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トライポにトライを
- 1. トライポにトライを 佐々⽊恭志郎1,2,3 ⼭⽥祐樹2 1早稲⽥⼤学，2九州⼤学，3 ⽇本学術振興会特別研究員 第1回⽝⼭鯨類鰭脚類⾏動シンポジウム Inuyama CetaPin 1 京都⼤学霊⻑類研究所 2017. 10. 14
- 4. ⾒た⽬がきもい
- 5. 同じ顔がたくさんだと気持ち悪い(クローン減価効果) (Yonemitsu, Sasaki, Gobara, & Yamada in prep)
- 6. 同じ顔がたくさんだと気持ち悪い(クローン減価効果) (Yonemitsu, Sasaki, Gobara, & Yamada in prep)
- 7. 物が集合するときもい
- 10. 集合体恐怖(トライポフォビア) 2013年にPsychological Science誌に掲載 (Cole & Wilkins, 2013)
- 11. 集合体恐怖(トライポフォビア) 2013年にPsychological Science誌に掲載 (Cole & Wilkins, 2013) 学術界デビュー！！
- 12. なぜ気持ち悪いの？
- 15. 視覚的不快感と空間周波数 ⾃然情景 フーリエ 変換 パワー 空間周波数 ⾃然情景をフーリエ変換すると振幅の強度は 空間周波数(f)に反⽐例(1/fの振幅スペクトル) 1/fから逸脱する場合は不快 (e.g., Fernandez & Wilkins, 2008) トライポフォビアも？
- 18. トライポフォビアと空間周波数 トライポフォビック画像と統制画像を画像解析 中域 (45〜181 cpi) の空間周波数帯域で パワースペクトルに差 中域の空間周波数で振幅が⾼い！ 逸脱してた！
- 21. 本当に中域だけ？
- 23. 1/fフィルタリングによる検討 1/fのスペクトルを持つようにトライポフォビック 画像を加⼯ 加⼯前 加⼯後 Le et al., 2015 中域のパワーを抑えても不快
- 24. 空間周波数除去による検討 低域・中域・⾼域の空間周波数成分を除去 Sasaki, Yamada et al., 2017, Adv. Cogn. Psychol. オリジナル 低域除去 中域除去 ⾼域除去 不快じゃないはず
- 25. 空間周波数除去による検討 トライポフォビック画像 では条件間に差はない Sasaki, Yamada et al., 2017, Adv. Cogn. Psychol.※誤差棒は95%CI 中域除去しても不快さは 減らない！ -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4
- 26. 空間周波数除去による検討 トライポフォビック画像 では条件間に差はない Sasaki, Yamada et al., 2017, Adv. Cogn. Psychol.※誤差棒は95%CI 中域除去しても不快さは 減らない！ -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 中域の成分だけじゃなさそう
- 27. 空間周波数除去による検討 それぞれの帯域だけを残した画像の不快感を測定 Sasaki, Yamada et al., 2017, Adv. Cogn. Psychol. オリジナル ローパス ミッドパス ハイパス
- 28. 空間周波数除去による検討 トライポフォビック画像 ではオリジナル・低域・ 中域は同程度に不快 Sasaki, Yamada et al., 2017, Adv. Cogn. Psychol.※誤差棒は95%CI -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4
- 29. 空間周波数除去による検討 トライポフォビック画像 ではオリジナル・低域・ 中域は同程度に不快 Sasaki, Yamada et al., 2017, Adv. Cogn. Psychol.※誤差棒は95%CI -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 中域だけじゃなく低域も寄与
- 31. 空間周波数除去による検討 トライポフォビア特性(e.g., Le et al., 2016)の 個⼈差と各帯域が喚起する不快感の関係を検討 Sasaki, Yamada et al., 2017, Adv. Cogn. Psychol. ＞ めっちゃキモい
- 32. 空間周波数除去による検討 トライポフォビア特性(e.g., Le et al., 2016)の 個⼈差と各帯域が喚起する不快感の関係を検討 Sasaki, Yamada et al., 2017, Adv. Cogn. Psychol. めっちゃキモい 低域が寄与しているのであればトライポフォビア特性 の⾼低で不快感に差があるはず！ ⽇本語版トライポフォビア尺度(TQ: Chaya et al., 2016)で測定可能
- 33. 空間周波数除去による検討 トライポフォビック画像の オリジナル・低域・中域で トライポフォビア特性の 個⼈差の影響アリ Sasaki, Yamada et al., 2017, Adv. Cogn. Psychol.※誤差棒は95%CI -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4
