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2023 年も宙畑をご覧いただき、ありがとうございました。
2023 年は日本から宇宙ビジネス関連企業が 3 社上場し、日本政府が 10 年 1 兆円の宇宙戦略基金の創設を明言
するなど、民間企業の活躍にますます注目が集まる 1 年となりました。世界各国の宇宙ビジネスもさらに勢いを
増し、様々なメディアや SNS で宇宙ビジネスの話題を見たという方も多いのではないでしょうか。
『宙畑』
では 2020 年より
「宇宙ビジネスゆく年くる年」
と題して、
1 年の振り返りと新年の抱負について、
様々
な宇宙ビジネス企業にアンケートをさせていただき、宇宙ビジネスの盛り上がりを読者の皆様に紹介していま
す!
第 4 回目となる今年は以下 3 つのメインの質問をお伺いしました。
・2023 年のトピック
・顧客と提供価値について、実事例と今後狙っていきたい理想的なユースケース
・2024 年の抱負
そのほか、前年に続いて、宇宙ビジネスの市場規模や投資額が 2023 年はどのように増減すると思うかといった
質問にも回答いただきました。
「こんなこともあったな」
「この企業はこんなこともやっていたのか」
「来年が楽しみだな」と年末年始の隙間時
間のおともに記事をご覧いただけますと幸いです。
2023 年 12 月 28 日
宙畑編集部
今回アンケートに協力いただいた 48 社(1 社非回答)に、2024 年の世界の宇宙ビジネス予測を、投資額・市
場規模・新規参入企業数の 3 つの観点で伺いました。
いずれも増加すると回答した企業の割合が多い傾向は例年通りでしたが、2023 年と比較して横ばい、または減
少を予測する企業も 15~25%は存在しているという結果となりました。この結果は 2022 年と比較すると
10%程度良くなっています(2022 年は 25~35%)
。
これは、政府による大型予算の発表の効果も大きいと考えられます。日本版 SBIR(Small Business
Innovation Research)制度や 10 年 1 兆円規模の宇宙戦略基金など国として宇宙ビジネスへの大規模な投資を
表明しており、今回回答いただいた企業も数多く採択されています。
加えて、2023 年は ispace、Ridge-i、QPS 研究所が上場を果たしており、市場全体の注目度の高さが窺えま
す。
2024 年は政府や民間からの資金を宇宙ビジネス飛躍の起爆剤にできるか、正念場の一年になりそうです。
株式会社アークエッジ・スペース..............................................................................................5
株式会社 ispace...................................................................................................................6
株式会社 IDDK ....................................................................................................................7
株式会社アクセルスペース......................................................................................................8
株式会社アグリライト研究所 ...................................................................................................9
アストロスケール............................................................................................................... 10
Archeda, Inc.................................................................................................................... 11
インターステラテクノロジズ株式会社 ...................................................................................... 12
UMITRON........................................................................................................................ 13
一般社団法人 ABLab ........................................................................................................... 14
株式会社 ElevationSpace ..................................................................................................... 15
株式会社オーイーシー ......................................................................................................... 16
株式会社 QPS 研究所........................................................................................................... 17
KDDI 株式会社 .................................................................................................................. 18
さくらインターネット株式会社 .............................................................................................. 19
サグリ株式会社.................................................................................................................. 20
SEESE 株式会社................................................................................................................. 21
株式会社 SIGNATE ............................................................................................................. 22
シスルナテクノロジーズ株式会社............................................................................................ 23
株式会社 Synspective ......................................................................................................... 24
スカパーJSAT株式会社.................................................................................................... 25
株式会社 SPACE WALKER .................................................................................................... 26
SPACE COTAN 株式会社 ...................................................................................................... 27
株式会社スペースシフト....................................................................................................... 28
Space BD 株式会社 ............................................................................................................ 29
Space Port Japan.............................................................................................................. 30
ソニーグループ株式会社....................................................................................................... 31
損害保険ジャパン株式会社.................................................................................................... 32
株式会社 DigitalBlast .......................................................................................................... 33
株式会社天地人.................................................................................................................. 34
東京海上日動火災保険株式会社 .............................................................................................. 35
株式会社 TOWING.............................................................................................................. 36
トヨタ自動車株式会社 (TOYOTA MOTOR CORPORATION)........................................................... 37
日本地球観測衛星サービス株式会社......................................................................................... 38
株式会社 New Space Intelligence.......................................................................................... 39
株式会社パスコ.................................................................................................................. 40
パナソニックインダストリー㈱ 宇宙プロジェクト....................................................................... 41
株式会社羽生田鉄工所 ......................................................................................................... 42
PwC コンサルティング合同会社 ............................................................................................. 43
株式会社 Pale Blue ............................................................................................................. 44
三菱電機株式会社............................................................................................................... 45
株式会社 minsora............................................................................................................... 46
明星電気株式会社............................................................................................................... 47
YuMake 株式会社 ............................................................................................................... 48
LAND INSIGHT 株式会社 ..................................................................................................... 49
株式会社 Ridge-i ............................................................................................................... 50
一般財団法人 リモート・センシング技術センター(RESTEC) ..................................................... 51
株式会社ワープスペース....................................................................................................... 52
株式会社 Yspace ................................................................................................................ 53
・3U の超小型人工衛星「OPTIMAL-1」の通信確立と画像撮影などに成功
・船舶向け通信衛星コンステレーションによる海洋状況把握技術の開発・実証事業に採択
・10 月には経産省 SBIR で「高度な衛星リモートセンシングデータ」
(中高空間分解能と高波長分解能を統合
したカメラシステム)
を搭載する人工衛星及びその利用を通じた新たな宇宙産業創出に向けたビジネス実証を
採択
弊社の提供価値は、世界最先端レベルの超小型衛星コンステレーションの設計、開発、運用技術を核として、
顧客のニーズに最適化された衛星サービスを創出することが挙げられます。具体的な顧客像としては、小型衛
星コンステレーションの運用者のほか、
衛星から生み出されるデータを間接的に利用するユーザ企業等が想定
されます。今後、船舶向けの衛星通信の分野では、海運企業や漁業者等をターゲットとした海洋安全方法の提
供や自動航行を含めた海上物流の効率化等、高度な衛星リモートセンシングの分野では、森林・工場等からの
GHG 排出モニタリングや海上油田の環境モニタリングをより安く、効率的に行えるという価値を提供して参
ります。
弊社はこれまで3U、
6U といった超小型衛星の標準バス開発等を進めてきましたが、2024 年の計 10 機以上
の衛星の打上げを皮切りとして、
衛星の量産化や、
コンステレーション化への取り組みを本格化して参ります。
2025 年以降は、政府の K プロで受託した船舶向けの衛星通信コンステレーションや、SBIR で採択された中
高空間分解能と高波長分解能を兼ね備えた高度な衛星リモートセンシング等について事業化を見据えた実証
事業を本格化する予定です。
6
ispace
「人類の生活圏を宇宙に広げ、
持続性のある世界へ」
をビジョンに掲げ、
月面資源開発に取り組んでいる ispace
は、2023 年に HAKUTO-R プログラムの Mission 1として日本初、民間主導のランダーでの月面着陸を目指
し、実際の宇宙空間にて技術的信頼性を実証することができました。
その他、東証グロース市場上場、当社米国子会社、ispace technologies U.S., inc へ元 NASA 宇宙飛行士/米
空軍大佐のロナルド・ギャレンを CEO に迎えた新経営体制の発表、US オフィスの本格的な運用開始と US で
開発を進める月着陸船 APEX1.0 の公開、経済産業省「中小企業イノベーション創出推進事業」への採択、さ
らには、欧州子会社が開発するマイクロローバーの最終デザイン発表(Mission 2 で活用予定)など、着実に大
きな成果を収めることができました。
2024 年冬に打ち上げが予定されている HAKUTO-R の Mission 2 に向けて必要な準備を進めて参ります。
Mission2の目的は、Mission 1 で得た成果を踏まえたランダーの設計・技術、月面輸送サービスおよび月面デ
ータサービスの提供という事業モデルの更なる検証と強化です。ispace が中長期的に目指すシスルナ経済圏
の構築を推進する上で重要施策となる月面資源探査の初期的な取り組みを、
欧州子会社が開発するマイクロロ
ーバーを中心に実施する予定です。
7
IDDK
プレシリーズ A のファーストクローズが完了し、ミッション実現のための第一歩を踏み出すことができまし
た。IDDK は宇宙バイオ実験のプラットフォーム企業になることで宇宙利用の民営化を促進し、地上での研究
だけでは解決できない人類課題に対してイノベーションを生みだす場を提供します。今回の調達資金を活用
し、次世代 MID の開発や 2024 年度の軌道上実証および体制強化を図る計画です。人工衛星による宇宙バイ
オ実験は、通信やリモートセンシングに次ぐ新たな人工衛星のコンテンツとして宇宙産業の発展に貢献し、宇
宙という新たなフィールドでの発見や技術開発を通じて地上の発展に貢献するとともに、
人類が宇宙で豊かに
生活するための実験や研究を支えるインフラの一部となることを目指しています。
空間や重量に大きな制限がある人工衛星の中で顕微観察を伴うバイオ実験を行う上で、
当社の独自技術である
MID 技術は軽量、コンパクトに顕微観察を行うことができ、極めて高い有用性があります。この技術を世界に
先駆けて発展させることで技術的な優位性を維持するとともに宇宙でできる実験を増やすことができます。
ま
た、当社が手掛ける宇宙バイオ実験事業では、国際宇宙ステーションのような特殊な施設を使わずに、人工衛
星を利用して多くの実験を低コストで実現することを目指しています。
日本初民間主導の人工衛星を利用した地球低軌道宇宙バイオ実験プラットフォームの構築を目指し、2024 年
には実証実験、2025 年からはサービスを開始し、
「いつでも」
「どこでも」
「だれでも」使える顕微観察技術
MID を微小重力などの特殊環境の「宇宙でも」あらゆる顧客に対してサービス提供します。また、2030 年の
国際宇宙ステーション(ISS)退役を見据えた商業宇宙ステーションプラットフォームも視野に、宇宙空間に
おけるバイオ実験を中心に新たな宇宙利用の顧客開拓・市場拡大を目指します。
8
おかげさまで、弊社は 2023 年に設立 15 周年を迎え、設立当初に 3 名だったメンバーは約 150 名となりま
した。今年は、経済安全保障プログラム*「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」に採
択され、
「Beyond 5G(6G)
」に向けて、光中継コンステレーションを利用した衛星データ送受信のリアルタ
イム化への取り組みを開始したほか、株式会社 Space Compass、東京海上ホールディングス株式会社と、衛
星活用に係る資本業務提携契約を締結。
宇宙ビジネスとサステナビリティの両立を目指す
「Green Spacecraft
Standard 1.0」の策定も行いました。
*国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による事業
AxelGlobe 事業では、
自社衛星 GRUS
(グルース)
5 機を用いた独自の地球観測サービスを提供しています。
一般に衛星データは、
撮りためたデータのなかから必要なものを顧客が選択的に購入するアーカイブ型で提供
されます。一方、AxelGlobe では、GRUS の姿勢制御性能の高さを生かして、タスキング型でのデータ提供を
実現しています。緊急対応等を含む観測リクエストに柔軟に対応できるため、農業、防災、環境等のほか、近
年は報道分野での利用も増加しています。さらに、スペースデブリの観測等に役立てられる SSA(宇宙状況認
識・Space Situational Awareness)も新たな応用例のひとつです。
AxelLiner 事業の一環として、小型衛星の机上検討から設計製造、打ち上げ、軌道上運用までをワンストップ
で提供する革新的なサービスの実現に向けた研究開発を進めており、2024 年にはその実証衛星 Pyxis(ピク
シス)の打ち上げを予定しています。
今後は、自社の小型衛星コンステレーションの機数増強による地球観測サービスの強化のほか、政府や民間事
業者に向けた小型衛星開発・運用サービスの本格化、光データ中継衛星コンステレーションの構築などを通じ
て、
より多様なニーズに応えられるソリューションを提供し、
引き続き、
弊社のビジョンである“Space within
Your Reach 〜宇宙を普通の場所に〜”の実現を目指していきます。
9
2023 年の春、山口県内 1400 以上の圃場で衛星データを利用した製パン小麦の品質(子実タンパク含量)向
上のための施肥量と施肥時期の情報提供を行いました。
収穫後の調査で情報を提供した地域で品質が向上した
ことが確認されました。また、熊本県や経済産業省の補助事業に採択され、山口県以外の地域で小麦以外の作
物への営農情報の提供に向けた開発実証を進めています。
衛星情報の提供も行う大手の営農管理システム(ザルビオ)が大幅な値上げを行ったことで、当社の提供情報
との価格差に悩まされることがなくなったことは福音でした。
大手サービスではコストの面で手の届かない地
域農業の課題に対応できる「真に欲しい情報」を届けることを主眼に、小麦以外の作物への展開、山口県以外
の他地域への展開を、生産者だけではなく農業生産品の実需者(仲買人、加工業者、農協など)への情報とし
ても提供できることで、コスト負担をお願いしやすいビジネスとしたい。
山口県が進めている小麦の新品種への対応も含め、
山口県産小麦の高品質化に寄与する情報提供サービスの充
実を図っていきます。さらに、他地域、他作目への展開を進め、食糧生産にかかわる方たちが「天気予報を見
るように衛星データ情報を見る」社会の実現を目指します。
10
2023 年はアストロスケール創業 10 周年の年でした。大きな出来事を一つ挙げるとすれば、やはり新本社へ
の移転です。オフィスエリアはもちろんのこと、515 平方メートルの広さを誇るクリーンルームもすでに稼働
を始めており、また別フロアに設けた一般向け見学施設「オービタリウム」には多くの方にお越しいただいて
います。
アストロスケールといえば
「デブリ除去」
というイメージが強いかもしれませんが、
それだけではありません。
軌道上サービスに専業で取り組む企業であり、デブリ除去や衛星の寿命延長のほかにも、観測・点検の開発を
進めています。2023 年には、文部科学省による SBIR 制度において、宇宙分野(事業テーマ:スペースデブ
リ低減に必要な技術開発・
実証)
を対象とした大規模技術実証事業
(フェーズ 3)
に採択されました。
最長 2028
年 3 月までの間で文部科学省からの補助を受け、大型の衛星を対象デブリとした近傍での撮像・診断ミッショ
ンを開発・実施します。
商業デブリ除去実証衛星 ADRAS-J のミッションを控えています。非協力物体の大型デブリ(日本のロケット
上段:全長約 11m、直径約 4m、重量約 3 トン)への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブ
リの運動や損傷・劣化状況の撮像を行うものです。本ミッションは、実際のデブリへの安全な接近を行い、デ
ブリの状況を明確に調査する世界初の試みです。
11
Archeda, Inc.
・森林解析案件の受注数増加
・チームの拡大
・森林管理の効率化
・カーボンクレジットの創出、評価
・サプライチェーン上の自然影響リスクの可視化
・資金調達を通じた更なる事業拡大
・採用の強化
・海外展開を念頭においたプロジェクト推進
12
2023 年は開発・事業ともに大きく進捗した 1 年になりました。小型人工衛星打上げロケット「ZERO」は、
エンジン「COSMOS」の燃焼器単体試験に成功。民間企業としては、液化バイオメタンを燃料として使った世
界初の事例となりました。ZERO で初めての開発となるターボポンプも冷走試験に入り、推進剤タンクや衛星
フェアリングなど各コンポーネントの開発や試験が同時並行で進んでいます。事業面では、文部科学省の「中
小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フェーズ 3)
」に採択いただきました。海外展示会に積極的に出展
するなど、ZERO の海外営業にも力を入れています。
ZERO がターゲットとする小型衛星の重量は、100〜200kg 級がボリュームゾーンとなっています。ZERO は
昨今のトレンドを見据え、国内をはじめ海外の旺盛な需要も取り込んでいくため、搭載可能な衛星重量を地球
低軌道(LEO)に最大 800kg を打ち上げられるロケットに能力増強を図ることを発表しました。これにより
国内の自立的な宇宙輸送サービス構築に貢献するとともに、アジア・オセアニアや欧州市場におけるポジショ
ンを確立していきます。
開発面では、コンポーネントごとにフルスケールでの試験が本格化します。一つひとつの試験を着実にクリア
し、2024 年度以降の早い時期の初号機打上げを目指していきます。合わせて、将来の量産化を見据え、拠点
の拡張を含めた生産体制の整備にも取り組んでいきます。SBIR のフェーズ 2 獲得に向けて、開発・事業とも
に確実に進捗させていくのが大きな目標です。
13
UMITRON
弊社技術を活用して育てられたサステイナブルシーフード「うみとろん」をレストランやスーパー等で取扱っ
て頂きました。提供数は計 300 万食を超え、大変多くの方に食して頂いたことに感謝感激しております。ま
たテクノロジーの活用では海洋リモートセンシングの技術と養殖業との接点でブルーカーボンのモニタリン
グサービスを提供し、多くの人に支えられながら「持続可能な水産養殖を地球に実装する」という弊社ミッシ
ョンの遂行を着実にすすめることが出来た 1 年でした。
養殖業においては海洋環境の変化や飼料原料価格の高騰などの課題がより顕著になりつつあり、
テクノロジー
によってこれらの課題への対応策を作り出していくことをニーズとして感じております。
引き続きリモートセ
ンシングを含むテクノロジーの活用により養殖業の発展に貢献したいと考えています。
引き続き、持続可能な養殖業の発展への貢献と、サステイナブルシーフードの販売展開を全力で進めていきた
いと思います。ご協力、応援宜しくお願い致します!
