和菓子の販売促進施策について
- 1. 和菓子の販売促進施策について
<課題>
和菓子を若い世代が食べない理由を特定し、若い世代が和菓子を食べるよう
になる施策を考えよ。
<定義>
課題に自由度が高いため、回答側で定義を決めてから議論を進める必要があ
る。今回は自分が課題を解きやすいように、以下のように設定した。
「課題を出すクライアント」
●地域に根付いており、中堅規模の老舗企業
「若い世代」
●30 歳未満の男女
「和菓子」
●生菓子で芸術的な観点にも配慮した日本の伝統的な商品
<和菓子の特徴>
●和菓子には上菓子、京菓子などがあり、参考資料にも記載されているよう
に城下町や古都において支出額が高いことから分かるように、地域に土着した
商品である。
●歴史をさかのぼると、和菓子は本来、抹茶や緑茶とのセットで提供される
商品であり、茶の渋みに合わせて甘みを強くしてある。
●生菓子のため日持ちがせず、鑑賞にふさわしい芸術的な商品のため、機械
による制作は難しい。
<日本の食生活の背景>
●
農林水産省の「食料消費・食生活と食品産業」から抜粋すると、
「戦後の極度に困難な食料事情のもと、米国からの援助小麦粉によるパンの
完全給食が実施されてから洋食への憧れが高まり、その後の高度経済成長に
- 2. 伴い、果物、肉類、牛乳の消費が大きく伸び、食の洋風化が進んだ」ことが
分かる。
●大阪府立大学の論文「だしの嗜好と子供の頃および現在の食習慣との関係」
から抜粋すると、
「子供の頃に日本の伝統食品を摂取した経験が多いと、成長した後も日本の伝
統食品を食べる習慣が身につくことが示され、子供の頃の食経験が成長後の食
習慣や味覚に影響を及ぼす」ことが分かる。
同研究では、
「食の欧米化によって、日本の食文化の継承が急速に途絶えつつある」とも
述べている。
●
農林中央金庫の「現代の20代の食生活・食の安全への意識」によると、
「20代の若者は朝食を抜く割合が高く、食べる人では洋食の割合が多い。昼
食は、購入か外食がほぼ全てであり、メニューは和食の方が洋食を上回
っている。夕食は家族に作ってもらうか外食の割合が多く、メニューは肉類
が多くなっている。」
<和菓子が食べられなくなった原因の考察>
以上の事実に基づき、考察を行うと、
①
の洋風化が起こる
食
⇩
②食習慣の変化により、和菓子に必要な抹茶が飲まれなくなる
⇩
③
食、和菓子が好まれなくなる
和
⇩
④
生活の習慣が変化し、
食
子供時代に日本の伝統的食事を経験した者が
減少
⇩
⑤若い世代で和菓子が食べられなくなる
という状況が発生したと考えられる。
<和菓子の現状>
- 3. ・現在、若い世代はどのような状況で和菓子を食べているのか?
⑴地方に観光に行った際に旅行の記念で食べる
⑵旅行のお土産として購入する
つまり、若者の中で和菓子は非日常の際、特に日本的な体験をする時に食べ
る特別なものという認識がされている。
取るべき施策の方向性としては
和菓子を日常的に食べるものへと認識を変える、または和菓子への接点を増
やす施策である
<施策>
・
短期的施策
現状を分析すると、若い世代は昼食の摂取率が極めて高く、昼食を抜く人は
ほとんど存在しないこと、かつ昼食のメニューには和食が多いことから、昼
食に和菓子をセット販売すると効果が高いと考えられる。
・
長期的施策
上記の論文より、子供の頃に日本食に接する機会が増加するほど、日本食を
摂取する習慣が身に付くため、小学校の給食のメニューに導入するために学
校に営業をかける。