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経済産業省・モジュール
- 6. METI 経済産業省
5
■情報システム、組込システム、半導体設計に共通する課題
利用分野 ソフトウェアの種類 おもな開発形態 開発に関する課題
情報システム
ハード製品
ロジック半導体
(ASIC)
論理設計
・IT産業による
受託開発
・半導体メーカー
による受託設
計
・製品メーカー
による自前開
発
・組込メーカー
による受託開
発
組込システム
情報システム
・信頼性の確保
・生産性の向上(開
発費の削減)
・開発人材の確保
※ASIC=Application
Specific Integrated
Circuit
private int id;
protected Database database;
protected Trace trace;
private String objectName;
private long modificationId;
private boolean temporary;
protected DbObject(Database database, int id, S
this.database = database;
this.trace = database.getTrace(traceModule);
this.id = id;
this.objectName = name;
signal PRESENT_STATE
begin
SEQ_PROC : process( RESET, CLK )
begin
if RESET = '1' then
PRESENT_STATE <= V0;
elsif CLK'event and CLK = '1' then
case PRESENT_STATE is
when V0 =>
if START = '1' then
PRESENT_STATE <= V1;
end if;
when V1 =>
if ACK = '1' then
Javaで記述した例
VHDLで記述した例
exit (EXIT_FAILURE);
}
static int
applet_name_compare (const void *x, const voi
{
const char *name = x;
const struct BB_applet *applet = y;
return strcmp (name, applet->name);
}
extern const size_t NUM_APPLETS;
C言語で記述した例
モジュール
・パッケージソフト
・IP (標準製品化された
設計モジュール:
Intellectual Property)
・組込モジュール
※特定用途向けの汎用半導
体は、ASSP(Application
Specific Standard Product)
という。
- 8. METI 経済産業省
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研究開発
設計
業務管理
CAD/CAM(CATIA)・・・ダッソーシステムズ(仏) ←ユーザー(ダッソー社)が自ら開発した航空機設計用ツールが発祥
トヨタ、ホンダ 富士重、三菱自動車、日野など多くの自動車会社や 三菱重工、川崎重工、石川島播磨重工など
の航空機、造船会社などにも採用。
ERPパッケージ(SAP R/3)・・・SAP社(独) ←特定のユーザー向け製品が発祥
各部門ごとに別々に構築されていたシステムを統合し、相互に参照・利用できるようにし、財務会計や人事など
データの一元管理等を行う。
構造シミュレーション(NASTRAN)・・・MSC社(米) ←ユーザー(NASA)が自ら開発したツールが発祥
汎用構造解析プログラムのデファクト。航空宇宙、自動車、造船、機械、建築、土木などの様々な分野の構造解
析に広く利用。
電子回路シミュレーション(SPICE) ←ユーザー(カリフォルニア大バークレー校)が開発したツールが発祥
業界のデファクト。HSPICE、PSpiceなど、SPICEから派生したプログラムが多数存在。
半導体設計ツール・・・シノプシス、ケイデンス、メンター・グラフィクス(米) ←半導体メーカーからスピンアウト
3大メーカー(シノプシス、ケイデンス、メンター・グラフィクス)の製品がほとんど。
大手半導体メーカーであれば、顧客からのデータ受け入れが出来るよう、複数導入しているところが多い。
製造
工作機械用NC・・・ファナック(日) ←ユーザー(工作機械メーカ)と共同開発した製品が発祥
加工手順を記述する一種のプログラム言語(Gコード)をファナックが開発。現在ではオープンな業界標準で
はあるが、Gコードを組み込んだ制御盤はファナック製がほとんど。
半導体生産情報システム(SiView Standard)・・・IBM(米) ← ユーザー(IBM)が自ら開発したツールが発祥
最先端半導体ラインに対応した半導体製造工程管理システム。IBM野洲工場の最先端300mm半導体
製造ラインで使われていたものを全世界に展開。(※200mm半導体製造ではHPが大きなシェア)