14
ABLab
ABLab は非営利の組織ではありますが、コミュニティ事業の売上としては前年比約 2 倍へと事業規模を大き
く拡大できた年になりました。
全ての収益は宇宙産業に貢献するためのコミュニティ活動予算として消化しな
がら取り組んでおり、来年以降の更なる成果へとつながっていくことが期待できます。
その活動のひとつとして、宇宙イベント・展示会への出展があり、2023 年は主なもので 7 つのイベント・展
示会に出展しました。特に 10 月の北海道宇宙サミットではダイヤモンドスポンサーとして開催に貢献し、業
界における存在感を強化できたと思います。また、2 月の国際宇宙産業展から得られたインサイトに基づき、
6 月から法人会員を迎えての活動をスタートしました。それにより企業リソースを活用したより大きな取り組
みが可能となり、今後の ABLab の業界貢献に対するポテンシャルが大きく高まったと考えています。
ABLab ではこれまで約 5 年間に渡って、宇宙ビジネスに挑戦する個人を支援する場としてコミュニティを運
営してきました。そして 2023 年 6 月からは、同様に企業向けの支援を強化しています。成長する宇宙市場に
関心はあるものの参入の糸口が見つけられずにいる企業を対象に、
コミュニティを活用した安価な支援を提供
することで、低コストで業界参入を検討し、活動開始、そして事業化までのスピードを加速することができま
す。自社で宇宙事業参入を検討する際に、100 人規模の熱量高きコミュニティが味方になってくれることをイ
メージしていただければ、その心強さを感じていただけるのではないでしょうか?
6 月から法人会員として参加いただいている株式会社スペースデータの佐藤航陽氏からも、
入会後 3 ヶ月で想
像以上の進捗ができたと評価いただいています。
2023 年後半の展示会出展を通して得られたインサイトにより、つい先日から新たな事業に向けた取り組みを
スタートしています。2024 年はグローバルも視野に入れた更なる大きな挑戦の年になる見込みです。まだ計
画段階ではありますが、その挑戦によって ABLab にはより大きな価値が集まり、事業創出や事業成長におい
てより強力な推進力となるでしょう。宇宙に挑戦する人や企業にとってかけがえのない存在として、引き続き
成長していきたいと考えています。
15
ElevationSpace
初号機衛星の愛称が「あおば」に決定。世界初の宇宙実証を目指す、小型人工衛星を地球に帰還させるための
高推力&経済性&安全性を兼ね備える”ハイブリッドスラスタ”が長時間燃焼に成功するなど、試験用モデルに
よる各種地上試験が進行中。
初号機衛星では宇宙機用小型推進システム、宇宙転用を目指す車載コンポーネントなどの実証を行うほか、株
式会社ユーグレナによる「ミドリムシ」の宇宙培養実験を行うための超小型細胞培養モジュール開発を支援す
るなど、実証の”場”だけでなく、実証に必要となるコンポーネントの製作も支援。
初号機、2 号機の研究開発を着実に進めるとともに、社会情勢としては 2030 年に ISS が退役するという商業
化への大きな転換点に直面しており、世界中で地球低軌道利用のあり方が盛んに議論されています。日本が世
界に誇る再突入・回収技術を活用し、Post ISS の商業利用をリードする場を提供し、宇宙環境利用のすそ野を
広げるべく事業開発にも取り組んでまいります。
16
経済産業省の衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」における衛星データ無料利用事業者に
採択され、光学衛星ならびに SAR 衛星データの利用にチャレンジしています。また、その一部を活用し、ア
プリ化にも取り組んでいます。
弊社は IT 企業であり、衛星画像を一つのデータと捉えれば、そのデータを活用し、地上の課題解決に役立て
たいと考えています。
チャレンジしているアプリ化事業を一つ形とするとともに、
現在宇宙アイデアソン にも参加していますので、
そこで創出されたビジネスアイデアの実現に挑戦していきたいです。
17
QPS
3 月 10億円の追加資金調達を実施し、資金調達の累計総額は約 92 億円へ
6 月 1 機目の商用機となる小型 SAR 衛星 QPS-SAR6 号機の打上げに成功
6 月 鹿児島県立楠隼中高一貫教育校「シリーズ宇宙学」で新しい人材育成プログラムを開始
7 月 6 月に打上げた 6 号機が日本最高分解能 46cm の画像取得に成功
10 月 最大 41 億円の経済産業省「SBIR フェーズ3事業」に採択、また同月にシンジケートローンによる総
額 50 億円の融資契約を締結
12 月 東京証券取引所グロース市場へ上場
12 月 商用機 2 機目となる QPS-SAR5 号機の打上げに成功
弊社の画像データ販売は現在は国内官公庁向けが中心となっており、2022 年 3 月以降に官公庁案件を総額約
60 億円獲得しています。今後は打上機数の増加に伴って、より高頻度、高分解能のデータ提供することによ
り、国内のインフラ管理、災害対応、保険といった分野の開拓、海外へ展開、拡販強化を進めていくことを考
えています。
弊社の衛星コンステレーション構築に向けて、
2027 年度末までに 24 機体制、
そして最終的に 36 機体制を目
指していきます。
今回の上場ならびにシンジケートローンにより 18 号機までの製造・打上げ資金が確保でき、
2023 年度中に追加で 2 機、2024 年度中に 4 機の打上げを計画しており、これまで具体的な商談や実証の遂
行が難しかった国内の民間事業者や、海外への拡販を進めていく予定です。また、2024 年度に QPS-SAR の
製造能力を現在の年間 4 機から 10 機へ増加させる体制を整え、コンステレーションの構築を加速させます。
18
KDDI
2023 年は Starlink の活用が加速した1年でした。
法人向けの Starlink Business では、これまでの陸上向けに加え、海上向けのサービスも提供開始し、海運・
旅客船舶・研究実習船・漁船など幅広い事業者様に採用いただきました。
また、
公衆 Wi-Fi と組み合わせた
「フ
ェス Wi-Fi」や「山小屋 Wi-Fi」などの新たなサービスも開始し、非日常における快適な通信環境の整備を実
現いたしました。
また au の基地局のバックホール回線に Starlink を利用することで、au のエリアも拡大しています。法人向
けの「Satellite Mobile Link」のご利用も広がっております。
更に、2024 年内の衛星とスマートフォンの直接通信サービスの提供に向け、スペース X 社との新たな業務提
携を締結しました。これにより日本全土に au のエリアを拡張し、
「空が見えれば、どこでもつながる」体験を
実現していきます。
・2024 年は、昨夏に利用が認められた「Starlink Maritime」の広がりに期待をしています。これまで海上で
利用されていた従来の衛星通信サービスから、大きく通信速度や通信容量が改善し、海上でも高速通信が可能
となり陸上と遜色ない環境が整いつつあります。
・現段階では、
内航での利用に限られていますが、
多くの利用者のみなさまから好評のお声をいただいており、
更なる海上利用や、船舶の DX が進むことに期待をしています。
・また 2024 年は「空が見えれば、どこでもつながる」衛星とスマートフォンの直接通信サービスの提供に向
けて準備を進めていきます。
・2023 年が Starlink 元年となり、様々な取り組みによって、日本中のみなさまに Starlink を認知いただくこ
とができました。2024 年は、さらに新しい施策も交えながら、
「Starlink による通信環境の変化」を体感いた
だく場を拡大し、
「日本のどこにいても、つながらないがなくなるように」を実現したいと思います。
19
2023 年のトピックの 1 つは、経済産業省の令和 4 年度補正「多種衛星のオンデマンドタスキング及びデータ生産・配信技術の研究開発」の委
託先として、株式会社アクセルスペース、株式会社パスコ、国立研究開発法人防災科学技術研究所とともに採択されたことです。Tellus を通し
て、衛星データの利活用を促進できるように引き続き開発を進めてまいります。
また、同じく経済産業省が昨年度から実施している「衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」として衛星データの提供や開発
環境を採択された事業者さまに提供しています。
サービスとしては、Tellus のクラウド環境上 QGIS を使って、Tellus に搭載している衛星データの検索から解析までできるサービス「Tellus
Satellite Data Master with QGIS」の運用を開始しました。
それに伴い、リモセン学会誌への寄稿や、国内各地での講演対応、Tellus を利用した解析ハンズオンの開催なども行ってまいりました。さらに
コミュニティの場としての「TellusSatelliteCafe」も 3 年ぶりにリアル開催し、利用者のみなさまから直接フィードバックをいただく機会も多
く作ることができました。
Tellus はデータプラットフォームとして、衛星データの利用を通して利用者、クライアントとともに社会に貢献できる新しいソリューションを
創造していくことが我々のミッションです。
Tellus に搭載している衛星データを活用できるクラウド環境の提供のほか、データプロバイダーのみなさまがお持ちのデータを円滑に販売でき
る環境つくり、利用者のニーズに合わせたサービスの向上を目指します。
昨年と比較して衛星データの購入や、自社サービス向上に向けた衛星データの利用検討、衛星データについてのセミナー開催の要望など、問合
せいただくことが増加しています。今後も衛星データを活用する際に、まず Tellus を見てもらえるプラットフォームとしての立場を確立してま
いります。
Tellus へのデータの搭載を進めるほか、UIUX を改善しよりビジネス創出に貢献できるプラットフォームとしての確立を目指します。具体的に
は、オンデマンドタスキングシステムの構築を進めるとともに、
「Tellus Satellite Data Master with QGIS」を中心としたサービスの向上、衛
星データ利用者の増加を目的にした教育コンテンツの拡充や Tellus を利用した各分野での事例創出など、ビジネスプランも明確にし、技術的に
もビジネス的にもパートナーと連携しやすいプラットフォーム作りを進めてまいります。また、具体的な衛星データを活用したビジネス創出も
目指します。
20
シンガポールへ拠点を設立し、ASEAN の活動が本格化、アフリカ・中南米への事業展開。J-startup 及び J-
startup Impact に選出。中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)テーマ B への採択、ICC サミット
KYOTO 2023 カタパルトグランプリ優勝
日本の農地管理を行う行政(農業委員会・再生協議会)の農地調査の効率化のみならず、農地のマッチングや
集約に向けたサポートも「アクタバ」
「デタバ」で実施。
また、肥料高騰に伴う、土壌分析のニーズも非常に高く、衛星データで簡易的な土壌分析を提供。グローバル
12 カ国で、それらを展開しており、新興国農地での、経費削減とカーボンクレジット創出による所得向上へ
取り組みを進めている。
国内外(特に新興国)で農業現場のサポートをできるように技術投資を実施する。
新興国でのカーボンクレジット創出と、先進国での販売をスタンダードにすべく、グローバル人材の採用を強
化する。そのために必要な資金調達をしっかりと行いつつ、IPO に向けた管理体制を強化する。
21
SEESE
2023 年 7 月から東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター(CYRIC)様、および株式会社光エ
ンジニアリングサービス様と協力し、
「ワンストップ放射線試験サービス」を開始しました。随時予約可能な
受付体制とともに、ユーザが効率的に放射線照射試験を実施できる体制を提供しています。
また、第 67 回宇宙科学技術連合講演会では弊社主催で宇宙・地上含む放射線ソフトエラーに関するセッショ
ンを開催し、産業・学術領域における共通課題や先端研究について情報交換の場を設けるなど、特に放射線分
野における関連プレイヤーとの繋がりを強化してきました。
宇宙空間での利用を想定した部品からシステムレベルのハードウェア開発、販売に携わるユーザ様(新規参入
者含む)については、環境試験施設の紹介、試験計画の立案、試験支援、解析評価支援などを行ってまいりま
した。
また、環境試験設備を保有する施設様については、ユーザが効率的に設備を利用可能な Web プラットフォー
ムへの掲載を通じた広報活動や試験支援等を実施してきました。
今後のユースケースとしては、環境試験だけでなく、部品選定及び調達プロセスの支援などより幅広いバリュ
ーチェーン支援を行なっていきたいと考えております。
下記を実行予定です。
・放射線試験プラットフォームの実装及び初期運用
・COTS 品データベースの実装及び初期運用
引き続き、経済産業省様との連携(委託事業)の元、放射線をキーワードとした製造業エコシステムの構築を
目指します。
そのために業界の横の繋がりを強化し、
ユーザ側とインフラ側の需要と供給の最適化を図ります。
また放射線に限らず、製造業サプライチェーンにおける部品調達から試験評価までの総合支援サービス(例え
ば COTS 品データベースなど)の更なる拡充を狙います。
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SIGNATE
日本最大の AI 人材会員基盤は 10 万人をこえ、コンペティションに対する注目度も上がった年でした。
ChatGPT に代表される生成 AI が1年足らずで大きな社会インパクトを与え、SIGNTAE の生成 AI 関連新サ
ービスが複数はじまり、高い需要を感じています。宇宙領域では SBIR において LLM を用いた衛星データ解
析の研究開発を開始しました。
GPT を活用した複数種のデータをかけあわせたデータ活用プランの作成や分析補助サービスの提供を試験的
に開始しています(例:人流データ X 自社店舗売上データ)
。今後、衛星データなど、様々なデータに対応す
ることで、データ活用を民主化していきたいと考えています。
2024 年も引き続きコンペティション・会員基盤の成長を目指していきます。生成 AI 系の支援サービスを強
化していき、多くの顧客の業務改革・データを活用した意思決定を効率化していきたいと思います。
23
シスルナテクノロジーズは、2023 年に設立された東北大学吉田研究室発の超小型人工衛星ミッションインテ
グレーターです。1 期目である今期は最初の衛星の開発案件を受注し、1 人目の社員を採用し、来期以降に向
け、幸先の良いスタートが切れた年となりました。
国内外の政府系研究機関や、大手宇宙関連企業、宇宙ベンチャー企業等の顧客に対して 50〜100kg 級の超小
型人工衛星を企画から運用までのトータルサービスの提供を実施します。
また衛星の概念設計等のコンサルテ
ィングや関連機器の試験などのエンジニアリングサービスも提供しています。
弊社にとっての最初の案件のデリバリーを確実にしながら、
来年 4 月入居予定の衛星組立施設を拠点に複数機
同時製造が可能な体制を構築していきます。
24
Synspective
大きなトピックとしては3つあり、まず、2018 年に創業した当社は今年 5 年を迎えることができました。こ
れまでに 3 機の小型 SAR 衛星の軌道投入と画像取得の成功を収め、現在に続き、取得画像の精度の向上や運
用の効率化を図りながら次世代衛星の開発も進行しています。次に本年は、内閣府や各省庁の事業に採択され
るなど、高頻度撮像が可能な小型衛星コンステレーションへのニーズが高まっていることを実感した年でし
た。そして 3 つ目は、自社の解析ソリューションの品質向上と海外パートナーの増加が上げられます。顧客の
要望や世の中のニーズに応える形で、サービス構築に勤めると共に、アジアを中心としたグローバル展開を視
野に入れた戦略的パートナーシップを強化してきました。
Synspective が顧客に提供する価値はデータを提供することだけではありません。
宇宙から得られるデータを
元に地球環境の理解が可能になることです。地球の外側から客観的・定量的にデータを取得できるようになれ
ば、例えば地球の温暖化に対してどのような活動(事業活動)をすることに意味があり価値になるという判断
基準がデータによって生まれると考えています。私たちの提供するサービスが SAR データだけでなく、解析
ソリューションを踏まえているところの大きな理由となります。事例としては、JICA 様とのグアテマラ国に
おける新たな陥没リスクの発見や、
世界銀行とネパール国における土石流及び洪水被害の影響を斜面不安定性
検知機能を活用した特徴的な変動箇所の検出など、地球環境を観測・解析することで新たな理解と発見を提供
することが可能になりました。
来年の 4 月頃には中央林間にて衛星の量産拠点を新設します。
新設される拠点では現在の開発拠点から徐々に
集約させていき、生産・量産体制の構築や新たな衛星の開発環境も担います。また新たな衛星の打上げから、
解析ソリューションのアップデート、
SAR データの提供数や品質向上などのサービス提供部分や、
グローバル
展開を視野に入れた戦略的パートナーシップの強化など 2024 年は今まで以上に速度を上げ事業展開をして
まいります。
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2023 年は衛星通信ビジネスの拡大、衛星データビジネスにおける新たなサービスの開始など、かねてからの取り
組みが実を結んだ 1 年となりました。
・Intelsat と共同で Horizons-4 を打ち上げ、衛星フリートを 17 機に拡充。北米・太平洋地域の増加する通信需要
に対応。
・2027 年上期に運用開始予定のフルデジタル衛星 Superbird-9 のプレセールスを開始。
パナソニック アビオニク
スへの航空機向け大容量帯域提供が決定。
・JAXA と近地球追跡ネットワークサービス提供に関わる協定を締結。民間衛星向けサービス提供も視野。
・QPS 研究所と小型 SAR 衛星運用業務にかかる協業を開始。事業面に加え、技術・運用面での連携を強化。
・伊藤忠商事と協力してカタール環境省向けにオイル漏れ検知サービスの提供を開始。海洋汚染・海上災害防止に
貢献。
衛星オペレーターである当社としては、長年の運用実績を活かし通信の品質・安定性を維持しながら、HTS や新た
に打ち上げるデジタル衛星により通信の大容量化や柔軟性の向上を実現し、官公庁やインフラ企業をはじめとする
お客様のご要望にお応えすることが重要であると考えます。また、これまで提供してきた静止軌道衛星に低軌道衛
星、HAPS などを加えた多層的な通信ネットワーク(Universal NTN)を構築し、空飛ぶクルマやコネクテッドカー
など将来のユースケースにも対応してまいります。衛星データビジネスにおいては、パートナー企業と連携しなが
らサービス開発・販売活動を推進し、安全保障や防災・減災に加え、金融、農林水産、物流など新たな市場を開拓
してまいります。
2024 年は、船舶・航空機向けインターネット回線など成長市場に向けたサービス拡大により衛星通信ビジネスを
更に強化することに加え、衛星データビジネスの拡大、Universal NTN の構築、光データ中継サービスの実現など、
地上から宇宙空間までをビジネスフィールドとするスカパーJSATグループだからこそできるサービスの創造に
引き続き取り組み、超スマート社会の実現に貢献することを目指してまいります。また、宇宙環境の改善にも目を
