xR市場の2015～2021年トレンド、使用用途、最新周辺デバイスの調査のまとめ

1. 2015年～2021​年
xRトレンド調査
2021/2/25
KAZUKI KURIYAMA

2. xRとは
「VR」「AR」「MR」などの総称のこと。
「x」は未知数を示すもの、つまりxRealityということである。
近年では映像や触覚などを使う「SR（代替現実）」といった新しい技術
も登場している。
VR寄りのMRであったり、ARだけれどMRに近かったりといった技術も、
「xR」という「さまざまなリアリティ体験」というより広い概念で表現
することができるので、「xR」汎用的に使用することができる言葉であ
る。

3. VR「Virtual Reality」とは
「人工現実感」や「仮想現実」と訳されてい
ます。ここには「表面的には現実ではないが、
本質的には現実」という意味が含まれ、VR
によって「限りなく実体験に近い体験が得ら
れる」ということを示します。VRを通して
得られるリアルな体験が、あたかも現実であ
るかのように感じることができる。
代表ソフト：ビートセイバー
代表機器：Facebook製OculusQuest2

4. AR「Augmented Reality」とは
「拡張現実」
実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ね
て表示することで、目の前にある世界を“仮
想的に拡張する”。
テクノロジーとしてのインパクトは大きく、
スマホ向けサービスとして比較的簡単に実現
できる。近年はグラス型のデバイスが流通し
始めた。
代表ソフト：ポケモンGo
代表機器：Nreal社製Nreal Light

5. MR「Mixed Reality」とは
「複合現実」
VRとARを融合させたものであり、仮想世界
の情報を現実世界の重ね合わせて体験するこ
とができます。仮想の物に近づいたり、触れ
るといった操作を行うことができる。
デバイスは一般購入できないため、産業など
の法人利用が主となる。
代表アプリ：なし
代表機器：Microsoft製HoloLens 2

6. VR市場規模
市場規模は年々大幅に上昇
している。
2018年の総収益約40億ドル
（約4,350億円）に対して、
2023年の予測値は148億ドル
（約1兆6,000億円）

7. VR用HMDのトレンド
2018年から2019年に掛けて、モバ
イル型・PC接続を前提としたコン
ソール型の需要が減少し、一気にス
タンドアロン型の需要が増加してい
る。
これにはフェイスブックの一体型VR
ヘッドセットOculus Questの発売が
寄与しているものと考えられる。

8. AR/VRエンジニア市場需要
2019年は前年比で1,400%と大幅にポ
ストが増加。
AR/VR市場はゲーム関連にとどまら
ず、多彩な業種で大幅に伸びてきて
いる。

9. XRの活用領域
2021年現在、ありとあらゆる分野でXR技術が利用されている。
医療・警察・消防・軍事・航空・介護・銀行・
製造・運送・鉄道・美容・教育・広告・不動産・
建築・観光・スポーツ・エンターテイメントなど

10. 医療分野での活用
学習・トレーニング（手術、コミュニケーション、製薬
装置操作）
⇒コストの掛かる訓練などが用意に行えるようになる。
治療（ストレス緩和、自閉症、不安症治療、認知症）、
痛みの軽減、義肢の製作支援、禁煙への効果、

11. 警察での活用
危機回避、殺人事件を再現、
交通安全（高齢者・学生向け）、女性向け防犯訓
練、
刑務所体験、入所者への仮釈放体験
銃乱射事件VR訓練
強盗対策のVRトレーニング
⇒現実では訓練が難しい内容でもシチュエーショ
ンを再現することができる。

12. 消防での活用
地震・火災・暴風雨体験
消火訓練、山火事・森林火災、防災訓練VR
土砂災害シミュレーション
救急活動トレーニング

13. 軍事での活用
軍事訓練、VR核実験、空軍パイロット飛行訓練、艦艇のメ
ンテナンス
⇒コストが大幅低下
戦略マップ3D表示、武器照準サポート、AR照準システム、
索敵、ドローンのターゲット設定

14. 航空業界での活用
エンジン試運転作業訓練、客室乗務員訓練、航空機の
誘導や整備、運搬などの各種業務トレーニング
⇒訓練に必要なコストを削減
航空機内でVR、座席予約時に実際の席が見える、
ファーストクラスを体験、
墜落した旅客機に何が起こったのか検証

15. 介護業界での活用
高齢者のストレス・不安の緩和、
外国人材介護教育VRサービス

16. 製造業界での活用
製造現場の安全教育、
工場見学、
作業訓練、
手順管理、
取説表示、
ロボット制御

17. 運送業界での活用
危険物の輸送トレーニング

18. 鉄道業界での活用
危険作業の訓練、
メンテナンストレーニング、
ボルト締結作業管理システム

19. 自動車業界での活用
プレゼンテーション
VR試乗
車両修理
新人研修
ARカーナビアプリ
自動運転テスト
シートベルト非着用の危険性を啓発
自動運転への点群情報活用
ロボット制御