- 34. 空間周波数除去による検討 トライポフォビック画像の オリジナル・低域・中域で トライポフォビア特性の 個⼈差の影響アリ Sasaki, Yamada et al., 2017, Adv. Cogn. Psychol.※誤差棒は95%CI -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 やはり低域もトライポフォビアに寄与
- 36. 低域・中域成分とトライポフォビア 視覚的不快感が⽣起 トライポフォビアに 寄与？ 1/fから逸脱したスペクトルの場合， 処理の際に過度の神経応答が惹起 Le et al. (2015)とSasaki et al. (2017)で 使⽤された画像の解析結果 中域辺りの空間周波数に⼈間の視覚系は 鋭敏 1 10 100 1000 10000 100000 1000000 1 10 100 1000
- 38. そもそも⽳じゃないとだめ？
- 39. ⽬や顔の集合 Chaya, ・・・& Yamada, 2017, PeerJ 社会不安特性とトライポフォビア特性両⽅が関与
- 40. ⽬や顔の集合 ⽬や顔の集合も気持ち悪い Chaya, ・・・& Yamada, 2017, PeerJ 社会不安特性とトライポフォビア特性両⽅が関与
- 41. ⽬や顔の集合 ⽬や顔の集合も気持ち悪い Chaya, ・・・& Yamada, 2017, PeerJ 社会不安特性とトライポフォビア特性両⽅が関与 ⽳じゃなくても円形ならOK
- 43. 嫌悪感とトライポフォビア Imaizuimi et al. (2015) トライポフォビア特性 中核的嫌悪感受性 (嫌悪感の⼀種) 個⼈的苦痛特性 (共感性の⼀種) 視覚的不快感感受性 他にも中核的嫌悪との 関連を⽰す研究アリ (Kupfer & Le, in press)
- 44. 嫌悪感とトライポフォビア Imaizuimi et al. (2015) トライポフォビア特性 中核的嫌悪感受性 (嫌悪感の⼀種) 個⼈的苦痛特性 (共感性の⼀種) 視覚的不快感感受性 他にも中核的嫌悪との 関連を⽰す研究アリ (Kupfer & Le, in press) どうも嫌悪感っぽい？
- 46. 蓮コラ 中核的嫌悪が関連してるなら⽪膚表⾯への 「蓮コラ」はやばそう Furuno et al., 2017 やっぱりやばい
- 47. VRセルフ蓮コラ 写真の⼈物や動物よりも「⾃分の⼿」と 認識された対象だと・・・・ Sasaki, ・・・, & Yamada, in prep ムービーを⾒たい⽅ご連絡ください！ Mail: kyoshiro0920@gmail.com
- 48. VRセルフ蓮コラ 写真の⼈物や動物よりも「⾃分の⼿」と 認識された対象だと・・・・ Sasaki, ・・・, & Yamada, in prep ムービーを⾒たい⽅ご連絡ください！ Mail: kyoshiro0920@gmail.com もはやとんでもない
- 51. 中核的嫌悪とトライポフォビア 傷や腫れ物を連想するため Furuno et al., 2017; Skaggs, 2014
- 52. 中核的嫌悪とトライポフォビア 傷や腫れ物を連想するため Furuno et al., 2017; Skaggs, 2014 本当に？ 傷や腫れ物⾃体は感染するものではない
- 54. 中核的嫌悪とトライポフォビア 表⽰不可能 ⽪膚病を連想 ヘルペスやとびひは形状が 類似している上に感染する 病原体からの⾃動的な回避 ⾏動：⾏動免疫システム (e.g., Schaller, 2011) 嫌悪感 ⾮随意的⽪膚病予防仮説 Involuntary Protection Against Dermatosis hypothesis IPAD仮説 (佐々⽊・⼭⽥, 印刷中; Yamada & Sasaki, 2017)
- 56. IPAD仮説 ⽪膚病歴の有無とトライポフォビック画像 の不快感の関係 ⽪膚病歴の有りの⽅が 不快に感じる Yamada & Sasaki (2017) ⽪膚病有病歴者は⽪膚病を連想し， 感染への強い回避反応を呈した IPAD仮説⽀持
- 57. トライポフォビアのメカニズム トライポフォビア 中域の 空間周波数成分 低域の 空間周波数成分 低次 ⾼次 中核的嫌悪 統合 どの内的処理段階？ どのような重み付け統合？ (そもそも重み付け統合？)
- 58. 展望
- 60. 発達研究 すでに4歳児の研究はある (Can et al., 2017) さらに幼い様々な⽉齢の ⼦どもを調べたい！
- 61. 発達研究 すでに4歳児の研究はある (Can et al., 2017) さらに幼い様々な⽉齢の ⼦どもを調べたい！ どの段階から⽣起するかわかるはず！
- 66. 宣伝 今回の内容は下記の論⽂にまとめています ・佐々⽊恭志郎・⼭⽥祐樹 (印刷中). トライポフォビア―過去から未来へ― 認知科学. ・Sasaki, K., Yamada, Y., Kuroki, D., & Miura, K. (2017). Trypophobic discomfort is spatial-frequency dependent. Advances in Cognitive Psychology, 13, 224-231. ・Yamada, Y., & Sasaki, K. (2017). Involuntary protection against dermatosis: A preliminary observation on trypophobia. BMC Research Notes, 10:658. 必要な⽅は気軽にご連絡ください！ Mail: kyoshiro0920@gmail.com
- 67. 補⾜資料