向け、宇宙ごみ除去への取り組みなどを通じサステナブルな成長に向けて歩みを進めてまいります。
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SPACE WALKER
リアライズグループをリードインベスターとして、JAXA、JAL グループの株式会社 JALUX 等を引受先としま
した。シリーズ A ラウンドでは 7.13 億円のを実施し、累計調達額は約 17.5 億円となりました。
また、経済産業省・国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「SBIR 推進プロ
グラム」
(一気通貫型)に採択されました。さらに 9 月には、1 社最大 140 億の「文部科学省 中小企業イノベ
ーション創出推進事業」
(SBIR フェーズ 3)の宇宙分野(民間ロケットの開発・実証)に採択されました。
誰もが飛行機に乗るように自由に地球と宇宙を行き来する未来の実現を目指します。
持続可能な宇宙輸送手段
を提供し、新たな経済圏の拡大を目指します。また、宇宙輸送システム開発で培った技術を地上等の経済圏で
活かすことにより、地球と宇宙の相互発展に寄与します。
私たちはこれからも日本の宇宙輸送産業の新たな発展に全力を尽くします。2024 年は文科省 SBIR の補助金
を活用し、革新的な技術開発と経済圏の拡大に取り組みます。
宇宙輸送産業が日本の未来の鍵を握る事は間違いありません。歴史の大きな転換点のど真ん中で、私たちが勝
負できる環境にいるという事に、大きな使命を感じずにはいられません。私たちのミッションは、飛行機に乗
るように自由に宇宙を行き来できる未来を実現することであり、
これは単に宇宙へのアクセスを提供する以上
の意義を持ちます。日本の科学技術の優れた能力を世界に示し、国際競争において日本がリードする地位を確
立することが私たちの目標でもあります。
日本の未来を形作り、世代を超えて影響を与えるでしょう。業界の同志の皆様と共にこの挑戦に立ち向かい、
2024 年を日本の宇宙輸送が大きく飛躍する歴史的な年とすることを信じています。
27
SPACE COTAN
2022 年に着工した北海道スペースポート(以下、HOSPO)整備の第一期工事のうち滑走路延伸工事が進捗し
ました。春からは滑走路や格納庫等の既存施設の指定管理業者に採択され運営を開始、航空宇宙実験の受け入
れやサービス向上に取り組みました。文部科学省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フェーズ
3)
」により民間スタートアップのロケット開発・実用化支援が始まりましたが、採択企業 4 社のうち 3 社が
HOSPO での打ち上げ・実験を希望、さらには他の国内スタートアップや台湾の企業等も HOSPO の利用を希
望されており、宇宙港の必要性がより一層高まってきました。整備資金として企業版ふるさと納税制度を活用
していますが、人口減少に歯止めがかかる等全国的な優良事例として評価され、北海道大樹町が 2022 年度企
業版ふるさと納税制度の内閣府特命大臣表彰を受賞、寄附金額では 2022 年度全国 2 位となり、宇宙産業への
関心の高まりや支援の拡大がみられました。
HOSPO は、アジアの民間にひらかれた商業宇宙港として、国内外の民間企業をはじめとした宇宙関連事業者
に対して、ロケット発射場や滑走路等の設備、快適な打ち上げ環境を提供します。国内では共用の垂直型発射
場は他になく、
さらに垂直型打上げと水平型打上げの両方に対応できる宇宙港としても HOSPO は国内唯一の
宇宙港です。
現在整備中の人工衛星用ロケット発射場は、
インターステラテクノロジズの ZERO を第一顧客と
して想定していますが、共用の発射場として他の顧客獲得の営業活動も進めています。また、
「北海道に、宇
宙版シリコンバレーをつくる」というビジョン実現に向けて、宇宙港を核とした航空宇宙産業の集積、宇宙産
業による経済活性化や地方創生も目指しています。現在 7 社・団体が大樹町に進出しており、徐々に産業の集
積が始まっています。HOSPO は、アジアにおける商業宇宙港、宇宙ビジネスの中核拠点のポジションを確立
していきます。
第一期工事である人工衛星用ロケット発射場 LC-1 と滑走路延伸の工事完了を目指し、2024 年度以降の供用
開始に向けた運営方法やサービス内容の検討等を進めます。また、国内および海外の民間企業のサブオービタ
ルロケット打上げやエンジン燃焼試験等のニーズへの対応を進め、
民間企業のロケット開発をサポートしてい
きます。既に 7 社・団体が大樹町へと進出していますが、さらなる企業進出、関連産業の集積を目指します。
28
2023年は、2022年から続けてきた農業モニタリングのソリューションの開発が完了し、まずはキャベ
ツの価格予測から実用化に向けて動き出しました。研究開発から実用に大きく動いた年になります。また、ス
イス WEGAW 社との提携や、AWS Market Place への SAR 衛星データ解析アルゴリズムの提供など、ワール
ドワイドでの連携も大きく進捗しました。AWS に公開した新規建物解析アルゴリズムは、無料の SAR 衛星デ
ータである Sentinel1 のデータを用いて、2 時期を比較して新しくできた建物を検出するアルゴリズムです。
経済指標との相関分析や、自治体の土地利用管理などに活用可能です。
SAR 衛星を活用した農業モニタリング技術について、株式会社電通さまを利用者として技術実証を進めてお
ります。昨年より JAXA との J-SPARC 事業コンセプト共創プロジェクトとして技術実証を行っており、来年
より実利用へ移行する見込みです。衛星データ解析という最先端技術が、キャベツの価格予測に活用され、さ
らに調味料の CM 最適化を行うという、非常に身近な事例となっています。同様に、衛星から見える変化が身
近な課題の解決に役立つ事例をこれからも増やし、衛星データ利活用の可能性を広げていきます。
2024年は、海外展開の本格化および、日本政府が強化している宇宙産業への投資の獲得など、今後の企業
成長に重要な年になります。海外の衛星事業者とのさらなる連携や、欧州拠点の設立を進めていきます。来年
以降、超小型 SAR 衛星コンステレーションを始めとした、地球観測衛星の数が飛躍的に増大することがワー
ルドワイドで見込まれています。弊社は利活用可能なすべての衛星を組合せて解析する「ヴァーチャルコンス
テレーション」技術により、より高頻度、高精度な観測を可能にすることで、様々な分野での衛星データ利活
用を推進して行きます。
29
Space BD
宇宙のバリューチェーンを中心に様々な事業を手掛け、手広く仕掛けてきたものが徐々に形になってきた。具
体的には、
衛星開発事業者様を中心としたお困りごと
(顕在ニーズ)
に対し、
堅実にソリューションを提供し、
併せて宇宙の需要開拓に向けた潜在ニーズの獲得に向けて尽力し、売上も順調に伸びています。
上記の通り、宇宙バリューチェーンにおいて、手広く仕掛けている会社は世界で見ても当社唯一だろうと思わ
れる。特に今年は官中心に様々なお金が動き出している中、それをどうビジネス化をしていけるかという点に
おいては、今後も仕掛け続けていきたいと考えている。
会社として売上を更に伸ばしている中、人・組織の拡張に向けて尽力し、会社としても、更に面白い会社と思
っていただけるような仕掛けと作っていきたい。売上にならないケースだとしても、例えば、Space Week で
仕掛けた「日本橋周遊型謎解き」のような、宇宙業界全体を盛り上げる施策を Space BD としても貢献してい
きたいと考えている。
30
Space Port Japan
今年も日本各地のスペースポート、海外のスペースポートと多くの連携を行い、政策提言を行ってまいりまし
た(官民協議会における要望書の提出など)
。
非営利型の法人でありながら、会員に対して多くの情報を発信しております。また会員間のビジネスチャンス
をつないでおります。
日本に本格的な商業宇宙港を一日も早く稼働させること!
31
STAR SPHERE プロジェクトは宇宙をすべての人にとって身近なものにし、みんなで「宇宙の視点」を発見し
ていくプロジェクトです。1 月には、
「みんなの眼」となる超小型人工衛星『EYE』の打上げに成功。
「宇宙か
ら宇宙を、そして地球を見つめる体験」の提供を目指しています。
プロジェクトにとって 2023 年は大変重要な年でした。
●1 月初旬 打上げ成功〜通信成功
●2 月中旬 ファーストライトのダウンリンクに成功
●3 月下旬 姿勢制御および地上局の課題発生。 新たな姿勢制御方法、地上局の課題解決を模索検証
●6 月初旬 4K 動画のダウンリンク、フル HD 動画のライブストリーミングテストに成功。
『EYE』で「満月」
「オーロラ」
「HⅡA ロケット打上げ」などの撮影にチャレンジ。成功、失敗を繰り返しながら安定的な運用と
ノウハウを獲得
ソニーグループ全体としては、
STAR SPHERE プロジェクトだけではなくエンタテインメント領域や他社との
協業を含め宇宙を中心としたさまざまな事業の探索を行っています。2030 年にはグループの柱として発展し
ている事業を目指します。
引き続き宇宙を身近にする取り組みを継続し、ソニーだからこそお届けできる宇宙×エンタメの最前線を走り
ます!
「
『EYE』を通じた宇宙を身近にする体験の実現」
①宇宙撮影体験の本格導入②衛星操作体験機会の創出③作品を通じた新たな宇宙の楽しみ方提案など
32
①宇宙ビジネス専門部署の新設:近年の宇宙産業の多様化やビジネスモデルの変化を大きな機会と捉え、宇宙
スタートアップや宇宙産業に参入する企業との共創を通じて日本の宇宙産業拡大に貢献することを目指し、
2
023年4月に航空宇宙保険部に宇宙産業開発課を新設した。
②デロイト トーマツ グループ主催の「GRAVITY Challenge JP」に Challenger として参加。Innovator の
スタートアップと共に将来的な宇宙旅行の発展を見据えた宇宙往還輸送等のニューリスク研究に着手した。
③SOMPO リスクマネジメント社と協同で宇宙ビジネス支援サービスを開発。宇宙ビジネス事業者の成功・
成長をリスクマネジメントの観点から支援するもの。
小型人工衛星開発時における技術的な相談に対応すると
ともに、プロジェクトを成功に導くという視点からリスクを抽出し、その解決に向けた取組まで総合的な支援
を提供する。
主にスタートアップの衛星事業者の各々のビジネスに応じたニューリスク研究等を踏まえて適切な保険提供
に取り組み、事業拡大に貢献している。また、保険提供に留まらず、2023 年 11 月にリリースした宇宙ビジ
ネス支援サービスにおいては、開発に際し株式会社アークエッジ・スペースとともに、実際の衛星開発におけ
る課題・リスクの把握から具体的な解決策の提示までをSOMPOリスクマネジメント社の専門エンジニアが
伴走型で実施し、ロールモデルの構築を行った。
宇宙事業者との業務提携を通じ、宇宙に係るリスクの保険引受ノウハウ・リスクマネジメント能力の向上に取
り組むことで、宇宙事業者の健全な発展を支援し、宇宙産業の発展に貢献していきたい。
日本の宇宙産業の発展は、防災減災などの観点からお客さまの「安心・安全・健康」
、および日本の経済・技術
発展に資するものであることから、保険はもちろんのこと、それ以外のソリューション提供にも尽力していき
たい。
33
DigitalBlast
ライフサイエンス分野における多様な宇宙実験ニーズに対応するため、
月面での生態循環維持システム構築に
向けたプロジェクト
「NOAH」
のサービスラインアップ拡大に取り組んでいます。
多様な重力環境下での栽培・
培養を通して、生物の重力応答に関する基礎データを取得する小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ」に加
え、細胞培養実験に特化した「AMAZ Alpha」の研究・開発にも着手。その他、高等植物の栽培やタンパク質
結晶化成長、iPS 細胞などを用いた立体培養実験など、宇宙実験サービスの拡充に向け検討を進めています。
また、2 回目の開催となった総合宇宙イベント「SpaceLINK」は、700 名超えの来場者となり、盛況のうちに
終了することができました。
これまで利用機会が限られていた ISS での宇宙実験でしたが、DigitalBlast で開発中の宇宙実験装置の実験環
境を民間企業・研究機関の顧客に提供し、恒常的なライフサイエンス分野の宇宙実験サービスとして利用して
いただくことを目指しています。第一弾の小型植物の栽培実験用途が中心の AMAZ は、ISS への設置・運用を
目指し開発中です。
その他、
宇宙環境利用を活用したプロモーションや製品開発など、
ユーザーを拡大し、
ISS
「きぼう」日本実験棟の利用ニーズを高め、さらには「ポスト ISS」を見据えた LEO 経済圏の確立を図りま
す。
ISS 退役後の「ポスト ISS」に向けて、研究・開発する実験装置の利用はもちろんのこと、ISS「きぼう」実験
棟そのものの利用など、宇宙環境利用における市場の拡大や活性化を促す取り組みを、より一層進めてまいり
たいと考えています。主催する総合宇宙イベント「SpaceLINK」は、初回の昨年を大きく上回る来場者を記録
し、宇宙ビジネスの盛り上がりを感じています。宇宙領域の裾野を拡大するイベントや、宇宙環境利用の関心
を高めるコミュニティ形成など、宇宙との“つながり”を生み出す活動を続けていきます。また、今後のきぼう
有償利用制度の検討・提言を行い、民間利用の促進につなげていきたいと思っております。
34
①天地人コンパス『宇宙水道局』のリリースと次々と自治体へ導入!福島市、瀬戸市、青森市、前橋市と導入
が続いています。
②宇宙ビッグデータ米は今年も美味しいお米を収穫
③経産省 SBIR フェーズ 3 で 4.3 億円採択!かねてより研究開発を勧めていた、
再生可能エネルギー分野への
サービス開発がいよいよ本格化します。
【すみません詳細を控えたザックリした回答ですが…】衛星画像単体の分析ではなく、お客様の業務効率化に
繋がるようなサービスを価値だと考えています。
(宇宙水道局はその代表例です)
まずは宇宙水道局の国内展開を強力に推進します。さらに水道事業の海外展開もチャレンジしたいと思いま
す。また、再生可能エネルギー分野や農業分野にも継続的に注力します。
35
当社では、宇宙ならではのリスクへの挑戦と地上における社会課題解決に向けて、保険に留まらない価値提供
を通じた宇宙産業の発展への貢献を目指し、
取り組みを推進してきました。
多くの取り組みを進めていますが、
2023 年の主なトピックは以下の通りです。
①地球低軌道の事業化と新たな産業創出ならびに社会課題の解決に貢献するため、
三菱 UFJ 銀行、
兼松と共に
米国のシエラ・スペースに出資しました。
②より多くの事業者の宇宙産業への参入と事業継続に向けた安心安全な環境づくりを官民連携で進めるため、
JAXA と「宇宙リスクソリューション事業」の共創を開始しました。
③デブリ対策を含む Space Sustainability をテーマに ANA、アストロスケールと 3 社での積極的な意見交換
を実施しました。
今後も事業者の皆様と国際宇宙保険市場との対話の機会を創出し、
各事業概要や技術力を理解してもらい信頼
性を高めることで、日本の宇宙産業のグローバル競争力の向上に貢献してまいります。また、宇宙ビジネスの
多様化に伴いリスクも多様化していることから、従来の保険商品やサービスに留まらず、軌道上ビジネスや月
面ビジネスなど新たなビジネスを支援するソリューションをお届けします。
また、衛星技術等を活用し、インフラ設備等の損害を未然に防ぐ仕組みや、災害発生時の迅速な生活再建に向
けた保険金の早期支払い等の具体策を検討するとともに、
これらの実現に向けたさまざまな企業との更なる協
業を推進していきます。
日本の宇宙事業者の皆様とのこれまでの連携、
そして長年に亘る国際宇宙保険市場での対応を通じて培ってき
た宇宙保険のノウハウと経験を活かし、多様化するビジネスリスクに合わせた新たな保険商品の開発・提供を
進めていきます。また、国内の宇宙事業者のグローバルな競争力を高めるため、官民連携のもとリスクマネジ
メントや保険商品の提供を行い、日本の宇宙事業の発展に貢献していきます。
36
TOWING
昨年に続き、SPACE FOODSPHERE(https://spacefoodsphere.jp/)に所属し、宇宙での食料生産プロジェ
クトについて他企業や団体と連携しながら、構想検討を行いました。また、SPACE FOODSPHERE 内の
Stardust Program に参画し、弊社が開発に関与しているレゴリス多孔質体を活用した高度資源循環型の食料
供給システムの開発を行い、一定以上の成果を上げることができました。
微生物培養技術や土壌研究の成果を社会実装し、持続可能な超循環型農業を地球・宇宙双方で実現するという
ミッションを弊社は掲げています。具体的には、地球上では有機肥料の利活用を踏まえた土壌改良、カーボン
ファーミング、資源循環に関するプロジェクトを行っており、宇宙では現地の資源を活用した循環型の栽培シ
ステムの開発を行っています。
2024 年も引き続き、SPACE FOODSPHERE の中で宇宙での食料生産システムの開発を行う予定です。2025
年以降も精度を上げ、開発を進めます。
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(TOYOTA MOTOR CORPORATION)
4 月にトップが交代し、それに伴い新体制のテーマとして、
「継承と進化」を掲げております。継承すべきも
の、目指す進化はそれぞれ「商品と地域を軸にした経営」
、
「モビリティカンパニーへの変革」であり、地域毎
のお客様に合わせた商品やサービスの開発、クルマ屋だから出来ることなど、多様なニーズにお応えできるよ
う、クルマの価値を高めていけるよう、取り組みを推進してまいります。
非回答
地球観測衛星データには多くの可能性があると感じておりますが、
一方でいますぐ思い描いた通りに活用で
きるかは難しいところもあると認識しております。しかしながら、光学センサや SAR センサを搭載した衛星
のコンステレーションの計画が進められている状況などから、より幅広い視野で、地球観測衛星のデータをど
う活用していけば弊社の Mission である幸せの量産を実現できるか、
将来の動向も見据えながら取り組みを進
めて行きたいと思っております。
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昨年度に引き続き、経済産業省「衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」にて ASNARO-2
データを Tellus へ提供させていただき、
事業者の皆様にご活用いただくなど、
少しずつデータ利用が実用の段
階へ進んでいることを実感した 1 年でした。同時に、事業化に際して衛星データの頻度や数量、提供までの時
間といった課題も浮き彫りになってきており、
事業者の皆様と、
ASNARO-2 データを ASNARO-2 以外の衛星
データや地上データと組み合わせて付加価値を作ることに取り組んだ 1 年でもありました。
主に社会インフラに携わる事業者様に対して、衛星データの継続性や広域性、また X-SAR データならではの
高精度な変化抽出技術を活かしたモニタリングサービスの開発に引き続き取り組んでいきたいと考えており
ます。
ASNARO-2 は 2024 年 1 月で打ち上げから丸 6 年となります。この間、多くのお客様にデータをご利用いた
だくことができました。衛星はベテランになりますが未だに健康を維持できておりますので、わが国初の商用
X-SAR 画像プロバイダーとして、2024 年も広くデータをお使いいただけるよう趣向を凝らし、衛星データを
活用したビジネスの開発にお役立ていただけるよう努力してまいります。
