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UX Book Club
Measuring the User Experience
Soyeon Lee(@theuxer)
11 Jan 2015
AtVolare Inc.
https://www.facebook.com/events/79029378
1020794/
Chapter 5 Issue-Based Metrics
5.1What is a usability issue?
• Usability issueの例
– タスク完遂を妨げる行動
– コースから離脱しちゃう行動
– 被験者からの苛立ちの表現
• Real Issues versus False Issues
– 被験者の一人が提起する問題だとしても、そ
のロジックがはっきりしていればReal Issueと
して扱うが良い
5.2 How to identify an issue
• どうやって問題を見つけるか
– 被験者と直接接して特定する
• 言葉や行動を観察
– あらかじめ予想しておくことも良いが、オー
プンマインドでいることも重要
– 予想外の問題が発見されることもある(1982
年 Appleの例)
– 自動化されたテストにて、被験者にコメント
を書いてもらうことも可能
5.3 Severity ratings
• 問題の深刻度を決めること
– Low/Medium/High
– UXへの影響、頻度、ビジネスへの影響、コス
トといった要因をあわせてメトリクスを作る
ことも可能
– BTSと同じRating systemを使うとなおよし
– 人によって「深刻度」の見解が異なるという
問題もある
5.4 Analyzing and reporting metrics
for usability issues
• Iterationを重ねて、デザインがよくなって
いることを検証する
– 問題の数、深刻度、問題を見つけた被験者の
数を追いかける
– フォーカスしたい領域を明確にするためには、
問題をカテゴリーに分けたり、タスク毎に問
題を整理すると良い
5.5 Consistency in identifying usability
issues
• ユーザビリティテストにおいて、同一な
評価基準を持つことは可能か?
– 様々な研究が行われたが、おおむね難しいと
いう結論
– CUE(Comparative Usability Evaluation)という名
前で9回のリサーチが行われたが、「深刻度」
において、毎度ユーザービリティ専門家たち
の意見が割れた
5.6 Bias in identifying usability issues
• バイアスは完全に排除できないが、理解
しておくと良い
– 被験者、タスク、検証対象、環境、モデレー
タ、期待値
– 深刻な問題の発見率はユーザーの数よりタス
クの数と関係がある、という調査結果がある
– バイアスをおさえるためには、ユーザー数を
増やすよりタスクの数を増やすと有効である
– Moderator Biasの例(Eye tracking)
5.7 Number of participants
• “Magic number 5”
– 5人で足りる vs 足りない
– この本のオススメ
• 経験からして、5〜6人で足りるといえる。特にターゲットが
はっきりしていてデザインスコープが限られている場合
• できるだけ多くの問題を見つけたい、ユーザーターゲット層が
複数ある、またデザインスコープが広い場合は被験者を増やす
http://www.nngroup.com/articles/why
-you-only-need-to-test-with-5-users/
Summary
• ユーザーと直接接して言葉や行動を観察記録
することが問題発見には最も良いが、他の手
段も考えられる
• 問題がRealかFakeかを決めるときは、その経
緯がロジカルか気まぐれかを考慮する
• 深刻度やその他の影響を合わせて指標とする
とその後の改善に役立つ
• ユニークな問題の頻度、特定の問題を見つけ
たユーザーの数、タスク・カテゴリー毎の問
題を指標とするとその後の改善に役立つ
• 一貫した指標を用いて、バイアスに注意する
感想
• ユーザビリティ専門家orチームと、実際の開発チームが離れている
前提で書かれている本だと思った。In-houseの場合は結果の活用に
おいてより柔軟に対応することができると思った。
• ケーススタディが面白かった。もっと知りたかった。また、自分の
中のケーススタディを浮かべながら読むことができて非常に楽し
かった。
• 今まで体験してきたユーザビリティテストでは、発見された問題の
Ratingが正しく行われていなかったと感じた。発見された問題に対
して深刻度をつけることもいいけど、そもそも問題をなぜ解決しな
いといけない?というゴールを明確にするためにもメトリクスが必
要だと思った。「ビジネスへの影響」「UXへの影響」はまだ定義と
してはあいまいだと感じた。
• “Magic Number 5”は自分も護身でよく使う出典であるが、より多く
の被験者がいた方がいいケースや、5人で足りるケースを分けてそ
れぞれどうするといいかを提案してくれていたのでありがたい。