我が国のユーザー企業は、ソフトウェアの自前開発を進めるが、開発費用やバージョンアップ費用が増大し、やがてモジュール製品に
切り換える傾向があるのではないか。
これらモジュール製品の多くは、海外ユーザー企業用のソフトウェアをモジュール化して外販したもの。そして、グローバルな多くの企業
からの情報を集めてプラットフォーム化されたもの。
我が国のユーザー企業が開発したソフトウェアでも、モジュール化とグローバル展開により、広く普及する可能性があるのではないか。
■あらゆる企業活動にモジュール製品は浸透している~我が国
発のモジュール製品が普及するチャンスはあるはず
- 10. METI 経済産業省
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■自動車設計などにおけるモジュール化の動向
3.モノづくりとCAD
• モノづくりとCADは直結しており、CADの選択に当たっては、モノづくりの現場の声が強く反映される。
• 通常、CADを変更するとモノづくりの工程などの変更が必要であるが、日本ではモノづくりのスタイルが変わらない
よう、CADを大きくカスタマイズすることが多く、その費用は少なくないとの指摘もある。
• グローバルに展開されたCADは、我が国大手自動車メーカーの意見を大幅に取り入れたものとなっており、そのモ
ノづくりのノウハウが反映されている。
1.商用CADへの移行の動き
• 2次元CADの時代は、多くの企業がモノづくりの現場に合わせたCADを内製。
• 90年代後半の海外現地生産の本格化に伴い、海外現地部品サプライヤーとのすり合わせが必要となった。
• 世界中の部品サプライヤーとのスムーズなデータ交換のために、グローバルに販売・展開している商用CADの採
用が進展。
メーカー CAD
トヨタ、ホンダ、三菱 CATIA(仏・ダッソー社)
日産、マツダ I-deas(米・SDRC社)
スズキ、いすゞ Unigraphics(米・UGS社)
SDRCとUGSは、2001年に米EDS社と合併し、EDS社の
PLM Solution部門に。I-deasとUnigraphicsは、将来
Unigraphics NXに統合される予定。
【我が国自動車メーカーの採用CAD】
2.CADのプラットフォーム化
• 同じCAD同士の方がデータ交換は容易であり、自動車メーカーは元請け、孫請け・・・、と裾野まで同じCADを使うこ
とを要請することが多い。
• 流体解析、構造解析、衝突解析などの数値計算ツールの開発企業は、シェアが大きなCADとの連携を第一に考える。
日本の自動車メーカーは、かつては自前のCADを作っていたが、3次元CADの時代になって、多くが海外製
CADへと移行。自動車メーカーが採用したCADは、関連企業でも広く使われることとなり、企業間を超えて自
動車製造のプラットフォームとなっている。また、グローバルなCADサプライヤーには世界の主な企業のモノ
づくりのノウハウが集まることになる。
- 13. METI 経済産業省
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■自動車分野におけるモジュール化の動向
各社の競争領域
iTRON他
(ルネサス、
NECエレ 等)
OSEK/VDX
(ボッシュ等)
欧州向けの
デファクト
ミドルウェア、OS
を含む高信頼・
高機能な
基本ソフトウェア
(AUTOSARで開
発中)
現状
OS
ミドルウェア
アプリケーション
機能の拡張 (ハイブリッド、統合制御 等)
各社の競争領域
自動車の製造原価に占める組込システムの割合は急増しており、開発費の削減・信頼性の確保等が課題。欧州ではアーキテクチャ
の重要性が認識され、モジュール化が進行しており、現地自動車企業主導で、社内LANなどの組込システムの仕様の標準化や基盤
ソフトウェアの開発を行うコンソーシアム(AUTOSAR)が活動中。国内でも同様なコンソーシアム(JASPAR)が発足し、次世代基盤
ソフトウェア、開発ツール等の開発が計画されている。
今後
ミドルウェア、OS
を含む高信頼・
高機能な
基本ソフトウェア
(JASPARで開
発予定)
アーキテクチャ
自動車メーカー
電装品メーカー
半導体メーカー、
組込メーカー他
日本国内の
動向
日本国内の
協調領域
EU域内の
協調領域
OSEK/
VDX
自動車用組込みソフトウェアの規模は、制御系、情報系ともに大規模化。(このため、ハイブリッド車の制御ソフトウェアの不具合発
生など信頼性の問題も指摘されている。)
また、アプリケーション層からミドルウェア、OSに至るまで個別システム毎に作り込んでいる現状ではコスト負担の増大が予想され
る。このため、アーキテクチャの重要性が認識され、モジュール化も進みつつある。また、OSやミドルウェア層など基盤となる非競
争領域については、各社が協調して開発する必要性も指摘されている。
信頼性の高いソフトウェアへのニーズの高まりやソフトウェア開発規模の増大に伴う各社協調領域のプラットフォーム化の必要性を
受けて、欧州においては、国際標準化の議論も睨みつつ、ボッシュ(独)等が主導したコンソーシアム(AUTOSAR)にて高信頼な基