39
New Space Intelligence
・経済産業省 令和 4 年度第二次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業費補助金」に採択されまし
た。
・ディープテック・スタートアップ支援基金/SBIR推進プログラム/フェーズ1(NEDO-SBIR)
に採択
・
「J-Startup WEST」選定企業として認定されました。
・「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2023 ジャパン」中国地区の
・Challenging Spirit 部門の特別賞を受賞
金融機関や認証事業者と連携した、非財務領域のグローバルインデックスを創造します。全地球を網羅的に一
元化する指標を作成し、環境指標、金融指標等の地上情報と連携させグローバルに評価する新機軸をつくるべ
くチームアップを進めます。野心的に TCFD,TNFD との連携も模索します。
2024 年、NSI 社は衛星リモートセンシング技術の先駆者として、環境保護と持続可能な開発に大きく貢献し
ます。最先端の衛星データを活用し、地球規模の課題に対応するソリューションを提供。革新的な衛星技術を
通じて、気候変動への対応、資源管理の最適化、災害予防の強化を目指します。NSI 社は、高度なデータ分析
能力と研究開発への投資を加速し、世界中のパートナーと協力して、より良い未来を実現します。
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2023 年 3 月に ALOS-3 消失という事業参画している当社にとっては大きな出来事があり、
当面の事業計画を
組み立て直しました。当社は現在活用できる海外商用衛星を目一杯用いて、現在立ち上がりつつある衛星デー
タ活用ビジネスを決して停滞させることなく盛り上げることを誓い国内外に対して事業展開を推し進めた 1
年です。
衛星データ利用実証が盛んに行われていますが、
当社では行政機関を中心に多分野で実利用して貰っていると
思っております。ただし普及率でいうとまだまだ実態は限定的です。実は同じ解析結果は行政側の多部門で有
用な情報であるため、当社では行政内横断的な利用や、また行政側の持つ申請や規制の情報と空間的に重畳さ
れる環境を併せて提案することで普及を推進しております。
衛星権利などの投資も辞さない覚悟で思い切った事業展開を国内外に対してかけて参りたいと思います。
41
当社の基板材料や実装補強材料といった電子材料製品を ISS にて宇宙曝露実験を行い、信頼性を実環境で証
明しました。さらにその結果を学会発表や SNS で発信することで多くの皆様に知っていただくような活動を
行いました。
さらにパナソニックグループでは JAXA 探査ハブとの共同研究を複数実施しており、将来の宇宙探査・宇宙利
用のための技術開発にも貢献しております。
また、将来の宇宙での暮らしを想定し、海外で販売している圧し洗い式洗濯機をベースに無重力でも使用可能
な洗濯機を S-Booster に提案しました。
当プロジェクトはパナソニックグループが地球だけでなく、
宇宙でも暮らしを支える企業グループになってほ
しいと考えて活動しています。地上では家電や住宅など、人の暮らしに密着した製品を提供しているのと同じ
ように、宇宙空間・月・火星で多くの人が住む近い将来にも、人の暮らしと寄り添う企業でありたいと考えて
います。
とはいえすぐに宇宙の暮らし分野をビジネスにするのは難しいため、直近で明確なニーズのある材料、デバイ
ス、ソフトウェア等から宇宙業界に貢献するところから着実に進めています。
42
長野地域での衛星データ活用普及活動を今年度も積極的に実施した。
関連セミナー登壇、地域イベントでの衛星データ分析体験の提供、小中学生向け衛星データ分析体験のプログ
ラム実施
エンドユーザーの要望に応えられるソリューションズ提供
費用対効果が端的に説明できる事例
社会実装 定着する事例を作る
43
PwC
2023 年はこれまでの宇宙ビジネスチームを拡大し、
より組織横断で対応できる組織への変革を実施しました。
これにより、今まで以上に様々な産業領域、技術領域について組織横断でのサービス提供を行うことが可能に
なりました。また従前より弊社の特徴でもあったグローバル連携についても、宇宙ビジネスチームが 5 地域
(欧州・北米・中東・アジア・オセアニア)14 ヶ国に拡大したことで、より広範なナレッジ連携のうえでサー
ビス提供を行う体制が整ってきた年でもありました。
宇宙に関する産業・事業領域が地上〜軌道上、深宇宙にまで広がりを見せている中で、官民がそれぞれの取組
を加速させつつ、より強固な連携も築けるよう、弊社としては上流のルールメイキングから社会実装の実行フ
ェーズまで、幅広く日本の宇宙産業の盛り上がりに貢献していきたいと考えております。
今後 2〜3 年、或いはそれ以降も見据えて組織横断で対応できる体制をさらに 整備して取り組んでいきたい
と考えております。宇宙に関する産業がより盛り上がりを見せていくと想定される中、弊社がどのように宇宙
に関する産業を捉えているかも含めて、現在検討中のコンセプトなどについて、年明けから順次、対外的に情
報発信を実施していく予定です。
44
Pale Blue
2023 年 3 月に、Pale Blue の推進機が STAR SPHERE プロジェクトの超小型人工衛星「EYE」に搭載され、
初めて軌道上での作動に成功しました。10 月にはシリーズ B ラウンド・ファーストクローズの資金調達を実
施し、直近の銀行借入も含めた調達総額は約 10 億円になりました。従来の水統合式エンジンと比較して性能
を飛躍的に向上させた KIR-X が、
JAXA
「革新的衛星技術実証4号機」
実証テーマの一つとして採択され、
2024
年度の打上げに向けて開発を進めています。並行して、水ホールスラスタの研究開発も進めています。
2023 年 3 月に、Pale Blue の推進機が STAR SPHERE プロジェクトの超小型人工衛星「EYE」に搭載され、
初めて軌道上での作動に成功しました。搭載されている推進機は、今後軌道維持に使用される予定です。8 月
には韓国 延世大学のキューブサット 2 機に向けた水蒸気式推進機を受注し、衛星間レーザー通信のための編
隊飛行に使用される予定です。
今後は、キューブサットだけではなく 500kg 級の小型衛星までをターゲットとし、次世代イオンエンジンや
ホールスラスタの研究開発を加速させつつ、事業をグローバルに拡大していきます。
「宇宙産業のコアとなるモビリティの創成」というビジョンの実現に向けて、世界を代表する推進機メーカー
となるべく、宇宙実績のある推進機を中心に販売拡大を行っていきます。また、NEDO「ディープテック・ス
タートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業」
(DTSU 事業)の DMP フェーズ(量産化
実証)に採択されたことから、小型人工衛星向け推進機の価値向上や量産の研究開発を加速させ、生産拠点を
立ち上げていきます。2023 年 9 月に採択された文部科学省 中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フ
ェーズ 3)ではスペースデブリ低減に必要な技術として、人工衛星の軌道離脱及び衝突回避のための超小型水
イオンスラスタおよび水ホールスラスタの開発及び宇宙実証を行います。
45
新規プロジェクトへの参画として、
気象庁様から
「次期静止気象衛星
(ひまわり 10 号)
」を受注しました。
「ひ
まわり 7 号」から 4 基連続の受注となります。今年 6 月に閣議決定された政府の宇宙基本計画においても国
土強靱化・地球規模課題への対応の重要性が謳われており、当社としましては、
「ひまわり 7 号」から 20 年
以上続くわが国の気象衛星事業への貢献で培った知見を最大限に活用し、
近年国内で甚大な被害をもたらして
いる台風や集中豪雨、線状降水帯の予測精度向上や、防災気象情報の高度化など、わが国の防災機能強化に貢
献していきたいと思います。また、9 月には JAXA 様のプロジェクトである小型月着陸実証機「SLIM」の打上
げが成功しました。当社は着陸機のシステム開発及び製造を担当しており、宇宙基本計画にある「宇宙科学・
探査における新たな知と産業の創造」の方針に沿って、将来の月面着陸や持続的な月面活動の推進にも貢献し
て参ります。
従来より当社は人工衛星やその関連地上機器といったハードウェア提供を中心に事業を推進して参りました
が、今後は衛星データを活用したソリューション事業にも展開していきたいと考えております。観測衛星から
得られる画像データを利用し、迅速な災害状況の提供や平時からの社会インフラ監視といった防災分野、広大
な海域から船舶や漂流物を抽出する海洋分野、様々な場所を客観的・広域的・網羅的に観測して社会活動を支
援する ESG 分野など、幅広いニーズに応えていきます。
2024 年度から政府の定める宇宙技術戦略に基づいた新たな基金による技術開発が始まることが期待されてい
ます。重要技術開発、その開発成果による商業化、更なる国へのフィードバック、という好循環を築くための
最初の1年になると思います。当社としても、この新しい枠組みを活用し、国にとって重要となる技術開発へ
の取り組み、その技術を活用した商業化に注力していきたいと考えています。
46
minsora
大分県から衛星データ利用促進を進める宇宙挑戦セミナーを 3 年連続受託を達成。
またコンサルティング事業
が順調で増収・増益を達成。
当社は衛星データや衛星測位情報などを宇宙技術を活用して地域での地域活性につながる新事業を創出を行
っています。九州は、森林や海が豊かであり、宇宙技術を活用した事業創出と共に、地球規模課題解決につな
がる事業を展開したいと考えています。
農林水産、教育や医療など様々な地域課題解決に向け、自治体や企業様に対して、価値提供し、新事業創出を
実現するコンサルティング事業を展開して行きます。
47
明星電気が JAXA 殿契約により開発した光学機器、観測機器を搭載した JAXA 殿探査機の小型月着陸実証機
SLIM と ESA 探査機の木星氷衛星探査機 JUICE がそれぞれ 9 月と 4 月に打ち上げられました。観測機器は順
調であり、着陸や探査にて新たな発見に貢献することを期待しています。
今年は、明星電気では、火星衛星探査機の開発の終盤に入っており、探査機開発を計画通り進められるように
全社をあげて開発に邁進しています。
さらに、長年の宇宙機開発に対して、筑波宇宙センターの開設 50 周年記念式典で JAXA から感謝状を頂戴し
ました。日頃の成果をこのような形で取り上げていただくのは嬉しい限りです。
明星電気は、独自の Sensing and Communication 技術を企業理念にかかげており、宇宙分野では、深宇宙
探査にて放射線、電磁波などの宇宙環境や、惑星表面の元素組成、水分や赤外線、X 線、ガンマ線で観測する
宇宙の姿などのこれまで人類が有していない科学的知見を得るための装置(データ)を提供しております。
今後は、当社のカメラ・分光計・粒子観測(放射線観測)無線機・制御装置などの技術をもって、月プログラ
ムや火星などの新たな科学的知見と共に、地球環境の監視、保全、活用に貢献するための装置なども提供して
いきたいと考えております。
2024 年も、引き続き、参画させていただいている探査機などの多くのプログラムの機器を着実に開発してい
きます。それぞれのプロジェクトにおいて、お客様との綿密なコミュニケーションを通じて、開発完了までの
過程をスムーズに進めていくことを心掛けたいです。
また、
観測装置の高度化に必要な技術を新たに獲得提供していくとともに、
新たな事業領域として Near Space
ともよばれる成層圏への事業展開へも取り組みたいですね。
48
YuMake
利用者が衛星画像の利用価値に気づくのはまだまだこれから
弊社が提供する気象情報に加え、気象センサーのデータや衛星画像データ、お客様の持つデータをかけ合わせ
ることで、お客様にとって価値ある情報を創出すること。
気象データ活用・衛星データ活用のユースケース発信を積極的に行っていく
49
LAND INSIGHT
衛星データの実証利用により経済合理性のある領域を見つけることができました。また、より事業内容を体現
する社名へと変更をいたしました。
主に地方自治体に対して現地確認の負担を軽減するようなサービスを広げていきたいです。
今年度は農業行政
に関わる領域で実証を行いましたが、林業、防災などご相談をいただく他の領域へも展開していければと思っ
ております。
お取組させていただく顧客数を増やしていくことです。
より多くの方々と課題や衛星データの利用可能性につ
いて意見交換をさせていただきサービスの改善に繋げていきたいと思っております。
50
Ridge-i
2022 年は宇宙開発利用大賞受賞などがきっかけで、
弊社のことを知っていただくことが多かった
「きっかけ」
の年になりましたが、
2023 年は複数実案件化し、
衛星事業としても大きく「成長」
した一年になりました
(あ
りがたいことに衛星事業単体では売上が 2 倍以上と大きく成長しました)
。また、地道な活動ですが、案件化
と並行して基盤技術の高度化(アセットとして組み込めるように特許を 2 件取得済み、特許出願も複数件実
施)も進めており、成長と同時に「足元を固める」ような 1 年でもあったと考えています。
今年も多くのお客様と業務させていただきましたが、一例挙げるとすれば、ある機関が地図更新をするための
業務フローに AI システムを初めて導入されるご支援を実施しました。このシステムは異なる衛星(しかも異
なる分解能)から変化した箇所を見つけるという非常に難易度の高いプロジェクトでしたが、地図更新の業務
フローを詳細に分析し、
我々の有するエンジンをどのように適用すると費用対効果が高いかまで分析した結果
をお示ししました。
まだ途中ではありますが、
高い評価をいただいております。
今後はこの成果を生かし、
様々
なデータを組み合わせて変化を捉えていけるようなシステム構築を進めたいと考えています。
2024 年は、2023 年までに蓄積してきた技術アセットをもとにより広く社会に還元できるような一年にした
いと考えています。2023 年の後半あたりから、案件の増加とともに、衛星解析チーム人員も増えており、多
くの案件をさばける体制ができてきております。官だけではなく、民でのプロジェクト組成も増えて来ており
ますので、より多くのお客様にリーチできるように発信も強めていければと思います。
51
RESTEC
RESTEC 経営方針及び 2023 中期事業計画を見直し、
「リモートセンシング技術で豊かな未来を拓く」ことを新たに
ビジョンとして掲げるとともに、技術開発及び製品開発能力の強化、新分野への事業拡大及び公益性の高い事業の
継続的な実施を 3 つの方針として策定しました。弊財団は、リモートセンシング技術に関わる開発利用に不断に取
り組み、技術力をさらに高め、その成果を多くの分野に役立つ価値のある情報にし、社会・生活・人々をつなぎ、
広く国内外の社会と分かちあうことを目指します。この方針及び計画に基づき、我が国の宇宙開発利用事業の推進
を支援するべく、今後打ち上がる予定の ALOS-4 の運用準備の他、JAXA 衛星等の運用、校正検証、解析研究等を
実施しています。また、弊財団で年に 1 度開催している RESTEC フォーラムを約 3 年ぶりに対面とオンラインのハ
イブリッド方式で開催し、関係省庁、民間企業等から多くの方にご参加いただいて、財団の実施中の事業や今後の
展望等についてご報告させていただきました。
地球観測衛星に関する開発、運用、校正検証、解析研究から利用にかけての一連のリモートセンシング技術の知見
を踏まえた、リモートセンシング技術の社会実装を推進していきます。また、国内外の民間企業や宇宙関係機関等
と積極的に連携を進め、マルチソースデータと技術の融合により、多種多様なニーズに応えるソリューションを創
出し、社会課題の解決を目指します。加えて、人材養成事業及び研究助成等の普及促進事業を通じて、リモートセ
ンシング技術利用の裾野の拡大を図るとともに、
リモートセンシング分野のコミュニティの活性化に取り組みます。
地球観測衛星に関する開発、運用、校正検証、解析研究等を通じて、我が国の宇宙開発利用事業の推進を支援する
とともに、次期光学衛星ミッション検討についても参画を進めてまいります。また、国内外の民間企業や宇宙関係
機関等と積極的に連携を進め、新しい技術を取り入れ、リモートセンシング技術利用の可能性を追求しながら、農
業、インフラ・土木、安全保障等の分野に向けたソリューション創出及び製品を開発して提供することに加えて、
宇宙技術戦略等を踏まえ、関係省庁等に対して、リモートセンシング利用に係る様々な提案を行い、社会経済の発
展及び人々の生活の質の向上に資する社会実装を推し進めます。また、コミュニティの活性化及びリモートセンシ
ング技術の利用に係る人材養成等、公益性の高い事業を確実に実施してまいります。
52
資金面については損保ジャパン社と資本業務提携を行ったことが大きなトピックでした。
そこからビジネス面
として光通信サービスの導入支援サービスの一貫としてデスクトップデモンストレーションを開始する契約
を、昨年の Synspective 社に続く形で、Privateer 社と LatConnect 60 社と結べました。開発的には PDR を
完了し、マーケットとテクノロジーの接合点を見いだせ、本格的に次のステップへと進めることになったこと
が大きく、また、光ルーター・モデムの開発が SBIR 推進プログラムに採択されたことで私たちの描くビジネ
スに欠かせないテクノロジーの開発を更に推進できるようになったことがトピックとしてあげられます。
インフラ事業は大きな社会課題を解決する一助になれることが必要だと考えておりますが、
中でも防災や環境
に関しては必要とされる場面が増えており、これらに対するユースケースを具体化できればと考えています。
私たちのサービスを通じて即応的にデータを取得することと、データレートを高めることができるため、この
特徴を最大限活かして、衛星データの活用事例を増やすことができればと考えています。例えば、水害発生時
に機動的に被災地に必要な支援を届けられるようにしたり、
環境面においては米国などを筆頭に進む炭素排出
量の開示にあたって多数のアセットに及んでも統一的な排出量データを提示できるような衛星データソリュ
ーションを提供したりと、垂直統合的にソリューションを生み出すことに寄与できればと考えています。
マーケットイン後の想定状況を見据えながらより技術的に深化させてゆきつつ、着実に開発を進めること。
53
Yspace
民間月面着陸が日本で初めて挑戦された年でしたが、
弊社としては輸送事業に関して大手企業様との連携に始
まり、月面産業構築のための月面メタバースを用いた月面データプラットフォーム/月面3D 地図の開発スタ
ートという年となりました。今後の月面探査に向けてアップデートしていきます。
現在進めている月面データプラットフォーム事業としては月面探査を行う企業には探査計画から着陸地点の
解析などを連携して行い、
今後月面市場に参入する企業には 3 次元空間内での将来設計やシミュレーションな
どを提供していきます。弊社が開発する月面データプラットフォーム/月面 3D 地図が今後の月面探査のベー
スとなるように開発と連携の方を進めていきます。
月面データプラットフォーム/月面 3D 地図の開発と企業連携を進めていきます。海外展開も視野に入れ事業
展開していきます。それに加え、輸送最適化/宇宙物流の分野でも企業連携と市場構築を進めてまいります。
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2023→2024宙畑ゆく年くる年レポート.pdf

  • 1.