20. 美容業界での活用
カラコン体験
メイク体験
美容師向け教育サービス
コスメのバーチャル店舗

21. 教育業界での活用
遠隔授業、入学式、
理科の実験、人体模型
言語学習、歴史学習、
大学キャンパスへの訪問

22. 広告業界での活用
ビルに広告を表示する
店頭でのARファッションショー

23. スポーツ業界での活用
ゴルフレッスン
マルチプレイによるダンスレッスン
バッティング・ピッチング研究
審判トレーニング
スポーツ観戦

24. 観光業界での活用
花火、
VR観光、
旅行の下見、
観光名所のプロモーション、
飛行機・バス予約時の車内確認

25. 不動産・建築業界での活用
VRで内覧
施工管理者向けVR教育システム
建築（店舗・ホテル含む）設計
工事現場を事前確認
注文住宅の確認

26. エンターテイメント業界での活用
ゲーム、
空を飛ぶ、
音楽イベント、
VRアトラクション、
脱出ゲーム、
映画、
動物園

27. 小売業界での活用
ウィンドウショッピング体験
接客トレーニング
指輪試着
従業員の評価にVRを導入
強盗対策のVRトレーニング
家具の配置場所検証

28. VR/ARによるトレーニング効果
教育の1年後定着率は80%、従来のトレーニングでは、1週間後でも定着率はわずか20%（世界最大の英
文ビジネス誌 Fortune）
93％作業速度改善（フォルクスワーゲン）
78％以上が「実際の現場をイメージできる」と回答（外国人材介護教育VRサービス ミャンマー）
8時間かかっていた研修項目のひとつが20分にまで短縮された（輸送会社FedEx）
ネイティブのアメリカ人講師とVRで実際に話すことで、「より相互的でリアルな学習体験を行え、通常の
英会話クラスの2倍から3倍の学習効果が見込める（Immerse社）
MRを用いて学習した生徒のテストのスコアは最大で22%改善（マイクロソフト）
「ARは脳に”驚き”を引き起こし（他メディアと比較して）非常に高く注意を引く」、「ARによる記憶の
効果は70％強くなる」ことを立証（AR開発のZappar社やマーケティング企業Neuro-Insight）
⇒トレーニングによるVR/ARの使用は非使用時よりも大幅に優れた効果が期待できる。

29. VR/ARによる経費削減効果
・ケース１
VRヘッドセットを装着し、商品の家具を置いて確認できる
⇒VRサービスを通して家具を購入した顧客は“多くの家具や装飾品を購入し、さらに返品率は
80％減”「多くの在庫を抱える必要がない」「手元にない商品も紹介できる」といったメリッ
ト（米百貨店のメイシーズ）
・ケース２
商品1点につき100ドル～800ドル程度の３Dモデル作成費用が掛かる。ただし在庫保有や紙製
のカタログ廃止に伴い、コスト削減効果が出るのでいくらかは相殺される（デロイト）

30. VR/ARによる医療効果
救急処置室にいる患者をVRでリラックスさせ、鎮痛剤を使わずに痛みを緩和する試みが行われていま
す。同病院の救急部門トップであるOlivier Ganasia医師は、VRを治療で使うことは「催眠」のよう
なものだと言います。
Ganasia医師は「VRを使うことで、治療中に患者の気を紛らわせ、痛みや不安を抑えることができま
す。私の考えでは、今後10年の内に、VRを治療中に使うのは当たり前のことになるでしょう」と話
しています。（フランスの病院）

31. VR/ARによる医療効果
救急処置室にいる患者をVRでリラックスさせ、鎮痛剤を使わずに痛みを緩和する試みが行われていま
す。同病院の救急部門トップであるOlivier Ganasia医師は、VRを治療で使うことは「催眠」のよう
なものだと言います。
Ganasia医師は「VRを使うことで、治療中に患者の気を紛らわせ、痛みや不安を抑えることができま
す。私の考えでは、今後10年の内に、VRを治療中に使うのは当たり前のことになるでしょう」と話
しています。（フランスの病院）

32. VRデバイスタイプ
■独立タイプ
主流のヘッドセットタイプ、単独で楽しめる。
OculusQuest2等
■PC・ゲーム機接続タイプ
高解像度の映像を体験できる。
ＰSVＲ(2)等

33. VRデバイスタイプ
■スマートフォン装着タイプ
安価で手軽に購入できるものが多い。

34. 最新周辺デバイス
■触感ベスト
衝撃等をフィードバックする。
■触感ベスト

35. 最新周辺デバイス
■歩行デバイス
VR空間を歩き続けることができる。
■臭いの再現

36. 最新周辺デバイス
■３Dスキャナー
■360度カメラ（立体撮影対応）

37. 最新周辺デバイス
■スマートコンタクトレンズ
ディスプレイの超小型化
■電子皮膚
トラッキングセンサの超小型化

38. 以上