の安全性です。虐待を受けた経験がある子供が、
加害者の親との面会中に再び危険にさらされないよう、十分な安全対策を講じる必要
があります。
2. 子供の感情的な健康: 子供が虐待のトラウマを抱えている可能性が高いため、面会交流
が子供の感情的な健康にどのように影響するかが心配されます。子供が面会前後に不
安、怒り、恐怖、混乱などの感情を抱える可能性があります。
3. 里親(保育士)のサポート: 里親(保育士)は、子供が面会交流を通じて感じる可能性
がある感情やストレスに対処するための適切なサポートが必要です。専門家やカウン
セラーの支援が必要な場合もあります。
4. 親の改善の機会: 一部の場合、面会交流は虐待加害者の親が改善し、子供との関係を修
復する機会となることがあります。しかし、この点でも慎重に進める必要があります。
親の改善が本当に可能であるかどうかを判断するプロセスが必要です。
https://chat.openai.com/
虐待加害者の親と面会交流する場合の心配点は?
児相でありがちな理由付け
1. 関係維持のための交流
2. 家庭復帰を見越した親子関係調整のため
3. なんとなく(意外と多くて焦る)
1,2の理由を児相が語っていても、「家庭復帰できないから1」
「家庭復帰できそうだから2」のように、表面的な意見に終始して
いるケースが目立つ
⇒面会交流の意味・効果を知り、有効な交流を検討できたら・・・
実親との接触
児童養護施設にいる間に子どもが実の親と接触すること自体は
• 子どもの継続的な身体的・精神的成長(Ainsworth, 1989; Hess,
1982)
• 子どものより良い全体的適応(Hess, 1988)
• 子どもの情緒的幸福(Hess, 1988; Oyserman & Benbenishty, 1992)
にとって有益とされています。
親に会えるだけでもプラスの効果が期待できる
定期的な交流
両親や親族との定期的な接触は
• 情緒的・行動的問題に対してプラスの効果があり(Simesk et al., 2007)
• 実の親と定期的に面会している子どもは、まったく面会していない子どもより
も問題行動が少ない(Cantos, Gris, & Slis, 1997)
• 実母との接触がない子どもは、問題行動が最も多く、接触が最も多い子どもは、
問題行動が最も少ない(McWey et al., 2010)
• 母親と父親の両方との接触頻度が高いほど、精神症状の低減と関連し、兄弟姉
妹から引き離されることもまた、より多くの精神衛生上の問題と関連(McWey &
Cui, 2021)
定期的な交流は子どもの問題行動に良い影響を与える
一貫しているかどうか
• 再統合が目標である家庭においては、実親との接触がより一貫し
て頻繁である子どもは、接触が少ない子どもよりも行動上の問題
が少なく、精神科の薬を服用する可能性が低く、「発達の遅れ」
と呼ばれる可能性が低かった(McWey & Mullis, 2004)
一貫した交流は子どもの行動・精神・発達面に良い影響を与える
このように、複数回の交流や、定期的な交流は
• 子どもの行動・発達上のリスクを低減する働き
がある
ということが分かりました。
しかし、面会交流が負の影響を及ぼすこともあり
ます。
⇒それは交流が「一貫しない」場合です。
不安定な接触はダメっぽい
• 実の親との接触パターンが(定期的で頻繁な面会とは対照的に)一貫し
ていない方が、まったく接触しないよりも抑うつが大きくなる(McWey et
al., 2010)。
• 親が一切の接触を拒否した場合、子どもは拒否されたことを受け入れ、
前に進もうとする余地が与えられるため、一貫しない接触よりも接触し
ない方がよい(Moyer et al., 2006)。
一貫しない交流は子どもの抑うつを高める
親に拒否された?見捨てられてない?期待と諦めで揺さぶられ心理的
負荷
整理すると
交流方法:一貫性を持たせて定期的に実施していくことが望ましい
ようでした(現場感覚とも一致している?)
プラス面:情緒的・行動的問題の緩和、情緒的幸福、身体・精神的
成長、服薬・発達的問題リスク低下、適応全般の向上
マイナス面:一貫しない交流は抑うつ憎悪
支援者ができることは?(Ruiz-Romero et al., 2022)
1. 質の低い面会を経験した子どもたちは、面会する親からの温かみ
が少なく、批判や拒絶をより多く感じていた
2. 接触面会(より頻繁な)は、生みの親との絆を強化し、家族の再
統合を促進し、子どもの幸福に貢献する可能性が高い
支援者は、面会交流の質を高めるために必要なスキルを身につけ、
関係者全員(子ども、親)に十分な準備と支援を提供することが重
要
おわりに
• 一貫した交流が子どもにとって望ましいからと言って、なんでもかんでも交流をし
まくればええんや、というものではありません。
• 当然、加害者と被害児童との関係性が重要です。
• たとえば「虐待を認めていない」「加害性が低減していない」など、交流時に加害
リスクがあるケースや、子どもが親の加害に対する不安が高いケースなどは、交流
自体が子どもの心理面に強い負担を強いることになります。
• 親からの見捨てられ不安より、交流時の再被害への不安の方が強い場合は、交流の
中止を検討する必要があるんじゃないかと思います。
• 少なくとも、加害者が虐待についての内省を進めており、交流時の加害再発リスク
は低いといえる状態において、一貫した面会交流を継続していくことが望ましいと
いえると思います。
1. Ainsworth, M., Blehar, M. C., Waters, E., & Wall, S. (1978). Patterns of attachment: A psychological study of the strange
situation. Hillsdale, NJ: Erlbaum.
2. Cantos, A. L., Gries, L. T., & Slis, V. (1997). Behavioral correlates of parental visiting during family foster care. Child Welfare,
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3. Hess, P.(1982). Parent-child attachment concept: Crucial for permanency plan-ning.Social Casework,63, 46–53.
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5. McWey, L. M., & Mullis, A. K. (2004). Improving the lives of children in foster care: The impact of supervised visitation.
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6. McWey, L. M., Acock, A., & Porter, B. E. (2010). The impact of continued contact with biological parents upon the mental
health of children in foster care. Children and youth services review, 32(10), 1338-1345.
7. McWey, L. M., & Cui, M. (2021). More contact with biological parents predicts shorter length of time in out of home care
and mental health of youth in the child welfare system. Children and youth services review, 128, 106164.
8. Oyserman, D., & Benbenishty, R.(1992). Keeping in touch: Ecological factorsrelated to foster care visitation.Child and
Adolescent Social Work Journal,9,541–554.
9. Ruiz-Romero, K. J., Salas, M. D., Fernández-Baena, F. J., & González-Pasarín, L. (2022). Is contact with birth parents
beneficial to children in non-kinship foster care? A scoping review of the evidence. Children and Youth Services Review, 143,
106658.
10. Simsek, Z., Erol, N., Öztop, D., & Münir, K. (2007). Prevalence and predictors of emotional and behavioral problems
reported by teachers among institutionally reared children and adolescents in Turkish orphanages compared with community
controls. Children and youth services review, 29(7), 883-899.
引用文献
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