  • 2. 2023 年も宙畑をご覧いただき、ありがとうございました。 2023 年は日本から宇宙ビジネス関連企業が 3 社上場し、日本政府が 10 年 1 兆円の宇宙戦略基金の創設を明言 するなど、民間企業の活躍にますます注目が集まる 1 年となりました。世界各国の宇宙ビジネスもさらに勢いを 増し、様々なメディアや SNS で宇宙ビジネスの話題を見たという方も多いのではないでしょうか。 『宙畑』 では 2020 年より 「宇宙ビジネスゆく年くる年」 と題して、 1 年の振り返りと新年の抱負について、 様々 な宇宙ビジネス企業にアンケートをさせていただき、宇宙ビジネスの盛り上がりを読者の皆様に紹介していま す! 第 4 回目となる今年は以下 3 つのメインの質問をお伺いしました。 ・2023 年のトピック ・顧客と提供価値について、実事例と今後狙っていきたい理想的なユースケース ・2024 年の抱負 そのほか、前年に続いて、宇宙ビジネスの市場規模や投資額が 2023 年はどのように増減すると思うかといった 質問にも回答いただきました。 「こんなこともあったな」 「この企業はこんなこともやっていたのか」 「来年が楽しみだな」と年末年始の隙間時 間のおともに記事をご覧いただけますと幸いです。 2023 年 12 月 28 日 宙畑編集部
  • 3. 今回アンケートに協力いただいた 48 社(1 社非回答)に、2024 年の世界の宇宙ビジネス予測を、投資額・市 場規模・新規参入企業数の 3 つの観点で伺いました。 いずれも増加すると回答した企業の割合が多い傾向は例年通りでしたが、2023 年と比較して横ばい、または減 少を予測する企業も 15~25%は存在しているという結果となりました。この結果は 2022 年と比較すると 10%程度良くなっています(2022 年は 25~35%) 。 これは、政府による大型予算の発表の効果も大きいと考えられます。日本版 SBIR(Small Business Innovation Research)制度や 10 年 1 兆円規模の宇宙戦略基金など国として宇宙ビジネスへの大規模な投資を 表明しており、今回回答いただいた企業も数多く採択されています。 加えて、2023 年は ispace、Ridge-i、QPS 研究所が上場を果たしており、市場全体の注目度の高さが窺えま す。 2024 年は政府や民間からの資金を宇宙ビジネス飛躍の起爆剤にできるか、正念場の一年になりそうです。
  • 4. 株式会社アークエッジ・スペース..............................................................................................5 株式会社 ispace...................................................................................................................6 株式会社 IDDK ....................................................................................................................7 株式会社アクセルスペース......................................................................................................8 株式会社アグリライト研究所 ...................................................................................................9 アストロスケール............................................................................................................... 10 Archeda, Inc.................................................................................................................... 11 インターステラテクノロジズ株式会社 ...................................................................................... 12 UMITRON........................................................................................................................ 13 一般社団法人 ABLab ........................................................................................................... 14 株式会社 ElevationSpace ..................................................................................................... 15 株式会社オーイーシー ......................................................................................................... 16 株式会社 QPS 研究所........................................................................................................... 17 KDDI 株式会社 .................................................................................................................. 18 さくらインターネット株式会社 .............................................................................................. 19 サグリ株式会社.................................................................................................................. 20 SEESE 株式会社................................................................................................................. 21 株式会社 SIGNATE ............................................................................................................. 22 シスルナテクノロジーズ株式会社............................................................................................ 23 株式会社 Synspective ......................................................................................................... 24 スカパーJSAT株式会社.................................................................................................... 25 株式会社 SPACE WALKER .................................................................................................... 26 SPACE COTAN 株式会社 ...................................................................................................... 27 株式会社スペースシフト....................................................................................................... 28 Space BD 株式会社 ............................................................................................................ 29 Space Port Japan.............................................................................................................. 30 ソニーグループ株式会社....................................................................................................... 31 損害保険ジャパン株式会社.................................................................................................... 32 株式会社 DigitalBlast .......................................................................................................... 33 株式会社天地人.................................................................................................................. 34 東京海上日動火災保険株式会社 .............................................................................................. 35 株式会社 TOWING.............................................................................................................. 36 トヨタ自動車株式会社 (TOYOTA MOTOR CORPORATION)........................................................... 37 日本地球観測衛星サービス株式会社......................................................................................... 38 株式会社 New Space Intelligence.......................................................................................... 39 株式会社パスコ.................................................................................................................. 40 パナソニックインダストリー㈱ 宇宙プロジェクト....................................................................... 41 株式会社羽生田鉄工所 ......................................................................................................... 42 PwC コンサルティング合同会社 ............................................................................................. 43 株式会社 Pale Blue ............................................................................................................. 44 三菱電機株式会社............................................................................................................... 45 株式会社 minsora............................................................................................................... 46 明星電気株式会社............................................................................................................... 47 YuMake 株式会社 ............................................................................................................... 48 LAND INSIGHT 株式会社 ..................................................................................................... 49 株式会社 Ridge-i ............................................................................................................... 50 一般財団法人 リモート・センシング技術センター(RESTEC) ..................................................... 51 株式会社ワープスペース....................................................................................................... 52 株式会社 Yspace ................................................................................................................ 53
  • 5. ・3U の超小型人工衛星「OPTIMAL-1」の通信確立と画像撮影などに成功 ・船舶向け通信衛星コンステレーションによる海洋状況把握技術の開発・実証事業に採択 ・10 月には経産省 SBIR で「高度な衛星リモートセンシングデータ」 (中高空間分解能と高波長分解能を統合 したカメラシステム) を搭載する人工衛星及びその利用を通じた新たな宇宙産業創出に向けたビジネス実証を 採択 弊社の提供価値は、世界最先端レベルの超小型衛星コンステレーションの設計、開発、運用技術を核として、 顧客のニーズに最適化された衛星サービスを創出することが挙げられます。具体的な顧客像としては、小型衛 星コンステレーションの運用者のほか、 衛星から生み出されるデータを間接的に利用するユーザ企業等が想定 されます。今後、船舶向けの衛星通信の分野では、海運企業や漁業者等をターゲットとした海洋安全方法の提 供や自動航行を含めた海上物流の効率化等、高度な衛星リモートセンシングの分野では、森林・工場等からの GHG 排出モニタリングや海上油田の環境モニタリングをより安く、効率的に行えるという価値を提供して参 ります。 弊社はこれまで3U、 6U といった超小型衛星の標準バス開発等を進めてきましたが、2024 年の計 10 機以上 の衛星の打上げを皮切りとして、 衛星の量産化や、 コンステレーション化への取り組みを本格化して参ります。 2025 年以降は、政府の K プロで受託した船舶向けの衛星通信コンステレーションや、SBIR で採択された中 高空間分解能と高波長分解能を兼ね備えた高度な衛星リモートセンシング等について事業化を見据えた実証 事業を本格化する予定です。
  • 6. 6 ispace 「人類の生活圏を宇宙に広げ、 持続性のある世界へ」 をビジョンに掲げ、 月面資源開発に取り組んでいる ispace は、2023 年に HAKUTO-R プログラムの Mission 1として日本初、民間主導のランダーでの月面着陸を目指 し、実際の宇宙空間にて技術的信頼性を実証することができました。 その他、東証グロース市場上場、当社米国子会社、ispace technologies U.S., inc へ元 NASA 宇宙飛行士/米 空軍大佐のロナルド・ギャレンを CEO に迎えた新経営体制の発表、US オフィスの本格的な運用開始と US で 開発を進める月着陸船 APEX1.0 の公開、経済産業省「中小企業イノベーション創出推進事業」への採択、さ らには、欧州子会社が開発するマイクロローバーの最終デザイン発表(Mission 2 で活用予定)など、着実に大 きな成果を収めることができました。 2024 年冬に打ち上げが予定されている HAKUTO-R の Mission 2 に向けて必要な準備を進めて参ります。 Mission2の目的は、Mission 1 で得た成果を踏まえたランダーの設計・技術、月面輸送サービスおよび月面デ ータサービスの提供という事業モデルの更なる検証と強化です。ispace が中長期的に目指すシスルナ経済圏 の構築を推進する上で重要施策となる月面資源探査の初期的な取り組みを、 欧州子会社が開発するマイクロロ ーバーを中心に実施する予定です。
  • 7. 7 IDDK プレシリーズ A のファーストクローズが完了し、ミッション実現のための第一歩を踏み出すことができまし た。IDDK は宇宙バイオ実験のプラットフォーム企業になることで宇宙利用の民営化を促進し、地上での研究 だけでは解決できない人類課題に対してイノベーションを生みだす場を提供します。今回の調達資金を活用 し、次世代 MID の開発や 2024 年度の軌道上実証および体制強化を図る計画です。人工衛星による宇宙バイ オ実験は、通信やリモートセンシングに次ぐ新たな人工衛星のコンテンツとして宇宙産業の発展に貢献し、宇 宙という新たなフィールドでの発見や技術開発を通じて地上の発展に貢献するとともに、 人類が宇宙で豊かに 生活するための実験や研究を支えるインフラの一部となることを目指しています。 空間や重量に大きな制限がある人工衛星の中で顕微観察を伴うバイオ実験を行う上で、 当社の独自技術である MID 技術は軽量、コンパクトに顕微観察を行うことができ、極めて高い有用性があります。この技術を世界に 先駆けて発展させることで技術的な優位性を維持するとともに宇宙でできる実験を増やすことができます。 ま た、当社が手掛ける宇宙バイオ実験事業では、国際宇宙ステーションのような特殊な施設を使わずに、人工衛 星を利用して多くの実験を低コストで実現することを目指しています。 日本初民間主導の人工衛星を利用した地球低軌道宇宙バイオ実験プラットフォームの構築を目指し、2024 年 には実証実験、2025 年からはサービスを開始し、 「いつでも」 「どこでも」 「だれでも」使える顕微観察技術 MID を微小重力などの特殊環境の「宇宙でも」あらゆる顧客に対してサービス提供します。また、2030 年の 国際宇宙ステーション(ISS)退役を見据えた商業宇宙ステーションプラットフォームも視野に、宇宙空間に おけるバイオ実験を中心に新たな宇宙利用の顧客開拓・市場拡大を目指します。
  • 8. 8 おかげさまで、弊社は 2023 年に設立 15 周年を迎え、設立当初に 3 名だったメンバーは約 150 名となりま した。今年は、経済安全保障プログラム*「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」に採 択され、 「Beyond 5G(6G) 」に向けて、光中継コンステレーションを利用した衛星データ送受信のリアルタ イム化への取り組みを開始したほか、株式会社 Space Compass、東京海上ホールディングス株式会社と、衛 星活用に係る資本業務提携契約を締結。 宇宙ビジネスとサステナビリティの両立を目指す 「Green Spacecraft Standard 1.0」の策定も行いました。 *国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による事業 AxelGlobe 事業では、 自社衛星 GRUS (グルース) 5 機を用いた独自の地球観測サービスを提供しています。 一般に衛星データは、 撮りためたデータのなかから必要なものを顧客が選択的に購入するアーカイブ型で提供 されます。一方、AxelGlobe では、GRUS の姿勢制御性能の高さを生かして、タスキング型でのデータ提供を 実現しています。緊急対応等を含む観測リクエストに柔軟に対応できるため、農業、防災、環境等のほか、近 年は報道分野での利用も増加しています。さらに、スペースデブリの観測等に役立てられる SSA(宇宙状況認 識・Space Situational Awareness)も新たな応用例のひとつです。 AxelLiner 事業の一環として、小型衛星の机上検討から設計製造、打ち上げ、軌道上運用までをワンストップ で提供する革新的なサービスの実現に向けた研究開発を進めており、2024 年にはその実証衛星 Pyxis(ピク シス)の打ち上げを予定しています。 今後は、自社の小型衛星コンステレーションの機数増強による地球観測サービスの強化のほか、政府や民間事 業者に向けた小型衛星開発・運用サービスの本格化、光データ中継衛星コンステレーションの構築などを通じ て、 より多様なニーズに応えられるソリューションを提供し、 引き続き、 弊社のビジョンである“Space within Your Reach 〜宇宙を普通の場所に〜”の実現を目指していきます。
  • 9. 9 2023 年の春、山口県内 1400 以上の圃場で衛星データを利用した製パン小麦の品質(子実タンパク含量)向 上のための施肥量と施肥時期の情報提供を行いました。 収穫後の調査で情報を提供した地域で品質が向上した ことが確認されました。また、熊本県や経済産業省の補助事業に採択され、山口県以外の地域で小麦以外の作 物への営農情報の提供に向けた開発実証を進めています。 衛星情報の提供も行う大手の営農管理システム(ザルビオ)が大幅な値上げを行ったことで、当社の提供情報 との価格差に悩まされることがなくなったことは福音でした。 大手サービスではコストの面で手の届かない地 域農業の課題に対応できる「真に欲しい情報」を届けることを主眼に、小麦以外の作物への展開、山口県以外 の他地域への展開を、生産者だけではなく農業生産品の実需者(仲買人、加工業者、農協など)への情報とし ても提供できることで、コスト負担をお願いしやすいビジネスとしたい。 山口県が進めている小麦の新品種への対応も含め、 山口県産小麦の高品質化に寄与する情報提供サービスの充 実を図っていきます。さらに、他地域、他作目への展開を進め、食糧生産にかかわる方たちが「天気予報を見 るように衛星データ情報を見る」社会の実現を目指します。
  • 10. 10 2023 年はアストロスケール創業 10 周年の年でした。大きな出来事を一つ挙げるとすれば、やはり新本社へ の移転です。オフィスエリアはもちろんのこと、515 平方メートルの広さを誇るクリーンルームもすでに稼働 を始めており、また別フロアに設けた一般向け見学施設「オービタリウム」には多くの方にお越しいただいて います。 アストロスケールといえば 「デブリ除去」 というイメージが強いかもしれませんが、 それだけではありません。 軌道上サービスに専業で取り組む企業であり、デブリ除去や衛星の寿命延長のほかにも、観測・点検の開発を 進めています。2023 年には、文部科学省による SBIR 制度において、宇宙分野(事業テーマ:スペースデブ リ低減に必要な技術開発・ 実証) を対象とした大規模技術実証事業 (フェーズ 3) に採択されました。 最長 2028 年 3 月までの間で文部科学省からの補助を受け、大型の衛星を対象デブリとした近傍での撮像・診断ミッショ ンを開発・実施します。 商業デブリ除去実証衛星 ADRAS-J のミッションを控えています。非協力物体の大型デブリ(日本のロケット 上段:全長約 11m、直径約 4m、重量約 3 トン)への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブ リの運動や損傷・劣化状況の撮像を行うものです。本ミッションは、実際のデブリへの安全な接近を行い、デ ブリの状況を明確に調査する世界初の試みです。
  • 12. 12 2023 年は開発・事業ともに大きく進捗した 1 年になりました。小型人工衛星打上げロケット「ZERO」は、 エンジン「COSMOS」の燃焼器単体試験に成功。民間企業としては、液化バイオメタンを燃料として使った世 界初の事例となりました。ZERO で初めての開発となるターボポンプも冷走試験に入り、推進剤タンクや衛星 フェアリングなど各コンポーネントの開発や試験が同時並行で進んでいます。事業面では、文部科学省の「中 小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フェーズ 3) 」に採択いただきました。海外展示会に積極的に出展 するなど、ZERO の海外営業にも力を入れています。 ZERO がターゲットとする小型衛星の重量は、100〜200kg 級がボリュームゾーンとなっています。ZERO は 昨今のトレンドを見据え、国内をはじめ海外の旺盛な需要も取り込んでいくため、搭載可能な衛星重量を地球 低軌道(LEO)に最大 800kg を打ち上げられるロケットに能力増強を図ることを発表しました。これにより 国内の自立的な宇宙輸送サービス構築に貢献するとともに、アジア・オセアニアや欧州市場におけるポジショ ンを確立していきます。 開発面では、コンポーネントごとにフルスケールでの試験が本格化します。一つひとつの試験を着実にクリア し、2024 年度以降の早い時期の初号機打上げを目指していきます。合わせて、将来の量産化を見据え、拠点 の拡張を含めた生産体制の整備にも取り組んでいきます。SBIR のフェーズ 2 獲得に向けて、開発・事業とも に確実に進捗させていくのが大きな目標です。
  • 13. 13 UMITRON 弊社技術を活用して育てられたサステイナブルシーフード「うみとろん」をレストランやスーパー等で取扱っ て頂きました。提供数は計 300 万食を超え、大変多くの方に食して頂いたことに感謝感激しております。ま たテクノロジーの活用では海洋リモートセンシングの技術と養殖業との接点でブルーカーボンのモニタリン グサービスを提供し、多くの人に支えられながら「持続可能な水産養殖を地球に実装する」という弊社ミッシ ョンの遂行を着実にすすめることが出来た 1 年でした。 養殖業においては海洋環境の変化や飼料原料価格の高騰などの課題がより顕著になりつつあり、 テクノロジー によってこれらの課題への対応策を作り出していくことをニーズとして感じております。 引き続きリモートセ ンシングを含むテクノロジーの活用により養殖業の発展に貢献したいと考えています。 引き続き、持続可能な養殖業の発展への貢献と、サステイナブルシーフードの販売展開を全力で進めていきた いと思います。ご協力、応援宜しくお願い致します!