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  • 1. UX Book Club Measuring the User Experience Soyeon Lee(@theuxer) 11 Jan 2015 AtVolare Inc. https://www.facebook.com/events/79029378 1020794/
  • 3. 5.1What is a usability issue? • Usability issueの例 – タスク完遂を妨げる行動 – コースから離脱しちゃう行動 – 被験者からの苛立ちの表現 • Real Issues versus False Issues – 被験者の一人が提起する問題だとしても、そ のロジックがはっきりしていればReal Issueと して扱うが良い
  • 4. 5.2 How to identify an issue • どうやって問題を見つけるか – 被験者と直接接して特定する • 言葉や行動を観察 – あらかじめ予想しておくことも良いが、オー プンマインドでいることも重要 – 予想外の問題が発見されることもある(1982 年 Appleの例) – 自動化されたテストにて、被験者にコメント を書いてもらうことも可能
  • 5. 5.3 Severity ratings • 問題の深刻度を決めること – Low/Medium/High – UXへの影響、頻度、ビジネスへの影響、コス トといった要因をあわせてメトリクスを作る ことも可能 – BTSと同じRating systemを使うとなおよし – 人によって「深刻度」の見解が異なるという 問題もある
  • 6. 5.4 Analyzing and reporting metrics for usability issues • Iterationを重ねて、デザインがよくなって いることを検証する – 問題の数、深刻度、問題を見つけた被験者の 数を追いかける – フォーカスしたい領域を明確にするためには、 問題をカテゴリーに分けたり、タスク毎に問 題を整理すると良い
  • 7. 5.5 Consistency in identifying usability issues • ユーザビリティテストにおいて、同一な 評価基準を持つことは可能か? – 様々な研究が行われたが、おおむね難しいと いう結論 – CUE(Comparative Usability Evaluation)という名 前で9回のリサーチが行われたが、「深刻度」 において、毎度ユーザービリティ専門家たち の意見が割れた
  • 8. 5.6 Bias in identifying usability issues • バイアスは完全に排除できないが、理解 しておくと良い – 被験者、タスク、検証対象、環境、モデレー タ、期待値 – 深刻な問題の発見率はユーザーの数よりタス クの数と関係がある、という調査結果がある – バイアスをおさえるためには、ユーザー数を 増やすよりタスクの数を増やすと有効である – Moderator Biasの例(Eye tracking)
  • 9. 5.7 Number of participants • “Magic number 5” – 5人で足りる vs 足りない – この本のオススメ • 経験からして、5〜6人で足りるといえる。特にターゲットが はっきりしていてデザインスコープが限られている場合 • できるだけ多くの問題を見つけたい、ユーザーターゲット層が 複数ある、またデザインスコープが広い場合は被験者を増やす http://www.nngroup.com/articles/why -you-only-need-to-test-with-5-users/
  • 10. Summary • ユーザーと直接接して言葉や行動を観察記録 することが問題発見には最も良いが、他の手 段も考えられる • 問題がRealかFakeかを決めるときは、その経 緯がロジカルか気まぐれかを考慮する • 深刻度やその他の影響を合わせて指標とする とその後の改善に役立つ • ユニークな問題の頻度、特定の問題を見つけ たユーザーの数、タスク・カテゴリー毎の問 題を指標とするとその後の改善に役立つ • 一貫した指標を用いて、バイアスに注意する
  • 11. 感想 • ユーザビリティ専門家orチームと、実際の開発チームが離れている 前提で書かれている本だと思った。In-houseの場合は結果の活用に おいてより柔軟に対応することができると思った。 • ケーススタディが面白かった。もっと知りたかった。また、自分の 中のケーススタディを浮かべながら読むことができて非常に楽し かった。 • 今まで体験してきたユーザビリティテストでは、発見された問題の Ratingが正しく行われていなかったと感じた。発見された問題に対 して深刻度をつけることもいいけど、そもそも問題をなぜ解決しな いといけない?というゴールを明確にするためにもメトリクスが必 要だと思った。「ビジネスへの影響」「UXへの影響」はまだ定義と してはあいまいだと感じた。 • “Magic Number 5”は自分も護身でよく使う出典であるが、より多く の被験者がいた方がいいケースや、5人で足りるケースを分けてそ れぞれどうするといいかを提案してくれていたのでありがたい。