盤ソフトウェアを開発中。(ボッシュ、ベクター(独)等欧州のソフトウェアメーカー及びフリースケール(米)、インフィニオン(独)といっ
た欧米半導体企業が参画)
我が国においても、日本企業中心のコンソーシアム(JASPAR)(幹事会員:トヨタ、日産、ホンダ技研、デンソーなど。日立製作所、
富士通、アイシン精機、東芝、イーソル、ルネサス、NECエレなどが会員)において高信頼な基盤ソフトウェア及び開発ツール類を開
発・整備する構想が計画されている。
- 14. METI 経済産業省
13
■産業機械におけるモジュール化の動向
我が国工作機械産業は、80年代以降、モジュール化(メカニズム部分とCNC部分)によって世界市場を席巻。
(モジュール化で可能となった点)
1. モジュール間の相互依存性をできるだけ少なくすることで、対処可能な複雑性の範囲が広がること
2. 最終製品を構成する個々のモジュールの開発設計・生産を同時に進めることができること
3. モジュール間の独立性を最適に保てるようなインタフェースが設定され、直面する不確実性への適用がより容易になること
具体的には、工作機械のメカ部分とCNC部分のインタフェースが明確に区分され、徹底的な分業が確立。工作機
械メーカー側は、メカ部分のR&Dに注力でき、より複雑なものに対処可能となった。また、先行した一部のCNC
メーカーの製品は多くの工作機械に広く使われ、ユーザー情報を蓄積して完成度が上がり続けている。
なお、上記の動きの中で、工作機械原価に占めるCNC関連費用比率が30~40%相当にまで上昇している。
最近は、CNC化された工作機械同士が情報システムによってつながれ、MESと一体化する傾向にある。これは、
工作機械自体が一つのモジュールとなることを意味しており、工作機械をつなぐインタフェースやMESの重要性
(付加価値)がより増大していく可能性がある。
我が国工作機械産業は、モジュール化を進めることで世界市場を席巻。特に、CNC(Computerized Numerical-
ly Control/コンピュータ数値制御)については、先行した一部CNCメーカーの製品が多くの工作機械に使われ
ることで、ユーザー情報を蓄積し、完成度が上がり続けている。今後、CNCとMES(Manufacturing Execution
System/生産管理システム)との一体化の進展によって、MESの重要性が増す可能性がある。
MES
CNC CNC CNC
- 24. METI 経済産業省
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■ モジュール化に伴うメリット・デメリットと課題
グローバルスタンダードが取れない
• 言語の壁(英語がスタンダード)
• 日本的な緻密なプロセスが海外では受け入れられない
グローバルなマーケティングができていない
多くのモジュールを抱えていても、収益性のあるモジュールが少な
い
モジュール提供者
トップのITへの関与が少ない
• モジュールに業務プロセスを合わせるよう組織を引っ張
るリーダシップが弱い
完璧な機能実現を望む・・・手作り、カスタマイズが増大
• グローバル展開しているERPパッケージの導入でもカス
タマイズが何倍にもなるケースがある
モジュール利用者
複数者(あるいは業
界)でまとまってプ
ラットフォームを構築
するケース
ユーザー企業のソフ
トウェアをモジュール
を製品化して他社に
展開するケース
モジュール専業メー
カーが自社製品を展
開するケース
○非競争領域について不必要にコストをかける必要がなくなる
×非競争領域と競争領域の峻別が困難
○短期的には安価に必要な機能を入手可能
×長期的には当該モジュールの寡占化により保守運用費用が高止ま
る可能性
○多くのノウハウを集めた質の高いモジュールを利用可能
○モジュールが普及すれば、同一モジュールを使う企業間でのデータ
互換性が高まる。
×従来の製品・プロセス等を当該モジュールに合わせることが必要
×自社内への供給を優先するモジュールメーカーから差別的扱いを
受けるおそれ
×ノウハウをモジュール提供者に吸収されるおそれ
○開発コストの回収が可能
○当該モジュールが競争を勝ち抜きシェアを確保すれば高利益率
○(コスト削減により)必要なモジュールの内製化が可能となり、セット
の市場投入時期決定の自由度が増す
×自社セット製品のノウハウ流出のおそれ
×モジュールビジネスの事業規模が本業に比して小さい場合、事業化
に消極的になりがちである
○短期的には安価に必要な機能を入手可能
×長期的には当該モジュールの寡占化により保守運用費用が高止ま
る可能性
○多くのノウハウを集めた質の高いモジュールを利用可能
○モジュールが普及すれば、同一モジュールを使う企業間でのデータ
互換性が高まる。
×従来の製品・プロセス等を当該モジュールに合わせることが必要
○当該モジュールが競争を勝ち抜きシェアを確保すれば高利益率
○モジュールビジネスが本業であり、積極的な事業展開が期待できる
×事業リスクが高い(一定規模の販売量を確保できないと開発コストの
負担が困難になる可能性)
あるIT企業が
あげる課題例
メリット(○)・デメリット(×)
(参考)