  • 14. 14 ABLab ABLab は非営利の組織ではありますが、コミュニティ事業の売上としては前年比約 2 倍へと事業規模を大き く拡大できた年になりました。 全ての収益は宇宙産業に貢献するためのコミュニティ活動予算として消化しな がら取り組んでおり、来年以降の更なる成果へとつながっていくことが期待できます。 その活動のひとつとして、宇宙イベント・展示会への出展があり、2023 年は主なもので 7 つのイベント・展 示会に出展しました。特に 10 月の北海道宇宙サミットではダイヤモンドスポンサーとして開催に貢献し、業 界における存在感を強化できたと思います。また、2 月の国際宇宙産業展から得られたインサイトに基づき、 6 月から法人会員を迎えての活動をスタートしました。それにより企業リソースを活用したより大きな取り組 みが可能となり、今後の ABLab の業界貢献に対するポテンシャルが大きく高まったと考えています。 ABLab ではこれまで約 5 年間に渡って、宇宙ビジネスに挑戦する個人を支援する場としてコミュニティを運 営してきました。そして 2023 年 6 月からは、同様に企業向けの支援を強化しています。成長する宇宙市場に 関心はあるものの参入の糸口が見つけられずにいる企業を対象に、 コミュニティを活用した安価な支援を提供 することで、低コストで業界参入を検討し、活動開始、そして事業化までのスピードを加速することができま す。自社で宇宙事業参入を検討する際に、100 人規模の熱量高きコミュニティが味方になってくれることをイ メージしていただければ、その心強さを感じていただけるのではないでしょうか? 6 月から法人会員として参加いただいている株式会社スペースデータの佐藤航陽氏からも、 入会後 3 ヶ月で想 像以上の進捗ができたと評価いただいています。 2023 年後半の展示会出展を通して得られたインサイトにより、つい先日から新たな事業に向けた取り組みを スタートしています。2024 年はグローバルも視野に入れた更なる大きな挑戦の年になる見込みです。まだ計 画段階ではありますが、その挑戦によって ABLab にはより大きな価値が集まり、事業創出や事業成長におい てより強力な推進力となるでしょう。宇宙に挑戦する人や企業にとってかけがえのない存在として、引き続き 成長していきたいと考えています。
  • 15. 15 ElevationSpace 初号機衛星の愛称が「あおば」に決定。世界初の宇宙実証を目指す、小型人工衛星を地球に帰還させるための 高推力&経済性&安全性を兼ね備える”ハイブリッドスラスタ”が長時間燃焼に成功するなど、試験用モデルに よる各種地上試験が進行中。 初号機衛星では宇宙機用小型推進システム、宇宙転用を目指す車載コンポーネントなどの実証を行うほか、株 式会社ユーグレナによる「ミドリムシ」の宇宙培養実験を行うための超小型細胞培養モジュール開発を支援す るなど、実証の”場”だけでなく、実証に必要となるコンポーネントの製作も支援。 初号機、2 号機の研究開発を着実に進めるとともに、社会情勢としては 2030 年に ISS が退役するという商業 化への大きな転換点に直面しており、世界中で地球低軌道利用のあり方が盛んに議論されています。日本が世 界に誇る再突入・回収技術を活用し、Post ISS の商業利用をリードする場を提供し、宇宙環境利用のすそ野を 広げるべく事業開発にも取り組んでまいります。
  • 16. 16 経済産業省の衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」における衛星データ無料利用事業者に 採択され、光学衛星ならびに SAR 衛星データの利用にチャレンジしています。また、その一部を活用し、ア プリ化にも取り組んでいます。 弊社は IT 企業であり、衛星画像を一つのデータと捉えれば、そのデータを活用し、地上の課題解決に役立て たいと考えています。 チャレンジしているアプリ化事業を一つ形とするとともに、 現在宇宙アイデアソン にも参加していますので、 そこで創出されたビジネスアイデアの実現に挑戦していきたいです。
  • 17. 17 QPS 3 月 10億円の追加資金調達を実施し、資金調達の累計総額は約 92 億円へ 6 月 1 機目の商用機となる小型 SAR 衛星 QPS-SAR6 号機の打上げに成功 6 月 鹿児島県立楠隼中高一貫教育校「シリーズ宇宙学」で新しい人材育成プログラムを開始 7 月 6 月に打上げた 6 号機が日本最高分解能 46cm の画像取得に成功 10 月 最大 41 億円の経済産業省「SBIR フェーズ3事業」に採択、また同月にシンジケートローンによる総 額 50 億円の融資契約を締結 12 月 東京証券取引所グロース市場へ上場 12 月 商用機 2 機目となる QPS-SAR5 号機の打上げに成功 弊社の画像データ販売は現在は国内官公庁向けが中心となっており、2022 年 3 月以降に官公庁案件を総額約 60 億円獲得しています。今後は打上機数の増加に伴って、より高頻度、高分解能のデータ提供することによ り、国内のインフラ管理、災害対応、保険といった分野の開拓、海外へ展開、拡販強化を進めていくことを考 えています。 弊社の衛星コンステレーション構築に向けて、 2027 年度末までに 24 機体制、 そして最終的に 36 機体制を目 指していきます。 今回の上場ならびにシンジケートローンにより 18 号機までの製造・打上げ資金が確保でき、 2023 年度中に追加で 2 機、2024 年度中に 4 機の打上げを計画しており、これまで具体的な商談や実証の遂 行が難しかった国内の民間事業者や、海外への拡販を進めていく予定です。また、2024 年度に QPS-SAR の 製造能力を現在の年間 4 機から 10 機へ増加させる体制を整え、コンステレーションの構築を加速させます。
  • 18. 18 KDDI 2023 年は Starlink の活用が加速した1年でした。 法人向けの Starlink Business では、これまでの陸上向けに加え、海上向けのサービスも提供開始し、海運・ 旅客船舶・研究実習船・漁船など幅広い事業者様に採用いただきました。 また、 公衆 Wi-Fi と組み合わせた 「フ ェス Wi-Fi」や「山小屋 Wi-Fi」などの新たなサービスも開始し、非日常における快適な通信環境の整備を実 現いたしました。 また au の基地局のバックホール回線に Starlink を利用することで、au のエリアも拡大しています。法人向 けの「Satellite Mobile Link」のご利用も広がっております。 更に、2024 年内の衛星とスマートフォンの直接通信サービスの提供に向け、スペース X 社との新たな業務提 携を締結しました。これにより日本全土に au のエリアを拡張し、 「空が見えれば、どこでもつながる」体験を 実現していきます。 ・2024 年は、昨夏に利用が認められた「Starlink Maritime」の広がりに期待をしています。これまで海上で 利用されていた従来の衛星通信サービスから、大きく通信速度や通信容量が改善し、海上でも高速通信が可能 となり陸上と遜色ない環境が整いつつあります。 ・現段階では、 内航での利用に限られていますが、 多くの利用者のみなさまから好評のお声をいただいており、 更なる海上利用や、船舶の DX が進むことに期待をしています。 ・また 2024 年は「空が見えれば、どこでもつながる」衛星とスマートフォンの直接通信サービスの提供に向 けて準備を進めていきます。 ・2023 年が Starlink 元年となり、様々な取り組みによって、日本中のみなさまに Starlink を認知いただくこ とができました。2024 年は、さらに新しい施策も交えながら、 「Starlink による通信環境の変化」を体感いた だく場を拡大し、 「日本のどこにいても、つながらないがなくなるように」を実現したいと思います。
  • 19. 19 2023 年のトピックの 1 つは、経済産業省の令和 4 年度補正「多種衛星のオンデマンドタスキング及びデータ生産・配信技術の研究開発」の委 託先として、株式会社アクセルスペース、株式会社パスコ、国立研究開発法人防災科学技術研究所とともに採択されたことです。Tellus を通し て、衛星データの利活用を促進できるように引き続き開発を進めてまいります。 また、同じく経済産業省が昨年度から実施している「衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」として衛星データの提供や開発 環境を採択された事業者さまに提供しています。 サービスとしては、Tellus のクラウド環境上 QGIS を使って、Tellus に搭載している衛星データの検索から解析までできるサービス「Tellus Satellite Data Master with QGIS」の運用を開始しました。 それに伴い、リモセン学会誌への寄稿や、国内各地での講演対応、Tellus を利用した解析ハンズオンの開催なども行ってまいりました。さらに コミュニティの場としての「TellusSatelliteCafe」も 3 年ぶりにリアル開催し、利用者のみなさまから直接フィードバックをいただく機会も多 く作ることができました。 Tellus はデータプラットフォームとして、衛星データの利用を通して利用者、クライアントとともに社会に貢献できる新しいソリューションを 創造していくことが我々のミッションです。 Tellus に搭載している衛星データを活用できるクラウド環境の提供のほか、データプロバイダーのみなさまがお持ちのデータを円滑に販売でき る環境つくり、利用者のニーズに合わせたサービスの向上を目指します。 昨年と比較して衛星データの購入や、自社サービス向上に向けた衛星データの利用検討、衛星データについてのセミナー開催の要望など、問合 せいただくことが増加しています。今後も衛星データを活用する際に、まず Tellus を見てもらえるプラットフォームとしての立場を確立してま いります。 Tellus へのデータの搭載を進めるほか、UIUX を改善しよりビジネス創出に貢献できるプラットフォームとしての確立を目指します。具体的に は、オンデマンドタスキングシステムの構築を進めるとともに、 「Tellus Satellite Data Master with QGIS」を中心としたサービスの向上、衛 星データ利用者の増加を目的にした教育コンテンツの拡充や Tellus を利用した各分野での事例創出など、ビジネスプランも明確にし、技術的に もビジネス的にもパートナーと連携しやすいプラットフォーム作りを進めてまいります。また、具体的な衛星データを活用したビジネス創出も 目指します。
  • 20. 20 シンガポールへ拠点を設立し、ASEAN の活動が本格化、アフリカ・中南米への事業展開。J-startup 及び J- startup Impact に選出。中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)テーマ B への採択、ICC サミット KYOTO 2023 カタパルトグランプリ優勝 日本の農地管理を行う行政(農業委員会・再生協議会)の農地調査の効率化のみならず、農地のマッチングや 集約に向けたサポートも「アクタバ」 「デタバ」で実施。 また、肥料高騰に伴う、土壌分析のニーズも非常に高く、衛星データで簡易的な土壌分析を提供。グローバル 12 カ国で、それらを展開しており、新興国農地での、経費削減とカーボンクレジット創出による所得向上へ 取り組みを進めている。 国内外(特に新興国)で農業現場のサポートをできるように技術投資を実施する。 新興国でのカーボンクレジット創出と、先進国での販売をスタンダードにすべく、グローバル人材の採用を強 化する。そのために必要な資金調達をしっかりと行いつつ、IPO に向けた管理体制を強化する。
  • 21. 21 SEESE 2023 年 7 月から東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター(CYRIC)様、および株式会社光エ ンジニアリングサービス様と協力し、 「ワンストップ放射線試験サービス」を開始しました。随時予約可能な 受付体制とともに、ユーザが効率的に放射線照射試験を実施できる体制を提供しています。 また、第 67 回宇宙科学技術連合講演会では弊社主催で宇宙・地上含む放射線ソフトエラーに関するセッショ ンを開催し、産業・学術領域における共通課題や先端研究について情報交換の場を設けるなど、特に放射線分 野における関連プレイヤーとの繋がりを強化してきました。 宇宙空間での利用を想定した部品からシステムレベルのハードウェア開発、販売に携わるユーザ様(新規参入 者含む)については、環境試験施設の紹介、試験計画の立案、試験支援、解析評価支援などを行ってまいりま した。 また、環境試験設備を保有する施設様については、ユーザが効率的に設備を利用可能な Web プラットフォー ムへの掲載を通じた広報活動や試験支援等を実施してきました。 今後のユースケースとしては、環境試験だけでなく、部品選定及び調達プロセスの支援などより幅広いバリュ ーチェーン支援を行なっていきたいと考えております。 下記を実行予定です。 ・放射線試験プラットフォームの実装及び初期運用 ・COTS 品データベースの実装及び初期運用 引き続き、経済産業省様との連携(委託事業)の元、放射線をキーワードとした製造業エコシステムの構築を 目指します。 そのために業界の横の繋がりを強化し、 ユーザ側とインフラ側の需要と供給の最適化を図ります。 また放射線に限らず、製造業サプライチェーンにおける部品調達から試験評価までの総合支援サービス(例え ば COTS 品データベースなど)の更なる拡充を狙います。
  • 22. 22 SIGNATE 日本最大の AI 人材会員基盤は 10 万人をこえ、コンペティションに対する注目度も上がった年でした。 ChatGPT に代表される生成 AI が1年足らずで大きな社会インパクトを与え、SIGNTAE の生成 AI 関連新サ ービスが複数はじまり、高い需要を感じています。宇宙領域では SBIR において LLM を用いた衛星データ解 析の研究開発を開始しました。 GPT を活用した複数種のデータをかけあわせたデータ活用プランの作成や分析補助サービスの提供を試験的 に開始しています(例:人流データ X 自社店舗売上データ) 。今後、衛星データなど、様々なデータに対応す ることで、データ活用を民主化していきたいと考えています。 2024 年も引き続きコンペティション・会員基盤の成長を目指していきます。生成 AI 系の支援サービスを強 化していき、多くの顧客の業務改革・データを活用した意思決定を効率化していきたいと思います。
  • 23. 23 シスルナテクノロジーズは、2023 年に設立された東北大学吉田研究室発の超小型人工衛星ミッションインテ グレーターです。1 期目である今期は最初の衛星の開発案件を受注し、1 人目の社員を採用し、来期以降に向 け、幸先の良いスタートが切れた年となりました。 国内外の政府系研究機関や、大手宇宙関連企業、宇宙ベンチャー企業等の顧客に対して 50〜100kg 級の超小 型人工衛星を企画から運用までのトータルサービスの提供を実施します。 また衛星の概念設計等のコンサルテ ィングや関連機器の試験などのエンジニアリングサービスも提供しています。 弊社にとっての最初の案件のデリバリーを確実にしながら、 来年 4 月入居予定の衛星組立施設を拠点に複数機 同時製造が可能な体制を構築していきます。
  • 24. 24 Synspective 大きなトピックとしては3つあり、まず、2018 年に創業した当社は今年 5 年を迎えることができました。こ れまでに 3 機の小型 SAR 衛星の軌道投入と画像取得の成功を収め、現在に続き、取得画像の精度の向上や運 用の効率化を図りながら次世代衛星の開発も進行しています。次に本年は、内閣府や各省庁の事業に採択され るなど、高頻度撮像が可能な小型衛星コンステレーションへのニーズが高まっていることを実感した年でし た。そして 3 つ目は、自社の解析ソリューションの品質向上と海外パートナーの増加が上げられます。顧客の 要望や世の中のニーズに応える形で、サービス構築に勤めると共に、アジアを中心としたグローバル展開を視 野に入れた戦略的パートナーシップを強化してきました。 Synspective が顧客に提供する価値はデータを提供することだけではありません。 宇宙から得られるデータを 元に地球環境の理解が可能になることです。地球の外側から客観的・定量的にデータを取得できるようになれ ば、例えば地球の温暖化に対してどのような活動(事業活動)をすることに意味があり価値になるという判断 基準がデータによって生まれると考えています。私たちの提供するサービスが SAR データだけでなく、解析 ソリューションを踏まえているところの大きな理由となります。事例としては、JICA 様とのグアテマラ国に おける新たな陥没リスクの発見や、 世界銀行とネパール国における土石流及び洪水被害の影響を斜面不安定性 検知機能を活用した特徴的な変動箇所の検出など、地球環境を観測・解析することで新たな理解と発見を提供 することが可能になりました。 来年の 4 月頃には中央林間にて衛星の量産拠点を新設します。 新設される拠点では現在の開発拠点から徐々に 集約させていき、生産・量産体制の構築や新たな衛星の開発環境も担います。また新たな衛星の打上げから、 解析ソリューションのアップデート、 SAR データの提供数や品質向上などのサービス提供部分や、 グローバル 展開を視野に入れた戦略的パートナーシップの強化など 2024 年は今まで以上に速度を上げ事業展開をして まいります。
  • 25. 25 2023 年は衛星通信ビジネスの拡大、衛星データビジネスにおける新たなサービスの開始など、かねてからの取り 組みが実を結んだ 1 年となりました。 ・Intelsat と共同で Horizons-4 を打ち上げ、衛星フリートを 17 機に拡充。北米・太平洋地域の増加する通信需要 に対応。 ・2027 年上期に運用開始予定のフルデジタル衛星 Superbird-9 のプレセールスを開始。 パナソニック アビオニク スへの航空機向け大容量帯域提供が決定。 ・JAXA と近地球追跡ネットワークサービス提供に関わる協定を締結。民間衛星向けサービス提供も視野。 ・QPS 研究所と小型 SAR 衛星運用業務にかかる協業を開始。事業面に加え、技術・運用面での連携を強化。 ・伊藤忠商事と協力してカタール環境省向けにオイル漏れ検知サービスの提供を開始。海洋汚染・海上災害防止に 貢献。 衛星オペレーターである当社としては、長年の運用実績を活かし通信の品質・安定性を維持しながら、HTS や新た に打ち上げるデジタル衛星により通信の大容量化や柔軟性の向上を実現し、官公庁やインフラ企業をはじめとする お客様のご要望にお応えすることが重要であると考えます。また、これまで提供してきた静止軌道衛星に低軌道衛 星、HAPS などを加えた多層的な通信ネットワーク(Universal NTN)を構築し、空飛ぶクルマやコネクテッドカー など将来のユースケースにも対応してまいります。衛星データビジネスにおいては、パートナー企業と連携しなが らサービス開発・販売活動を推進し、安全保障や防災・減災に加え、金融、農林水産、物流など新たな市場を開拓 してまいります。 2024 年は、船舶・航空機向けインターネット回線など成長市場に向けたサービス拡大により衛星通信ビジネスを 更に強化することに加え、衛星データビジネスの拡大、Universal NTN の構築、光データ中継サービスの実現など、 地上から宇宙空間までをビジネスフィールドとするスカパーJSATグループだからこそできるサービスの創造に 引き続き取り組み、超スマート社会の実現に貢献することを目指してまいります。また、宇宙環境の改善にも目を 向け、宇宙ごみ除去への取り組みなどを通じサステナブルな成長に向けて歩みを進めてまいります。
  • 26. 26 SPACE WALKER リアライズグループをリードインベスターとして、JAXA、JAL グループの株式会社 JALUX 等を引受先としま した。シリーズ A ラウンドでは 7.13 億円のを実施し、累計調達額は約 17.5 億円となりました。 また、経済産業省・国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「SBIR 推進プロ グラム」 (一気通貫型)に採択されました。さらに 9 月には、1 社最大 140 億の「文部科学省 中小企業イノベ ーション創出推進事業」 (SBIR フェーズ 3)の宇宙分野(民間ロケットの開発・実証)に採択されました。 誰もが飛行機に乗るように自由に地球と宇宙を行き来する未来の実現を目指します。 持続可能な宇宙輸送手段 を提供し、新たな経済圏の拡大を目指します。また、宇宙輸送システム開発で培った技術を地上等の経済圏で 活かすことにより、地球と宇宙の相互発展に寄与します。 私たちはこれからも日本の宇宙輸送産業の新たな発展に全力を尽くします。2024 年は文科省 SBIR の補助金 を活用し、革新的な技術開発と経済圏の拡大に取り組みます。 宇宙輸送産業が日本の未来の鍵を握る事は間違いありません。歴史の大きな転換点のど真ん中で、私たちが勝 負できる環境にいるという事に、大きな使命を感じずにはいられません。私たちのミッションは、飛行機に乗 るように自由に宇宙を行き来できる未来を実現することであり、 これは単に宇宙へのアクセスを提供する以上 の意義を持ちます。日本の科学技術の優れた能力を世界に示し、国際競争において日本がリードする地位を確 立することが私たちの目標でもあります。 日本の未来を形作り、世代を超えて影響を与えるでしょう。業界の同志の皆様と共にこの挑戦に立ち向かい、 2024 年を日本の宇宙輸送が大きく飛躍する歴史的な年とすることを信じています。
  • 27. 27 SPACE COTAN 2022 年に着工した北海道スペースポート(以下、HOSPO)整備の第一期工事のうち滑走路延伸工事が進捗し ました。春からは滑走路や格納庫等の既存施設の指定管理業者に採択され運営を開始、航空宇宙実験の受け入 れやサービス向上に取り組みました。文部科学省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フェーズ 3) 」により民間スタートアップのロケット開発・実用化支援が始まりましたが、採択企業 4 社のうち 3 社が HOSPO での打ち上げ・実験を希望、さらには他の国内スタートアップや台湾の企業等も HOSPO の利用を希 望されており、宇宙港の必要性がより一層高まってきました。整備資金として企業版ふるさと納税制度を活用 していますが、人口減少に歯止めがかかる等全国的な優良事例として評価され、北海道大樹町が 2022 年度企 業版ふるさと納税制度の内閣府特命大臣表彰を受賞、寄附金額では 2022 年度全国 2 位となり、宇宙産業への 関心の高まりや支援の拡大がみられました。 HOSPO は、アジアの民間にひらかれた商業宇宙港として、国内外の民間企業をはじめとした宇宙関連事業者 に対して、ロケット発射場や滑走路等の設備、快適な打ち上げ環境を提供します。国内では共用の垂直型発射 場は他になく、 さらに垂直型打上げと水平型打上げの両方に対応できる宇宙港としても HOSPO は国内唯一の 宇宙港です。 現在整備中の人工衛星用ロケット発射場は、 インターステラテクノロジズの ZERO を第一顧客と して想定していますが、共用の発射場として他の顧客獲得の営業活動も進めています。また、 「北海道に、宇 宙版シリコンバレーをつくる」というビジョン実現に向けて、宇宙港を核とした航空宇宙産業の集積、宇宙産 業による経済活性化や地方創生も目指しています。現在 7 社・団体が大樹町に進出しており、徐々に産業の集 積が始まっています。HOSPO は、アジアにおける商業宇宙港、宇宙ビジネスの中核拠点のポジションを確立 していきます。 第一期工事である人工衛星用ロケット発射場 LC-1 と滑走路延伸の工事完了を目指し、2024 年度以降の供用 開始に向けた運営方法やサービス内容の検討等を進めます。また、国内および海外の民間企業のサブオービタ ルロケット打上げやエンジン燃焼試験等のニーズへの対応を進め、 民間企業のロケット開発をサポートしてい きます。既に 7 社・団体が大樹町へと進出していますが、さらなる企業進出、関連産業の集積を目指します。
  • 28. 28 2023年は、2022年から続けてきた農業モニタリングのソリューションの開発が完了し、まずはキャベ ツの価格予測から実用化に向けて動き出しました。研究開発から実用に大きく動いた年になります。また、ス イス WEGAW 社との提携や、AWS Market Place への SAR 衛星データ解析アルゴリズムの提供など、ワール ドワイドでの連携も大きく進捗しました。AWS に公開した新規建物解析アルゴリズムは、無料の SAR 衛星デ ータである Sentinel1 のデータを用いて、2 時期を比較して新しくできた建物を検出するアルゴリズムです。 経済指標との相関分析や、自治体の土地利用管理などに活用可能です。 SAR 衛星を活用した農業モニタリング技術について、株式会社電通さまを利用者として技術実証を進めてお ります。昨年より JAXA との J-SPARC 事業コンセプト共創プロジェクトとして技術実証を行っており、来年 より実利用へ移行する見込みです。衛星データ解析という最先端技術が、キャベツの価格予測に活用され、さ らに調味料の CM 最適化を行うという、非常に身近な事例となっています。同様に、衛星から見える変化が身 近な課題の解決に役立つ事例をこれからも増やし、衛星データ利活用の可能性を広げていきます。 2024年は、海外展開の本格化および、日本政府が強化している宇宙産業への投資の獲得など、今後の企業 成長に重要な年になります。海外の衛星事業者とのさらなる連携や、欧州拠点の設立を進めていきます。来年 以降、超小型 SAR 衛星コンステレーションを始めとした、地球観測衛星の数が飛躍的に増大することがワー ルドワイドで見込まれています。弊社は利活用可能なすべての衛星を組合せて解析する「ヴァーチャルコンス テレーション」技術により、より高頻度、高精度な観測を可能にすることで、様々な分野での衛星データ利活 用を推進して行きます。
  • 29. 29 Space BD 宇宙のバリューチェーンを中心に様々な事業を手掛け、手広く仕掛けてきたものが徐々に形になってきた。具 体的には、 衛星開発事業者様を中心としたお困りごと (顕在ニーズ) に対し、 堅実にソリューションを提供し、 併せて宇宙の需要開拓に向けた潜在ニーズの獲得に向けて尽力し、売上も順調に伸びています。 上記の通り、宇宙バリューチェーンにおいて、手広く仕掛けている会社は世界で見ても当社唯一だろうと思わ れる。特に今年は官中心に様々なお金が動き出している中、それをどうビジネス化をしていけるかという点に おいては、今後も仕掛け続けていきたいと考えている。 会社として売上を更に伸ばしている中、人・組織の拡張に向けて尽力し、会社としても、更に面白い会社と思 っていただけるような仕掛けと作っていきたい。売上にならないケースだとしても、例えば、Space Week で 仕掛けた「日本橋周遊型謎解き」のような、宇宙業界全体を盛り上げる施策を Space BD としても貢献してい きたいと考えている。
  • 31. 31 STAR SPHERE プロジェクトは宇宙をすべての人にとって身近なものにし、みんなで「宇宙の視点」を発見し ていくプロジェクトです。1 月には、 「みんなの眼」となる超小型人工衛星『EYE』の打上げに成功。 「宇宙か ら宇宙を、そして地球を見つめる体験」の提供を目指しています。 プロジェクトにとって 2023 年は大変重要な年でした。 ●1 月初旬 打上げ成功〜通信成功 ●2 月中旬 ファーストライトのダウンリンクに成功 ●3 月下旬 姿勢制御および地上局の課題発生。 新たな姿勢制御方法、地上局の課題解決を模索検証 ●6 月初旬 4K 動画のダウンリンク、フル HD 動画のライブストリーミングテストに成功。 『EYE』で「満月」 「オーロラ」 「HⅡA ロケット打上げ」などの撮影にチャレンジ。成功、失敗を繰り返しながら安定的な運用と ノウハウを獲得 ソニーグループ全体としては、 STAR SPHERE プロジェクトだけではなくエンタテインメント領域や他社との 協業を含め宇宙を中心としたさまざまな事業の探索を行っています。2030 年にはグループの柱として発展し ている事業を目指します。 引き続き宇宙を身近にする取り組みを継続し、ソニーだからこそお届けできる宇宙×エンタメの最前線を走り ます! 「 『EYE』を通じた宇宙を身近にする体験の実現」 ①宇宙撮影体験の本格導入②衛星操作体験機会の創出③作品を通じた新たな宇宙の楽しみ方提案など
  • 32. 32 ①宇宙ビジネス専門部署の新設:近年の宇宙産業の多様化やビジネスモデルの変化を大きな機会と捉え、宇宙 スタートアップや宇宙産業に参入する企業との共創を通じて日本の宇宙産業拡大に貢献することを目指し、 2 023年4月に航空宇宙保険部に宇宙産業開発課を新設した。 ②デロイト トーマツ グループ主催の「GRAVITY Challenge JP」に Challenger として参加。Innovator の スタートアップと共に将来的な宇宙旅行の発展を見据えた宇宙往還輸送等のニューリスク研究に着手した。 ③SOMPO リスクマネジメント社と協同で宇宙ビジネス支援サービスを開発。宇宙ビジネス事業者の成功・ 成長をリスクマネジメントの観点から支援するもの。 小型人工衛星開発時における技術的な相談に対応すると ともに、プロジェクトを成功に導くという視点からリスクを抽出し、その解決に向けた取組まで総合的な支援 を提供する。 主にスタートアップの衛星事業者の各々のビジネスに応じたニューリスク研究等を踏まえて適切な保険提供 に取り組み、事業拡大に貢献している。また、保険提供に留まらず、2023 年 11 月にリリースした宇宙ビジ ネス支援サービスにおいては、開発に際し株式会社アークエッジ・スペースとともに、実際の衛星開発におけ る課題・リスクの把握から具体的な解決策の提示までをSOMPOリスクマネジメント社の専門エンジニアが 伴走型で実施し、ロールモデルの構築を行った。 宇宙事業者との業務提携を通じ、宇宙に係るリスクの保険引受ノウハウ・リスクマネジメント能力の向上に取 り組むことで、宇宙事業者の健全な発展を支援し、宇宙産業の発展に貢献していきたい。 日本の宇宙産業の発展は、防災減災などの観点からお客さまの「安心・安全・健康」 、および日本の経済・技術 発展に資するものであることから、保険はもちろんのこと、それ以外のソリューション提供にも尽力していき たい。
  • 33. 33 DigitalBlast ライフサイエンス分野における多様な宇宙実験ニーズに対応するため、 月面での生態循環維持システム構築に 向けたプロジェクト 「NOAH」 のサービスラインアップ拡大に取り組んでいます。 多様な重力環境下での栽培・ 培養を通して、生物の重力応答に関する基礎データを取得する小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ」に加 え、細胞培養実験に特化した「AMAZ Alpha」の研究・開発にも着手。その他、高等植物の栽培やタンパク質 結晶化成長、iPS 細胞などを用いた立体培養実験など、宇宙実験サービスの拡充に向け検討を進めています。 また、2 回目の開催となった総合宇宙イベント「SpaceLINK」は、700 名超えの来場者となり、盛況のうちに 終了することができました。 これまで利用機会が限られていた ISS での宇宙実験でしたが、DigitalBlast で開発中の宇宙実験装置の実験環 境を民間企業・研究機関の顧客に提供し、恒常的なライフサイエンス分野の宇宙実験サービスとして利用して いただくことを目指しています。第一弾の小型植物の栽培実験用途が中心の AMAZ は、ISS への設置・運用を 目指し開発中です。 その他、 宇宙環境利用を活用したプロモーションや製品開発など、 ユーザーを拡大し、 ISS 「きぼう」日本実験棟の利用ニーズを高め、さらには「ポスト ISS」を見据えた LEO 経済圏の確立を図りま す。 ISS 退役後の「ポスト ISS」に向けて、研究・開発する実験装置の利用はもちろんのこと、ISS「きぼう」実験 棟そのものの利用など、宇宙環境利用における市場の拡大や活性化を促す取り組みを、より一層進めてまいり たいと考えています。主催する総合宇宙イベント「SpaceLINK」は、初回の昨年を大きく上回る来場者を記録 し、宇宙ビジネスの盛り上がりを感じています。宇宙領域の裾野を拡大するイベントや、宇宙環境利用の関心 を高めるコミュニティ形成など、宇宙との“つながり”を生み出す活動を続けていきます。また、今後のきぼう 有償利用制度の検討・提言を行い、民間利用の促進につなげていきたいと思っております。
  • 34. 34 ①天地人コンパス『宇宙水道局』のリリースと次々と自治体へ導入!福島市、瀬戸市、青森市、前橋市と導入 が続いています。 ②宇宙ビッグデータ米は今年も美味しいお米を収穫 ③経産省 SBIR フェーズ 3 で 4.3 億円採択!かねてより研究開発を勧めていた、 再生可能エネルギー分野への サービス開発がいよいよ本格化します。 【すみません詳細を控えたザックリした回答ですが…】衛星画像単体の分析ではなく、お客様の業務効率化に 繋がるようなサービスを価値だと考えています。 (宇宙水道局はその代表例です) まずは宇宙水道局の国内展開を強力に推進します。さらに水道事業の海外展開もチャレンジしたいと思いま す。また、再生可能エネルギー分野や農業分野にも継続的に注力します。
  • 35. 35 当社では、宇宙ならではのリスクへの挑戦と地上における社会課題解決に向けて、保険に留まらない価値提供 を通じた宇宙産業の発展への貢献を目指し、 取り組みを推進してきました。 多くの取り組みを進めていますが、 2023 年の主なトピックは以下の通りです。 ①地球低軌道の事業化と新たな産業創出ならびに社会課題の解決に貢献するため、 三菱 UFJ 銀行、 兼松と共に 米国のシエラ・スペースに出資しました。 ②より多くの事業者の宇宙産業への参入と事業継続に向けた安心安全な環境づくりを官民連携で進めるため、 JAXA と「宇宙リスクソリューション事業」の共創を開始しました。 ③デブリ対策を含む Space Sustainability をテーマに ANA、アストロスケールと 3 社での積極的な意見交換 を実施しました。 今後も事業者の皆様と国際宇宙保険市場との対話の機会を創出し、 各事業概要や技術力を理解してもらい信頼 性を高めることで、日本の宇宙産業のグローバル競争力の向上に貢献してまいります。また、宇宙ビジネスの 多様化に伴いリスクも多様化していることから、従来の保険商品やサービスに留まらず、軌道上ビジネスや月 面ビジネスなど新たなビジネスを支援するソリューションをお届けします。 また、衛星技術等を活用し、インフラ設備等の損害を未然に防ぐ仕組みや、災害発生時の迅速な生活再建に向 けた保険金の早期支払い等の具体策を検討するとともに、 これらの実現に向けたさまざまな企業との更なる協 業を推進していきます。 日本の宇宙事業者の皆様とのこれまでの連携、 そして長年に亘る国際宇宙保険市場での対応を通じて培ってき た宇宙保険のノウハウと経験を活かし、多様化するビジネスリスクに合わせた新たな保険商品の開発・提供を 進めていきます。また、国内の宇宙事業者のグローバルな競争力を高めるため、官民連携のもとリスクマネジ メントや保険商品の提供を行い、日本の宇宙事業の発展に貢献していきます。
  • 36. 36 TOWING 昨年に続き、SPACE FOODSPHERE(https://spacefoodsphere.jp/)に所属し、宇宙での食料生産プロジェ クトについて他企業や団体と連携しながら、構想検討を行いました。また、SPACE FOODSPHERE 内の Stardust Program に参画し、弊社が開発に関与しているレゴリス多孔質体を活用した高度資源循環型の食料 供給システムの開発を行い、一定以上の成果を上げることができました。 微生物培養技術や土壌研究の成果を社会実装し、持続可能な超循環型農業を地球・宇宙双方で実現するという ミッションを弊社は掲げています。具体的には、地球上では有機肥料の利活用を踏まえた土壌改良、カーボン ファーミング、資源循環に関するプロジェクトを行っており、宇宙では現地の資源を活用した循環型の栽培シ ステムの開発を行っています。 2024 年も引き続き、SPACE FOODSPHERE の中で宇宙での食料生産システムの開発を行う予定です。2025 年以降も精度を上げ、開発を進めます。
  • 37. 37 (TOYOTA MOTOR CORPORATION) 4 月にトップが交代し、それに伴い新体制のテーマとして、 「継承と進化」を掲げております。継承すべきも の、目指す進化はそれぞれ「商品と地域を軸にした経営」 、 「モビリティカンパニーへの変革」であり、地域毎 のお客様に合わせた商品やサービスの開発、クルマ屋だから出来ることなど、多様なニーズにお応えできるよ う、クルマの価値を高めていけるよう、取り組みを推進してまいります。 非回答 地球観測衛星データには多くの可能性があると感じておりますが、 一方でいますぐ思い描いた通りに活用で きるかは難しいところもあると認識しております。しかしながら、光学センサや SAR センサを搭載した衛星 のコンステレーションの計画が進められている状況などから、より幅広い視野で、地球観測衛星のデータをど う活用していけば弊社の Mission である幸せの量産を実現できるか、 将来の動向も見据えながら取り組みを進 めて行きたいと思っております。
  • 38. 38 昨年度に引き続き、経済産業省「衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」にて ASNARO-2 データを Tellus へ提供させていただき、 事業者の皆様にご活用いただくなど、 少しずつデータ利用が実用の段 階へ進んでいることを実感した 1 年でした。同時に、事業化に際して衛星データの頻度や数量、提供までの時 間といった課題も浮き彫りになってきており、 事業者の皆様と、 ASNARO-2 データを ASNARO-2 以外の衛星 データや地上データと組み合わせて付加価値を作ることに取り組んだ 1 年でもありました。 主に社会インフラに携わる事業者様に対して、衛星データの継続性や広域性、また X-SAR データならではの 高精度な変化抽出技術を活かしたモニタリングサービスの開発に引き続き取り組んでいきたいと考えており ます。 ASNARO-2 は 2024 年 1 月で打ち上げから丸 6 年となります。この間、多くのお客様にデータをご利用いた だくことができました。衛星はベテランになりますが未だに健康を維持できておりますので、わが国初の商用 X-SAR 画像プロバイダーとして、2024 年も広くデータをお使いいただけるよう趣向を凝らし、衛星データを 活用したビジネスの開発にお役立ていただけるよう努力してまいります。
  • 39. 39 New Space Intelligence ・経済産業省 令和 4 年度第二次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業費補助金」に採択されまし た。 ・ディープテック・スタートアップ支援基金/SBIR推進プログラム/フェーズ1(NEDO-SBIR) に採択 ・ 「J-Startup WEST」選定企業として認定されました。 ・「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2023 ジャパン」中国地区の ・Challenging Spirit 部門の特別賞を受賞 金融機関や認証事業者と連携した、非財務領域のグローバルインデックスを創造します。全地球を網羅的に一 元化する指標を作成し、環境指標、金融指標等の地上情報と連携させグローバルに評価する新機軸をつくるべ くチームアップを進めます。野心的に TCFD,TNFD との連携も模索します。 2024 年、NSI 社は衛星リモートセンシング技術の先駆者として、環境保護と持続可能な開発に大きく貢献し ます。最先端の衛星データを活用し、地球規模の課題に対応するソリューションを提供。革新的な衛星技術を 通じて、気候変動への対応、資源管理の最適化、災害予防の強化を目指します。NSI 社は、高度なデータ分析 能力と研究開発への投資を加速し、世界中のパートナーと協力して、より良い未来を実現します。
  • 40. 40 2023 年 3 月に ALOS-3 消失という事業参画している当社にとっては大きな出来事があり、 当面の事業計画を 組み立て直しました。当社は現在活用できる海外商用衛星を目一杯用いて、現在立ち上がりつつある衛星デー タ活用ビジネスを決して停滞させることなく盛り上げることを誓い国内外に対して事業展開を推し進めた 1 年です。 衛星データ利用実証が盛んに行われていますが、 当社では行政機関を中心に多分野で実利用して貰っていると 思っております。ただし普及率でいうとまだまだ実態は限定的です。実は同じ解析結果は行政側の多部門で有 用な情報であるため、当社では行政内横断的な利用や、また行政側の持つ申請や規制の情報と空間的に重畳さ れる環境を併せて提案することで普及を推進しております。 衛星権利などの投資も辞さない覚悟で思い切った事業展開を国内外に対してかけて参りたいと思います。
  • 41. 41 当社の基板材料や実装補強材料といった電子材料製品を ISS にて宇宙曝露実験を行い、信頼性を実環境で証 明しました。さらにその結果を学会発表や SNS で発信することで多くの皆様に知っていただくような活動を 行いました。 さらにパナソニックグループでは JAXA 探査ハブとの共同研究を複数実施しており、将来の宇宙探査・宇宙利 用のための技術開発にも貢献しております。 また、将来の宇宙での暮らしを想定し、海外で販売している圧し洗い式洗濯機をベースに無重力でも使用可能 な洗濯機を S-Booster に提案しました。 当プロジェクトはパナソニックグループが地球だけでなく、 宇宙でも暮らしを支える企業グループになってほ しいと考えて活動しています。地上では家電や住宅など、人の暮らしに密着した製品を提供しているのと同じ ように、宇宙空間・月・火星で多くの人が住む近い将来にも、人の暮らしと寄り添う企業でありたいと考えて います。 とはいえすぐに宇宙の暮らし分野をビジネスにするのは難しいため、直近で明確なニーズのある材料、デバイ ス、ソフトウェア等から宇宙業界に貢献するところから着実に進めています。
  • 43. 43 PwC 2023 年はこれまでの宇宙ビジネスチームを拡大し、 より組織横断で対応できる組織への変革を実施しました。 これにより、今まで以上に様々な産業領域、技術領域について組織横断でのサービス提供を行うことが可能に なりました。また従前より弊社の特徴でもあったグローバル連携についても、宇宙ビジネスチームが 5 地域 (欧州・北米・中東・アジア・オセアニア)14 ヶ国に拡大したことで、より広範なナレッジ連携のうえでサー ビス提供を行う体制が整ってきた年でもありました。 宇宙に関する産業・事業領域が地上〜軌道上、深宇宙にまで広がりを見せている中で、官民がそれぞれの取組 を加速させつつ、より強固な連携も築けるよう、弊社としては上流のルールメイキングから社会実装の実行フ ェーズまで、幅広く日本の宇宙産業の盛り上がりに貢献していきたいと考えております。 今後 2〜3 年、或いはそれ以降も見据えて組織横断で対応できる体制をさらに 整備して取り組んでいきたい と考えております。宇宙に関する産業がより盛り上がりを見せていくと想定される中、弊社がどのように宇宙 に関する産業を捉えているかも含めて、現在検討中のコンセプトなどについて、年明けから順次、対外的に情 報発信を実施していく予定です。
  • 44. 44 Pale Blue 2023 年 3 月に、Pale Blue の推進機が STAR SPHERE プロジェクトの超小型人工衛星「EYE」に搭載され、 初めて軌道上での作動に成功しました。10 月にはシリーズ B ラウンド・ファーストクローズの資金調達を実 施し、直近の銀行借入も含めた調達総額は約 10 億円になりました。従来の水統合式エンジンと比較して性能 を飛躍的に向上させた KIR-X が、 JAXA 「革新的衛星技術実証4号機」 実証テーマの一つとして採択され、 2024 年度の打上げに向けて開発を進めています。並行して、水ホールスラスタの研究開発も進めています。 2023 年 3 月に、Pale Blue の推進機が STAR SPHERE プロジェクトの超小型人工衛星「EYE」に搭載され、 初めて軌道上での作動に成功しました。搭載されている推進機は、今後軌道維持に使用される予定です。8 月 には韓国 延世大学のキューブサット 2 機に向けた水蒸気式推進機を受注し、衛星間レーザー通信のための編 隊飛行に使用される予定です。 今後は、キューブサットだけではなく 500kg 級の小型衛星までをターゲットとし、次世代イオンエンジンや ホールスラスタの研究開発を加速させつつ、事業をグローバルに拡大していきます。 「宇宙産業のコアとなるモビリティの創成」というビジョンの実現に向けて、世界を代表する推進機メーカー となるべく、宇宙実績のある推進機を中心に販売拡大を行っていきます。また、NEDO「ディープテック・ス タートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業」 (DTSU 事業)の DMP フェーズ(量産化 実証)に採択されたことから、小型人工衛星向け推進機の価値向上や量産の研究開発を加速させ、生産拠点を 立ち上げていきます。2023 年 9 月に採択された文部科学省 中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フ ェーズ 3)ではスペースデブリ低減に必要な技術として、人工衛星の軌道離脱及び衝突回避のための超小型水 イオンスラスタおよび水ホールスラスタの開発及び宇宙実証を行います。
  • 45. 45 新規プロジェクトへの参画として、 気象庁様から 「次期静止気象衛星 (ひまわり 10 号) 」を受注しました。 「ひ まわり 7 号」から 4 基連続の受注となります。今年 6 月に閣議決定された政府の宇宙基本計画においても国 土強靱化・地球規模課題への対応の重要性が謳われており、当社としましては、 「ひまわり 7 号」から 20 年 以上続くわが国の気象衛星事業への貢献で培った知見を最大限に活用し、 近年国内で甚大な被害をもたらして いる台風や集中豪雨、線状降水帯の予測精度向上や、防災気象情報の高度化など、わが国の防災機能強化に貢 献していきたいと思います。また、9 月には JAXA 様のプロジェクトである小型月着陸実証機「SLIM」の打上 げが成功しました。当社は着陸機のシステム開発及び製造を担当しており、宇宙基本計画にある「宇宙科学・ 探査における新たな知と産業の創造」の方針に沿って、将来の月面着陸や持続的な月面活動の推進にも貢献し て参ります。 従来より当社は人工衛星やその関連地上機器といったハードウェア提供を中心に事業を推進して参りました が、今後は衛星データを活用したソリューション事業にも展開していきたいと考えております。観測衛星から 得られる画像データを利用し、迅速な災害状況の提供や平時からの社会インフラ監視といった防災分野、広大 な海域から船舶や漂流物を抽出する海洋分野、様々な場所を客観的・広域的・網羅的に観測して社会活動を支 援する ESG 分野など、幅広いニーズに応えていきます。 2024 年度から政府の定める宇宙技術戦略に基づいた新たな基金による技術開発が始まることが期待されてい ます。重要技術開発、その開発成果による商業化、更なる国へのフィードバック、という好循環を築くための 最初の1年になると思います。当社としても、この新しい枠組みを活用し、国にとって重要となる技術開発へ の取り組み、その技術を活用した商業化に注力していきたいと考えています。
  • 47. 47 明星電気が JAXA 殿契約により開発した光学機器、観測機器を搭載した JAXA 殿探査機の小型月着陸実証機 SLIM と ESA 探査機の木星氷衛星探査機 JUICE がそれぞれ 9 月と 4 月に打ち上げられました。観測機器は順 調であり、着陸や探査にて新たな発見に貢献することを期待しています。 今年は、明星電気では、火星衛星探査機の開発の終盤に入っており、探査機開発を計画通り進められるように 全社をあげて開発に邁進しています。 さらに、長年の宇宙機開発に対して、筑波宇宙センターの開設 50 周年記念式典で JAXA から感謝状を頂戴し ました。日頃の成果をこのような形で取り上げていただくのは嬉しい限りです。 明星電気は、独自の Sensing and Communication 技術を企業理念にかかげており、宇宙分野では、深宇宙 探査にて放射線、電磁波などの宇宙環境や、惑星表面の元素組成、水分や赤外線、X 線、ガンマ線で観測する 宇宙の姿などのこれまで人類が有していない科学的知見を得るための装置(データ)を提供しております。 今後は、当社のカメラ・分光計・粒子観測(放射線観測)無線機・制御装置などの技術をもって、月プログラ ムや火星などの新たな科学的知見と共に、地球環境の監視、保全、活用に貢献するための装置なども提供して いきたいと考えております。 2024 年も、引き続き、参画させていただいている探査機などの多くのプログラムの機器を着実に開発してい きます。それぞれのプロジェクトにおいて、お客様との綿密なコミュニケーションを通じて、開発完了までの 過程をスムーズに進めていくことを心掛けたいです。 また、 観測装置の高度化に必要な技術を新たに獲得提供していくとともに、 新たな事業領域として Near Space ともよばれる成層圏への事業展開へも取り組みたいですね。
  • 50. 50 Ridge-i 2022 年は宇宙開発利用大賞受賞などがきっかけで、 弊社のことを知っていただくことが多かった 「きっかけ」 の年になりましたが、 2023 年は複数実案件化し、 衛星事業としても大きく「成長」 した一年になりました (あ りがたいことに衛星事業単体では売上が 2 倍以上と大きく成長しました) 。また、地道な活動ですが、案件化 と並行して基盤技術の高度化(アセットとして組み込めるように特許を 2 件取得済み、特許出願も複数件実 施)も進めており、成長と同時に「足元を固める」ような 1 年でもあったと考えています。 今年も多くのお客様と業務させていただきましたが、一例挙げるとすれば、ある機関が地図更新をするための 業務フローに AI システムを初めて導入されるご支援を実施しました。このシステムは異なる衛星(しかも異 なる分解能)から変化した箇所を見つけるという非常に難易度の高いプロジェクトでしたが、地図更新の業務 フローを詳細に分析し、 我々の有するエンジンをどのように適用すると費用対効果が高いかまで分析した結果 をお示ししました。 まだ途中ではありますが、 高い評価をいただいております。 今後はこの成果を生かし、 様々 なデータを組み合わせて変化を捉えていけるようなシステム構築を進めたいと考えています。 2024 年は、2023 年までに蓄積してきた技術アセットをもとにより広く社会に還元できるような一年にした いと考えています。2023 年の後半あたりから、案件の増加とともに、衛星解析チーム人員も増えており、多 くの案件をさばける体制ができてきております。官だけではなく、民でのプロジェクト組成も増えて来ており ますので、より多くのお客様にリーチできるように発信も強めていければと思います。
  • 51. 51 RESTEC RESTEC 経営方針及び 2023 中期事業計画を見直し、 「リモートセンシング技術で豊かな未来を拓く」ことを新たに ビジョンとして掲げるとともに、技術開発及び製品開発能力の強化、新分野への事業拡大及び公益性の高い事業の 継続的な実施を 3 つの方針として策定しました。弊財団は、リモートセンシング技術に関わる開発利用に不断に取 り組み、技術力をさらに高め、その成果を多くの分野に役立つ価値のある情報にし、社会・生活・人々をつなぎ、 広く国内外の社会と分かちあうことを目指します。この方針及び計画に基づき、我が国の宇宙開発利用事業の推進 を支援するべく、今後打ち上がる予定の ALOS-4 の運用準備の他、JAXA 衛星等の運用、校正検証、解析研究等を 実施しています。また、弊財団で年に 1 度開催している RESTEC フォーラムを約 3 年ぶりに対面とオンラインのハ イブリッド方式で開催し、関係省庁、民間企業等から多くの方にご参加いただいて、財団の実施中の事業や今後の 展望等についてご報告させていただきました。 地球観測衛星に関する開発、運用、校正検証、解析研究から利用にかけての一連のリモートセンシング技術の知見 を踏まえた、リモートセンシング技術の社会実装を推進していきます。また、国内外の民間企業や宇宙関係機関等 と積極的に連携を進め、マルチソースデータと技術の融合により、多種多様なニーズに応えるソリューションを創 出し、社会課題の解決を目指します。加えて、人材養成事業及び研究助成等の普及促進事業を通じて、リモートセ ンシング技術利用の裾野の拡大を図るとともに、 リモートセンシング分野のコミュニティの活性化に取り組みます。 地球観測衛星に関する開発、運用、校正検証、解析研究等を通じて、我が国の宇宙開発利用事業の推進を支援する とともに、次期光学衛星ミッション検討についても参画を進めてまいります。また、国内外の民間企業や宇宙関係 機関等と積極的に連携を進め、新しい技術を取り入れ、リモートセンシング技術利用の可能性を追求しながら、農 業、インフラ・土木、安全保障等の分野に向けたソリューション創出及び製品を開発して提供することに加えて、 宇宙技術戦略等を踏まえ、関係省庁等に対して、リモートセンシング利用に係る様々な提案を行い、社会経済の発 展及び人々の生活の質の向上に資する社会実装を推し進めます。また、コミュニティの活性化及びリモートセンシ ング技術の利用に係る人材養成等、公益性の高い事業を確実に実施してまいります。
  • 52. 52 資金面については損保ジャパン社と資本業務提携を行ったことが大きなトピックでした。 そこからビジネス面 として光通信サービスの導入支援サービスの一貫としてデスクトップデモンストレーションを開始する契約 を、昨年の Synspective 社に続く形で、Privateer 社と LatConnect 60 社と結べました。開発的には PDR を 完了し、マーケットとテクノロジーの接合点を見いだせ、本格的に次のステップへと進めることになったこと が大きく、また、光ルーター・モデムの開発が SBIR 推進プログラムに採択されたことで私たちの描くビジネ スに欠かせないテクノロジーの開発を更に推進できるようになったことがトピックとしてあげられます。 インフラ事業は大きな社会課題を解決する一助になれることが必要だと考えておりますが、 中でも防災や環境 に関しては必要とされる場面が増えており、これらに対するユースケースを具体化できればと考えています。 私たちのサービスを通じて即応的にデータを取得することと、データレートを高めることができるため、この 特徴を最大限活かして、衛星データの活用事例を増やすことができればと考えています。例えば、水害発生時 に機動的に被災地に必要な支援を届けられるようにしたり、 環境面においては米国などを筆頭に進む炭素排出 量の開示にあたって多数のアセットに及んでも統一的な排出量データを提示できるような衛星データソリュ ーションを提供したりと、垂直統合的にソリューションを生み出すことに寄与できればと考えています。 マーケットイン後の想定状況を見据えながらより技術的に深化させてゆきつつ、着実に開発を進めること。
  • 53. 53 Yspace 民間月面着陸が日本で初めて挑戦された年でしたが、 弊社としては輸送事業に関して大手企業様との連携に始 まり、月面産業構築のための月面メタバースを用いた月面データプラットフォーム/月面3D 地図の開発スタ ートという年となりました。今後の月面探査に向けてアップデートしていきます。 現在進めている月面データプラットフォーム事業としては月面探査を行う企業には探査計画から着陸地点の 解析などを連携して行い、 今後月面市場に参入する企業には 3 次元空間内での将来設計やシミュレーションな どを提供していきます。弊社が開発する月面データプラットフォーム/月面 3D 地図が今後の月面探査のベー スとなるように開発と連携の方を進めていきます。 月面データプラットフォーム/月面 3D 地図の開発と企業連携を進めていきます。海外展開も視野に入れ事業 展開していきます。それに加え、輸送最適化/宇宙物流の分野でも企業連携と市場構築を進めてまいります。
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